●夢のタッグバトルがついに解禁!

 千葉県の幕張メッセにて開催されている東京ゲームショウ2011(2011年9月15〜18日開催)。同イベントのカプコンブースにて出展されている対戦格闘ゲーム『ストリートファイターX(クロス)鉄拳』のプレイリポートを週刊ファミ通の格闘ゲーム好き編集者、豊泉三兄弟(次男)がお届けする。

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まずは、プレイリポートの前に本作の概要を説明。本作はプレステーション3、Xbox 360、PS Vitaの3機種で発売が予定されている対戦格闘ゲーム。人気対戦格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズと『鉄拳』シリーズがコラボした夢の作品。ゲーム内容は、各シリーズからの登場キャラクターから自由にタッグを組み、バトルをくり広げるというもので、2対2ならではの要素が多数搭載されています。

 本作は、これまで“EVO2011”などの海外イベントではプレイアブル出展されてきました。僕の編集部での立ち位置は、海外取材組みではなく現地居残り組み。そんなわけでこれまで本作をプレイする機会に恵まれず、「なんで日本のファンは遊ぶことができないんだ! 海外だけずるいぞ!」という想いでいっぱいでした。しかし、ついに東京ゲームショウ2011で国内初のプレイアブル出展となったわけです!

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『ストクロ』ブースのコンパニオンさん。試遊すると手にもっている手ぬぐいがもらえるのだ。

 東京ゲームショウ2011開幕後、ブースリポート系の仕事を早々に終わらせた僕は、カプコンブースへダッシュ! 僕がブースに到着したのはちょうど昼の12時くらい。その時点でブースには行列ができていた。近くにいたスタッフの方に確認すると、待ち時間は20分程度。一般日に比べて来場者の少ないビジネスデーで20分くらいということは、17日からの一般日ではこれ以上の盛況っぷりが予想できそう。とはいっても、待っている間に本作のインストカード(操作方法などの解説が載っているカード)を見ることができるので、これでキャラクターの必殺技やシステム解説を読んで予習したり、ブース内のモニターに映し出される映像を見ていれば、あっという間に順番がまわってくると思います。そんわけで僕はプレイ前にインストカードで必殺技コマンドを予習。そこで僕はあることに気付いた。『ストリートファイターIV』(以下『ストIV』)シリーズからの参戦キャラクターが多い本作ですが、『ストIV』シリーズにはなかった新技を習得していたり、既存技のコマンドが変化しているキャラクターがいたんです。たとえば、リュウは新技として“上段足刀蹴り”が追加されているし、春麗は“百裂脚”が従来のボタン連打技からコマンド技へと変更されていました。新技の追加はわかりますが、慣れ親しんだコマンドを変更するとは開発スタッフはずいぶん思い切ったことをするなぁと関心。これについて付き添っていただいた広報さんに聞いてみたところ、「本作のシステムにマッチする形に変更した」とのこと。なるほど。単純に『ストIV』シリーズから持ってくるだけではなく、しっかり本作のシステムに合わせてアレンジしているんですね。すごい!

 そんなこんなで、ついに僕の順番がまわってきました! 東京ゲームショウ2011で遊べるのは、プレイステーション3版とXbox 360版。席の空いた場所へ誘導されるので、どちらの機種で遊ぶかは選べないようです。些細なことですが、機種が違うとキャラクターの決定ボタンが異なるので注意が必要。ちなみに、操作方法がまったくわからない場合は近くのスタッフさんが丁寧に教えてくれるので安心だぞ。今回遊べるのは対戦モードのみとなっていたので、ひとりでブースを訪れた僕は、特別に広報さんに対戦相手を務めてもらった。

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マッドキャッツが開発中という専用のアーケードスティックを使ってプレイできた。

 今回のプレイで僕が選択したキャラクターはリュウと一八というそれぞれのシリーズの主人公格。ちなみに、今回のバージョンでは、先日発表されたばかりのロレントや平八を含む総勢26キャラクターが選択可能となっていた。しかし、キャラクター選択画面には空きスペースもあったので、登場キャラクターはまだまだ増えていきそう。キャラクター選択を終えると、お互いが選択したキャラクターの顔が大きく映し出されるVS画面が表示。キャラクターグラフィックは『ストIV』シリーズよりも描き込まれているというか、アニメチックな『ストIV』シリーズとは異なり劇画調。というか『鉄拳』シリーズのような雰囲気でした。と、画面をまじまじと見つめているとリュウの目がギョロリ。ビックリして思わず「おー」と声を出してしまいました。それだけ迫力のある画面なんです(笑)。

