●見どころなどをうかがった

 2011年10月からのテレビアニメ放送に向けて、着々と制作が進行中の『ペルソナ4』。2011年8月某日にはアフレコに合わせての合同取材が都内某所で実施。7話までの収録を終えた鳴上悠役の浪川大輔さん、花村陽介役の森久保祥太郎さん、里中千枝役の堀江由衣さん、天城雪子役の小清水亜美さんに、見どころなどを聞いた。

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――自身が演じられているキャラクターの印象を教えてください。

浪川 ゲームではプレイヤーキャラクターだったので名前がなかったのですが、アニメでは“鳴上悠”という名前がつきました。プレイヤーキャラクターということもあり、感情をあまり表に出さず、リアクションも薄いですが、真っ直ぐで嘘のない男です。

森久保 陽介も、この街に転入してきたんですが、持ち前の陽気さと人懐っこさで街の雰囲気に順応していて、悠ともすぐに仲よくなるなど、賑やかなムードメーカーです。情に厚いと言いますか、人間味溢れる男だと思って演じています。

堀江 千枝ちゃんは、元気で明るくて、花村君といっしょに賑やかにふたりで文句を言い合う掛け合いが多い、元気っ子です。

小清水 雪子は天城屋旅館の跡取り娘で、学校ではアイドル的な存在です。話が進むにつれていろいろな顔が見えてくるのですが、序盤ではなかなか話しかけにくい美人なキャラクターです。

――7話までのアフレコが終了しているとのことですが、これまでに収録された回の中で印象に残っているシーンはどこですか?

浪川 印象的なシーンはどの回にもありますが、印象に残っているのは関智一さんが演じられている巽完二というキャラクターが出てくるところです。皆さんが想像している『ペルソナ』の世界観が一気に変わってしまうのではないかと思えるほど衝撃的です。キーワードは“ナイスガイ”と“タフガイ”ですので、ぜひこのポイントを覚えておいてください。

小清水 私は、悠がぼそっぼそっと言うセリフがおもしろくて好きなので、ちょっとしたセリフにも注目して見てくれるとうれしいです。ちなみに、最近収録した話数でのポイントは悠のセリフの「かわいいよ」です。

堀江 私は、出前のシーンが好きでした。出前がどこでも取れるという設定がありまして、走りながらお会計をするシーンがあるんですけど、独特でおもしろいなと思いました。

森久保 映像はもちろん音楽もオシャレだし、4人の掛け合いのテンポもよくて、オシャレだけど笑えるという。家でリハーサルするのが楽しみな作品ですね。

――原作ゲームの『ペルソナ4』とアニメ版とで、ここが変わったという部分はありますか?

浪川 やはり、これまでプレイヤーキャラクターだった悠がしゃべったことですね。キャラクター的には想像以上にストレートな子だったというか、連続殺人という重い背景設定の中でどんなポジショニングになるのかなと思っていたら、ただクールなだけではなかったので彼への印象が変わりました。

堀江 ゲームの収録のときは、会話や動きを想像しながら作っていきましたが、それがアニメになり、動く千枝ちゃんを見ることができて印象が変わったというよりもうれしかったですし、こういう表情をするんだ、こういうリアクションをするんだっていうのがわかって、千枝ちゃんのストックが自分の中に増えていくイメージで演じさせていただいています。

小清水 ゲームもすばらしかったんですけど、アニメになってより戦闘シーンの迫力が増したと感じました。雪子と、雪子のペルソナがどういう立ち位置でどういう風に戦っているのかが、アニメではよりわかりやすくなっているので感動しました。あとは、音楽の面でも、ゲームファンの方はぐっと盛り上がるんじゃないかなと思います。

森久保 4人の掛け合いとテンポ感がおもしろいので、ゲームの収録に比べると、相手が隣りにいて収録できるだけでも、空気感がいいほうに増すような気がします。また、ゲームでは、陽介の「行くぜ!! 相棒!!」というセリフが、ユーザーさんから好評だったみたいなんですけど、アニメではゲームユーザーさんからのリアクションを受けた上で演技できるのでわくわくします。

――ペルソナとは人の心の奥底にある“もうひとりの自分”などといったことを指していますが、ご自身の“もうひとりの自分”とはどんな人物なのか考えたことはありますか?

