2022年6月29日に5周年を迎えた、スマートフォン向けアプリ『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』(以下、『ミリシタ』)。それを記念して、菊地真役の平田 宏美さんにインタビューを実施。17年来の付き合いとなる真を演じるときに意識していることや、これまでの活動において印象的だったことなどを聞いた。

※本インタビューは2022年5月中旬に実施しました。
※本インタビューは2022年6月16日発売の週刊ファミ通(2022年6月30日号 No.1750)に掲載したものに加筆、修正を行ったものです。

平田 宏美(ひらた ひろみ)

2月19日生まれ。広島県出身。声優として、『あそびにいくヨ!』(糸嘉州マキ役)、『祝福のカンパネラ』(アルトワーズ、モンテッキア役)、『ケロロ軍曹』(ギョロロ役)、『閃乱カグラ』(雅緋役)、『テイルズ オブ エクシリア』(イスラ、セルシウス役)、『魔界戦記ディスガイア』(マオ役)など、数多くのゲーム・アニメ作品で活躍している。

『ミリシタ』平田宏美さん(菊地真役)インタビュー。「初星宴舞で『迷走Mind』を披露したときは、初めて心のそこからステージを楽しめました」
『ミリシタ』平田宏美さん(菊地真役)インタビュー。「初星宴舞で『迷走Mind』を披露したときは、初めて心のそこからステージを楽しめました」

先輩然とせず、慈愛や親しみの心をもってシアター組と接する

――真の第一印象は覚えていますか?

平田最初に真を見たときは、「なんで、男の子が紛れているんだろう」という印象を抱きました。彼女の設定も拝見して、ボーイッシュと書かれていたのですが、ボーイッシュの上を行くような、本当に男の子のようなキャラクターだなと思いました。私服も、短パンでTシャツだったので、すごく活発な子なのかなと感じましたね。

――当時のオーディションでは、最初から真を受けられたのですか?

平田オーディションは、自分で受ける役を決められたので、真か(三浦)あずさで受けようと思いました。私的には、真のようなボーイッシュな子が得意なのですが、女の子らしい子も受けてみたいと考えていました。でも、やっぱり自分の中で得意としている子を受けたほうがいいのかなと思い、真でオーディションを受けることにしました。

――そうしたオーディションを経て、真とは17年もの付き合いとなっていますが、真を演じるときに意識していることはありますか?

平田昔は、自分でスイッチを入れて「ここはかっこよく演じよう」とか、「ここはありのままのお芝居をしよう」というような切り換えをしていました。いまはもう、とくに何かを意識することなく、セリフを読んだら自然と真を演じられるようになっています。真との付き合いも長いですからね。

――真役が決まってから、『アイドルマスター2』やアニメなど、さまざまな作品で活躍されましたが、『ミリオンライブ!』の企画が立ち上がると聞いたときの印象はいかがでしたか?

平田新しい『アイマス』のブランドに、私たち765プロオールスターズも参加させていただけるということで、少し驚きましたが、また新たに真の活躍の機会が得られることが、うれしかったです。

『ミリシタ』平田宏美さん(菊地真役)インタビュー。「初星宴舞で『迷走Mind』を披露したときは、初めて心のそこからステージを楽しめました」

――そうして『ミリオンライブ!』がスタートしてから約4年後、『ミリシタ』もスタートしました。『ミリシタ』では、先輩として活躍する場面や、後輩たちと交流するシーンが多く見られるようになりました。『ミリシタ』を通じて、真への印象が変わったり、演じるうえで変化した部分はありますか?

平田先輩然とした話しかたなどはあまり意識していませんが、真よりも年齢が下の子と会話するときは、慈愛の心を持ってやさしく話すことを意識して、逆に少しでも年上だったら、しっかり敬語を使うようにしています。

 一方で年齢は上だけれども、事務所の立場としては真のほうが先輩なので、敬語ではありつつも、親しみを込めて接するように心掛けていますね。

――いい意味で、体育会系っぽい、真らしさを大事にされているのですね。『ミリシタ』内のメインコミュやイベントなどで、演じていて印象的だったものはありますか?

平田真が作中の劇中劇で、冷酷な役どころを演じるときがありました。ふだんの真はすごくやさしい子だけれども、演じるうえでは非情な部分も表現しないといけなかったので、どれくらいの匙加減で演じたらいいのか、少し悩みながら収録した思い出がありますね。

――なるほど。劇中劇はそのアイドルが演じるならという部分がおもしろい部分でもありますからね。では、お気に入りの楽曲などはありますか?

