●今年も見ているだけで楽しめるブース構成
現地時間2011年8月17日〜8月21日まで、ドイツのケルンにて開催されている欧州最大規模のゲーム見本市“gamescom 2011”。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)ブースは、例年通りユニークな構成となっていた。
欧州のゲームショーは各社とも凝った作りのブースを展開しており、遠くから見ているだけでも楽しかったりするのだが、そのなかでもとくに毎年力が入っているのがSCEブースだ。PlayStation Vita(プレイステーション・ヴィータ)(以下、PS Vita)のタイトルを出展したエリアは爽やかな青を基調としたイメージで、スタッフの服装は胸にPS Vitaのロゴを配した白のTシャツ&ポロシャツで統一されており、なんとも涼しげ。出展されたタイトルは、『リトルビッグプラネット』、『アンチャーテッド』、『Little Deviants』、『Sound Shapes』、『Virtua Tennis 4』、『みんなのGOLF NEXT(仮題)』といったE3 2011のときに遊べたものに加えて、『F1 2011』や前日のカンファレンスで発表された『ESCAPE PLAN』、『Resistance: Burning Skies』といった最新作が早くも遊べる状態に。またさまざまなフィーチャーを用意しているPS Vitaということで、体験プレイをする人ごとに、スタッフが専属でくっついて操作説明などを行っているのが印象的だった。
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プレイステーション3用ソフトを中心としたエリアは常夏のビーチを連想させる作り。ヤシの木が立ち、『ラチェット&クランク オールフォーワン』の体験コーナーはボートの上だ。PlayStation Moveのタイトルも数多く……というかプレイステーション3のエリアではむしろそれが主力の出展で、欧州市場におけるPS Moveに対する注目度の高さをうかがうことができる。前夜のカンファレンスで発表された『DanceStar Party』を始め『Move Fitness』、『Eyepet & Friends』などが出展され、それぞれアテンドするスタッフの服装もフランクな感じで、常夏感を演出していた。と思う。
そしてSCEのブース力(?)が毎年炸裂する、隔離エリア――つまり、対象年齢高めのタイトルが出展されたエリアだが、やはり今年も十分期待に応えるユニークな作りになっていた。まず目を惹くのが入り口付近に展示された映画『グリーン・ホーネット』の改造カー。車体にBlu-ray版発売に関することが書いてあったので、恐らくそれのPRだと思うがインパクトは抜群だ。そして中に入ると、それほど広くない空間にギッシリと体験台が出展されており、非常にカオスな雰囲気。公衆電話のような個室で遊んだり、レトロな雰囲気のコンパネが印刷された体験台だったりと、コンセプトがよくわからないので、スタッフに意味を聞いてみるとスタッフもわかっていなかったりと、とにかくまあそんな感じである。とは言え、現在のSCEの最重要タイトルとも言えるプレイステーション3用ソフト『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』に関してはパッと見でソレをわかる作りになっていた。コンセプトはいかにも冒険家たちが好みそうなクラシックな雰囲気のバー。ズラリと並んだ同作のマルチプレイが楽しめる体験台の上には酒瓶が並んでいたりと、ゲームの世界観にしっかりと浸るための細かな演出が施されていた。
ちなみに、この隔離エリアを出てすぐのところにはSCEが販売する24インチの3Dディスプレイと、発表されたばかりの新型PSPが展示。3Dディスプレイは昨今のディスプレイ市場を顧みると比較的コンパクトな印象だが、3D感はばっちりで奥行きのある映像をしっかりと楽しむことができそう。そして新型PSP。サイズは現行のPSP-3000とそれほど変わらず、持った感触も重さを含めて違和感はあまりない。UMDディスクを入れるドライブ部分は背面のパネルと一体化しており、開くと背面全体がガバッと開く仕組みになっている。個人的にもっとも特徴的だと感じたのは、液晶の下に配置されたボリューム調整、スタート、セレクトボタンが配置された部分。ここにはやわらかいプラスチック製のカバー的なものが全体に貼られていて凹凸はほとんどなく、各部分はムニっと押しこむ感じになっている。99ユーロという低価格を実現するために、さまざまなコストカットが行われている印象だった。