2018年11月23日(金・祝)、24日(土)の2日間、東京都港区にあるニッショーホールにて開催されるスマホゲーム『SINoALICE(シノアリス)』コンサート“SINoALICE CoNCERT ~ギシンとアンキの愉快な音楽祭”。本番数日前の11月某日、都内になるスタジオにて行われた同コンサートの映像演出を加えた通しリハーサル現場に潜入。『シノアリス』初のコンサートは果たしてどんなものになっているのか。

※ネタバレには配慮していますが、コンサート演出などに軽微なネタバレがあります。気にされる方はコンサート後にお読みください。

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『シノアリス』の音楽を手掛ける、ご存じ岡部啓一氏。
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コンサートの映像と演出を手掛けるアオキタクト監督。
『シノアリス』の藤本善也プロデューサー。
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コンサートマスター(※)兼メインアレンジャーの白須今さん。
※コンサートマスター……オーケストラの演奏をとりまとめる人。一般的に第1ヴァイオリンのトップ奏者がコンマスを務める。
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『NieR』や『音楽劇ヨルハ』などでもお馴染みの後藤貴徳さん(ギター)と川治恵美さん(ピアノ)も参加。

 まず、予想以上だったのは、楽器の編成。フルオーケストラではないけれど、それに近い編成で、とてもゴージャス。生の楽器の迫力、説得力も十分。曲によっては、クラシックっぽい編成にエレキギターも入るゲーム音楽っぽいおもしろさも。

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 『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』のPVや『NieR』コンサートの映像、『シノアリス』のPVなどを手掛けるアオキタクト氏の映像演出も世界観に没頭できるシリアスなものから、“ギシンとアンキの愉快な音楽祭”らしい笑えるものまで『シノアリス』らしい内容になっており、ファンのツボをしっかりと押さえつつ、期待以上のものになっていると感じました。

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 最後に、通しリハを終えたタイミングで岡部啓一氏(『シノアリス』音楽担当)、藤本善也氏(『シノアリス』プロデューサー)、アオキタクト氏(コンサート映像ディレクター・演出)、そしてヨコオタロウ氏(『シノアリス』原作・クリエイティディレクター)にコメントをいただいた。

――通しリハをご覧になった感想は?

岡部 じつは、最初、ヨコオさんとは楽器の構成でモメたんですよね(苦笑)。紆余曲折あって、僕の要望通りに大きな構成にしていただいたんですが、いろいろ無理なお願いして迷惑をかけただけの成果は出てるな、無理を言ってよかったという内容になっていて、これはイケるなと手応えを感じています。

――家庭用ゲーム用に作る曲とは違い、スマホゲームの『シノアリス』の曲は1曲の尺が短い曲も多いと思うのですが、それはどうされているのですか?

岡部 アレンジをやってくださった白須さんに、尺が長くなるようにアレンジしてもらった曲もありますし、複数の曲をメドレーっぽく絡ませて1曲にしているものもあります。

――それぞれの曲が聴き応えある、見どころもたくさんあるコンサートになっていると思いますが、そのなかでも「ぜひここに注目してほしい」といったポイントはありますか?

岡部 『NieR』でいろいろコンサートをやらせてもらって、9月にはオーケストラコンサートを開催させてもらいました。今回の会場はそのオケコンのときより小さいですが、その分、距離感が近く感じれると思うんです。また、楽器の構成もフルオケではないけれど、オケコンのようなスケール感はありつつ、ひとつひとつの楽器のニュアンスがしっかりと感じられる構成になっていますので、それらを楽しんでいただけるとうれしいです。あと、『NieR』は歌モノっぽい楽曲が多いんですけど、『シノアリス』はインストにコーラスが乗ってるゲーム音楽らしい構成になっていて、ラストのクライマックス感もちゃんと出ていると思うので、そこにも注目していただけると。『シノアリス』のファンの方がどれだけいらしてくれるのか、僕も楽しみにしています!

――通しリハをご覧になった感想は?

藤本 当事者ですけど、泣きそうになりました。内容がすばらしくて。『シノアリス』の音楽ってスマートフォン用のゲームなので、1曲ごとの尺が短いんですよね。それをメインアレンジャーの白須さんが1曲、1曲、丁寧にアレンジを考えてくださって、本当にすばらしいものになっています。

――『シノアリス』のサービスが始まって約1年半が経ちましたが、その間、ゲームも好評で海外展開も決定し、サントラも発売。そしてコンサートも開催と順調にきている印象ですが。

藤本 まだまだ順調だとは思っていません。お客様にもっともっと楽しんでもらいたいので、そのために、これからもスタッフやクリエイターの方々にさらにムチャ振りていこうと思っています。今回、とくにたいへんだったのはコンサートの映像や演出を手掛けてくれているアオキさんだったと思います。コンサートの尺分の映像をゼロから作っていただいた感じで。仕事がありすぎて、ご家族にもご迷惑をおかけしていると聞いています。奥様、申し訳ありません! そんなアオキさんがですが、コンサートに行かなかった人が「行っとけばよかった……」と後悔するようなすばらしいコンサートにする、と言っていたので、僕は安心して見ています。でも、奥様、スミマセン。

――では、コンサートに向けての意気込みを!