平田『ミリオンライブ!』の楽曲だと、『Birth of Color』です。真がユニットのリーダーを担当していることも印象的ですが、盛り上がっていく曲調も大好きです。ダンスも私好みで、メンバーみんなと一体となってパフォーマンスできる楽曲ということもあり、とくにお気に入りです。

――真としては、2021年にソロ曲『セピアカラフル』も登場しましたが、初めて聴いたときの印象をお聞きできればと思います。

平田すごく重い楽曲だなと思いました。ただ、真が『ミリオンライブ!』でいろいろな経験を積んだからこその新たな挑戦のような楽曲だと思いました。収録自体は、すごく感情移入がしやすい楽曲でしたので、すんなりと行うことができました。

――ご自身が歌唱に参加されていない楽曲で、お気に入りのものはありますか?

平田全体曲ですと、『Thank You!』がいちばん好きで、『ミリオンライブ!』チームが『Thank You!』を歌っているのを見ると、いつもそこに混ざりたいと思っています。曲調も好みですし、聴いているとテンションが上がります。じつはまだライブで歌ったことがないので、いつか歌ってみたいです。

――あっ、そういえばそうですね。意外でした。

平田あと、こちらは歌ったことがありますが、『Flyers!!!』も好きです。全体曲以外だと、『合言葉はスタートアップ!』がお気に入りです。この歌を初めて聴いたのが“初星宴舞”でしたが、何度も聴きたい、本当にいい楽曲だなと思います。

――765プロオールスターズのメンバーが歌っていますが、『ミリオンライブ!』らしい楽曲になっている印象がありますよね。好きなアイドルはいますか?

平田私、(松田)亜利沙が大好きなんです! 亜利沙のかわいいところはもちろん、とっさに驚いたときに、低く「ハッ!」と声が出るところも好きです。

 また亜利沙が、自分がハマっているものをほかの人に進めるときに早口になって、みんなが「えっ?」と戸惑っていることにお構いなしに畳み掛けている姿も好きです。私が真役じゃなかったら、こんな子を演じてみたいと思うぐらい大好きで、いつかいっしょに歌も歌ってみたいですね。

――それは見てみたいです。5年目の『ミリシタ』では、シーズンごとにアイドルたちが活躍するイベント“MILLION THEATER SEASON”が実施中で、真は“CLEVER CLOVER”を担当し、『トレフル・ド・ノエル』と『Shamrock Vivace』に参加していました。それぞれの楽曲の印象や、レコーディングの思い出などありましたらお聞かせください。

平田『トレフル・ド・ノエル』は、王道なクリスマスソングで、クリスマスシーズンになったら毎年聴きたくなる楽曲ですね。『Shamrock Vivace』は、「いまからショーが始まるよ」と感じさせてくれる、ハッピーでテンションの上がる楽曲です。一度イベントで披露させていただきましたが、これからももっともっと歌えたらいいなと思いました。

 コミュについては、みんながやさしさに包まれるような、ほんわかするエピソードとなっていたので見てくれた方は楽しみつつも、感動できたのではないかなと思います。

――この1年、“CLEVER CLOVER”の生配信イベントや“ミリシタ感謝祭”への出演など、『ミリオンライブ!』のキャストさんとの距離が近い1年だったのかなと思います。ステージでいっしょにパフォーマンスをされて、いかがでしたか?

平田キャストのみんながたくさん努力してパフォーマンスしていることが、改めて理解できました。私からすると難しいダンスでも、皆はステージではしっかりとこなしていて、私たち(765プロオールスターズ)もがんばらないといけないと気合いが入りました。あとは、イベントではほかのキャストさんの衣装をお借りするのですが、衣装に着替えてみると、「スカートが短い!」と驚きましたね(笑)。

――765プロオールスターズの皆さんとパフォーマンスするのとでは、心持ちは違ったりするのですか?

平田765プロオールスターズのみんなとは長いので、いっしょにいると、やっぱり安心します。ステージでの空気の読み合いも自然とできますね。『ミリオンライブ!』のステージだと、初共演の方がいらっしゃることもありますし、私も『ミリオンライブ!』のステージはあまり経験していないので、常にドキドキしています。おそらく、『ミリオンライブ!』のキャストの方々も、私が先輩なので緊張しているだろうから、お互いにドキドキしながらステージに立っている感覚がありますね。

――『ミリオンライブ!』のキャストさんの中には、765プロオールスターズの皆さんのパフォーマンスを見て、「私も『アイマス』のアイドルになりたい」と思った方もけっこういらっしゃるようなので、緊張されるでしょうね。『ミリシタ』の5周年に合わせて、周年楽曲『夢にかけるRainbow』が登場しますが、こちらを聴いた印象を伺えますか?

