●あらゆる層をカバーする錚々たるラインアップ!

 2011年8月25日、東京・KONAMI本社において、同社が東京ゲームショウ(以下、TGS)2011に出展するタイトルを発表する“KONAMI Media Conference 2011”(コナミ メディアカンファレンス 2011)が開催された。ここでは、カンファレンスの詳細をリポートする。なおTGS2011でのKONAMIの出展は、34タイトルに及ぶ大規模なものとなる。出展タイトルの詳細は【コチラ】の記事を参照してほしい。

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 カンファレンスの冒頭では、まずコナミデジタルエンタテインメント執行役員 副社長 CS事業統括 榎本真司氏(えのもと しんじ)氏が登壇し、スピーチを行った。榎本氏は、「昨今のゲーム市場は、新型プラットフォームも登場して、だいぶ状況は変わってきたかと思います。売れる商品、売れない商品の二極化が進み、お客様の多様性に対応する必要性も生じています」と語り、客層にマッチしたタイトルをリリースすることの重要性を説明。そしてKONAMIの施策として、東京ゲームショウ2011では4つの新規IPやKONAMIの有力フランチャイズタイトルなど、バラエティーに富んだラインアップを出展することを説明した。
 その後、完全新作4タイトルについて、クリエイターみずからが解説するプレゼンテーションが行われた。

●『フロンティアゲート』――先行体験版にはオトクな特典も!

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 最初はプレイステーション・ポータブル用ソフト『フロンティアゲート』。本作は、KONAMIとトライエースがタッグを組んで制作している新規RPGで、未開の地フロンティアを、ふたりひと組みで冒険を進めて開拓していく内容となる。プロデューサーの向峠慎吾 (むかいとうげ しんご)氏、ディレクターの小牟田修(こむた おさむ)氏がまずアピールしたのは、「最大15人のパートナーがいて、15人分のストーリーがあります」(向峠氏)という点だ。またマルチプレイについても、「最大3人までのマルチプレイコマンドバトルを採用しています。シングルプレイではふたりひと組ですが、3人集まると、ふたりひと組が3人分で、最大6キャラクターでのバトルになります」(小牟田氏)と、ユニークな仕様が解説された。
 TGSでの出展については、シングル、マルチいずれも体験プレイができるとのこと。またステージイベントも2日間開催されることも明かされた。さらに、TGS初日となる2011年9月15日からは、PlayStation Networkから先行体験版をダウンロード可能になることも発表された。向峠氏によると、「セーブデータは本編に引き継げます。さらに、体験版を遊んで、本編を購入していただくとスペシャルアイテムが使えるようになりますので、ぜひプレイしてみてください」(向峠氏)とのこと。

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▲コナミデジタルエンタテインメント ゲームコンテンツプロダクション プロデューサー 向峠慎吾氏

▲コナミデジタルエンタテインメント ゲームコンテンツプロダクション ディレクター 小牟田修氏

▲15人のパートナーのうち、10人が描かれた画像。キャストについて、「たまたまですが、先日ご結婚されたおふたりもいますね」(向峠氏)との発言も。

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▲公開されたオープニング映像は、ふたりの人物が強大な敵と戦う模様に、多彩なキャラクターの表情とセリフがカットインしてくる迫力ある内容。最後には、謎の光玉が上空から降りてきて、強い光が画面を覆った後、画面が変わると石像と化したふたりの姿が……という、非常に謎めいた映像となっていた。

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●『戦律のストラタス』――“ドラマティック殲滅アクション”!

