●怒濤のカンファレンス Wiiに関する新発表も多数

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▲E3などではおなじみの姿。「アメリカではよくやるんだけど、日本だとちょっと恥ずかしいですね」(宮本氏)。

 2011年9月13日、東京ビッグサイトにて、ニンテンドー3DSの最新ラインアップを発表する“ニンテンドー3DSカンファレンス 2011”が開催された。時間にしてわずか1時間ほどながら、過去に例を見ないほど驚きに満ちた、充実した内容となったカンファレンス。その詳報をお届けしよう。

 カンファレンスの開幕を飾ったのは、ゼルダの伝説シリーズ最新作『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』(以下、『スカイウォードソード』)の映像だ。始まりの村“スカイロフト”からダイブしたリンクが“ロフトバード”を呼び、空を自由に飛び回る映像がひとしきり流れた後、『ゼルダの伝説』25周年記念ロゴが表示されて映像は終了。続いて表れたのは、マスターソードとハイラルの盾を携えた、宮本茂氏だ。

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 宮本氏は、「ニンテンドー3DSの展開についての発表の前に、少し『ゼルダ』の話をさせてください」と前置きし、今年25周年を迎えた『ゼルダの伝説』記念企画について発表を行った。2011年10月10日にはオーケストラコンサートが開催されること、“ゼルダうごメモコンテスト”、DSiウェア『ゼルダの伝説 4つの剣』などは既報の通り。ただし『ゼルダの伝説 4つの剣』については、25周年記念エディションの特別版で、プレイヤーを切り替える機能が追加されており、ひとりでも、友だちとでも楽しく遊べるということが明かされた。

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▲“ゼルダうごメモコンテスト”はすでに締切を迎えており、現在審査中。世界中からたくさんの作品が集まっているとのこと。発表会では、任天堂スタッフの手による作品が披露されていた。

▲『ゼルダの伝説 4つの剣』は、25周年記念エディションとしてDSiウェアとなり、期間中無料でダウンロード可能になる。

 そしていよいよ、『スカイウォードソード』についての説明が始まった。本作について宮本氏は、「なんて言うか、スゴイです。本当にスゴイとしかいいようがない」とコメント。100名を越えるスタッフが5年間かけて作り上げたというその内容は、「シリーズ過去最高で、内容の濃密さも超弩級です」(宮本氏)。宮本氏のプレイ時間は、すでに数百時間単位に及んでいるということも明かされた。
 続いて、映像に合わせて解説を加えていった。ここからの解説は、E3で公開された内容が、本当にごく一部に過ぎなかったことを思い知らされる内容。リンクの持つ“スカイウォードソード”で何らかの文様を描いたり、「天空のパワーを集めて謎を解いたり」(宮本氏)、といった要素が新たに判明したほか、新アイテムとして、中から何かが吹き出して砂や敵を吹き飛ばす“魔法の壺”や、虫を捕獲できる“虫取り網”などが存在することも明らかに。また、捕獲した虫を使ってアイテムを強化するなど、サブイベントやミニゲームも豊富に用意されているようだ。

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▲水中では、Wiiリモコンを傾けて操作する。

▲ポインターを使った操作は極めて快適とのこと。

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▲虫取り網が久々に復活!

▲やり込み要素は膨大な量に及ぶようだ。

▲シリーズおなじみのテリー。今回は飛行船に乗って登場するらしい。

 宮本氏によると、総プレイ時間は「50時間、100時間かもしれません」とのこと。さらに遊び終わった後には、ボス専用バトルが楽しめたり、ヒントムービーシステムなどの初心者用ガイド機能も充実しており、初めてプレイする人も、歴代『ゼルダ』をやり込んでいる人でも、満足できる内容になっているそうだ。

 最後に宮本氏は、「遊び終わって、体に残るプレイ体験があります。もうボタンで剣を振る、というのは考えられなくなりました。新しいインタラクティブ体験が作れたと思います。『スカイウォードソード』で、ぜひ冒険を楽しんでみてください」と語り、『ゼルダの伝説』関連のプレゼンテーションは終了となった。

●『星のカービィ』や『ポケパーク2』などWiiソフトも充実!

