●ゲームソフト事業、オンライン・モバイル事業ともに大幅な増収に

 コーエーテクモホールディングスは、2011年8月5日、平成24年3月期第1四半期の連結業績を発表した。それによると、売上高は67億1700万円(前年同期比26.0%増)、営業利益は3億4300万円(前年同期は営業損失8億3300万円)、経常利益は4億7600万円(前年同期は経常損失8億7200万円)、四半期純利益は2億6500万円(前年同期は四半期純損失3億3100万円)となっている。この結果について、「成長分野へのリソース投入や継続的なコストダウンなど、成長性と収益性の実現に向けた取り組みを強化してまいりました。その結果、ソーシャルゲームの主力タイトルが好調を維持し、家庭用ゲームソフトも順調に売上を伸ばしたことから大幅な増収を達成するとともに、前年同期の赤字から黒字転換するなど収益性の改善も進みました」(決算短信より)と分析されている。

 部門別に見ると、ゲームソフト事業では、売上高が46億3000万円、セグメント利益は3億1000万円となった。『DEAD OR ALIVE Dimensions』(3DS用)をワールドワイドで同時発売したほか、国内市場にて大ヒットした『ガンダム無双3』を欧米向けにリリース。国内では『信長の野望・天道 with パワーアップキット』(PS3用)、『トロイ無双』(PS3用、Xbox360用)を発売。これら新作タイトルが好調だったことに加えて、『真・三國無双6』をはじめとする既発売タイトルのリピート販売も堅調に推移したことで、増収となり、損益も前年同期に比べて大きく改善した。今後は、Wii Uへの参入を決定し、『NINJA GAIDEN 3 Razor's Edge(仮称)』の発売を予定するなど、「新ハードへ積極的にタイトルを投入してまいります」(決算短信より)としている。

 オンライン・モバイル事業では、ソーシャルゲーム事業・オンラインゲーム事業がともに大幅な増収増益を達成し、売上高14億400万円、セグメント利益2億8400万円となった。
 ソーシャルゲーム事業においては、各タイトルとも順調にユーザー数を伸ばし、4月に『100万人の信長の野望』が登録者数150万人、『100万人の三國志』が同100万人を突破。スマートフォン向けについても、6月に『100万人のモンスターファーム』のサービス提供を新たに開始し、順調な立ち上がりとなっている、としている。さらにPC向けでは、サービス中のタイトルが引き続き好調に推移しており、「今後も、自社有力IPを軸に数多くのタイトルをリリースし、携帯・PC・スマートフォンと各プラットフォームへの展開を図ってまいります」(決算短信より)と、さらに積極的に展開していく姿勢が示された。一方グローバルソーシャルゲーム戦略の一環として、新たにFacebook向けタイトル『JollyWood』のサービスを6月より開始。「当社グループは、様々なパートナーとの連携を強化しながら欧米やアジアへソーシャルゲームを積極展開することで、海外市場でのプレゼンスを高めてまいります」(決算短信より)と、世界展開についても積極的な姿勢が表明されている。オンラインゲーム事業においては、『大航海時代 Online』を始め各タイトルともおおむね計画通り推移するとともに、事業内容見直しによる収益性の改善も進み、業績に貢献したとしている。