最近のゲームでは、もはや実写にしか見えない3DCGや、スムーズに動くアニメーションが当たり前になりつつある。

 だが、そんないまだからこそ“ドット絵”の暖かさと魅力には独特の癒しがある。

 ドットという、さまざまな色の小さな点をひとつひとつ入力してつなげていくことで、背景やキャラクターのグラフィックを作るというこの手法。キャラの動きを表現するためには、差分のドット絵を連続で表示してコマ送りのアニメーションにする必要がある。

 何枚もドット絵の差分を用意するその手間と、より生き生きと動いているように見せる技法は、まさに職人芸だ。

自機だけでなく、高速で通り過ぎていくような小さな敵キャラまで、すべてドット絵で表情豊かに描かれる徹底ぶり。癒されるとともに、そのこだわりに頭が下がる。

 こちらの圧倒的にかわいらしく、懐かしさがこみ上げるドット絵を見せてくれたゲームは『奇々怪界 黒マントの謎』。プレイステーション4とNintendo Switchで、ナツメアタリから2022年4月21日(木)に発売予定のタイトルだ。

 本作は古き良きドット絵の魅力が詰まったタイトルであると同時に、その内容についても本格的。かわいらしい見た目とはまた異なる、硬派な内容が楽しめるタイトルとなっていた。

本作のジャンルはアクションシューティング。敵や敵弾を避けつつさまざまな攻撃を敵に当てていく、このジャンルならではのおもしろさがしっかり詰まっていた。

 先行プレイは、なかなかの歯ごたえで途中何度もコンティニューをする道中となった。しかしステージ4では打って変わって、自機が強力で気持ちいい無双感が味わえたりと、飽きがこない展開になっていたのが印象的だった。

 そんな驚きも待っていた、本作のストーリーモードの前半部分にあたるステージ4までの先行プレイレビューをお届けしていこう。

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本記事はナツメアタリの提供でお送りします。

『奇々怪界』最新作に、かつてのスタッフが集結

 そもそも『奇々怪界』というゲームについてはご存じだろうか。1986年にタイトーから発売された、アーケード版のアクションシューティングゲームだ。

 主人公である巫女の“小夜(さよ)ちゃん”のかわいらしさはもちろん、その本格的な内容と遊びごたえから、多くのプレイヤーを楽しませた。さらに後年には人気に応え、さまざまな家庭用機での移植版や続編が登場した。現在もプレイステーション4とNintendo Switchのアーケードアーカイブスでこの初代作品を遊ぶことができる。

 そんな続編タイトルのひとつが、スーパーファミコンで1992年に発売された『奇々怪界 謎の黒マント』。本作『黒マントの謎』はその続編にあたり、前作の開発に携わったメンバーで構成されるスペシャルチーム“TENGO PROJECT”が生み出した完全新作となっている。

続編にあたる……はずなのだが、前作『謎の黒マント』をプレイしたことがある人には「あれ?」となるはず。その理由は、ストーリーが進むと明らかになる。

 本作の主人公を務めるのは、シリーズではおなじみとなった巫女の小夜ちゃん。初代『奇々怪界』で改心した化けダヌキの“魔奴化(まぬけ)”とともに、急に妖怪たちが暴れ出した事件の真相を探るために旅立つ。

小夜ちゃん。かつて七福神を救い出した、人と妖怪のどちらにもやさしい女の子。
魔奴化。森の妖怪たちと平和に暮らす、いまとなっては小夜ちゃんのいちばんの友だち。

 事件の背後で暗躍するのは、前作『謎の黒マント』で倒したはずの魔人・黒マント。その凶行を止めるために、小夜ちゃんは神様や武者など、新たに出会う仲間たちの力を借りていく。

神代の神様にして巫女の始祖、アメノウズメ。とある理由から、小夜ちゃんに力を貸す。
戦乱の世に生きる貂(テン)妖怪、イカヅチ。雷獣とも呼ばれ恐れられる存在。
怪力無双の女武者、蛍御前。戦乱の世界で、主君とともに悪魔の軍勢に立ち向かった。