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 続いて登場したのは、任天堂取締役社長の岩田聡氏。岩田氏のプレゼンテーションも、まずはWii用ソフトの今後の展開に関する内容から始まった。

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▲2011年9月15日発売の『ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III』。

▲全世界で760万本以上販売した大ヒットタイトルを、任天堂とユービーアイソフトの共同開発で、日本向けにアレンジした『JUST DANCE(ジャストダンス)Wii』は2011年10月13日発売。「『みんなのリズム天国』に続くヒットタイトルに」(岩田氏)と、かなりの力作となっている模様。

▲『ファミリースキー』などをヒットさせた開発チームが手掛けるバンダイナムコゲームスの『ゴーバケーション』は2011年10月20日発売。

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▲据え置き機向けの王道『カービィ』としては11年振りとなる新作『星のカービィ Wii』は2011年10月27日発売。

▲人気シリーズの最新作『太鼓の達人Wii 決定版』は2011年11月23日発売。

▲『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』は2011年11月23日発売。特別仕様のWiiリモコンプラスと、25周年オーケストラコンサートのスペシャルCDが同梱された数量限定の限定版も同時発売されるとのこと。なおスペシャルCDは、2011年内に限り通常版にも同梱されるようだ。

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▲『ドラゴンクエスト』25周年記念ソフトの第2弾、『いただきストリートWii』は2011年12月1日発売。

▲『マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック』は2011年12月8日発売。

▲『ポケパーク2』は2011年冬発売。

 Wii関連のプレゼンテーションのまとめとして、まず岩田氏は、「今年に入ってから、Wiiの新作の発売間隔が空いてしまい、ご心配をおかけしました」とコメント。しかしここまでに挙げたように、年末にかけてソフトが充実することを改めてアピールし、「Wiiはこれだけ広く普及していますから、『みんなのリズム天国』がそうであったように、魅力的なソフトが発売されれば、幅広く楽しんでいただくチャンスがあります」と、据え置きゲーム機で普及台数ナンバーワンである強みを力説。年末商戦を盛り上げていく意気込みを語って、Wii関連のプレゼンテーションは終了となった。

●新色&多彩なソフトでニンテンドー3DSを男女バランスよくアピール

 続いて、いよいよこのカンファレンスの本題、ニンテンドー3DSに関する発表が始まった。まず岩田氏は、ニンテンドーDSとWiiが、男女バランスよく遊ばれているハードであることを指摘したうえで、ニンテンドー3DSは女性ユーザーの比率が低いことを説明。それに対応する施策として、新カラー“ミスティピンク”のニンテンドー3DSを、2011年10月20日に発売することを発表した。
 また、2011年11月には、本体更新により、3D動画撮影の実装、すれちがいMii広場の強化、eショップの改善などさまざまな機能強化を行うことも明かされた。

 つぎに、任天堂のソフトが立て続けに発表されていった。

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▲『スーパーマリオ3Dランド』は2011年11月3日発売。「宮本さんも、3Dマリオの長年の課題を解決できたと言っています」(岩田氏)。

▲『マリオカート7』は2011年12月1日発売。ローカル通信はもちろん、インターネット経由でも最大8人でのプレイが可能。さらに、フレンドリストから、いまプレイ中のともだちと合流する機能も実装されることが明らかに。

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▲『マリオテニス』は2012年発売。従来タイプの操作方法に加え、本体を垂直に構えると、シームレスにジャイロモードに移行。カメラが背後に回り、自在にコースの打ち分けが可能になる。

▲『ペーパーマリオ』は2012年発売。「紙のようなペラペラな世界ですが、重なり合う部分がわかりやすく、非常に立体視と相性がいいゲームです」(岩田氏)。

▲『ルイージマンション2』は2012年発売。

▲『マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック』は2012年発売。

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▲『どうぶつの森(仮称)』も2012年発売! 村長になって村おこしをしたり、自分だけの個性的な村にすることができるとのこと。ローカル通信、Wi-Fi通信で離れた人とも交流できるほか、すれちがった人の家を、住宅展示場のモデルルームとして見ることができるという。

▲『ガールズモード(仮称)』は2012年発売。ニンテンドーDSからニンテンドー3DSになり、表現力が向上したことにより、ファッションアイテムがよりリアルに。アイテム数が増加しただけでなく、バッグやメンズファッションも登場し、バリエーションがグッと増加する。ショーウィンドウの飾り付けや、通信モードなど多彩な要素を追加し、「あらゆる女性の欲求に答える、欲張りな内容になっています」(岩田氏)。