浪川 僕はしょっちゅうですね。ペルソナの「もう人の自分」というテーマで話すならば、役を演じているときですかね。自分ではないけど、キャラクターが憑依しているみたいなところがあるので、たまに自分の本当の性格どんななんだろう? と考えることがあります。

堀江  “もうひとりの自分”というか、ペルソナはコンプレックスから生まれるんじゃないかと思いました。私も運動神経がないところがコンプレックスで、球技やスポーツができる人を見ると「うらやましいな」って気持ちがあります(笑)。

小清水 人と会っていたときと、家に帰ってひとりになった瞬間って違いますよね? スイッチが切れたというか、自分はいまダメ人間かもって思ったりします。どちらがペルソナかはわかりませんけど、もうひとりの自分だなって感じます(笑)。

森久保 コンプレックスもそうだけど、嫌なところも含めて自分なんだと認めないと前へ進めないっていうのがこの作品のテーマだと思います。失敗したときになんでこんななんだろうって思うけど、自分の失敗だからしょうがない、つぎから気をつければいいやみたいな。そうやって失敗をくり返しているうちに生きていくのが楽になってきまして、認めることって大事だなって。だんだんタフになっていきますよ。

――アニメ版のキャラクター、世界観など、グラフィックに関しての感想をお願いします。

浪川 全体的にオシャレ感が滲み出ていますよね。

森久保 背景ひとつ取っても、細かいロケハンをされている拘りですとか、イメージを固めて、世界観を作っているんだろうなと感じました。

堀江 あとカレンダーもすごくオシャレですよね。

――『ペルソナ4』に登場するキャラクターの中で、親友になりたいのは誰ですか?

浪川 陽介も千枝も雪子も本気でいい子なので、誰でも友だちになれると思いますが、ほかのキャラクターなら完二かな。あと、いちばんいいなと思うのは菜々子。僕の場合はやさしさに飢えているので(笑)、菜々子のようなやさしいキャラクターが好きです。

森久保 完二はいいよね。誰もが街の中では暴れん坊なイメージなんですけど、でも彼には正義があって縦社会を重んじるし、すごくいい奴だなって思います。

堀江 私はやっぱり、千枝ちゃんや雪子ちゃんがいいです。賑やかで楽しいですよね。

小清水 私も友だちにするなら千枝がいい。

浪川 悠と陽介はダメですか(笑)。

森久保 でも、今日も収録しているときに、「この4人は楽しいよね」ってぽろっと言っちゃいましたからね。

小清水 学生気分になれますよね。

――放送を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。

浪川 ゲーム『ペルソナ』シリーズのスタイリッシュさを引き継ぎつつ、ゲームを楽しんでくれたファンの方、アニメから入ってくれる方、みんなに楽しんでいただけるようなかっこいい作品です。スタイリッシュさやオシャレな部分だけでなく、会話劇も非常におもしろい仕上がりになっていますので、ぜひぜひ最後までお付き合いいただけたらなと思います。

堀江 ゲームの収録時から『ペルソナ』という作品、千枝ちゃんという役柄がとても大好きで、ゲームのときは「ナチュラルに演じてください」と言われ、いままでにない感じでやらせていただいて、とても印象深いキャラクターでした。こうして、アニメになり、また千枝ちゃんを演じることができて、とてもうれしく思っています。ゲームをプレイされていない方も、世界観などすべてがわかるようになっていますので、ぜひ最初から最後まで楽しんで見ていただけたらなと思います。

小清水 ゲームの収録をしていたときに、いろいろなセリフをしゃべらせていただいていたんですけど、それは一部で、音声がつかないセリフっていうのもたくさんあったんですよ。今回のアニメではそういった部分も演じることができて、とても楽しいです。これを皆様に見ていただくのが、ちょっとドキドキしているんですけど、ゲームをプレイされている方はもちろん、ゲームをプレイされていない方にも楽しく見ていただきたいですし、ゲームもやってみたいなと思ってもらえたらうれしいです。

森久保 ゲームの発売から3年が経ちましたけども、僕ら自身もアニメ化される日を待ち望んでいたので、ゲームをご存知の方々の期待を裏切らないようなクオリティーになっているんじゃないかと思います。演じながらも思うのは、仲間っていいなとか、大事にするものってこういうことだよなとか、深いテーマとしては自分を好きになる、自分を認めるみたいなものもありますし、見ていると明日もがんばろう! って気持ちになれる作品だと思います。僕らも精一杯がんばりますので、皆さんも精一杯楽しんでいただけたらなと思います。

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テレビアニメ『ペルソナ4
MBS:2011年10月6日より 毎週木曜25時30分〜
TBS:2011年10月7日より 毎週金曜25時55分〜
CBC:2011年10月12日より 毎週水曜26時00分〜
※放送日時は都合により予告なく変更になる場合がございます。