 ゲームの内容については、キャラクターを動かすことで画面を任意にスクロールさせていくアクションシューティングとなっている。制限時間こそあるものの、自分のペースでステージを進んでゆっくりと敵に対処したり、逆に駆け抜けたり、アクションゲームのような遊びかたが可能だ。

基本操作の一覧(こちらはプレイステーション4版)。

 攻撃については、遠くまで届くショットで攻撃するほか、近接攻撃もくり出せる。さらに一定距離を素早く跳んで移動する“スライディング”と、一瞬無敵になって周囲の敵をなぎ払う“ボンバー”を、ショットや近接攻撃と合わせて使っていく。さらに“攻撃昇華”と“お祓いチャージ”という攻撃も存在するが、こちらはのちほど説明する。

 自機が敵や敵弾に触れると“ライフ”が減り、これがゼロになると“プレイヤーストック”という、いわゆる残機が減っていく。プレイヤーストックがゼロになったらゲームオーバーだ。

ハートのマークがライフゲージで、キャラクターの左に表示されているのがプレイヤーストック数。キャラクターの下にあるアイコンは、ボンバーの残り使用可能回数だ。

 各ステージでは最後に待ち受ける大物妖怪を退治することで、ステージクリアーとなる。途中でゲームオーバーになってしまった場合、一定の地点より先に進んでいると、ステージの最初からではなく途中からコンティニューすることができる。

ライフ&残機制ということでなかなかゲームオーバーにはならないこともあり、コンティニューを使っていけばシューティングが苦手な人でも少しずつ先に進めるはず。

ステージ1~2は基本操作を覚えつつ突き進む

 ここからは、実際にステージ4までプレイしてみてのレビューをお届けしていく。まずはステージ1。神社に押し寄せてきた妖怪たちをおとなしくさせるべく小夜ちゃんが立ちあがる。

本作ストーリーモードでは、各ステージで使用できるキャラクターが固定となっている。また、ステージ1と2では一部の攻撃方法が使用できない。

 最初はショットで敵を撃ち落とす順当なシューティングゲームの展開……かと思ったら、いきなり井戸からすごいスピードで敵が突進してくる。この辺りは画面をスクロールさせて井戸を消してしまえば防げるので、アクションゲームの要素をさっそく活かせる場面だ。

おそらく知らないと、この井戸からの突進はまず避け切れない。タイミングは一定なので、待ち受けて迎撃するか、一気に通り過ぎてしまうのがよさそう。

 つづらからパワーアップアイテムを回収しつつさらに進んでいくと、骨を投げて来る骸骨の敵や、中ボスにあたる分裂するダルマなど、さまざまな妖怪が行く手をさえぎってくる。

 筆者は当初、この辺から早くも被弾してしまい難儀したが、近接攻撃で骨などといった敵弾を跳ね返せることと、ボンバーを「ここで撃つ」と決め撃ちしていくようにすることで、ほぼノーダメージで進めるようになった。

近接攻撃“お祓い”はリーチも短く威力も微妙だが、一部を除く敵弾を跳ね返す効果がある。弾避けが苦手という人は、これで切り抜けよう。
固い中ボスや、敵が大勢出てくる場面でボンバーを決め撃ちしていく。

 最後に待ち受けるボスは突進攻撃をしかけてくるが、スライディングを使えば楽にかわすことができる。連射してくる弾を大きく動いてかわし、あとはショットを撃ちこみ続けて撃破できた。

スライディングはこうした大振りな攻撃をかわしたり、動く床や壁といったギミックを一気に通り抜けるのに使っていく。

 最初はステージ1から「なかなか歯ごたえがある」などと思いつつ残機ゼロまで追い込まれたりもしたが、何回かプレイするとびっくりするくらい早く順応できて、ノーミスクリアーも可能になった。自分の腕前が急成長している実感に、胸が躍る。