▲『トモダチコレクション(仮称)』は発売日未定。フットボールアワーの岩尾望が夫、椿鬼奴は妻、というちょっとアレな夫婦のなれそめから、子どもができるまでの様子が、Miiで再現されていた。今回は夫婦になると一戸建てでの暮らしが始まり、子どもが生まれるようになっているとのこと。

 老若男女に広く支持される人気シリーズ最新作をつぎつぎと紹介した後、岩田氏は「女性に支持されるソフトがつぎつぎと発売されます。新色の展開と併せて、ニンテンドー3DSでも男女バランスよく普及させていくことを目指します」と語った。しかし続けて、「ここまで紹介したソフトに興味がない方もいると思いますので」(岩田氏)と前置きしたうえで、任天堂が発売する、よりコアなゲーマー向けのソフトについてのプレゼンテーションが始まった。

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▲『カルチョビット(仮称)』は2012年発売予定。『ダービースタリオン』でおなじみの薗部博之氏が長期間にわたって開発してきたサッカーシミュレーションゲーム。ネットワークを活用した遊びも充実するようだ。

▲『カルドセプト』は2012年発売。任天堂からの発売となり、開発元の大宮ソフトは、徹底的にチューニングに時間をかけているという。ネットワーク機能が充実しているほか、初心者でもすぐ楽しめる新仕様を導入しているらしい。

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▲『心霊カメラ 〜憑いてる手帳〜』は発売日未定。開発はコーエーテクモゲームスの『零』シリーズの開発チーム。ARを活かした新しいスタイルのホラーゲームとなるようだ。

▲『ファイアーエムブレム(仮称)』は2012年発売。『ファイアーエムブレム』シリーズ久々の完全新作で、シリーズで初めて、仲間ユニットと協力して戦えるシステムが導入される。そのほか、過去のシリーズで好評だったシステムを積極的に取り込んでいるという。

●サードパーティーからも有力タイトル続々!

 続いては、サードパーティーからの新作紹介。このカンファレンスで初お披露目となるソフトを中心に、すでに発表済みのタイトルについても、発売日などの詳細が明かされていった。

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▲コーエーテクモゲームスの『真・三國無双VS(バーサス)』は2012年発売。シリーズの持ち味である一騎当千の爽快感に加えて、携帯機ならではの、プレイヤーどうしの対戦要素も充実しているとのこと。

▲スクウェア・エニックスの『ブレイブリーデフォルト』は2012年発売。「日本のゲームファンがもっともなじんできた、RPGの王道、正統派を目指して、純度を高めることを目指して作られていると聞いています」(岩田氏)。ARを利用したおもしろい仕掛けも用意されているらしい。

▲バンダイナムコゲームスの『SDガンダム ジージェネレーション3D』は2011年12月22日発売。初代ガンダムから『機動戦士ガンダムAGE』まで登場するとのこと。

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▲セガの『プロジェクト ミライ(仮)』は2012年3月発売。20曲以上を収録し、ARコンサートなども楽しめる。

▲カプコンの『バイオハザード リベレーションズ』は2012年初頭発売。ホラーアドベンチャーの原点に立ち返った内容で、「グラフィックはニンテンドー3DSで最高クラスです。立体視で怖さの臨場感、迫力がさらに増しています」(岩田氏)。

▲バンダイナムコゲームスの『エースコンバット3D クロスランブル』は今冬発売。「『スターフォックス64 3D』を体験した方なら、立体視でのドッグファイトが魅力的であることはご存じだと思います」(岩田氏)。

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▲バンダイナムコゲームスの『鉄拳 3D プライム エディション』は今冬発売。任天堂ハードで初となる3D対戦格闘の『鉄拳』。歴代シリーズから多数のキャラクターが登場する。3D映画『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』丸ごと1本収録される。

▲スクウェア・エニックスの『シアトリズム ファイナルファンタジー』は今冬発売。『FF』シリーズの楽曲を題材にしたリズムアクションで、『1』から『13』まで、すべてのシリーズから人気曲がチョイスされており、ムービーも多数収録されているとのこと。

▲スクウェア・エニックスの『スライムもりもりドラゴンクエスト3 大海賊としっぽ団』は2011年11月2日発売。『ドラゴンクエスト』25周年記念ソフトで、「『ドラゴンクエスト』シリーズでは最初のニンテンドー3DS用ソフトです」(岩田氏)。

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▲レベルファイブの『ガールズRPG シンデレライフ』は2011年発売。1000以上のアイテムを自由にカスタマイズして楽しめることに加えて、多数の著名キャラが来店するのも魅力。「女の子だけではなく、著名キャラのファンにもアピールできるタイトルです」(岩田氏)。

