●日米英が組み、『デビル メイ クライ』が生まれ変わる

 2011年9月15日〜9月18日まで、千葉県の幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2011。会期2日目、カプコンブースではプレイステーション3、Xbox 360用ソフト『ディーエムシー デビル メイ クライ』のステージが実施された。

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 昨年の発表以来、続報がほとんどない状態だった本作だが、今回のステージではゲームの世界観を始め、主人公ダンテの設定、さらには実機デモと新情報が盛りだくさんの内容に。プレゼンを行ったのはプロデューサーの江城元秀氏と、カプコンUSAのプロデューサーのアレックス・ジョーンズ氏。『ディーエムシー デビル メイ クライ』はこの日本とアメリカのカプコンに加えて、開発会社としてイギリスのデベロッパー“ニンジャセオリー”を起用。日米英がガッチリと組み、「海外のビジュアルセンスとカプコンのアクションのノウハウを融合」(江城)させて、『デビル メイ クライ』シリーズを生まれ変えさせる狙いだ。ステージ冒頭でお披露目された最新ムービーは、その言葉に十分な説得力を与えるド迫力かつスタイリッシュな内容で、終了後には会場から自然と拍手が起きていた。

 『ディーエムシー デビル メイ クライ』の主人公はいままで通り“ダンテ”だが、その容姿および設定は大きく異なる。まず見た目では印象的だった銀髪が黒髪となり、表情もどこか若々しい感じになっている。“人間と悪魔のハーフ”という設定は本作で“天使と悪魔のハーフ”へと変更された。これに併せてアクションも若干違うものに。銃と剣を使ったアクションという基礎は残しつつ、新たに天使と悪魔のモード切り替えを取り入れ、それぞのモードによって攻撃方法がガラリと変わるのだ。具体的に言うと天使は鎌を使ったスピーディーなアクションが特徴で、悪魔のモードでは斧をパワフルに振り回す。主人公の大幅なチェンジは、日米カプコンとニンジャセオリーが長い時間をかけて話し合った結果だ。とは言え、大手ブランドの主人公を作り直すというのはかなり勇気がいる行為だったようで、「ワクワク感はあるけど正直怖い。お父さんのフェラーリを借りているような感じだよ(笑)」(アレックス)とコメントしていた。

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 世界初となる実機デモでは、ゲームプレイの面においても『ディーエムシー デビル メイ クライ』が従来とは大きく異なることが実感できた。本作の舞台は現実と悪魔の世界をつなぐ場所“リンボー”。ここにはふつうの人間は入ることができず、悪魔と天使のハーフであるダンテだけが入ることができる。なので、町を歩いていて悪魔が登場し、リンボーがその本領を発揮すると、同行していた人間は消え、影だけの表示になってしまうのだ。また、町全体がまるで生きているかのように変化する点も特徴のひとつ。江城氏によればリンボーとのダンテの関係は、リンボーが人間の体だとすれば、ダンテはウィルスのようなものであると説明。リンボーはウィルスを排除するために悪魔をけしかけ、また自身の体を動かしてダンテを殺しにかかってくるのである。実機デモでは町が変化する様子も披露。建物が折れ曲がり、壁が迫り、突如地面が避けるといった具合で、それを華麗なアクションでつぎつぎに切り抜けていく様は「カッコイイ!」のひと言だ。

 アクションの面でも、先に紹介した天使と悪魔モードの切り替え以外にさまざまな変化が加えられている。これまでのシリーズでも流れるようなコンボはウリだったが、本作では“空中コンボ”の実用性が大幅に強化。「空中でのアクションを思うがままに作れるので、戦いの幅がさらに広がります」(江城)。実際デモプレイでも、敵をワイヤーのようなもので引き付けたり、または空中移動“エンジェルダスト”を駆使するといった具合にほとんど地面に足を付けずに、複数の敵を倒していく姿を確認することができた。“デビルトリガー”も健在で、本作では使用中にダンテの容姿が“銀髪&真っ赤なマント”に変化するという演出を挿入。また、今回見せてもらったデビルトリガーは、敵が一定時間中に浮くというもので、空中コンボをうながすような効果となっていた。

 そのほか、バトル中のサウンドがプレイヤーのテンションに合わせてリアルタイムで変化するというシステムも明らかに。コンボをつなげるなどしてダンテの攻撃が激しくなればなるほど曲も激しいものとなり、プレイへの没入感もさらに増すのだ。

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 ステージの最後では、ゲーム以外の展開としてハリウッドで『デビル メイ クライ』の映画化が決定したことが発表に。制作はスクリーン・ジェムズ社で現在は脚本を仕上げている段階にあるとのこと。

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