いよいよ2011年7月14日に発売となる『アリス マッドネス リターンズ』。日本での発売が発表されて以来、発売日をいまや遅しと待ち続けている人も多いはず。今回は、そんな『アリス マッドネス リターンズ』のインプレッションをお届けする。さらに、ゲーム本編とは別に用意された要素についても簡単に紹介しよう。
『アリス マッドネス リターンズ』は、狂おしく、不気味で、美しい作品。ゲーム開始早々から、独自の路線をひた走る世界設定と、ヴィジュアルのセンスが目を惹き、一瞬にして本作の世界へと引き込まれてしまう。それほどまでに世界設定が特異であり、魅力的なのだ。少女がナイフを持って敵をバッサバッサと切り裂き、胡椒挽きのマシンガンで敵を撃ち抜き、しまいには巨大化してトランプの兵をプチプチと踏み潰し始める始末。とにもかくにも破天荒。それが、『アリス マッドネス リターンズ』である。
本作は、ゲームとしては非常にオーソドックスなアクションアドベンチャーゲーム。アリスを操作して、現れる敵を倒しながらステージを進んでいくことになる。しかし、オーソドックスとは言ってもアクション要素やパズル要素はしっかりと作られている。"この先へはどう進めばいいのか?"と、つねに考えながら、パズルを解き明かすかのごとく進んでいく。ただし、ステージは先に進むにつれて敵の攻撃も激化し、ただただ無闇やたらに攻撃すればいいというわけにはいかなくなる。また、突然横スクロールのアクションゲームをプレイすることになったり、わりと中途半端なリズムアクションが挿入されたりと、遊び心も満載。独特なデザインで作り込まれたステージを、ただ進んでいくだけではない、ちょっとした遊びも用意されているわけだ。
さらに、物語の各所で展開されるワンダーランドの住人たちとのやり取りも必見。とにかく何もしようとしないキャラクターたちのために、嫌々ながらせっせと問題解決にいそしむアリス。そんな彼女とワンダーランドの住人たちとの、歯に衣着せぬ皮肉と毒と罵声の応酬は、ときにプレイヤーが完全に置いていかれてしまうほど。このキャラクターたちの設定こそが、奇妙で魅力的な世界観を作り上げる一助となっているのだろう。
そんな中で描かれるのは、アリスが失った記憶を取り戻す物語。家族を火災で亡くし、自分だけが生き残ってしまった罪悪感から重い心の病にかかり、事故の記憶を失くしてしまったアリス。そんな彼女が、荒廃したワンダーランドと現実世界のロンドンを行き来しながら、失った記憶を取り戻すために奮闘するのだ。醜く変貌してしまったワンダーランドでの冒険と、色のないロンドンに住む醜い心を持った人々とのやり取り。そして、徐々に明らかになっていく事故の真相。先の展開が気になり、思わず遊んでしまうストーリーになっているのだ。
とにもかくにも、特異な世界観に圧倒されっぱなしの『アリス マッドネス リターンズ』。プレイすれば、毒がじわじわと全身に回るかのごとく、本作の世界にどっぷりと浸かってしまうことだろう。
各ステージには、アリスの"記憶の欠片"が隠されている。記憶の欠片を手に入れると、アリスが失った記憶に関する情報が得られるのだ。記憶の欠片は、すぐに見つかるものからステージ内に巧妙に隠されているものまで、多数用意されている。怪しいところは見逃さないようにしよう。
メインメニューには、一度プレイしたステージを自由に選んでプレイできる"章選択"のほか、ゲーム中で一度観たムービーの閲覧など、多彩な要素が用意されている。また、一度出会った敵の情報やアリスの過去の出来事など、ゲームプレイに役立つ情報から、世界設定をより深く知ることのできる情報まで見られるのだ。