藤本 グランコロシアムの一部開催時間がコンサートとカブっているんですけど、僕が言うのもナンですが、グラコロは毎月ありますから(笑)。コンサートは11月23日と24日(土)の2日間しかありませんから! 当日券もありますので、ぜひ足を運んでください。迷われている方は、来ないと後悔すると思います! どうしても来られない方にはニコ生があります! よろしくお願いします。

――リハをご覧になった感想はいかがですか?

アオキ ヨコオさん、どうですか? 僕は演出をしているので、だいたい想定の範囲内なので、ぜひヨコオさんの感想を聞きたい。

ヨコオ 今回のコンサートでは、映像まわりを基本的に全部、アオキさんにお任せして作ってもらったんですけど、いろいろ山あり谷ありの映像を作っていただいて、思ったよりメリハリが効いているなと思いました。スマートフォンのゲームって家庭用ゲームより物語性が薄くて絵素材も少ないので、それをもとに映像を作ると平坦なものになりやすいんですけど、演出でメリハリがついていて、観応えがあるなと思いました。

アオキ たしかに、『NieR』は物語もしっかりあるし、ムービーなどの映像もあるしで、やりやすい部分はあったんですけど、今回は映像はないですし、さほど大きな物語もないので、「何からやっていけばいんだろう」とすごく悩んで、『NieR』のコンサートの映像より難しかったですね。

――でも、ほぼ全曲映像がありましたよね。この曲は映像はなしによう、などは考えなかったんですか?

アオキ ああ、それは考えなかったですね。その発想はなかった(笑)。

ヨコオ 基本的にアオキさんは真面目なんですよ。

――今回、映像だけではなく、演出もご担当ということで。

アオキ はい。幕間の映像や場内アナウンスも含め、ヨコオさんにアドバイスをいただきつつ、僕のほうでプランニングさせてもらいました。

――コンサートの演出は、これまで担当したことはあるんですか?

アオキ 映像の演出はありますが、コンサート全体の演出は初めてですね。コンサートというか出来事を演出する、というのは新鮮だったと同時に、ふだん使わない脳みそを使えて楽しかったです。

――さきほど、岡部さんが楽器構成はヨコオさんとモメたとおっしゃってましたが。

ヨコオ パンフレットにも書いてたんですけど、原曲のよさを出したい僕と、コンサートならではのアレンジでやりたい岡部さんとで楽器構成で言い争った結果、お金を払う人たちが「いいよ、それだったら(払う額を)増やすよ」って言ってくださって解決しました。

アオキ 金で解決した結果、楽器の数が増えたと。

――今回、映像演出も加わった通しリハをご覧になって、手応えは?

アオキ ほぼ意図通りになっているので、あとは映像が間に合うかどうか……。

――まだ仮の映像もありましたもんね(コンサートまであと数日の段階です)

ヨコオ 間に合わなかったら、当日中止します。もしくは、映像の途中、アオキさんがステージに登場して裸で踊り出す演出に変えたり。

アオキ でも、『NieR』のオケコンのときも、すべての映像が完成したのが、当日の明けがた5時でしたから。

――じゃあ、まだまだ余裕だと(笑)。

ヨコオ 前回以上の激しい戦場をアオキさんの体が求めているんですよ。

アオキ いやいやいや、バカなことを言わないでください。

――コンサート全体にいろいろな演出があって、『シノアリス』らしいコンサートだなと思ったんですが、ここはぜひ注目しておいてほしい、という要素はありますか?

ヨコオ 映像演出でお客さんに拍手を促す場面があるんですけど、拍手が一切なかったら、演出上おかしなことになるんで、その場合、現場でアオキさんがスゴイ勢いで拍手していると思いますので、それが見どころです。スゴい勢いで拍手するオシャレなメガネがいたら、それがアオキさんです。

アオキ (笑)。でも、僕もじつはその部分で。その場ならではの臨場感を感じてもらいたくて、映像を使ってお客さんとの掛け合いを用意したんです。

ヨコオ そんなにうまくいくかなー?

アオキ いきますって(笑)。ほかにもいろいろ危険な橋を渡っているんですけど。

ヨコオ 演出をいろいろ考えて、映像も作って、その激務のために自分の誕生日にも家に帰れなかったアオキさんが、失敗して大炎上して、地獄の憎悪の渦に巻き込まれるとおもしろいなと思っています。

――鬼(笑)。

ヨコオ うまくいくことを祈っておいてください。

 コンサートは当日券の用意もあるようなので、『NieR』とはまた趣きが異なる岡部サウンドをぜひ、生の迫力で体験してください! また、24日(土)はニコ生(有料)による配信もあるので、現地に足を運べない方はそちらでどうぞ。

11月24日の13時公演と千秋楽の17時公演はニコニコ生放送でも配信。

【昼・夜 通しチケット】
3000ニコニコポイント(税込 3000円)
※昼公演と夜公演の両方が視聴できます。

【昼公演のみ】
2000ニコニコポイント(税込 2000円)

【夜公演のみ】
2000ニコニコポイント(税込 2000円)

ネットチケット購入はこちら
https://secure.live.nicovideo.jp/event/lv316451653