▲KONAMIの『NEWラブプラス』は2011年12月8日発売。ニンテンドー3DSならではの機能や、ネットワーク機能で、前作から大幅にパワーアップ。現実の時間とゲーム内時間がリンクし、四季折々のイベントや、プレイヤーどうしの交流も楽しめる。

▲KONAMIの『メタルギア ソリッド スネークイーター 3D』は今冬発売。立体視、携帯機にマッチするバランス調整を施しているとのこと。

 サードパーティーからのラインアップが紹介された後、気になる『新・光神話 パルテナの鏡』の新情報が明かされた。岩田氏は「任天堂タイトルで、もっとも大きなスケールの作品として製作していますが、どうしても、イメージした通りの品質には時間がかかります。いましばらくお待ちいただきたい」と語り、本作の発売日が延期となり、2012年の第一四半期、つまり2012年1月から3月のあいだに発売となることが発表された。
 また、新たなプロジェクトとして、国内屈指のアニメーションスタジオであるプロダクションI.G、スタジオ4℃、シャフトが、それぞれ独自に『新・光神話 パルテナの鏡』のオリジナルアニメーションを制作中であることが発表された。それぞれ3分程度の尺となり、全世界に無料で配信される予定だとのこと。

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 充実したラインアップを怒濤の勢いで発表した後、岩田氏は、「いろいろな好みの人に、それぞれ複数、興味があるタイトルがあったはずです。しかしそれぞれの魅力は、実機でないと伝わらないと思います」と語り、これら新規ラインアップの3D映像、全28タイトルを配信することを明かした。配信時期などの詳細は、任天堂のホームページなどで告知されるとのことだ。

●会場騒然! 最後に衝撃の発表が!!

 最後に、この日もっとも注目を集めていたといっても過言ではない、『モンスターハンター』シリーズに関する発表が行われた。
 岩田氏は、ゲストとしてカプコンの辻本良三氏を壇上に招き、『モンスターハンター3(トライ)G』についての説明を求めた。それに応じた辻本氏からは、『モンスターハンター3(トライ)』をベースにしつつも、“G級クエストの追加”、“シングルモードでの上位クエストの追加”、“ストーリーの追加”、“タンジアの港(集会場のような役割の施設)の追加”、“新モンスターの追加”など、多彩な新要素が追加されていることが説明された。
 本作のクオリティーについて、岩田氏が「ニンテンドー3DSの表現力が引き出されていて、我々もがんばらなければと思わされました」と語ると、辻本氏は「開発チームは、毎日がんばってチューニングしています。3D表現もきれいに見えるように、日々チューニングしています」と語っていた。
 そして辻本氏は、注目の発売日を、2012年12月10日(土)、価格は5800円[税込]となることを発表。付け加えて、「本作は、携帯機で唯一、水中での狩りが楽しめるタイトルです。12種の武器、新モンスターなどボリューム満点でお届けします。ニンテンドー3DSならではの機能も満載ですが、それは今後の発表に注目してください」とアピールした。

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 盛りだくさんだった発表会もこれで終了かと思いきや、辻本氏から「もうひとつ映像を用意しています」との言葉の後、会場を仰天させる映像が上映された。その映像は【コチラの記事】の通りで、まさかの『モンスターハンター4』のもの!

 これを受けて岩田氏は、「『モンスターハンター』シリーズの最新作が、ニンテンドー3DS向けに開発中です。カプコンさんの、ニンテンドー3DSへの本気度を、強く実感されたと思います」と自信に満ちたコメント。
 最後の締めとして岩田氏は語った内容はつぎのとおり。
「ニンテンドーDSは、ゲーム人口を拡大し、過去にないゲーム人口を実現しましたが、すべてのゲームファンに満足してもらうことはできませんでした。ニンテンドー3DSは、あらゆるゲームファンに満足してもらえるプラットフォームにします。掲げる理想は、簡単に越えられるハードルではありません。しかし、年末から来年にかけて、過去に例がないと言っても過言ではないくらいのラインアップが揃っています。これからも、ニンテンドー3DSをニンテンドーDSの後継機として普及させる努力をしていきます」(岩田氏)


 以上、岩田氏自身が口にしたとおり、圧倒的なラインアップが揃ったカンファレンス。発表会の終了後、さらに体験会も開催されたが、その内容は随時お届けしていくので楽しみにしていてほしい。