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中国でのオンラインゲームへの外資の参入禁止、日本のコンテンツ業界への影響は?

2009/10/23

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●目的は国内運営関与への抜け道牽制?

 

 中国の国家機関紙である人民日報のオンライン版、人民網が2009年10月10日付で、中国政府がネットゲーム運営への外資参入を禁止したとの報道を行っている。報道によると、新聞出版総署、国家版権局、“ポルノ・違法出版物一掃”全国弁公室の3機関が“国務院の「三定規定(主要職責・内部機構・人員編制規定)」および中央機構編制委員会弁公室の関連解釈の徹底実施、オンラインゲームの事前審査および輸入オンラインゲームの審査管理のさらなる強化に関する通知”なるものを発表している。つまり、(中国にとっての)外資企業は、現地でのオンラインゲームビジネスにおいて、運営業務への出資や関与が禁止されるというのだ。

 

 中国と外資メーカーの運営参入といえば、直近のニュースでは世界的な人気を誇るオンラインRPG『World of Warcraft』の運営権をめぐる混乱が思いつく。九城の『World of Warcraft』の中国運営権の契約満了後、米Blizzardと網易による合弁会社による運営が発表されたが、ユーザーを巻き込んだ騒動に発展。新聞出版総署が新会社による運営を認めはしたものの、いまだ係争中で行く先はやや不透明と言わざるを得ない。

 

 一方、中国はオンラインゲーム人口が急成長を続け、テクモの『DOA オンライン』が日本より先にサービスされているほか、サイバーステップの『ゲットアンプド』やコーエーの『三國志 Online』も進出、過去にはスクウェア・エニックスの『クロスゲート』がサービスされていたり、セガが『シェンムーオンライン』のサービス予定をアナウンスするなど、日本のコンテンツメーカーにとっても見逃せない存在ではある。果たして日本のゲームメーカーへの影響はあるのだろうか? そこで、アジア方面のゲームビジネスについて詳しい立命館大学の中村彰憲准教授に話をおうかがいした。

 

 「中国においては、以前からオンラインゲーム産業振興政策に関しては国内企業の保護育成を中心に進めてきました。これは、2004年に中国民族オンラインゲーム出版プロジェクトを打ち出したときからも明確です。この行政側の後押しを背景に国産ゲームは実際に躍進し、キングソフトや、完美時空、盛大ネットワーク、巨人網絡、Snail Gameなど数多くのパブリッシャーが海外進出を進めるに至りました。日本では、完美時空が開発した『パーフェクトワールド -完美世界-』などが知られています。従って、中国国内産業保護というスタンスは如何なる状況においても変わることはないでしょう」と、中国の従来の国内企業の保護政策の一貫した流れのうえにあるとする中村准教授。今回の通知の意図とは? 中村准教授によると、オンラインゲームを中国法上でどのように位置づけるかにポイントがあるという。

 

 「今回の通知は、オンラインゲームを“コンテンツサービス”とするべきなのか、“インターネット出版物”であるかというところがあいまいだった現状に対し、“コンテンツサービス”且つ“インターネット出版物”であるということを、新聞出版総署が改めて主張した形になるかと思います。これまでも中国において、オンラインサービスの“運営”に関しては、主に、ICP許可証、付加価値電信業務経営許可証(情報産業部主管)、インターネット文化経営許可証(文化部主管)ならびに、インターネット出版許可証(新聞出版総署主管)の取得が必要でした。なお、文化部主管のインターネット文化経営許可証及び新聞出版総署主管のインターネット出版許可証は、中国の国有企業または、100%内資の企業しか申請出来ません。ICP許可証や、付加価値電信業務経営許可証については、外資系資本が50%を超えないという条件のもと、合弁企業でも申請が出来ますが……」。

 

 では、いま改めてオンラインゲームの解釈を再度明確化したのはなぜだろうか。やはり絶大な人気を誇る『World of Warcraft』の運営権問題と無関係ではなさそうだが……。

 

 「昨今オンラインゲーム産業規模の拡大が目立つ中、運営代理の期間が終了し、新たに中国での運営代理権を得た企業がサービスをするケースが出てきていますが、その際、新たなシナリオが追加される場合があったり、移行したときとそれ以前の内容が完全に同一であることも保証できないことから、改めて審査が必要であると注意をうながしているようです。一般的に海外からのコンテンツの審査には時間がかかわると言われていますが、それぞれ同時期に審査を進めても、一方の審査は通りながら他方の審査が通らないという状況が生まれるようです。今回の通知によって、新聞出版総署は、たとえ、他の組織からの認可が先におりたとしても、オンラインゲームサービスにはクライアントダウンロードなど、“インターネット出版”にあたる出版行為が含まれるため、同署の許可証が出る前に運営を開始してはならないということを改めて強調したことになります。 更に運営に関する“投資”を禁止する点を強調していますが、これは、多くの外資系企業が書面上は“合法”でも実質上、運営についても掌握しようという流れがある可能性もふまえて、警鐘を鳴らしたというところでしょう」。

 

 つまり、オンラインゲームの運営への外資系企業の関与は従来より認められていなかったものの、解釈や見解の違いといった“抜け道”となりそうな部分に対しても、あらためて言及することによって懸念を表明したということのようだ。日本を含む“外資”系企業にとって、現地パブリッシャーに契約料を支払ってもらい、運営代理権を委託するという以上の可能性は望めないのだろうか? 

 

 「一方、海外コンテンツの運営代理については、以前から奨励する立場をつらぬいています。また海外で開発された新技術も積極的に受け入れていきたいという意向があるのも明確です。これは、今年7月に開催された、China Game Developers Conference(CGDC)のスポンサーにEpic Games China、CrytekやNvidiaといった企業が名を連ねていたこともあきらかです。従って外資系企業のチャンスが完全になくなってしまったというわけではありません。すでにWTO(世界貿易機関)に加盟しているといこともあり、この規制を一体いつまで維持できるかという疑問も残りますが、しばらくの間は、中国行政側の意向を理解し、そこで提示された範疇の中で長期的な視野に立ちながら戦略を立案することが巨大なファン層を獲得するという視点でも、付加価値のあるブランド力を構築するという意味でも賢明かと思われます」とのこと。

 

 (Epic GamesやCrytekが行っているように)会社対会社の形で技術提供のビジネスを行う、あるいは中国国内に設置したスタジオで開発を行い、中国国外に輸出する、といった事業は現状でも可能だという。また、現状でオンラインゲームのメーカーは運営代理権を中国国内企業に委託するしかないものの、やはり中国の将来的なネットゲーム人口は魅力。中国がWTOに加盟していることから、いずれ規制が緩和・解放される可能性を計算して早期に参入し、ブランドを広めておくのも長期的戦略として得策では、ということのようだ。

 

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