いまでも記念日には話題になる人気のホラーゲーム

 2003年(平成15年)11月6日は、プレイステーション2(PS2)用ソフト『SIREN』が発売された日。本日で20周年の節目を迎えました。

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(当時はソニー・コンピュータエンタテインメント)から発売されたホラー作品『SIREN』。ゲーム内で8月3日に起きる“異界入り”が毎年X(旧Twitter)でトレンド入りしたり、いまでもステッカーやエコバッグなどの新グッズが発売されたりと、発売から20年経ったいまでも人気の作品です。

 発売当時、流れていたテレビCMが怖すぎるという理由で予定よりも早く取りやめになった出来事がありました。ホラー映像として出来すぎていたために、本気で怖がってしまう人も多かったのでしょう。また、キャッチコピーの“どうあがいても、絶望”もセンス抜群で、一度見たら忘れられないインパクト。筆者はホラーが大のニガテなのであまりこの手のジャンルの作品は進んでプレイしないのですが、それらに惹かれて発売日に購入しました。

 物語の舞台となるのは、昭和78年の寒村・羽生蛇(はにゅうだ)村。“赤い水”によって“屍人(しびと)”という化け物になった村人たちから逃げながらステージを進んでいく、緊張感と恐怖が隣り合わせのジャパニーズ・ホラーが展開されます。高校生の須田恭也や民俗学者の竹内多聞、村の住人など複数のプレイヤーキャラクターが存在し、お互いの行動がシナリオに影響するザッピングシステムを搭載していることもあって、バラバラだった断片的なピースがひとつの線になっていく物語は没入感たっぷりです。

 村の中には“アーカイブ”という資料が100個以上も存在しており、このアーカイブを参考にしながら世界観の謎に迫っていく楽しさもありました。『SIREN』はホラー要素はもちろん難解なストーリーも魅力となっており、筆者も「この時間軸はいつなんだろう?」、「ここはどう解釈すればいいのだろう」と気になり、ファンが集うインターネットの掲示板に入り浸ってい意見を交換していました。

 なお、登場するキャラクターに関しては実在の俳優をもとに作られており、とてもリアリティがありました。いまでは俳優のテクスチャを使って本人のグラフィックを作るのは珍しくないですが、当時は新鮮。どのキャラクターも魅力的でしたね。

 ゲームの難度は高めで、本作独自のシステムである、敵の視点を乗っ取る“幻視(視界ジャック)”を利用するのが重要。視覚と聴覚を共有できる視界ジャックを使って、屍人がどちらを向いているのか、どこを進んでいるのか把握でき、その情報を踏まえて進行ルートを考えることができます。

 最大4体まで視界ジャックが可能でな一方、視界ジャックをしているときは無防備になるので、目の前に屍人がいたときはリアルに「うぉ!」という声が出るぐらいビックリします。視界ジャックをしているときの屍人のおぞましい息遣いや意味不明な声も、恐怖を煽りました。

 ゲームを進めることで犬屍人や蜘蛛屍人、羽根屍人といった別の種類の屍人も登場するため、プレイヤーの恐怖心が絶えず持続するのもゲームの作りとしてうまかったです。

 シリーズとしては、廃墟となった島“夜見島(やみじま)”を舞台にした『SIREN2』、『1』を再構築した『SIREN: New Translation』(サイレン:ニュートランスレーション)が発売されました。また、2022年からはナンジャタウンでイベントも開催されており、ふたたびファンの熱も高まっています。ぜひゲームの新作やリメイクの企画が始動してくれればファンとしてはうれしいですね。

これまでの今日は何の日?