ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン
2010年12月23日発売予定/3980円[税込]/1人
『無限回廊 光と影の箱』は、モーションコントローラをライトに見立て、設置されたブロックを照らし、ステージの壁に影を映す。モーションコントローラでその影の形を調整して道を作り、キャストをゴールへ導くのが基本の遊びかたとなる作品だ。錯覚を利用して主人公をゴールに導くというコンセプトは前作と同じだが、モーションコントローラをライトに見立てることで、いままでにない新機軸のパズルゲームとなっている。
キャスト
ステージの影の上を歩く人形。このキャストをゴールへと導いていく。
プレイヤー
モーションコントローラはライトの役割。ライトの角度や距離を調整してブロックの影でルートを作りキャストをゴールへと導く。
さまざまな影のギミック
影は道になるだけではなく、その形や組み合わせによって、トンネルやジャンプ台、穴などさまざまな仕掛けが発動する。ジャンプ台を使って高所へ上ったり、穴が空いたブロックの影がワープゾーンになったり、それらの仕掛けをひらめくことが、クリアーへの鍵。
影の不思議! 思いもよらないアートが出現
ステージによっては、壁一面に広がる影の絵(シャドウアート)が見つかることもある。ブロックの形からは思いもよらないシャドウアートが見つかったときは、感動すること間違いなし!シャドウアートをいくつ見つけることができるか、といった楽しみもあるのだ。
バラエティーに富んだステージ
ステージは色も形もさまざまな。もちろん、映し出される影の形もまったく異なる。さらに、ステージは100近く用意されているので、やり応えも十分だ。
ひとつのステージで3つの遊びかたが!
ゴールの形の影絵を作り、“キャスト”をゴールに導くのが基本だが、ステージ上にいるキャストの分身“エコー”をすべて集める遊びかたと、複数のキャストでステージのブロックに色を付けていくという“ペイント”遊びも。
オリジナルのステージを“クリエイト”し、
世界中のプレイヤーと共有することも可能
想像力を働かせてオリジナルのステージを作ることもできる。作ったステージは“ワールドモード”で世界中のプレイヤーと共有し、互いのステージを評価し合うことも可能だ。
「スミマセンっ! 脳が疲れました!」
「糖分が欠乏していますっ!」
「ケーキが欲しいですっ!」
「ビールが欲しいですっ!」
「乾杯〜っ!」
いや、そんなことはさておき(笑)。「脳は疲れない!」という話しもありますが、「疲れました」ということで。
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンが開催していた“ゲームやろうぜ!”。『どこでもいっしょ』や『XI[sai]』といった、数多くの斬新な作品が生まれたクリエーターオディションで、“PlayStation C.A.M.P!”と名前を変えて、現在も続いている。ぼくもじつはファミ通PSP+PS3編集長時代に、“PlayStation C.A.M.P!”の面接や審査を、ごく一部ではあるけれどもお手伝いさせていただいたこともあり、新しい才能を発掘しようというその姿勢には、とても共感をしています。単なるゲームのコンテストではなくて、応募作品そのものよりも、その応募した人を見ているところが、本当にすばらしいと思うのです。
さて、そこから生まれた作品のひとつ、『無限回廊』シリーズの最新作が、このPlayStation Move専用パズル『無限回廊 光と影の箱』。各ステージの目的は、自動的に歩き回る画面上の主人公をゴールへと導くこと。
モーションコントローラを懐中電灯に見立てて、ステージをいろ いろな角度から照らし、ゴールとそこに進むルートを探していく。Moveボタンを押し続けているあいだは画面を照らし、あれこれ角度を変えたりし試行錯誤。「これで行けるかな?」とルートを決めたらMoveボタンを離す。すると主人公が自動的に歩き始める。基本はこのくり返しで、ゴールへと向かっていく。
エッシャーの騙し絵のような、目の錯覚”錯視(さくし)”を利用したゲーム性は前作までと同様だが、モーションコントローラが本当に懐中電灯そのもの! 遊んでいるうちに画面の中にいることを忘れて、懐中電灯を片手に白い部屋の中をウロウロと探索しているような、そんなリアルな気分にさせてくれるのだ。
ルートを探していると、意外な影絵(シャドウアート)が生まれたりもして、しかもそれがひとつのマップに複数隠されていることもあったりして、その発見がまた楽しい。各ステージ名も意味深で、隠された絵や解法を暗示していたりする。まさにタイトル通りに「光と影!」。コンピュータならではの3D空間に広がる、PlayStation Move専用ソフトならではの、「リアルなバーチャル影絵体感パズル!」って感じ。
頭で考えているだけでは計り知れないトライアル・アンド・エラーの連続。あれこれと試行錯誤して、正解にたどり着いたときのほっとする安堵感と、クリアーするたびに少々汗ばんだ手から後で気づかされる適度な緊張感。一気に40ステージほどクリアーしたら、頭がけっこう疲れていることを感じてしまったのは、年のせいなのか?それとも、ふだんはあまり頭を使っていないからなのか? ま、適度な疲労感を伴いつつの達成感ですね。(「これで終わりなの?」と思わせつつの、その後のちょっとした演出に、これまたニヤリ)もちろん、モーションコントローラの反応も非常にいい。
パズルというと難解そうに感じる人もいるかと思うけれども、チュートリアルも丁寧で、完成度の高い職人芸的な、なんともジャパンクオリティ。ひとつひとつのステージに、“キャスト”、“エコー”、“ペイント”と、3種類の楽しみかたがあるうえに、クリエイトモードでステージエディットもできて、遊び応えも十分。
最後に蛇足を。最初に説明される、PlayStation Moveのキャリブレーションの悪い例で、よっく見ると背景の説明の絵がちょっとシュール。頭の上にモーションコントローラを乗せていたりして、「そんなヤツいねーよ!」と、ついつい笑ってしまいました。相変わらずセンスいいよね〜! とまあ、要は隅々まで楽しめた、ということなんですね〜!
(ファミ通グループ 戦略推進 相沢浩仁)