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 日本でも2011年10月6日にベセスダ・ソフトワークスから発売される、FPS(一人称視点シューティング)のキングid Softwareの最新作『Rage』。もちろんそのid SoftwareのイベントであるQuakeCon 2011には、多数の試遊台が設置され、idファンたちが飛びついていた。

 しかも、ある程度進んだ状態のミッションを選択してプレイするのみだったE3のデモなどとは異なり、最序盤からみっちりプレイできるというものだったらしい。ここからは、プレスルームで遊び倒し、一般向けの試遊ブースでも協力プレイを楽しんできたライターのスオミ松崎にリポートしてもらうとしよう。

●デモリポート:キャンペーンモード編

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 ドモー、id software社のゲームに人生を狂わされたスオミ松崎です。ダラスで開催されているQuakeCon2011にて最新作の『RAGE』を遊ぶことができたのでレポートするよ! それでは行ってみよう。

 ゲームをスタートさせると、何故『RAGE』の世界では地球が荒廃しているのかを説明するムービーが流れる。巨大な隕石が地球に衝突し、この衝撃によって地上には大災害がもたらされてしまう。しかし、地上の人間の中にはアークとよばれる核シェルターのような施設に退避し、コールドスリープ(?)で地球の環境が改善されるまで眠りにつくことになる。

 プレイヤーが操作する主人公がコールドスリープから目覚めるところから『RAGE』の物語はスタートする。カプセルから出て道なりに進むと、巨大なダムを連想させるような場所へ到着する。ふたたび道なりに進んでいると、バンディッツと呼ばれる野盗の類と接敵し、戦闘に突入。

 なんとか抵抗しようと奮闘するも、素手でいるために為す術もなくボコボコに。人生を諦めかけた瞬間、銃声とともにバンディッツが血しぶきをあげながら力なく倒れていく。と、銃声の方に目を向けるとオフロード仕様のバギーに乗った中年がバギーに乗れと呼びかけてくる。とりあえず命を助けてもらったこともあり、大人しく従うと近くの町へと案内するとのこと。しばらくクルマをすすめていると、野盗のバンディッツが検問を行っている。さきほどお仲間さんが殺された件なのだろうなと思っていると、ドライバーの中年から「アーク人は高く売れるから仕方がないか」と衝撃の告白。人身売買が行われているということなのだろうか? あまり深く探ると僕も消されそうですよね。

 仕方が無いので検問を大きく迂廻し、目的地となっている小さな集落へと到着。そのまま運転手の中年についていくと、仕事を依頼したいとお願いされる。どうやら協力してくれる仲間と取引をしながら少しずつ移動できるエリア広げていくことになりそうだ。

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 ミッションを受諾して町のなかを歩いていると、わがままバディなお姉さんが“ウィングスティック”という名前の武器の使い方を教えてくれるとのこと。結構、好みのスタイルだったので是非にと喜び勇んでみたものの、三枚羽根のブーメランをまとに当て続けるミニゲームがスタート。まぁそうだよね、ラッキースケベな展開なんて始まらないよね……。

 ウィングスティックの羽の部分は鋭利な刃となっているため、敵に当てると大ダメージになりそうだなと考えながらミニゲームをこなし、ウィングスティックを5個もらって免許皆伝となりました。脱線してしまったので、お姉さんのわがままバディに後ろ髪をひかれる思いを振り払い、依頼を受けていたミッションを遂行すべくバギーに乗り込み移動を開始! ここから始まる俺のRAGE!!

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QuakeConのスポンサーのひとつ、ボイスチャットのメーカーVentriloは、Rageのコンテストのために、Ford F-150をカリカリチューンにした“Rage Edition”をプレゼントとして用意。価値としては7万ドルだそうで。

 道中は特に敵と遭遇することもなく目的地へ到着。敵の制圧下にある施設へと侵入するため、かなり慎重に歩みを進める必要がありそうだ。ゆっくり歩きながら索敵をしていると、敵が突然横から出現。慌てたものの、事前にゲットしていたショットガンの眼前に飛び出した敵はボタンひとつでミンチに。余韻に浸る間もなくつぎつぎと敵が出現するので、ダメージをくらいつつもなんとか撃退。と、ここで敵の死体に近接攻撃を食らわせてやろうかと思いカーソルを合わせてみたところ、画面上にAボタンを押せという指示が出る。なにかと思えば倒した敵からアイテムを強奪できるとのこと。過去のid softwareにはない展開だなぁと思いつつも、ありがたくゴミ漁り。

