ファミ通.comの編集者&ライターがゴールデンウィークのおすすめゲームを語る連載企画。今回紹介するゲームは、美しいアイルランドの2.5D世界を舞台にした『Curse of the Sea Rats』だ。

【こういう人におすすめ】

  • メトロイドヴァニアなゲームが好き
  • 骨太アクションによる戦闘を楽しみたい
  • 美しい背景や個性豊かなキャラクターに癒されたい

Qマインのおすすめゲーム

『Curse of the Sea Rats』

  • プラットフォーム:Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC
  • 発売日:2023年4月6日発売
  • 発売元:Phoenixx
  • 開発元:PQube / Petoons Studio
  • 価格:各1980円[税込]
  • 対象年齢:IARC 7歳以上対象

The video could not be loaded.

『Curse of the Sea Rats』ニンテンドーeショップサイト 『Curse of the Sea Rats』PlayStation Storeサイト 『Curse of the Sea Rats』Microsoft Storeサイト 『Curse of the Sea Rats』Steamサイト

ネズミの姿に変えられた主人公たちが戦うアドベンチャーゲーム

 今回紹介する『Curse of the Sea Rats』は、ネズミの姿に変えられた4人の囚人たちが人間の姿と自由を取り戻すために冒険する横スクロールの探索型アクション・アドベンチャーゲーム。いわゆるメトロイドヴァニア(2Dアクション・アドベンチャーゲームの俗称)と呼ばれるジャンルの作品だ。

 本作の舞台は1777年のアイルランド。主人公ら大英帝国の囚人たちは、身柄の輸送中、悪名高き海賊の魔女フローラ・バーンによってネズミの姿に変えられてしまう。さらにフローラは船にいた提督の息子を誘拐し、行方をくらます。提督から「フローラ・バーンの捕縛と息子の救出を行えば、身柄は解放し自由を与える」と持ちかけられた囚人たちはフローラを捜すために壮大な冒険の旅に出る、というのが本作のストーリーだ。

 美しい2D手描きアニメーションで描かれたキャラクターと細部まで作り込まれた3D背景が融合した2.5Dグラフィックスの世界が大きな魅力。とくに背景へのこだわりが強く、画面の手前に蠢く影があったり、画面の奥で海賊が酒を飲んで騒いでいたりと、視覚的に楽しめるギミックが数多く盛り込まれている。こういった背景ギミックはプレイに一切干渉しないが、細かく作り込まれているため、見ていてかなり楽しめた。

 そんな美しい世界(マップ)は大小さまざまなフロアで構成された、迷宮のような入り組んだ作りになっている。そのフロアの数はなんと300以上(多過ぎ!) 収集要素の宝物があったり、壁を壊すことで入れる隠しフロアがあったり、サブクエストが散りばめられていたりなど、広大なマップを自然と探索してみたくなるような作りになっている。

個性豊かなヒーローで戦う奥深い戦闘要素に注目!

 プレイヤーが使えるヒーロー(主人公)は、デイビッド・ダグラス、バッファロー・カルフ、ブッサ、アカネ・ヤマカワの4人。ヒーローはいずれも武器による物理攻撃とMPを消費して放つ魔法が使える。さらに敵を倒したときに得られる霊力を消費して、各ヒーローのスキルの開放が可能。ステータスの強化や攻撃・魔法へのパッシブ能力の付与、必殺技の習得など、さまざまな形でヒーローを育成できる。

ヒーローの切り換えはスキルの開放を行うNPCのもとで可能。
スキルはツリー型になっていて、手前のスキルを開放しないとつぎのスキルが開放できない仕様となっている。

 バッファロー・カルフはジャンプ攻撃時にクナイを飛ばして遠距離攻撃できたり、ブッサはMPを消費して自身の体力を回復するスキルを習得できたりなど、攻撃やスキルの特性はヒーローごとに大きく異なる。自分に合ったヒーローを見つけてとことん強化していくのも本作の醍醐味のひとつだ。

スキルツリーの最後に習得できる必殺技は、発動時にアニメーションによるカットインが挿入される。

 本作のもうひとつの醍醐味といえば、ボスとの戦い。マップにある特定の場所には、ボスとしてフローラ・バーンの部下が配置されている。ボス戦ではジャンプや回避アクションで相手の攻撃をかわしつつ、隙を突いて反撃していくという緊張感溢れる攻防が楽しめる。

 ただし、適切なタイミングでジャンプや回避アクションをくり出さないとかわせない攻撃が多く、ヒーローのステータスによっては敵の攻撃を数発受けただけで戦闘不能になることもしばしば。所持できる回復アイテムの数にも限りがあるため、ゴリ押し戦法も通用しづらい。何度も敵に倒されながら相手の動きを覚え、正解の行動を導き出すというアクションゲームの基本とも言えるおもしろさが、本作のボス戦には詰まっていると感じた。

 筆者としては、ヒーローの育成が進んでいない序盤がとくに鬼門だった。使えるアクションやスキルが限られているため、試行錯誤をくり返しながら、ボスに挑むことが多かった。逆に育成が進み、さまざまなスキルを開放した中盤以降は必殺技や魔法などでザコ敵を一掃したり、ボスに大ダメージを与えたりなど、爽快感のある戦いを楽しめた。とは言っても、後半のほうがボスの攻撃は苛烈になるため、序盤よりも相手の動きを注視しなければならない。また必殺技は魔法よりもMPを多く消費するため、リソース管理も重要となる。育成が進んだからといって難度が極端に優しくなるわけではないので、つねに刺激的で新鮮な戦いを楽しめた。

 ちなみにボスを倒すとダブルジャンプやハイジャンプ、ダッシュなど、新たな基本アクションが習得できる。これらのアクションは戦略の幅を広げるだけではなく、これまで行けなかったフロアへの移動が可能となり、探索の範囲もグッと広がる。

美しいグラフィックと骨太アクションを堪能しよう!

 プレイする前はかわいらしいネズミのキャラクターと美しい背景がメインで、アクションはお手軽系かなと思ったのだが、それはいい意味で裏切られた。たしかに攻撃や回避など、アクションの操作そのものはシンプルなのだが、敵から受けるダメージが大きかったり、相手の動きをよく見ないとかわせなかったりと、戦闘自体は歯応え強め。でもヒーローの育成が進むと、爽快感や戦略の幅が広がるため、遊べば遊ぶほどおもしろさを感じられるのが本作の見どころと言える。

 300以上のフロアが入り組んだ迷路型のマップもやり応え満点! フロア数が多く、探索がたいへんそうに感じたが、プレイしてみるとそんなことはなかった。背景の美しさを堪能しつつ、宝物や霊力の収集を行うなど、本作の世界観を楽しみながらプレイしていたら自然と大部分のフロアを踏破していた。サブクエストもこなすと、より本作の世界観に没入できるだろう。

 ぜひこの機会に『Curse of the Sea Rats』をプレイして、骨太アクションと作り込まれた美しい世界を堪能してほしい。

おすすめゲームレビューまとめはこちら