2023年4月22日、23日、埼玉県・さいたまスーパーアリーナおよびアソビストアでの配信にて、『アイドルマスター ミリオンライブ!』(以下、『ミリオンライブ!』)10thライブ“THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-1 H@PPY 4 YOU!”が開催。本記事では、その1日目の模様をお届けする。出演者は以下の通り。
出演者(敬称略)
- 山崎はるか(春日未来役)
- 小笠原早紀(野々原茜役)
- 角元明日香(島原エレナ役)
- 郁原ゆう(エミリー スチュアート役)
- 斉藤佑圭(永吉昴役)
- 末柄里恵(豊川風花役)
- 種田梨沙(田中琴葉役)
- 中村温姫(ロコ役)
- 夏川椎菜(望月杏奈役)
- 野村香菜子(二階堂千鶴役)
- 浜崎奈々(福田のり子役)
- 平山笑美(北上麗花役)
- 藤井ゆきよ(所恵美役)
- 渡部恵子(周防桃子役)
- 渡部優衣(横山奈緒役)
2013年2月27日に産声を上げた『ミリオンライブ!』。その後、2014年6月7日、8日に各アイドルを演じるキャスト陣による単独ライブイベントが始まった。そして『ミリオンライブ!』が10周年を迎えた今年、記念すべき10thライブがツアーとして開催されることとなったのだ。
なお、今回のライブツアーは以下の4会場で開催される。本公演はその初演となる。アソビストアでの配信は海外でも観覧可能ということで、グローバルに展開する
- Act-1:2023年4月22日、23日 さいたまスーパーアリーナ
- Act-2:2023年7月29日、30日 ポートメッセなごや 新第1展示館
- Act-3:2023年11月4日、5日 西日本総合展示場 新館
- Act-4:2024年2月24日、25日 Kアリーナ横浜
※日時、会場は予告なく変更になる場合があります
1st~4thライブがいま蘇る!
今回の公演も、恒例の影ナレタイムから。久々に“765プロダクション”の事務員・音無小鳥(声:滝田樹里さん)が登場し、会場に訪れたプロデューサー(※『アイドルマスター』シリーズのファンのこと)たちへ注意事項を伝達していた。最後に、高木社長(声:大塚芳忠さん)とともに開演を宣言し、舞台の幕が上がる。
オープニングアクトは『ミリオンライブ!』の始まりとも言える楽曲『Thank You!』。会場を埋め尽くしたプロデューサーたちの大歓声の中、配信でも流れを追うことができないくらいのコメントの嵐の中、アイドルたちの10年間の想いと経験とが詰まった、安定のパフォーマンスが披露された。
そしてアイドルたちが自己紹介を行うオープニングMCへ。15人ひとりひとりのプロデューサーたちの心を掴んで離さないトークテクニック、巧みに入る合いの手、そしてハプニング。舞台裏のスタッフ(JUNGO氏)も巻き込んで、大盛り上がりを見せていた。アイマスライブはMCコーナーでもまったく気が抜けないのだ。
衣装についても発表が。じつは今回の衣装は、過去に行われた1st~4thライブまでのものを組み合わせたオリジナルの新衣装なのだという。また、ライブの内容も同じく1st~4thまでを振り返るものになっていて、Act1のタイトル“H@PPY 4 YOU!”は、1stライブの“HAPPY☆PERFORM@NCE!!”と4thライブの“TH@NK YOU for SMILE!!”から取っているとのこと。
ライブパートでは『LIVE THE@TER PERFORMANCE』、『LIVE THE@TER HARMONY』シリーズに収録された各アイドルのソロ曲がつぎつぎと披露されていく。まずは『素敵なキセキ(Long Intro Ver.)』(山崎さん)。間奏中には2曲目にして早くもウェーブを要求、観客席のプロデューサーたちも見事に応えて猛スピードの波が発生していた。2曲目は『ハッピー☆ラッキー☆ジェットマシーン(Long Intro Ver.)』(渡部優衣さん)。長い手足が映えるダンスにも歓声が上がっていた。ちなみにこの2曲、1stライブでもソロ曲の1曲目、2曲目に披露されていた。
