●「はいだらー!」の秘密がついに解明!?
2011年9月15日より開催中の東京ゲームショウ2011。KONAMIブース内の特設ステージでは、小島プロダクション(以下、コジプロ)による“Kojima Productions SPECIAL STAGE”を連日開催。4日間で計5回のステージが行われる。
一般公開日初日となる2011年9月17日に行われた3回目のステージでは、ZONE OF THE ENDERSスペシャルと題し、同作にスポットを当てたステージを開催。豪華声優陣をゲストに迎え、作品に関する10年来の謎も明かされた。
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●『ゾーン オブ エンダーズ』シリーズの誕生秘話
コジプロの『メタルギア ソリッド』に続く第2ブランドとして、プレイステーション2プラットフォームで立ち上げられた『ゾーン オブ エンダーズ』(以下、『Z.O.E』)シリーズ。1作目の『Z.O.E』が発売されたのが2001年3月1日、続く2作目の『アヌビス』が発売されたのが2003年2月13日。じつに、『Z.O.E』が発売されてから10年になる。ゲームショウなどでアンケートを行うと、コジプロへの要望の上位に『アヌビス』の続編が挙がるほどファンからの支持はいまだ厚く、この現象は海外でも同様だという。この『Z.O.E』シリーズ2作品は、『HD エディション』として2012年に新生することが決まっており、今回はそれを受けてのスペシャルステージとなる。
これまでのステージと同様、菊地由美さんの司会でイベントはスタート。菊地由美さんの呼び込みで、小島監督、『アヌビス』のディレクターを務めた村田周陽氏、そしてアートディレクターの新川洋司氏が登壇。
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まずは、『Z.O.E』シリーズが生まれるまでの秘話が明かされた。もともとは、岡村憲明氏が九曜大戦(くようたいせん)と呼ばれるRPGのプロジェクトを進めていたが、ゲームデザインが固まっておらず、小島監督との話し合いでロボットアクションに変更された。のちにそれは“アトランティス”というプロジェクト名に変わり、ドリームキャスト向けソフトとして開発が進められることになる。さらに、小島監督による2度のテコ入れ、新川さんの起用などによって、“レゾンデトール”と呼ばれる『Z.O.E』の原型が生まれた。こうした一連の企画立案の流れを、当時の資料とともに振り返った。
▲人型ロボットのオービタルフレームは“メガドライバー”という仮称で呼ばれていた。ジェフティやアヌビスは、新川氏の大学のころに描いたスケッチがモチーフになっている。 |
▲2足歩行で“ガシャンガシャン”と歩くのがロボットの定義とされている中で、足のデザインは新しく、リスクは高かったと小島監督は語った。新川氏は、機体の中央にコックピットを置くことで、それが一体感につながると解説。 |
●アヌビス』の声優キャストが登場!
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続いて、ディンゴ役の井上和彦さん、ケン役の雪野五月さん、レオ役の鈴村健一さんが登場。『アヌビス』の思い出を聞かれると、井上さんは、「カッコよかった。これがやれるんだ、と興奮した」と語り、ディンゴの役作りについては、「力が抜けていて、気持ちがポーンと出る感じ」と印象的なコメントを残した。
雪野さんは井上さんのファンで、その相手役が演じられることに舞い上がっていたと話した。ダブルスパイという難しい役柄に対して、“がんばってやれなければ!”という気持ちでいっぱいだったと当時を振り返った。
鈴村さんは成長後のレオ役ということで『アヌビス』からの参加になるが、じつは前述の“アトランティス”のパイロット版の声を担当していたことを明かした。その後、『Z.O.E』を知り、「この雰囲気知ってるぞ……。(ほかの方が演じていて)なんでやねーん!(笑)」と思ったとのこと。大人のレオ役を演じることで、返り咲いた気分だったとコメントした。また、ゲーム好きで知られる鈴村さんならではの発言としては、「ビックバイパー(KONAMIのシューティングゲームの戦闘機)に乗れたのがうれしかった(笑)」とも語っていた。
●生アフレコと「はいだらー!」の秘密に迫る
続くコーナーでは、豪華声優陣による生アフレコ。現在制作が進められているHDクオリティーの映像に合わせて、アフレコを実演した。数十秒の短いものだったが、井上さんがアドリブを披露。ジェフティとビックバイパーとの戦闘シーンで、「お前がこの機体の持ち主か?」というセリフを「お前がこの屋台の持ち主か? 味噌ラーメンくれ」と言い換え、会場は大爆笑に包まれた。
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その後、ファンにはおなじみの雪野さんによる「はいだらー!」のセリフも実演。長年謎とされてきた“はいだらー!”の意味も村田さんによって明かされた。“はいだらー!”とは、“はげしく いけいけ だめでも らららららー”の頭文字を取ったものと語った。
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●幻の『アヌビス2』を公開!?
イベントの締めくくりは、とっておきのネタとして、かつて制作されていたという『アヌビス2』について語られた。海外市場を見据えたハイスピード・スプラッターアクションというコンセプトで、タイトルは『GUY SAVAGE(ガイサベージ)』。実際の映像も存在するが、あまりに描写が過激なため、会場では残念ながら公開はできなかった。ただし、その映像を出演者が観て、そのリアクションで雰囲気を伝える、というユニークな試みも行われた。『GUY SAVAGE』は日の目を浴びることはなかったが、『メタルギア ソリッド 3』でスネークが悪夢を見ると突入するサブゲームに一部活かされている。
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このイベントの盛況ぶりを見て、小島監督は『Z.O.E』シリーズに対する支持を実感。「『メタルギア ソリッド』をやめてでも、作らないといけない」とコメント。3年後か5年後かはわからないが、新作を携えてまたイベントをやりたいとも語った。
●一般公開日初日のレアうちわは『アヌビス』
コジプロ作品を試遊することでもらえるオリジナルうちわ。
※うちわの詳細については2回目のリポートを参照。
一般公開日初日のレアうちわは『アヌビス』のデザインであることが判明。最終日のデザインは……?
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