●『2』はユーザーからのフィードバックを反映して、さらに楽しみやすくなった!

KO5_4543

▲アレックス・リゴプロス氏(左)とシニア・サウンド・デザイナーの佐藤さち氏(右)。

 Xbox 360 Kinectの魅力を世に知らしめたタイトルとして、世界中で大ヒットを記録した『Dance Central(ダンスセントラル)』。その続編である『Dance Central 2(ダンスセントラル 2)』のプロモーションのために、東京ゲームショウ2011の会期にあわせて、開発元であるハーモニクスのCEO、アレックス・リゴプロス氏とシニア・サウンド・デザイナーの佐藤さち氏が来日。ファミ通.comへのインタビューに応じてくれた。以下、その模様をお届けしよう。ちなみに、ご存じでない方のために説明しておくと、アレックスは『ギターヒーロー』シリーズや『ROCK BAND』シリーズなどを手掛けた、いわば音楽ゲームの仕掛け人的な存在だ。

――『1』は世界中で大ヒットを記録しましたが、『1』での成功を受けて、『2』はどのようにしようと思ったのですか?

アレックス 私たちが新しいタイトルを出すときは、ユーザーの皆さんが何を求めているのか、私たちのソフトのどの点を気に入ってないのか?といったような、ユーザーとのコミュニケーションを最重要視しています。これまでも、皆さんのフィードバックを反映して新しいタイトルをリリースするということをしてきました。『Dance Central 2(ダンスセントラル 2)』でもそのやりかたを踏襲しているのですが、『2』をリリースするにあたっては、いくつかのポイントがありました。ひとつめは、『1』ではシングルプレイにフォーカスしていたのですが、『2』では複数の人が同時に楽しめるマルチプレイを特徴としているということです。ボーイフレンドやガールフレンドと楽しむととても楽しめると思います。

――複数プレイはまさに望まれていたフィーチャーですね。

アレックス さらに、新しいキャラクターを登場させてストーリーラインを加味させていることも大きな特徴です。こちらは“クルーチャレンジ”というのですが、プレイヤーはほかのクルー(対戦相手)とダンスバトルをして勝負していくことになります。ストーリー性を加味した理由に関しては、ソーシャルゲームで複数の人が楽しむときは、ストーリーラインはそんなに重要ではないのですが、シングルプレイでひとりが深く楽しむためには、ストーリーラインが求められるようになるからです。

FLash4wrd1
Flash4wrd2

▲“クルーチャレンジ”でストーリー性が加味された。

――なるほど。より楽しみがいが増しそうです。

アレックス そして、“ブレイク イッツ ダウンモード(プラクティスモード)”も大きく改善されています。まずは音声認識に対応しています。「スロウ」としゃべることで動きがゆっくりになったりするのですが、操作がより簡単になりました。また、すべてのダンスプログラムをひとつひとつ個別に練習できるようになっています。たとえば、ほとんどのダンスムーブはマスターできたのに、いくつかの動きはうまくいかないというときに、『2』では、うまくいかない動きだけをピックアップして集中的に練習することもできるんです。

Break_It_Down1
Break_It_Down2

▲こちらは英語版の画面写真となるが、“ブレイク イッツ ダウンモード(プラクティスモード)”では、練習に取り組みやすくなった。

KO5_4560

▲こちらは日本語版のインターフェース。うっすらと“フィットネス”の文字が見える。

――練習も、より取り組みやすくなるということですね。

アレックス あと“フィットネスモード”の充実もあります。『1』と比べると、『2』の“フィットネスモード”は大きく改善されています。消費カロリーなどは前作でも表示されていたのですが、『2』では複数の楽曲を選んで一挙に流せるようになりました。

――まさに、フィットネスクラブのプログラムを受けるような感覚で楽しめそうですね。

アレックス はい(笑)。あと、根本的なところでは、収録曲がより充実しているというのもあります。よりビッグなアーティストの楽曲が『2』には収録されています。『1』の曲を『2』にエクスポートすることも可能なので、ダウンロードコンテンツも合わせると、『2』では100曲以上も楽しめることになりますよ。そして、初めて日本のアーティストのEXILEの“I Wish for You”も採用されていますよ。

――日本人アーティストの中からEXILEを選んだ理由は何なのですか?