 幾つかの戦闘をこなしていると、さすがに弾薬が足りなくなってきたので、早速ウィングスティックを活用してみた。投擲すると、照準を合わせた場所へと飛んでいき、敵の頭部に接触すると弱い相手なら一撃でヘッドレスバディが完成します。このとき、胴体にウィングスティックが刺さったままの状態になることもある。Aボタンで拾い直すことができるので、これを読んでいる読者は忘れずに拾っておくといいだろう。僕はこれを忘れてしまい、力尽きるヘマをやらかしました。

 依頼通り指定されたエリアを制圧すると、オアシスへと戻ることに。例の中年にミッション完了のむね報告すると報酬を獲得することができた。このように複数の依頼をこなし、報酬を得ることで新たな武器やガジェットが購入できるようになるのだ。

 遊んでいて、敵が被弾したときの動きが豊富な点に気がついた。脇腹に被弾すれば、そこを手で抑えながら苦しそうに走り、足を撃たれると引きずりながら走ってくる。そこに至るまでのモーションも非常になめらかで、不自然さを一切感じないのは賞賛に値するレベルと言える。いや、冗談じゃなくてこれ皆さんも一度見てみるといいですよ? 特にモーションデザイナーを飯の種としているなら必見!

 そんなこんなでシングルプレイヤーの導入部を遊んでみたわけですが、id softwareの総帥であるジョン・カーマックいわく4時間も遊べばこの世界の意味を知ることになるだろうとのこと。まだまだ不明点も多いけど、とにかく操作して楽しい、見ていて楽しいといった体験プレイでした。

●俺とダニーとミュータント

 さて、つぎにQuakeConの会場で体験できた協力プレイをレポート。メインストーリーとは異なり、サイドストーリーの位置づけのモードとなっている。今回プレイできたのは刑務所からスタートするミッションだった。見知らぬアメリカ人の青年(命名 ダニー)とスオミ松崎でクリアーすべく奮闘してきました。

 まず、刑務所の様々な場所にレバーやスイッチといった仕掛けが配置されている。これらを動作させることでつぎのエリアへと進むことができるのだが、大量の敵がお出迎えしてくれるので簡単には進むことができない。僕は基本的にショットガンで前衛を、ダニーはマシンガンで後衛を務めるといったスタイルで少しずつ敵を排除していく。

 すると、まれに背中に燃料タンクを背負った敵が出現するのだけど、こいつの防御力が非常に高く、接近してのショットガンでも苦戦してしまうほどだ。ただ、背中のタンクはウィークポイントとなっており、僕が引きつけているあいだにダニーが背後へと回りこみ、引火するまで撃ち込むことで対応。まれに引火したオイルタンクがジェット噴射を開始し、スペースシャトルの打ち上げを彷彿とさせる垂直上昇を開始する。これは見た目が面白すぎるので周囲の観戦者も大爆笑してました。

 その後も極力役割分担を徹底することで、可能な限り敵を排除して進んでいったものの、徐々に数を増してくる相手に大苦戦。力尽きて地面に倒れ伏してしまったものの、ダニーが懇切丁寧に蘇生してくれるので一瞬惚れそうになった。これが吊り橋効果ってやつか!

 そんなこんなでエリアを進んでいくとゴールへと到達。終了時に算出されるスコアは恐らくオンラインのランキングに対応しているのだと思う。バディとなっていたダニーとガッチリと握手し、お互いの健闘を讃え合い僕達の戦いも終了。もう、彼と出会うことは二度とないと思うけど、背中を預けた君を決して忘れないだろう。

 といった感じで遊んでみた強力プレイですが、10分程度で密度の濃い銃撃戦を遊ぶことができ、仲間と共闘していることを非常に強く意識させる内容となっていました。これはテンション上がるし、厳しい展開になればなるほど盛り上がるので是非遊んでみてほしい。そこで読んでいる君も背中を預けられるバディと共に戦ってみようぜ!