平田これまでの周年楽曲は、みんなでいっしょに盛り上がれるものが多かったですが、今回は、ひとりひとりの個に焦点が当てられていましたので、ビックリしました。

 一方で、5周年という節目のタイミングで、アイドルひとりひとりを大切にすることで、アイドルたち全体の魅力をさらにアップさせるという意図もあるのかなと感じました。いつもとは違うことに挑戦することは大切だと思うので、今回の周年楽曲も、『ミリシタ』にとって大切な楽曲になると思います。

――レコーディングはいかがでしたか?

平田「夢にかける Rainbow!」というフレーズのテンポが速く、曲中に何度もくり返し登場するので、収録では活舌よく歌うのに苦労しましたね。

――注目して聴いてほしいポイントはありますか?

平田楽曲が進むにつれて、どんどん盛り上がっていく曲調になっています。何度聴いても楽しい曲だと思っていますので、ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。

『ミリシタ』平田宏美さん(菊地真役)インタビュー。「初星宴舞で『迷走Mind』を披露したときは、初めて心のそこからステージを楽しめました」

――これまで出演されたライブやイベントで印象的だったものはありますか?

平田『ミリオンライブ!』のライブでいちばん印象に残っているのは、“ HOTCHPOTCH FESTIV@L!!”です。『ミリオンライブ!』のメンバーとあそこまでしっかり絡むのは初めてだったので、「ミリオンチームはこんな風に表現するんだ」とすごく印象に残っていますし、いい刺激にもなりました。

 あと、私が担当した曲が、それまでほとんど歌ったことのない楽曲ばかりだったので、「なんで私だけ、こんなことになってるの? どうして?」と『ミリオンライブ!』の楽曲の難しさに苦労した記憶があります(笑)。

――そういった意味でも、お祭り感のあるライブでしたよね。ちなみに、『アイドルマスター』全体のライブやステージで、とくに印象的だったものはありますか?

平田“初星宴舞”です。私は、人前で何かをすることはそこまで得意なほうではなく、どちらかというと、籠もって仕事をするほうが向いていると思っていて。それでも、会場のみんなにライブを楽しんでもらうためにいつも全力で挑んでいます。

 ですので、自分がライブを楽しむことよりも、みんなが楽しんでくれることを優先していて、ほかのメンバーがパフォーマンスが終わった後に「楽しかった!」とステージを後にするのをうらやましく思っていました。

 そんな私が“初星宴舞”で『迷走Mind』を歌ったときに「楽しい!」という気持ちが溢れてきて。そんなことは、長くステージに立っていても初めてのことだったので、いまでも当時の感覚は忘れられません。あの瞬間だけは、心からステージを楽しむことができていました。

――改めて、真としてステージに立つときに意識していることなどをお聞かせください。

平田私はダンスの動きをちゃんと意識しないと緩慢になってしまうんです。でも、真はそういうタイプではないので、ダンスレッスンでは、自分が撮影した映像を見て、「真だったらもっとこう動くだろうな」という点を探して、無理をしてでも体を大きく動かしたり、表現を変えたりしています。プロデューサーさんたちに真を感じてもらいたいので、なるべく真に寄せるようにパフォーマンスをしています。

――平田さんのパフォーマンスを見ていると、真のような力強さをいつも感じます。

平田そう言っていただけるとうれしいです。

――ここ数年、ご時世的なこともり、イベントが延期になったり、中止になったりしている中で、2021年には“Animelo Summer Live 2021 -COLORS-”、2022年5月には“バンダイナムコエンターテインメントフェスティバル 2nd(バンナムフェス2nd)”にご出演されていました。それぞれのステージを振り返ってみての感想をお聞かせください。

平田“Animelo Summer Live 2021 -COLORS-”は、本当に久しぶりのステージということで、かなり緊張しましたが、みんながいっしょだったので、落ち着いてパフォーマンスすることができました。ただ、細かな反省点がいくつかあったので、今後のステージで修正しながら、もっともっといいパフォーマンスをしていけたらと思いました。

 “バンナムフェス2nd”では、765プロオールスターズとして出演したほかに、5ブランドのキャストさんたちと“FIVE STARS!!!!!”や『アイドルマスター スターリットシーズン』のチームとしても出演したので、かなりバタバタしていてたいへんでした。ですが、いろいろなチームでパフォーマンスしたからこそ、『アイマス』の混合チームでステージに立つことの多い中村(繪里子)の苦労が知れました。「中村、こんなにたいへんだったんだな。いつもありがとう!」と。あと、『VOY@GER』のパフォーマンスはとくにたいへんでした!