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 続いてプレゼンされたのは、2011年10月27日発売予定のプレイステーション・ポータブル用ソフト『戦律のストラタス』。本作も向峠氏がプロデューサーを務めている作品となる。向峠氏は、本作を“ドラマティック殲滅アクション”と表現。「アニメーション仕立てで1話1話進むアクションゲームですが、“ドラマティック”と言うだけあって、最初の1話、2話あたりからいきなりクライマックスな展開になります」(向峠氏)と、自信を込めて語った。
 また2011年9月15日からは、6週連続のラジオドラマがスタートすることも説明された。向峠氏によると、「ゲームの3年前からのストーリーを描いたものになります。これを聞くと、より深く『戦律のストラタス』の世界観を理解していただけるかと思います」とのことなので、ゲームの発売が待ちきれない人は、予習も兼ねて聴いておくといいだろう。
 なおTGSでは、本作の1話の一部をダイジェストでプレイすることができるとのこと。また、一般日の初日にはスペシャルステージも準備されており、こちらは「内容は秘密ですが、かなりスペシャルになっています」(向峠氏)とのことだ。

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▲スピーディーに展開するPVは見応え十分。シナリオ担当の河野一二三氏を始め豪華スタッフによる確かな仕事の成果が伺える。

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●『ラビリンスの彼方』――謎の全容はTGSでのプレイで明らかに!?

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 つぎに紹介されたのは、ニンテンドー3DS用ソフト『ラビリンスの彼方』。こちらは現時点ではゲーム内容や発売日など、あらゆることが不明の謎のタイトルだ。冒頭で上映されたPVでは、主人公らしき少女が、しきりとプレイヤーに向かって話掛けてくるような映像が観られたが、やはりどんなゲームかは隠されているようだ。
 本作でもプロデューサーを務める向峠氏は、「内容についてはまだ秘密です」としつつも、本作の概略として、“KONAMIとトライエースがタッグを組んで制作していること”、“謎の少女といっしょにラビリンスの中を冒険していくこと”の2点を挙げた。さらにトライエース開発のタイトルではおなじみの桜庭統(さくらば もとい)氏が音楽を担当していることにも触れ、「とてもトライエースっぽいゲームになっていると思います」(向峠氏)と語った。
 以上のようにまだ謎ばかりの本作だが、TGSではプレイアブル出展されることが明らかになっている。向峠氏も「本作は実機で見て欲しいタイトルです。どんなゲームかも含めて、ぜひ触ってほしいです」とのことなので、詳細はぜひ自分の目で確かめてほしい。

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▲謎だらけなのが、逆に印象に残るPV。

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●『ネバーデッド』――5つの“NO“が生み出す破天荒なゲームプレイ!

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 完全新作4タイトルの最後を飾ったのは、今冬発売予定のプレイステーション3/Xbox 360用ソフト『ネバーデッド』だ。ここまでの3タイトルと異なり、本作のプレゼンテーションは、以下の5つの特徴の説明から始まった。

(1)――NO DEATH
主人公は不死身。手足を失っても、頭だけになっても死なない。
(2)――NO RULE
プレイの仕かたは自由。手を食べさせて敵の中で爆発させたり、ステージ内のオブジェクトを破壊したり、やりたいようにやれる。
(3)――NO REASON
主人公に戦う理由はなく、その日の酒代を稼ぐためだけに、500年戦っている。不死身なので、食べなくても飲まなくても死なない。何のための人生なのか、理由なき戦いの先にあるものは……?
(4)――NO COOL
主人公は身なりに無頓着で、皮肉屋で、ちょい悪。こんな主人公に感情移入できるのか?
(5)――NO JIRI
鬼才・野尻真太氏プロデュース。

 ……というわけで、最後の5つ目をオチとして(?)本作で脚本、ゲームデザイン、プロデュースを務めるコナミデジタルエンタテインメント ゲームコンテンツプロダクション プロデューサー 野尻真太(のじり しんた)氏が紹介された。といっても、野尻氏は現在、制作が佳境とのことで、開発を行っているイギリスからインターネット中継での登場となった。野尻氏からは、TGSで本作をプレイアブル出展すること、そのプレイアブル版で本作の基本的なゲームプレイが体験できることが明かされた。さらに、日本語声優陣の紹介や、MEGADETHによる主題歌など、多彩な要素が詰まった新PVも紹介された。

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●『NEWラブプラス』――魅惑の新要素&豪華な限定版にメロメロ!

