香港をイメージした異国情緒溢れるステージを、イスや荷台、掃除機などの乗り物(?)に跨って滑走するアクションゲーム。プレイヤーキャラクターは、カンフーが得意な私立探偵のトビオかその秘書のカリン。さまざまな障害をはね除けながら、雑多な街中を疾走しまくろう。
舞台は香港をイメージした6エリア24コース!
香港をイメージした雑多な街中で滑走していく本作には、商業区や港広場などバリエーション豊かな6エリア24コースが用意されている。コースには分岐も多数存在。最短ルートやユニークなルートを探し出し、それぞれのコースに設定された目的地まで、マフィアの追手から逃げ切ろう。
乗り物は全部で12種類!
現在、明らかになっているのは、オフィスチェア、荷台、丸イス、掃除機の4種類。オフィスチェアは速度は速くないが、旋回性能に優れたコントロール重視型、荷台は手すりが折れていてコントロールに難があるが速度と耐久性はバツグン、といったように、それぞれの乗り物によってタイプが異なる。
コース上にはさまざまな障害物や襲い来る謎のマフィアが!
コース上には、積み上げられたダンボールや、看板、クルマ、人さえも障害物に! さらに、謎のマフィアが主人公に襲い掛かる。マフィアの攻撃をやり過ごしたり、得意のカンフーアクションで蹴散らしながら、ゴールを目指していこう。
[Impression]
コースとなる香港風の街は、近代的な高層ビルも見えるが、路上には露店や、ひと昔前の家屋がひしめき合っているような雑多な街並み。そこを椅子や荷台、木馬なんてものまであるユニークな乗り物で滑走していくアクションゲーム『街スベリ』は、まるで、ジャッキー・チェンの映画のワンシーンを見ているようなスリルと爽快感が味わえる、バカゲー(褒め言葉です)と言える作品。ちなみに、男性主人公キャラクターのトビオの声はジャッキー・チェンの吹き替えでおなじみの石丸博也氏。
操作は、本作はPS Moveモーションコントローラをペンや道具に見立てるのではなく、軽く下に振るとダッシュ、左右に振ると旋回、真上に向けるとジャンプ、Tボタンを押すと仰け反り、ムーブボタンで回転蹴り、□か△ボタンでカンフーポーズなど、純粋にモーションコントローラとして操るタイプ。アクションが思いのほか多数用意されており、すべてを使いこなすには慣れが必要かと思うが、ただダッシュして走るだけでも十分楽しめるようにできている。
街中では、箱や路上屋台、人間など軽量級の障害物を軽く蹴散らしたり(細かいことは気にしないように)、クルマを避けたり手すりをくぐり抜けたり、正体不明のマフィアに狙われたりと大忙し。走るべきルートはある程度決まっているが、裏路地を通ったり横道に逸れたりと目的地までのルートは複数用意されているなど、ゲームらしい要素もあるのだ。
そして、個人的に本作でもっともツボだったのが、転倒したときの演出。スピードに乗って大転倒したときやマフィアの攻撃を食らったときなどの“痛そう”なシーンでは、スローモーションになり、主人公キャラクターの痛みで歪んが顔がゆっくりと映し出される。そのド派手な転倒のしかたや(エビ反りになったり)、痛みで歪んだ顔の表情もバリエーション豊かで、思わず笑ってしまうのだ。本作にはスクリーンショットの撮影にも対応しており、これは間抜けな転倒シーンの数々を撮影して楽しんでほしい、という開発側からのメッセージだと勝手に解釈している(転倒シーンのスクリーンショットを友だちなどと見せ合うと、かなりおもしろいかもしれない)。
滑走して、飛んで、転んで、戦って。そんなドタバタ劇が楽しめる本作は、通常のコントローラでプレイするより、モーションコントローラを振って直感的に操作したほうが何倍も楽しい! そう感じさせる作品だ。ぜひ一度、本作のいい意味でのバカさ加減を体験してほしい。
(週刊ファミ通 トマト杉原)