――『VOY@GER』は、『アイマス』の曲の中でも異色ですよね。

平田最初に先生のお手本のダンスの映像を見たときに、先生のステップが一切わからなかったです(苦笑)。本当に苦労しましたが、本番ではなんとかパフォーマンスすることができました。また、パフォーマンスを通じて、今後、『VOY@GER』をみんなで披露するのもおもしろいだろうなと思いました。

――“バンナムフェス2nd”では、『my song』がCD発売から14年のときを経て、初めてオリジナルメンバーで披露されたのも印象的でした。

平田そう! 演出の方に「オリジナルメンバーで歌うのは、今回が初めてだよ」と言われて、「やってなかったの、私たち⁉」と、とても驚きました。『my song』は何度も披露されているけれども、オリジナルメンバーで歌うのは初ということで新鮮な感覚でした。

――オリジナルメンバーで歌うにあたって、特別な思い入れなどはありましたか?

平田“バンナムフェス2nd”のお客さんたちの中には、『アイマス』を知らない方もいらっしゃるはずだから、『my song』をきっかけに、少しでも『アイマス』に興味を持ってもらえたらいいなとは思いました。この楽曲は、ダンスの振り付けもあまり激しいものではなく、歌うことに集中できるので、しっかりと楽曲のよさを届けられたのではないかと思います。

――“初星宴舞”から数えると、約4年半ぶりとなる歌がメインの765プロオールスターズの単独ライブ“SUNRICH COLORFUL”が7月に控えていますが、どのようなライブにしたいですか?

平田私の中での765プロオールスターズのいちばんのライブは“初星宴舞”だと思っているので、“初星宴舞”を超えるようなライブにしたいです。あとは、“初星宴舞”では皆さんが声を出せる状況でしたが、今回はそうではないので、声が出せない状態でどのように盛り上げていこうか、悩むところではありますが、それでも、プロデューサーに最高だったと思ってもらえるようなライブにしたいです。

――今後の活動で、挑戦してみたいことはありますか?

平田5ブランド合同のイベントがそこまで行えていないので、コロナ禍が空けたら、5ブランド合同で各地を巡業するイベントをやってみたいですね。さらに言えば、5ブランドの楽曲をいろいろなメンバーで歌ってみたいです。私たちも『お願い!シンデレラ』を歌ってみたいし、『シンデレラガールズ』のみんなも、私たちの楽曲を歌ってくれたら、きっと楽しいイベントになると思います。

――ちなみに、『お願い!シンデレラ』のほかに、5ブランドの楽曲で歌ってみたいものはありますか?

平田“初星宴舞”で、長谷川(※星井美希役の長谷川明子さん)が『追憶のサンドグラス』を披露したのですが、“初星宴舞”の中でいちばん素晴らしいパフォーマンスだったと思います。それだけ感動した楽曲を私もいつか歌ってみたいと思いましたね。

――その夢が叶うといいですね。それでは最後に、プロデューサーさんへのメッセージをお願いします。

平田『ミリシタ』を応援してくれて、そして、真を愛してくれてありがとうございます。真は、私の声優人生とともに歩んでいるキャラクターなので、皆さんに愛されていることを本当にうれしく思っています。『ミリシタ』、そして、真がいつまでも目標に向かって前へ前へ、そして上へと歩んでいくためには、さらなるプロデューサーのアドバイスと応援が必要になって来ると思うので、これからも応援していただけたらうれしいです。今後も、よろしくお願いします!

『ミリシタ』平田宏美さん(菊地真役)インタビュー。「初星宴舞で『迷走Mind』を披露したときは、初めて心のそこからステージを楽しめました」

週刊ファミ通2022年6月30日号 No.1750では、『ミリシタ』5周年記念特集を掲載

 週刊ファミ通 2022年6月30日号(No.1750)では、『ミリシタ』5周年記念特集を掲載。5年目の振り返りやプロデューサーアンケートなども掲載しているので、こちらも要チェック!

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