登場演出を終えて試合開始。まずは先に登場したリュウを操作。「波動拳! 波動拳! 昇龍拳!!」と、『ストIV』シリーズと同じ感覚で遊ぶことができた。そんな感じでひとつひとつ技を試していたら広報さんにリュウがやられてしまいました。すると「KO!」と1ラウンド目が終了。「あれ? タッグ戦だからふたりいるんじゃないの?」と、あっけにとられた表情をしていると広報さんが「どちらかひとりがやられると負けになっちゃうので、キャラクターを入れ替える“パートナーチェンジ”をうまく使いながら戦うといいですよ」とアドバイスをいただいた。早くも『ストIV』シリーズとの違いを感じられた瞬間でした。そこで、さっそくパートナーチェンジを使ってみることに。中パンチと中キックボタンを同時押しすると、画面にいたキャラクターが画面外へ走っていき、入れ替わりでパートナーが走って登場する仕組みのようだ。このパートナーチェンジはもっとも基本となるもので、必殺技をキャンセルしてパートナーと入れ替わる“キャンセルチェンジ”という上級者向けの要素もある。さらには相手を空中に浮き上がらせる攻撃を放ち、ヒットするとパートナーと入れ替わる“ランチアタック”というものもあるようだ。つまり、このパートナーチェンジやランチアタックを使った駆け引きが本作の醍醐味なんです。上級者にもなると、ランチアタックで相手を空中に浮き上がらせ、入れ替わりで登場したパートナーがコンボを叩き込み、さらにパートナーチェンジして追撃を加えるといった、超絶コンボが可能。僕はというと何度かプレイしてようやくできるようになりました。かなりのテクニックが必要になりそうですし、バリエーションも豊富なので、これは研究の価値ありですよ! 
「コンボとか難しそう……」という人にオススメなシステムもたくさん搭載してあるので、安心してください。そのひとつは“クロスアサルト”! これはパートナーも画面に登場し、ふたり同時に戦えるというまさにタッグ戦ならではのシステム。もちろん、相手もクロスアサルトを発動すれば、なんと画面上に4人が出現して戦えます。画面内に4人が登場して戦うハチャメチャなバトルは、一般的な格闘ゲームにはまず搭載されていないシステムなので、ぜひ一度体験してみてほしいと思います。ちなみに、クロスアサルト中のパートナーはCPUが操作を担当してくれるので初心者には心強いと思います。そして、もうひとつのシステムは、クロスアーツ。これはいわゆるパートナーとの合体攻撃。決まるとキャラクターがクローズアップされるド派手な演出が入り、夢のタッグによる攻撃で大ダメージが与えられるのだ。もうカッコよ過ぎるので対戦相手にお願いしてでも見る価値があると思います。最後に超初心者向けのシステム“スーパーチャージ”を紹介。なんと本作では特定の必殺技はボタンの長押しで“溜め”が作れ、最大まで溜めると強力必殺技“スーパーアーツ”がくり出せるんです。「たくさんのシステムを一度に覚えられない」という人は、インストカードでスーパーチャージ対応技をチェックしておきましょう。なんせ、必殺技さえ出すことができればボタン押しっぱなしで超絶必殺技がくり出せちゃうんですからね。 

ここまでのリポートで「『鉄拳』キャラはどうなのよ?」という『鉄拳』ファンの声が聞こえてきそうですが、ご安心ください。カプコンさんは『鉄拳』ファンも楽しめるようにしっかり作り込んでいます。『鉄拳』といえば、ボタンを特定の順番に押していくことでつぎつぎと技がつながっていきますよね? そういった要素が本作でもあるんです。攻撃ボタンを弱、中、強、強の順番にリズムよく押していくと、通常技の連携からランチアタックまでをくり出す連続技がくり出せるんです。『鉄拳』のようにバシバシ技をくり出していく爽快感が味わえちゃうんです。もちろん、そのほかにも4ボタンを使った『鉄拳』ファンにはおなじみの“固有技”が収録されています。『鉄拳』ファンの方ならすぐに見つけられると思うので、ぜひ試してみてください! 

 本作は『ストIV』ライクに遊べつつ、空中コンボを代表とするバシバシと連続攻撃を叩き込む『鉄拳』ならではの爽快感もふんだんに取り入れられています。さらに、従来の格闘ゲームの常識を覆すようなタッグ戦ならではの斬新なシステムに加え、初心者も楽しめるスーパーチャージも搭載しています。さらにこれら多数のシステムを駆使することで可能になる超絶コンボといった要素もあり、『ストリートファイター』ファン、『鉄拳』ファンはもちろん、格闘ゲーム初心者から上級者まで、幅広い層のプレイヤーが楽しめるのが『ストリートファイター(クロス)鉄拳』なんだと感じました。僕は取材時間の許す限り遊んでしまうほど熱中してしまったので、ぜひ東京ゲームショウ2011ではカプコンブースにて来てみてください!

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↑カプコンブースでプロデューサーの小野さんをパチリ。「覚えきれないくらいたくさんのシステムがありますね」という僕の質問に対して小野さんは「ユーザーの皆さんに末永く遊んで欲しいので、いろいろな要素を詰め込みました。」とおっしゃっていました。また、「キャラクターが追加されそうな空きスペースがありましたが?」と質問すると「キャラクター選択時の背景にある壁が埋まるくらいまでは増えますよ! まだ折り返し地点なので、今後の続報に期待してください」といううれしい回答をいただけました。今後の発表に注目しよう!

Text by 豊泉三兄弟(次男)