PlayStation Moveモーションコントローラを使って、絵を塗ったりフルーツを切ったりとバラエティーに富んださまざまなミニゲームが楽しめるパーティーゲーム。ひとりでも十分楽しめるけど、本作の醍醐味はやっぱり対戦プレイ。最大4人での対戦プレイが可能なので、友だちや家族とみんなでワイワイ盛り上がろう! また、PlayStation Eyeで撮影した自分の顔や録音した音声をアバターとしてゲームに登場させれば、ゲームの世界に自分が飛び込んだような感覚が楽しめる。さぁ、リビングでパーティーを始めよう!

ハエたたき

ラケット(モーションコントローラ)を振って、画面を飛び回るハエを叩き落とそう。出てくるハエは2種類。赤いハエを叩くとラケットが壊れてしまうので、緑のハエだけを狙って叩け!

『Moveでパーティ』のココがポイント

  • 子どもから大人まで、誰でもいっしょに遊べるパーティーゲーム!
  • 20種類以上のミニゲームが楽しめる!
  • PlayStation Eyeでプレイヤーの顔と声を撮り込み、最大4人までの対戦プレイが可能!
  • 塗る、撃つ、飛ばす、叩くなど、モーションコントローラ1本で多様な遊びかたが楽しめる!
  • ふだんゲームで遊ばない人も簡単に楽しめて夢中になるミニゲームがいっぱい!

ヒヨコすくい

モーションコントローラが扇風機に早変わり! 上から落ちてくるヒヨコを扇風機の風で浮かしながら巣へ運んであげよう。タイミングが合わないとヒヨコに扇風機の羽が当たってしまうので気をつけて!!

ヘリコプターレスキュー

モーションコントローラでヘリコプターを操作して、ビルの屋上で助けを求めている人を救出し、病院まで運んであげよう。救出するのに時間がかかると、怪獣に食べられてしまう。怪獣に襲われないように素早く救出だ!

ほかにもいろいろなミニゲームがあるよ!

[Impression]

気がつけば今年ももう秋ですね。そして、俺はと言えば、気がつけば、もう押しも押されもせぬ立派なオヤジ、バカタール加藤です。

秋も深まり、このところ肌寒い日が続きますね。そんな中、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンから発売される『Moveでパーティ』というタイトルをプレイして、原稿を書いてほしい、と頼まれた。依頼主は、俺が最初に編集長になったときの編集部にいたスタッフで、当時の彼女は、まだ実家に家族といっしょに住み、毎週日曜日はラーメンの日という家族イベントに明け暮れていた。いや、明け暮れてはいないか。それはちょっと大げさだが、毎週日曜日には家族で必ずラーメンを食べていた、と言っていた。そんな家族仲のよさが、若干うらやましくもあった。そんな彼女もずいぶん前に実家を出て、すでにひとり暮らしがすっかり板に付き、都会の生活にもすっかり染まってしまったファミ通.comの敏腕女性記者だ。ところで、彼女の家族は、いまでも毎週ラーメンの日という行事を守っているのだろうか。

そんな彼女から、俺の自宅で家族と遊んでみて、感想を書いてほしい、という依頼があったわけだ。そうか、これが以前の彼女なら、ラーメンの日の代わりに家族で『Moveでパーティ』の日にできたはずなのに……。と思う間もなく、あ、当時はひとり暮らしだった自分の方に、妻と子どもがふたりいることに気づいた。

おお、たしかに、俺は、おあつらえ向きだ! じつは、俺は何気にゲームに詳しいし、テレビとゲーム機と周辺機器をつなげる技術にも長けている。そして、何しろわが家のリビングにはすでにプレイステーション3とPlayStation Moveがセットしてあるし、おまけに、わが家には、息子がふたりもいる! エンターブレインの従業員で子どもがいること自体そう多くはないと思うが、ふたりもいる人はさらに多くはないし、おまけにウチはふたりとも男の子だ! 家族でゲームをやるにはもってこいだ。さらに、彼女は妻のことも知っており、仕事上の付き合いもあった。とすれば、これはわが家で受けるべき仕事であろう、と思い、早速土日に家族で『Moveでパーティ』を遊んでみた。