 完全新作4タイトルに続いて紹介されたのは、KONAMIが誇る人気シリーズの最新作だ。そのトップを飾ったのは、2011年秋発売予定のニンテンドー3DS用ソフト『NEWラブプラス』。コナミデジタルエンタテインメント ラブプラスプロダクション シニアプロデューサーの内田明理(うちだ あかり)が登場した。まず、冒頭で上映されたPVでは、以下のような要素がつぎつぎと紹介されていった。残念ながらこちらは撮影禁止だったため画像は紹介できないが、映像の中で紹介されていたのは以下のような要素だ。

■ジャイロシステム
いろいろな角度からカノジョを眺めることができる。
■写真撮影
カノジョを好きなときに撮影できる。
■カレシロック
顔認識機能により、カノジョがプレイヤーの顔を覚えてくれる。
■カノジョ紹介
カノジョに自分の友だちなどを紹介することができ、一度会った相手の顔と名前を覚えてくれる。自分のカノジョと、友だちのカノジョが仲良くなることも。
■セーブデータ引き継ぎ
ラブプラス』、『ラブプラス+』のセーブデータを引き継いで遊ぶことができる
※ニンテンドーeショップにて、専用の引き継ぎツール(価格:200円[税込]予定/特典付き)を購入する必要がある
■青春の1ページモード
ドラマのような恋愛が楽しめる。(※映像ではカノジョが自身の友だちと会話しているシーンが……?)
■いつでもスキンシップ
■友だちパート
■ダブルデート

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 映像が終了した後、内田氏から注目の要素について解説された。まず内田氏は、ニンテンドー3DSにはジャイロセンサーを使ったソフトがすでに多数あることを指摘したうえで、「本作では、モデルを動かすためではなく、視線でコミュニケーションを取るために使っています」(内田氏)と、そうした既存のソフトとは異なる発想から実装された機能であることを説明。「好きなところを見られます。「どこ見てるの?」とか言われたりもします(笑)。(『ラブプラス』では)タッチと音声入力ができましたが、そこに目のインターフェースが加わったイメージです」(内田氏)と、ジャイロセンサーが本作にとって非常に重要な要素であることがアピールされた。ただし、「変なことをすると嫌われます。そこまでリアルにできています」(内田氏)とのことなので、カレシ諸君は注意したほうがよさそうだ。
 また、“カレシロック”について内田氏は、「一生懸命恋愛を暖めたのに、弟にデータを消される、といった悲劇をなくすために実装しました(笑)。別の人が遊ぼうとすると、「どちらさまですか?」などと言われたりします」と説明。また、顔認識機能の応用として、カノジョに友だちを紹介する機能も付いており、「○○さんって××に似ていますね」といったリアクションを返してくれたりもするのだという。これについて内田氏は、「これが、ハードルが高い機能だというのは分かっていますが(笑)、カノジョを紹介するときの面はゆい感じが楽しいので、ぜひ活用してほしいですね」と語っていた。
 なおTGSでは、本作もプレイアブルで出展され、ジャイロセンサーによる視線入力の楽しさを味わえるとのことで、いち早く体験したい人は、TGSを楽しみにしておこう。

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 その後、ニンテンドー3DS同梱版の実物が披露された。特別製のニンテンドー3DS本体は、鏡面仕様でキラキラ輝く豪華な質感になっており、「職人さんが匠の技で調整してくれてできあがったものです。画像だと伝わりづらいのが残念」(内田氏)とのこと。本製品はコナミスタイル専売で、抽選販売される予定となっている。なおこちらも、TGSで実物が展示される予定だ。
 さらにこの日初公開の商品として、豪華画集セットがお披露目された。これは『NEWラブプラス』のソフトと、豪華な画集がセットになったもので、こちらは一般の流通でも取り扱われる予定。価格などの詳細も、近日発表される予定だ。

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※同梱版画像(3DS本体・箱)及び パッケージ画像は仮のものです。

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●TGS出展タイトルが続々判明!

