●グラスホッパー・マニファクチュアの新たなチャレンジ

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 ドイツのケルンで2011年8月17日(現地時間)から開催されている欧州最大のゲーム見本市gamescom 2011。そこで、グラスホッパー・マニファクチュアの山岡晃氏から「ぜひお見せしたいタイトルがふたつある」との連絡が。早速駆けつけた取材班に、山岡氏みずからがプレゼンテーションしてくれた2本のタイトルの詳細をお届けする。

●懐かしくも新しい、超王道の横スクロールシューティング!

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 まず最初に見せてもらったのがXbox 360用のダウンロードタイトル『SINE MORA』。ゲームは正統派の横スクロールシューティングで、作品のコンセプトとデザイン、そして音楽をグラスホッパー・マニファクチュアが手掛け、制作とパブリッシングをハンガリー唯一のゲームメーカー”デジタル・リアリティ”が担当しているとのこと。デジタル・リアリティは非常に長い歴史を持つゲームメーカーで「非常に優秀なスタッフが揃っていて、高い技術力を持っているメーカー」(山岡氏)とのこと。ジャンルが王道の横スクロールシューティングになったことについては「デジタル・リアリティーのスタッフが日本のシューティングゲームが好きでどうしても作りたい。弾幕を作りたいって(笑)」(山岡氏)。またすべて自身が手掛けたというサウンドに関しては「'80年代のスティールパンク風のノリのいい楽曲が揃っていますよ」と語った。ちなみに日本での発売に関しては、「もちろんやるつもりだが、まだ少しクリアーしないといけないところがある」とのことだった。

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繊細かつ柔らかなタッチで描かれたグラフィックで、奥行きのある背景になっている。思わず戦いを忘れそうな温かみがある。

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●あまりにもシュールな世界観に記者も絶句

 もうひとつのタイトルは、こちらもデジタル・リアリティーとタッグを組んで世に送り出すという『ブラック ナイト ソード』。企画・開発をグラスホッパーマニファクチュアが行い、欧米でのパブリッシングをデジタル・リアリティが担当するとのこと。ジャンルは正統派の横スクロールアクションで、Xbox 360の配信タイトルだ。特筆すべきはその世界観。黒騎士となった主人公が居るのは本の中の世界といった設定から、東欧の絵本を意識したというグラフィックなど、ゲーム画面から独特すぎる世界がビンビン伝わってくる。ゲームも実際にプレイさせてもらったが、ポップでもあり恐ろしくもありもう何が何やらという……。山岡氏にもいくつか質問してみたが「敵を倒すと落とすのが心臓というのはなにか意味が?」「いえ、とくに意味はないです(笑)」(山岡氏)、「電子レンジを壊したら心臓がいっぱい出てきたんですけど……」「深い意味はないです(笑)」(山岡氏)、「(ステージ中に置かれている)猫を踏むと派手なエフェクトがでるんですが、何かコレクション要素ですか?」「はい、意味はないです(笑)」(山岡氏)と、とにかくシュール! 横スクロールアクションとしてもバックステップや魔法などの要素が盛り込まれた非常にしっかりとした作りになっているのだが、ゲームの雰囲気に完全にあてられて、そのシュールな世界が大きく印象に残った。誤解を恐れずに言えば、言葉では伝えるのに限界がある突き抜けた作品『ブラック ナイト ソード』。ぜひ皆さんにも体験したもらいたいところ。日本での発売を訪ねると「まだ正式に決定はしていませんがリリースする方向です」(山岡氏)。楽しみに待ちたい。

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黒騎士となった主人公が、絵本の中の世界を進んでいく。

これ、ショップです……。体力の回復などができるんですが……。

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