さて、この『Moveでパーティ』は、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンから発売される、PS Move対応のパーティーゲームで、タイトルの通り、最新の入力デバイスであるPS Moveを使って、パーティーゲームをしちゃおう、というもの。まったくもってその通りで、これ以上わかりやすいタイトルはないかもしれない。

基本的には、友だちどうしや家族でミニゲームをわいわいがやがや遊ぶためのソフトだ。ちなみに、友だちと家族が混在するグループであったとしても問題なく遊べるが、「ワイワイガヤガヤ」と実際に口にする人には会ったことがない。

当然のごとく、ひとりから最大4人まで遊べるモードが搭載されているが、その多人数プレイも各プレイヤー順番にプレイするスタイルなので、“あそ棒”(モーションコントローラ)は1本あれば十分。そういう意味では、すでにPS Moveを持っている人が追加で投資をする必要はなく、気軽に遊ぶことができる。後述するが、この“気軽”というのが今作では重要なポイントのようだ。周辺機器になかなかそこまでお金を投入できるものではない、という判断があるのか、そこを敢えて押さえているのかな、とも感じる。

起動して、“みんなで”モードを選ぶと、アバター作成画面が出る。アバター作成画面といっても、非常に簡単で、各プレイヤーの写真と音声を撮(録)って、ゲーム内でのプレイヤーのアイコンというかキャラクター(アバター)になるのだ。基本的に、ここまでの誘導は音声がやってくれるので、息子たちにとっても、簡単ですでにイベントに参加している気分になっているし、6歳のお兄ちゃんの様子を見ていた、来月やっと3歳になる下の息子も、自然にフレームに収まり、大声で何やら叫んでいる。

じつは、このアバター作成、顔の写真だけではなく、写真とセットひと言音声も録音できるので、なんだか臨場感がある。また、従来のゲームでは、対戦前の儀式として、いちいちコントローラを順番にまわして、文字で名前を入力するというパターンも多かったが、この写真と音声(必ずしも、名前を言う必要はないが、つい名乗ってしまう)を入力する方法は、圧倒的に楽チンだ。名前を敢えて入れさせない。ここには細かいが刷新というか配慮がある。マルチプレイを始める際の、出だしのハードルが非常に低い。これを書いていて、気づいたが、本当にすぐに始められるというのは、パーティーゲームとして非常に正しい選択だと思う。

この写真と音声を簡便にセットにして表示するというアバターのギミックに、子どもたちはいきなり盛り上がっていたのだが、これは音声によるところが大きい。子どもはこういうとき大声で叫ぶが、その声を張り上げる行為によって、その対象に積極的に加わろうという態勢が作られ、いきなりハイテンションになってしまうようだ。

早速プレイを開始する。ふつうに“パーティ”モードを選んだ。ミニゲームがランダムで選ばれて、それを順次プレイしていくモードだ。テンポもよく、数秒から十数秒程度の短時間で終わるものばかり。最初に、○ボタンを押すと、これまた非常に勘弁なチュートリアルが表示される。何をすべきなのかは簡単に出てくるので、最低限何をしなくてはいけないのかだけ、明確に教えてくれる。ただ、漢字は子どもたちはまだ読めない。ただ、絵の雰囲気で何をするかはおおむね理解するようだ。が、ゲームの細かい部分の説明はない。やりながら知っていけ、という感じだ。そのあたりもパーティーゲームではプレイヤーどうしのやりとりを促すきっかけにはなりそうだ。ガチでゲームをやり込みたい、という作りにはなっていないのは明白だ。