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▲小島プロダクションからは、『メタルギア ソリッド HDエディション』、『メタルギア ソリッド スネークイーター 3D』、『メタルギア ソリッド ピースウォーカー HDエディション』の3タイトルが、TGSにプレイアブルで出展されることが明らかに。ラインアップ紹介、ゲストを招いてのステージイベントも実施されるとのことだ。

▲出展タイトルを遊ぶと、スペシャルうちわがプレゼントされるといううれしい情報も判明。うちわは全14種類で、なかにはレアなうちわもあるかも……? とのこと。

▲“メタルギア MY BEST MEMORIES”と題したキャンペーンも本日(2011年8月25日)からスタート。ツイッターで投稿したつぶやきの中から、TGSのステージや公式ホームページで紹介される。詳細はfacebook、スペシャルサイトで。

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▲『ポップンミュージックポータブル2』は、TGSで『ポップンミュージック』でおなじみのアーティストによるステージが、2011年9月12日の16時から開催される。

▲プレイステーション3用ソフト『サイレントヒル ダウンプア』はプレイアブルで、 『サイレントヒル HD エディション』は映像での出展となる。

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▲『ウイニングイレブン2012』に関しては、PVとともに、おなじみ(?)吉田が、香川選手を応援する様子をコミカルに描いたCMが披露された。吉田にやってもらうゴールパフォーマンスを募集するキャンペーンも実施中。

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▲『MLB ボブルヘッド!』、『蒼の英雄 Birds Of Steel』、『BLADES of TIME』はTGSが初のプレイアブル出展となる。

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▲KONAMI流通で販売される多数の他社タイトルも、KONAMIブースで出展される。

▲ファミリーコーナーでは、『とんがりボウシとおしゃれな魔法使い』、『ペンギンの問題 ザ・ウォーズ』がプレイアブル出展に。

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▲注目のPlayStation Vita用タイトルでは、『ASPHALT:INJECTION (アスファルト:インジェクション) 』、『王と魔王と7人の姫君たち 〜新・王様物語〜』、『麻雀格闘倶楽部 新生・全国対戦版』、『AR コンバットデジQ』の4本が出展される(出展形式は未定)。『AR コンバットデジQ』はシミュレーションゲームのようだが、いったいどんなタイトルなのだろうか?

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▲ソーシャルゲームでは、GREEブースにて、『ドラゴンコレクション』がプレイアブルで、『プロ野球ドリームナイン』が映像出展される。

▲“コナミスタイル TGS出張所”も出店決定。なお本日(2011年8月25日)より、コナミスタイル 東京ミッドタウン店にて合計3000円[税込]以上の商品を購入すると、もれなくKONAMI物販コーナー“ コナミスタイル TGS出張所”の商品優先購入PASSがプレゼントされるとのこと。

●今年のテーマは“share your experience”

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 最後に、コナミデジタルエンタテインメント KDE-Jセールス&マーケティング本部 本部長 古川真一(ふるかわ しんいち)氏が登壇し、締めのスピーチを行った。古川氏は、今年のKONAMIブースのテーマは“share your experience”であると説明。「ご来場いただいた皆様が、Twitterやfacebookを通じて、会場でプレイした感想、ステージの感想を、会場での臨場感とともに、多くの友人に伝えていただきたいと考えています」(古川氏)と、いかにもソーシャル分野にも強いKONAMIらしいコンセプトのもと、そのための環境もブースに用意されることが説明された。そして今回のカンファレンスで公表した情報についても、「ぜひ多くの方にお届けして、TGSの盛り上がりにご協力をお願いしたいと思います」(古川氏)と呼びかける言葉をもって、カンファレンスは終了となった。

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