アレックス 日本のマイクロソフトのスタッフなどと相談して選んだのですが、人気があるということはもちろんですが、“ダンスをして楽しめる”という点もセレクトの大きな理由になりました。日本人アーティストに関しては、ダウンロードコンテンツとしてどんどん入れたいと思っています。

――おお、それは楽しみです。何か具体的な予定などはありますか?

アレックス まだ、誰かは言えません(笑)。「この人を入れてほしい」という人がいたら、ぜひレコメンドしてください(笑)。そのへんはさちの仕事になりますね。

――佐藤さんはどのようなお仕事を?

佐藤 オーディオリードとして、曲選びとか、ゲームの中のサウンドエフェクトとかを担当しています。EXILEに関しては、マイクロソフトさんとご相談のうえ、全部で10〜15曲の中からセレクトしています。

――曲選びそのものの基準なんてあります?

佐藤 バラエティーの豊富さですね。中心になるのはホップだったりR&Bだったり、最近のヒップホップだったりするのですが、それだけではなくて、レゲドンとかダンスホールとか、いろんなジャンルをカバーしています。年齢層も幅広く楽しんでいただけるようにしています。とはいえ、いちばん重視したのは、さきほどアレックスも言いましたが“踊って楽しい”というところですね。

――とくにこの曲は入れたかったというのはあります?

佐藤 たくさんあります。

アレックス 全部入れたかった曲です(笑)。

佐藤 『2』ではゲームがどんなものであるか、説明しなくてもわかってもらえるようになったので、収録する際の交渉ではそんなに苦労しなかったです。

――そのほかオーディオまわりで気をつけたことなどありますか?

佐藤 今回“クルーチャレンジ”では、ボイスを収録しているのですが、そのへんも前よりも力を入れています。

KO5_4562

▲気さくに質問に応じてくれるアレックス。自身はドラマーで、ダンスは酔ったときではないとしないそうだ。

――Kinectについて聞かせてください。『Dance Central(ダンスセントラル)』は北米ではKinect本体との同時発売タイトルとして注目を集めましたが、Kinectに取り組んでいかがでしたか?

アレックス 私たちはダンスゲームを作りたいという思いを10年以上も持っていました。問題は、それまでの既存のゲーム機では、マットを使ったりコントローラを握ったりと、体全体を使ってダンスできるような仕組みにはなっていなかったということです。私たちにとってダンスとは体全体を使って遊ぶものだったんです。それでKinectを見たときに、「体全体の動きを追いかけることができる、私たちが考えていたことが実現できる仕組みだ!」と思ったんです。

――最初はノウハウもないので、開発がたいへんではありませんでしたか?

アレックス Kinectに限らず、新しい技術を使って何かをするということは、つねに我々にとってテーマです。Kinectを使って新しい何かを作ることは、むしろ私たちにとって喜びと言えるかもしれません。そういった意味ではKinectでの開発は楽しかったですよ。

――ということは、今後も『『Dance Central(ダンスセントラル)』シリーズは継続して楽しめそうですね。

アレックス 『Dance Central(ダンスセントラル)』に関しては、大きな計画を持っていますよ。これから長い間、ダンスゲームをリリースしていくということをお約束します。

――それにしても、『Dance Central(ダンスセントラル)』をリリースしての反響はけっこう大きかったのでは?

アレックス ダンスというのは人に深い喜びを与えるものですが、人前で踊るとなると少し恥ずかしいという人も多かった。でも、『Dance Central(ダンスセントラル)』はゲームなので、「こういうのがあるので、ぜひ踊りましょう」という感じで誘いやすい。それで、皆さんが気軽にダンスを踊れるようになったのが、とてもうれしかったですね。

――ああ、『Dance Central(ダンスセントラル)』がダンスする人を増やしたということですね?

アレックス おっしゃる通りです! 『Dance Central(ダンスセントラル)』を遊ぶことで人とのつながりも増えますし。たとえば、今年の6月のE3では、『Dance Central(ダンスセントラル)』のダンスステージがあったのですが、そこで踊っていたカップルで、男性が女性にプロポーズした、ということもありました。

――最後にファミ通.comの読者にひと言!

アレックス ダンスを踊ると気持ちよくなるので、『Dance Central 2(ダンスセントラル 2)』で踊ってください!

佐藤 ぜひ、ダンスを楽しんでください!

DanceBattle01
DanceBattle02
DanceBattle1
DanceBattle2
DanceBattle3