ゲームを始めて、まず感じるのは、俺映ってる! っていう感じ。ほかのPS Move対応タイトルでもよくある演出だが、これが子どもたちに大ウケだ。また、まわりにいる人たちもけっこう画面内に収まるので、まさにホームビデオ型パーティーゲームな感じで、意外に手作り感というか、ウチの家族専用? 的なオリジナル感というか、そういう気配が漂う。

ミニゲームの種類は9種類。ハエたたき、ペイント、スプーキーショット、ポップインなど、いずれもPS Moveコントローラを、ハエたたき(ラケット)や絵筆、懐中電灯、ヤリなどの道具に見立てて遊ぶことができる。画面内をよく見ると、その見立て通りの道具に手元のモーションコントローラが変わっているし(たとえば、ハエたたきを持った自分が表示されている)、その道具を見ると、手の位置や手の微妙な動きやひねりなども、そのまま表現していることがよくわかる。

直観的な操作が多いので、大半のゲームは子どもたちでもすぐに理解できるものだが、部分的にはわからないものもあったようだ。が、漢字は大人が読んであげればよいので、困りはしない。俺がいれば。

子どもたちは、俺の予想以上に盛り上がって、キャーキャーいいながら遊んでいるが、その要因は画面に自分たちが表示されることが多いに関係しているようだ。また、この画面内に自分が表示されることの効果は、演出にとどまらない。画面に対して自分の大きさ、腕の長さなどが瞬時にわかるので、体感的なゲームプレイのベースにあるべき空間認識を容易にしている。やはり大画面テレビの方が向いていそうだ。

個人的には、ハエをばしばし叩く“ハエたたき”(ハエの登場の仕方が『ギャラガ』っぽい!)と、画面の指定された形に絵の具を塗るとそれが絵になって動く“ペイント”(PS Move同発の『Beat Sketch!』っぽい)がおもしろかった。あと、画面に手前に向かって行進してくるロボットの体に表示されたモニターに位置を合わせて、電気ショック攻撃を与えて行進を阻止する“ロボットパレード”は、ロボットの体に表示されたモニター内の映像が逆さまになっていたり、回転していたりして、ちょっと意地悪なところがよかった。それと、テンポよくモグラ叩きやワニの歯磨きなどを順番にこなしていくゲームも楽しかった。

ただ、ミニゲームの種類は、正直なところやや少なく感じた。もちろん、それぞれのゲーム性がかぶらないよう絞り込んだミニゲームだけを収録しているという意図もよくわかるし、ランダムでミニゲームが出てきて遊ぶ場合、あまりに多いところから出てくるといちいちルールを覚えなくてはならない、というリスクを軽減したのでは、という想像はつく。もっとも、1日、2日で飽きることはないだろうが、何度もやっていると飽きてしまう可能性はある。

ちなみに、ウチの息子たちのお気に入りは、上の子は、ヒヨコすくい、モグラたたき、ワニの歯磨。それとヘアメイクらしい。

結論から言うと、リビングで家族や友人とリクリエーション的に遊ぶにはもってこいのソフトだと思う。ただし、ゲームを極めようとか、ひとりで遊ぶにはあまり適していない。それから、小さい子どもだけで遊ぶのも、漢字等が読めない可能性もあるので、完璧に対応しているとは言えない。が、子どもは勝手に工夫するし、すぐに覚えてしまうので、それほど心配はいらないだろう。

後日談だが、じつは土日に遊んだあと、平日に編集部でひとりで遊んでみたところ、妙に寂しい気持ちになった。大勢で遊んだあとのひとりプレイは、自分の顔を撮ったり、音声入力をしている時点で、「気恥ずかしい」し、テンションが上がらない。

この寂しさは、喧噪の後の静寂というか、まさにパーティーの後、ゲストたちが帰ってしまい、ひとりで片付けをしているかのような寂しさ、だった。が、ある意味で、パーティー後の寂しさまで再現した点が、まさにパーティーゲームなのかもしれない。

(週刊ファミ通主筆 バカタール加藤)

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