『レインボーシックス ベガス』、『ゴーストリコン』シリーズなどで知られる『トム・クランシー』シリーズの最新作は、近未来の世界戦争を描いたリアルタイムストラテジー。なんと声でコマンドを入力して部隊に指示を出すという、画期的なプレイスタイルを採用している。まるで戦争映画の指揮官気分が味わえる本作の魅力をご紹介しよう。
    今回は好みのルールや舞台を選択して戦うことができる“スカーミッシュ”を使って、実戦の流れを追いながら本作のプレイを紹介していく。プレイでキーポイントとなるボイスコマンドについては解説を加えているので、攻撃や移動以外にどんな指令が可能なのか参考にしてほしい。ルールに選んだのはアップリンク(拠点)を奪いあって戦う征服戦。本作では最大8人まで同時に対戦できるが、今回は戦術の連係が取りやすく、かつ比較的多くのユニットを従えることができる2対2の4人対戦で戦うことにした。      
   
←戦いの場に選んだのはコペンハーゲン。ふたつの弧を描くようにアップリンクが並んでいる。上から右にシエラ、ウィスキー、リマ、ブラボー、フォックス、デルタと並び、中央にあるリマとブラボーの奪取がキーとなる。今回はオレンジのポイントからスタート。
 
半数以上のアップリンクを確保するか、敵ユニットを全滅させる。   とにかく敵を全滅させると勝利となる、シンプルなミッション。
各勢力の首都が舞台となり、重要アップリンクを占領するのが目的。   敵基地に設定されたポイントへの破壊工作ミッション。
 
 
 
ミッションの開始まえには、最初に出撃させるユニットを選択できる。今回は指揮車と工兵を選択し、任務部隊の特性は“戦術”にセット。指揮車両のランクをグレードアップし、サブ攻撃のUAV攻撃を使用可能にした。スタート直後、まずはふたつのユニットを編成して1グループとして扱えるように指示。開始地点に近いアップリンクは仲間に任せて、一気に中間地点のリマの占拠へ向かうことにする。  
←自軍の特性をセットして、特定の種別のユニットのランクを上げたり、サブ攻撃を付加することができる。キーとなるユニットや、多用したいユニットの能力を上げておいて、戦いを有利に進めよう。  
編成コマンドにより、複数のユニットへまとめて指令できるようになる。戦車軍団を作りたければ“全てのタンク”といった指定も可能。いちいち1ユニットずつ指令しなくて済むのでオススメ。
仲間の部隊が一気に深く侵攻してきた敵部隊を発見! 即座に一部を撃破したものの、残党がこちらに向かって逃げてきた。状況から考えて、このユニットを撃破すれば、目指すリマまでは安全に進めるハズ。幸い向こうがある程度ダメージを受けていることもあって、無傷で倒すことができた。
編成してグループになったユニットは、“グループ(番号)”で呼びだせるようになる。ここでは敵単体へ向けてPHASE 1で作ったグループで攻撃している。複数のユニットで集中して攻撃を浴びせれば、す早く敵ユニットを倒せるぞ。
 
↑戦闘中も敵の別部隊がアップリンクを占拠するなど、刻々と状況が変化していくのがリアルタイムストラテジーの魅力。
ここまでに互いにスタート地点から近いアップリンク2ヵ所を確保しており、2対2の同点。そして自分の部隊がついにリマに到着! ここを占領することができればリードできるだけでなく、中盤に拠点を確保できる。ヘリを2機増援して編成し、ガードも完璧。占領には時間がかかるが、耐えきって無事に占領! 工兵はそのままアップリンクをガードさせ、残りの部隊で、まだ占拠されていない最後のアップリンク、ブラボーに向かう。そこでは仲間が敵戦車に苦戦中。戦車に対して強いヘリで援護し、ついにクリアー条件の過半数のアップリンクの奪取に成功した。あとはタイムリミットがゼロになるまで過半数を維持すればオーケー。しかし喜びもつかの間、戦場に閃光が光る……。  
敵の残党を片付けようとヘリを飛ばしていると、画面にノイズが走り、占拠していたアップリンク、フォックスが消し飛ぶ! 敵が最終兵器“WMD”を使用した模様。一気に4ユニットも失うことに。  
新たな部隊を戦場に召喚する増援コマンドなくして戦争は戦えない。劣勢のときは敵のユニットタイプに対して有効なユニットを呼んだり、同タイプのユニットを一気に呼んで逆転を狙おう。
  WMDを使用されてもなお優勢であるものの、アップリンクごとユニットを吹き飛ばされたのではたまらない。逆転を狙って押し寄せる敵の前に、アップリンクが奪い返されるのも時間の問題となってしまった。しかし、敵ユニットは地上部隊ばかり。天敵のヘリがいないので戦車3両を一気に投入し、大量の敵ユニットがひしめく中へ突入させる。そして今度はこちらがWMDを使用する番。遠距離から砲弾を撃ち込んでくる敵の集団めがけて炸裂! その後も優勢に戦い続け、タイムアップまで持ちこたえて見事勝利!
1回だけ使える最終兵器WMD。形勢が決すると劣勢な側が使用でき、発動させた時点で相手側も使用可能になるという、もろ刃の剣。
  戦術核や衛星レーザーなど、使用する軍によってWMDで発射されるものは異なるが、どれも最終兵器にふさわしい、ド派手な大爆発を引き起こす。
 
 
オンラインでプレイヤーが3つの軍勢に所属して戦い、その勝敗によって勢力図が塗りかえられていくという“シアター・オブ・ウォー”に記者も参加してみた。スタートする前にまず所属する軍を選ぶことになるのだが、記者はボーナスにつられてロシアのスペツナズ親衛旅団に参加することを決定。冷静に考えれば、その時点で劣勢だからボーナスがつくというのに……。所属選びはあとで後悔しないよう、慎重に考えて決めてほしい。もちろん「自分が劣勢を逆転してやる!」という気概の新人司令官の参戦も歓迎だ。さっそく何戦か戦ってみたのだが、次世代の戦術シミュレーションにふさわしいおもしろさ。生き物のように戦況が変化していくリアルタイムシミュレーションの対戦の醍醐味そのままに、ボイスコマンドによって操作が簡単になったうえ、臨場感もたっぷり。しかし、もちろん負けた時の悔しさも倍増。完璧に気を抜いていた開幕直後に大戦車団がこちらのスタート地点まで一直線に攻めてきた時には愕然。ああ、スペツナズ親衛旅団に所属する世界のプレイヤーの皆さん、ごめんなさい……。別の戦場で戦う、まだ見ぬ戦友を意識しながら戦えるのも、またこのモードの特徴なのだ。