 この勢いでステージ2も一気に突破と思っていたが、このステージ2がなかなか難儀だった。なにしろ、ステージ1の2~3倍くらいの長いステージなのだ。

「ボスを倒した!」と思ったら、それは中ボスに過ぎなかったりした。

 このステージでは小夜ちゃんに代わり、魔奴化を操作することになる。獲得したパワーアップアイテムの色によってショットの種類が変わるのだが、魔奴化のショットはどれもクセがあるものばかり。まずはこれに慣れる必要があった。

筆者的には、紙飛行機を前方に飛ばす緑色のアイテムのショットが使いやすかった。ショットを場面や好みに合わせて切り替えていくのもおもしろい。
ダメージを受けるとショットがパワーダウンしてしまうが、代わりにパワーアップアイテムがその場にひとつ出現する。すぐに回収しておこう。

 さらにステージ2ともなると、出現する敵の数もかなりのもの。ボンバーで蹴散らすのにも回数制限があるので、地形を利用して各個撃破するなど、アクションゲームらしい戦法で突破していく。

一気に進むと出現した敵に囲まれてしまうこともある。焦らず慎重に進むのも有効な戦法だ。

 また、こちらは長いステージではあるものの、途中に2ヵ所ほど中間セーブ地点がある。コンティニューした場合はそこからの再開となったので、心が折れそうになるようなことはなかった。

 森を抜けて川をイカダで渡り、最後に待ち受けていた巨大妖怪を撃破。これでステージ2はクリアーとなったのだが……。

ステージ2のボスはアクションシューティングらしく、敵の弾を誘導したり、ボス本体が放つ水流をちゃんと避けられる位置で待ち受けたりといった、シューティングの基本テクニックが使えると楽に戦えた。

ステージ3で急展開、神代の新たな力

 ステージ2の最後には、これまでは「前作で見覚えがあるような」と思っていたプレイヤーを驚かせつつ、まさかと思わせるストーリー展開が待っていた。

 そうして迎えるステージ3では、小夜ちゃんが神代で女神“アメノウズメ”に出会い、その力を貸すに値するかどうかと試練を受けることになる。

アメノウズメの力を借りて、ここから小夜ちゃんは新たな力を使えるようになる。

 このステージからは“攻撃昇華”と、“お祓いチャージ”が解禁。攻撃昇華はショットボタンを連打すると発動する追加攻撃で、小夜ちゃんの場合は鏡を前方に設置する。この鏡にショットを当てると、近くの敵を自動で狙う強力なショットが鏡から発射される。

鏡は3つまで設置でき、いずれかの鏡にショットを撃てば、すべての鏡からショットが発生する。

 お祓いチャージは、近接攻撃ボタンを押しっぱなしでチャージして発動する強力な攻撃。小夜ちゃんのお祓いジャージは、円形の注連縄が自機の周囲に一定時間出現し、接触した敵弾を跳ね返すという便利なものだ。

敵弾を跳ね返すだけではなく、敵に接触することで連続してダメージを与える攻撃手段としても使える。

 このふたつの攻撃が非常に強力で、プレイ感覚が一気に変わった。撃ちづらい位置の敵にも鏡のショットで安全な場所から攻撃でき、お祓いチャージによって被弾の危険も大きく減る。

 道中の難度もこのふたつの攻撃ありきの激しいものになっていくが、逆に言えば使いこなせさえすれば、気持ちよく突き進めるようになっている。固い敵をお祓いチャージの密着攻撃で速攻撃破できたりと、爽快感も格段に上がった。

お祓いチャージはショットを撃ったり動き回ったりしているあいだもチャージできるので、ガンガン使っていける。

 ステージ3はステージ2と比べると短めで、最後のボス戦は特定のタイミング以外にはボスにダメージを与えられないという、ギミック色が強いものだった。ここでもやや苦戦したが、ボス前に中間セーブ地点があるため再挑戦はすぐにできる。お祓いチャージの便利さに助けられつつ、無事クリアーできた。