さらに4thライブから『Heart▼・デイズ・Night☆』(※▼はハートマーク)(小笠原さん)、『IMPRESSION→LOCOMOTION!』(中村さん)が登場。 茜やロコの楽曲はネタが満載過ぎて歌唱もレスポンスも(ゲームでの演奏も)ハードモードだが、一体となった会場にはなんら問題はなく(プロデューサーたちの腕に疲労は溜まっていたようだが)、楽しさが溢れていた。
3rdライブからは『MY STYLE! OUR STYLE!!!!』(渡部恵子さん)、『求ム VS マイ・フューチャー』(浜崎さん)が登場。前者は“1かける5はミリオン”という、桃子を象徴するような歌詞が印象的な楽曲。10thのいま、より味わい深くなって帰ってきたのだ。そして後者は、かつてセンターステージをプロレスのリングに変えた名曲である。間奏中にはいまやおなじみの「のーりー子ー!」コールも湧き起こっていた。
第1ブロックを締めくくったのは、ライブではおなじみのナンバー『Eternal Harmony(Long Intro Ver.)』(山崎さん、角元さん、郁原さん、末柄さん、小笠原さん、平山さん、夏川さん)。
MCコーナーでは過去のライブを振り返っていく。この日の入場時に流れたブザーは1stライブと同じもので、思わずジンと来てしまったメンバーも多かったのだとか。また、2ndライブのトラブルや3rdライブでメンバーがついに揃ったこと、ソロ曲初披露の思い出やダンサーさんたちとのエピソードなど、いつも以上に話の尽きないトークが展開された。
爽やかな歌声に浄化されるプロデューサーたち
第2ブロックは、配信のコメントでも「浄化ゾーン」、「爽やかゾーン」と謳われる楽曲が集った。
まずは『Blue Symphony(Long Intro Ver.)』(藤井さん、野村さん、種田さん、郁原さん、斉藤さん、平山さん)。単独ライブより前の“THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2014”(2014年2月22日、23日にさいたまスーパーアリーナで開催)でも披露された、『ミリオンライブ!』を象徴する楽曲のひとつでもある。これまでは3~4人で歌われることが多かったが、今回は過去最多の人数(6人)でのパフォーマンス。キャスト陣が披露するキレッキレのダンスにも大きな歓声が上がっていた。
ソロ曲は、3rdライブより『bitter sweet』(末柄さん)。6thライブ以来久々の披露となったミドルテンポのしっとりとしたオトナのナンバーで、プロデューサーたちを癒やしていた。『Day After “Yesterday”』(斉藤さん)は4thライブ以来。昴のピュアな部分を感じさせる、透き通った声が会場の空気を爽やかなものに変えていた。
続いては3rdライブより『サマ☆トリ ~Summer trip~』(平山さん)が続き、“どんな季節でも夏にトリップできる”ような爽やかでちょっぴりオトナな雰囲気のパフォーマンスに、思わず「うんうん」と頷いてしまうプロデューサーが続出していた。
『HOME, SWEET FRIENDSHIP』(浜崎さん、渡部優衣さん、渡部恵子さん)はオリジナルの歌唱メンバー5人(リコッタ)のうちの3人が登場。間奏中にはおなじみの「ハイ、ポーズ!」で会場のプロデューサーたちとポーズを決めるシーンも。
しかし爽やかな空気は、続く『リフレインキス』(藤井さん、種田さん、角元さん)のイントロが掛かると一変。『ミリオンライブ!』では異色でもある、妖艶な空気をまとった人気楽曲である。歌詞の内容や歌唱の色っぽさに会場も配信も大盛り上がり。とくに配信では神業カメラワーク&スイッチングが披露され、多くのプロデューサーたちが息絶えそうになっていたらしい。円盤発売の前に、アーカイブ配信も実施されるので、気になる人はアソビストアをチェックしてみてほしい。
続くMCコーナーでも「ありがとう~!」と言いながらメンバーが登場していた。トークでは、それぞれのソロ曲にまつわるエピソードのほか、名古屋での食べ物の恨み(?)の話や、某食いしん坊さんが食べ物を分けてくれて親交が深まった話など、なぜか食べ物関係の話で大いに盛り上がっていた。
涙腺アタックにプロデューサーたちは耐えられるのか!?
