●ソニックづくしのセガブース

 セガブースはソニック一色! 今年生誕20周年を迎えたソニックは、日本以上に海外で高い人気を誇るキャラクター。今年のgamescom 2011のセガブースは、その人気ぶりがうかがえる構成となっている。

000
001

▲見た目にも楽しい構成となっているセガブース。各種ソニックグッズの展示や歴代作品の映像上映などもあり、とにかくソニック一色!


 出展されているタイトルは、プレイステーション3、Xbox 360用ソフト『ソニック ジェネレーションズ 白の時空』、ニンテンドー3DS用ソフト『ソニック ジェネレーションズ 青の冒険』(どちらも日本では2011年冬発売予定)の『ソニック ジェネレーションズ』2タイトルと、ニンテンドー3DS、Wii用ソフト『マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック(仮題)』(任天堂から発売予定。日本国内の発売時期は未定)。

 ブースでは巨大ソニックが出迎えてくれるほか、全体にソニックらしい色使いになっているのが特徴的。『ソニック ジェネレーションズ 白の時空』では、大型モニターで3Dプレイが体験できるコーナーも設置されている。また、『マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック(仮題)』は、マリオやソニックが描かれたラッピングバスを中心に、ビーチバレーのコート状のコーナーやカヌーに乗り込んだまま試遊することが可能。リラックスしてプレイできるチェアーなども用意されており、一般公開となった本日は、早くも女性や親子連れで大いに賑わっている。

002
003
004
005

▲趣向を凝らした試遊コーナーの数々。男性ユーザーはもちろん、女性ユーザーの姿が多いのも印象的。海外にけるソニック人気はさすがです。


●飯塚隆氏が語る『ソニックジェネレーションズ 白の時空』とソニック20周年

iidukasan

――20周年という大きな節目の年に発売になる『ソニックジェネレーションズ 白の時空』のコンセプトを教えてください。
飯塚 『ソニック』シリーズも20年続けていると、昔の『ソニック』と最近の『ソニック』の両方を知っているという人は少ないんですね。今度発売する『ソニックジェネレーションズ 白の時空』は、その両方のファンすべてにソニックの生誕20周年を祝っていただこうという想いから、”クラッシクソニック”と”モダンソニック”という2人のゲームプレイをワンパッケージにして遊べる内容になっています。これまでの『ソニック』シリーズに登場した代表的なステージが昔ながらの2Dで遊べますし、3Dアクションとしてハイスピードで遊べます。昔のグリーンヒルから最近のものまで、すべてをふたつのステージで遊べるというのが最大の特徴になります。2人のソニックが共演することや過去作品のリメイクすることはこれまでタブーにしていたのですが、20周年のお祭りでしかできない企画ということで、あえてチャレンジしています。

――昔のステージを最新技術でリメイクすることにはどんな苦労がありましたか?
飯塚 たとえばグリーンヒルを例に取ると、どこまでオリジナルを残して、どこまで新しく作り替えるのかで最初はずいぶん迷いましたね。リアルにし過ぎても元のステージとは別物になってしまうし、あまり変わらなくても「現代のグラフィックじゃない!」ということになってしまいますしね。何度も作っては壊して、最初の基準が出来上がるまではずいぶん時間が掛りました。その試行錯誤の甲斐があって、非常にリアリティーがありながらも、往年のファンが見てもグリーンヒルであることがわかる内容になっています。

――新旧の名ステージが収録されているそうですが、そのステージはどのような基準で選ばれたのでしょうか?
飯塚 もちろん自分自身の好みもあるのですが、それだけではどうしても偏りが出てしまうので、開発チーム内でもアンケートを取りましたし、アメリカとヨーロッパのセガのスタッフやインターネットを使ったファンの声も聞いたりもしています。その中でも人気の高かったステージを『ソニックジェネレーションズ 白の時空』と『ソニックジェネレーションズ 青の冒険』のそれぞれに分けて採用しています。

――飯塚さんが想定したステージが選ばれていましたか?
飯塚 そうですね。個人的に思い入れの強いステージがしっかりと上位に選ばれていたので、「なるほどね」と思いました。アンケートを取った国や年代によって多少のバラつきがありましたが、集計するとほぼ同じ傾向になったのが印象的でしたね。

――出展を見る限り、かなり開発は進んでいるようですが発売はいつごろになりそうでしょうか?
飯塚 ソニックの20周年は今年の12月で終わってしまいますので、それまでになんとか発売すべく、現在、鋭意開発中です(笑)。もうコンソール版のほうは完成度が95パーセントと言ってもいいくらいで、東京ゲームショウではプレイアブルでファンの皆さんに遊んでいただけると思います。

――ドイツでの反応はいかがですか?
飯塚 ドイツの方は『マリオ』シリーズを始め、プラットフォームアクションが好きなかたが多いんですね。『ソニックジェネレーションズ』の発売を楽しみにしてくれるというゲームファンが多くて、非常に好感触です。

――ソニックは欧米で非常に人気の高いキャラクターですが、現在はおもにどんな年齢層に人気があるのでしょうか?
飯塚 だいたい日本を含めて世界のどこでもファンの年齢層は同じですね。小学生の低学年から中高学年までがもっとも大きい購入層で、もうひとつの大きな層がグッと年齢が上がった大人の層ですね。ありがたいことに、かつてメガドライブやドリームキャストで『ソニック』を遊んでくれた層が、いまでもソニックを好きでいてくれるんです。

――gamescom2011のセガブースを見ると、ソニック一色ですよね。ひとつのキャラクターを中心にしたブース構成というのは珍しいと思うのですが。
飯塚 確かにそうかもしれませんね(笑)。今年の欧州での年末商戦は、『マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック(仮題)』と『ソニックジェネレーションズ 白の時空』、『ソニックジェネレーションズ 青の冒険』をイチ押しでやっていくぞ、という想いの現れだと思ってください。

――『ソニック』シリーズの20周年ということで、この20年の飯塚さんとソニックの想い出を教えてください。
飯塚 いろいろあり過ぎて難しいですね(笑)。でも20年前と言えば、ちょうど私がセガの入社試験を受けた年なんですよ。セガから内定をもらったときに最初の『ソニック』が発売されたんですよね。『ソニック』に関わったのは『3』からなんですが、そこからまさか20年近く作品作りに関わることになるとは思いませんでした。メディアの方からの取材を受けていて「じつは僕もソニックと同じ20歳なんです」なんて言われると、何だか感慨深いものがありますね。いま現在も知名度の高いキャラクターですが、これから先も30年、40年と続けていくうちにゲームキャラクターという枠を超えた存在に成長させていければと思います。

――それでは最後に、日本のファンにメッセージをください。
飯塚 今度の『ソニックジェネレーションズ』は、お父さんと息子の2世代でソニックの話ができる内容になっているのですが、そこにおじいちゃんを含めた3世代でそれぞれのソニックの想い出を語れるようにすることが今後の目標です。「おじいちゃんは昔、メガドライブで『ソニック』を遊んでね」みたいな話をしていただけるように、今後もがんばっていきたいと思いますので、どうか今後ともソニックを応援してください。