第3ブロックは“泣かせるゾーン”。
開幕は『恋の音色ライン』(野村さん)。4thライブ以来となる、切ないラブソングがプロデューサーたちを魅了していた。続くは同じしっとり系のラブソングでも、ラテン系の情熱的な恋愛がテーマとなる『想いはCarnaval』(角元さん)。こちらは3rdライブ以来である。それぞれ、千鶴とエレナの“いつもと違う一面”を表した楽曲でもあり、あらためてふたりの魅力を感じたプロデューサーも多かったのではないだろうか。
3rdライブで披露され、ライブでは7th以来となる『君だけの欠片』(郁原さん)。エミリーの夢と憧れを歌い上げるバラードである。なお、この楽曲の作詞作曲を担当したのは第1ブロックで登場した、プロレスナンバー『求ム VS マイ・フューチャー』と同じ藤本記子氏である。
『ホントウノワタシ』(種田さん)は、ライブでは3rd以来2回目の歌唱。静かに、情熱的な胸の内を歌うバラードに、ここまで涙腺を刺激され続けてきたプロデューサーたちも耐えきれなくなってしまったようで、配信では「泣いた」、「泣ける」というコメントで埋め尽くされていた。
そんなプロデューサーたちにトドメを刺したのが、初期の単独ライブでの定番曲『ココロがかえる場所』(野村さん、渡部恵子さん、中村さん)。情感たっぷりに歌い上げる歌姫たちの声と、スクリーンを使ったエモーショナルな演出の数々は、舞台袖に控えていたアイドルたちをも泣かせてしまっていたらしい。
ラストは『Dreamscape』(浜崎さん、斉藤さん)。“夢のような情景”というタイトルが示すとおりの爽やかなナンバーで、プロデューサーたちの涙を乾かしてくれていた。こちらも3rdライブ以来で、「なぜこの曲がこれまで眠っていたのか……」とあらためて“気付き”を与えてくれていた。
MCコーナーではソロ曲について、思い出と、久々に披露するにあたっての準備などが語られた。しかし準備を重ねた中でも、この日の“泣かせる”セットリストはツラかったようで、それぞれが泣きそうになりながら歌っていたらしい。
ツアー初日なのに気分は千秋楽!? 感動的なフィナーレへ
まだソロ曲を披露していないアイドルは恵美と杏奈のふたりだけ。いったいどちらが先に出てくるのか……。
この日の21曲目は『VIVID イマジネーション』(夏川さん)。2ndライブで初披露された楽曲だが、意外にも3rdライブ以来登場していなかった。コール箇所が多いこの楽曲は、声援が解禁されたいまプロデューサーたちが求めていたものだっただろう。
先ほどまで泣いていたプロデューサーたちが一気にレッドゾーンへと突入したところへ、投入されたのは『アフタースクールパーリータイム』(藤井さん)。思い入れのあるプロデューサーも多いであろう楽曲で、ダンスなどの演出も合わせての完璧なパフォーマンスに、せっかく泣き止んだのにまた涙することになったプロデューサーも多かったようだ。
『ミリオンライブ!』のライブ運営スタッフはSが多いのか、涙腺アタックの的確さに定評がある。そんな彼ら彼女らが用意したのは『fruity love』(小笠原さん、中村さん)。3rdライブ以来、さまざまな舞台で歌われてきたこの楽曲だが、さまざまな事情が重なって、このオリジナル歌唱メンバーがライブでふたりきりで揃うことは2016年のCDリリース記念イベント以来なかった。それがこのタイミングで実現したのである。エモすぎて、ライブツアー初日にしてプロデューサーのライフはゼロよ……。
しかし追い討ちは続く。『PRETTY DREAMER』(末柄さん、渡部優衣さん、夏川さん、山崎さん)、『Shooting Stars』(藤井さん、小笠原さん、平山さん、斉藤さん)、『STANDING ALIVE』(種田さん、中村さん、角元さん、浜崎さん、末柄さん)と、『ミリシタ』の3属性を代表する(リリースされたのは『ミリオンライブ!』時代)楽曲が立て続けに披露されたのである。
ちなみに『PRETTY DREAMER』は単独ライブに限って言えば10回目の登場となる。これは全体曲以外では飛び抜けて多い数字である。
ここでさらなる隠し球が飛びだしてくる。『アイドルマスター ミリオンラジオ!』の初期テーマソングだった『U・N・M・E・Iライブ』(渡部恵子さん、野村さん、山崎さん、夏川さん、郁原さん、渡部優衣さん)である。単独ライブでは1st以来、9年ぶりの登場で、オリジナル(山崎さん、田所あずささん、麻倉ももさん)以外の歌唱メンバーでの披露は初めてとなる。ラジオでも2016年8月から『ターンオンタイム!』に変わっていたため、ライブではコールなど難しいのでは……と思いきや、会場の反応も完璧で、『ミリオンライブ!』のプロデューサーたちのポテンシャルの高さを感じさせる1曲となった。
そしてステージ上に再び本日のキャスト全員が集結し『Dreaming!』(ミリオンスターズ)を歌い上げ、一旦ステージの幕は下りる。
アンコールの前に、高木社長が登場して業務連絡という名のゲーム&関連情報の告知が行われた。詳細は下の記事を参照していただきたい。
告知後、高木社長にコールを促され「アンコール!」の声が鳴り響く中、ステージには、『ミリオンライブ!』10周年記念衣装“リ・プロローグ・X(クロス)”に身を包んだアイドルたちがもう一度集結。同じく10周年記念楽曲である『Crossing!(Long Intro Ver.)』を披露する。
そして本日出演のキャスト陣による最後の挨拶が行われる。Act-1にしてプロデューサーたちに負けないくらい泣きそうになっているキャストも……。演者も客席もモニターの前も、みんなが同じ気持ちを共有していることを実感できるひと幕であった。
なお、山崎さんの最後のあいさつでは、3rdライブツアー幕張公演で歴史に刻まれた、伝説のあのセリフが再現されていた(『ミリラジ』でもう一方の当事者に話は通してあったようだ)。『ミリオンライブ!』好きなら、この最後の数十分のためにアーカイブ配信を観る価値はあると言える。
千秋楽かと勘違いしてしまうくらいの雰囲気に包まれていたこの日最後の楽曲は『Thank You!』。そしていつもの「プロデューサーさん、『アイマス』ですよ、『アイマス』!」のセリフで締めくくられた。閉幕後も感動の声を上げていたプロデューサーたちを見ると、いよいよ『アイマス』のライブが本格的に帰ってきたのだと感じられた。10thライブツアーは始まったばかりだが、この日のステージを見たキャスト陣が、明日DAY2はどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。じつに楽しみである。
“THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-1 H@PPY 4 YOU!”DAY1 セットリスト(敬称略)
- Thank You!(ミリオンスターズ)
- 素敵なキセキ(Long Intro Ver.)(山崎はるか)
- ハッピー☆ラッキー☆ジェットマシーン(Long Intro Ver.)(渡部優衣)
- Heart▼・デイズ・Night☆(小笠原早紀) (※▼はハートマーク)
- IMPRESSION→LOCOMOTION!(中村温姫)
- MY STYLE! OUR STYLE!!!!(渡部恵子)
- 求ム VS マイ・フューチャー(浜崎奈々)
- Eternal Harmony(Long Intro Ver.)(山崎はるか、角元明日香、郁原ゆう、末柄里恵、小笠原早紀、平山笑美、夏川椎菜)
- Blue Symphony(Long Intro Ver.)(藤井ゆきよ、野村香菜子、種田梨沙、郁原ゆう、斉藤佑圭、平山笑美)
- bitter sweet(末柄里恵)
- Day After “Yesterday”(斉藤佑圭)
- サマ☆トリ ~Summer trip~(平山笑美)
- HOME, SWEET FRIENDSHIP(浜崎奈々/渡部優衣/渡部恵子)
- リフレインキス(藤井ゆきよ/種田梨沙/角元明日香)
- 恋の音色ライン(野村香菜子)
- 想いはCarnaval(角元明日香)
- 君だけの欠片(郁原ゆう)
- ホントウノワタシ(種田梨沙)
- ココロがかえる場所(野村香菜子/渡部恵子/中村温姫)
- Dreamscape(浜崎奈々/斉藤佑圭)
- VIVID イマジネーション(夏川椎菜)
- アフタースクールパーリータイム(藤井ゆきよ)
- fruity love(小笠原早紀/中村温姫)
- PRETTY DREAMER(末柄里恵/渡部優衣/夏川椎菜/山崎はるか)
- Shooting Stars(藤井ゆきよ/小笠原早紀/平山笑美/斉藤佑圭)
- STANDING ALIVE(種田梨沙/中村温姫/角元明日香/浜崎奈々/末柄里恵)
- U・N・M・E・Iライブ(渡部恵子/野村香菜子/山崎はるか/夏川椎菜/郁原ゆう/渡部優衣)
- Dreaming!(ミリオンスターズ)
- Crossing!(Long Intro Ver.)(ミリオンスターズ)
- Thank You!(ミリオンスターズ)
[2023年4月24日20時20分修正]
本文中の一部表記を修正いたしました。