ボス周辺のはにわを破壊していくと、ボスがはにわを補充するために外殻を開く。このあいだだけこちらからの攻撃が通る。

ステージ4は神様の力で一気に突き進む

 ステージ3でアメノウズメに力を示した小夜ちゃんは、アメノウズメとの“神降ろし”でその力を本格的に借りられることに。

 こうしてステージ4では、操作キャラがアメノウズメになる。その性能がずば抜けており、これまでじわじわと画面をスクロールさせつつゲームを進めていた筆者も、ついつい強気になって突進してしまったほどだった。

ここまでがんばったプレイヤーへのごほうびなのだろうか。アメノウズメはめちゃくちゃ使いやすい。

 なにが優れているのかといえば、まず攻撃昇華が小夜ちゃんの上位版になっている。小夜ちゃんは一度の攻撃昇華で1枚の鏡を設置するが、アメノウズメは一度に3枚設置できる。

 お祓いチャージは小夜ちゃんと同じ注連縄によるバリアーで、攻防いずれにも使用可能。加えて飛行しているので水や奈落に落ちず、スライディング中に無敵時間があり、自機に随伴してショットを撃つ“勾玉”自体にも攻撃判定があるという、至れり尽くせりの性能なのだ。

鏡をつねに3枚展開できるので、ショットの密度がえげつないことになる。このキャラの欠点といえば、勾玉が地形にめりこむとショットがジャマされて出なくなることくらいだ。

 ステージ4では大量の敵と動く壁によるギミックという、厄介な障害が待ち構えていた。だがアメノウズメのパワーをもってすれば、初見でも余裕で薙ぎ倒せる。最後のボス戦こそ多少苦戦したが、わずかなコンティニュー回数でクリアーすることができた。

道中の動く壁をタイミングよく通り抜ける場面や、直角に曲がって追尾してくるレーザーを撃ってくる砲台への対処に少し頭を使うが、基本的にはゴリ押しで進めることもできた。
ボスも小夜ちゃんや魔奴化で戦うとかなり苦戦しそうだったが、衝撃波と突進攻撃以外は注連縄バリアーと無敵スライディングでほぼ完封できた。さすが神様。

さらに驚きの展開と、新たな仲間とモードが登場

 先行プレイレビューは以上となる。ストーリーはこれ以降の後半からさらに急展開を見せ、冒頭で紹介したイカヅチや蛍御前といった新たなキャラクターとの出会いも待っている。まだ見ぬキャラクターを操作できる機会ももちろんあるので、ぜひお楽しみに。

 また、本作のストーリーモードを最後までクリアーするか、一定量の“コイン”を集めることで、ストーリーモードのステージを好きなキャラクターでプレイできる“フリーモード”が解放。こちらのモードでは条件を満たすことで本記事で紹介したアメノウズメや、イカヅチ、蛍御前といったキャラクターでプレイすることもできるようになる。

 追加キャラクターは近接戦闘特化など、ほかのキャラクターとは一線を画すプレイ感覚のものばかり。一度クリアーしたステージでも、新鮮な感覚で楽しめるようになること請け合いだ。

 このようにキャラクターごとの性能が大きく異なるのはもちろん、任意スクロールのアクションシューティングということで、強制スクロールのシューティングとは違ったプレイヤーごとの遊びかたができたのが、先行プレイではとくに印象的だった。

慎重に進む人や、最速クリア-を目指し突き進む人など、人の数だけ攻略パターンが生まれそう。

 難度もそれなりに高めだが、先述の通り中間地点からコンティニューができるほか、コインの獲得など一定条件を満たすことで解放される残機無限の“エクストライージー”モードが用意されているので、アクションやシューティングの操作が苦手な人でもストーリーモードのクリアーは可能だ。

 腕に自信がある人には、こちらのモードで敵や自機のドット絵の細かさや差分の多さなどを、じっくり観察してみてほしい。開発チームのすさまじいこだわりが見えてくるはずだ。

ダメージへのリアクションや攻撃前の動作など、1点ずつ打つドットでこれを描いているのかと驚かされる場面があちこちにあった。ぜひ職人芸をすみずみまで堪能してほしい。
自機をしばらく動かさずにいると、待機モーションを見せてくれる。こんなところまでドットで作りこんでいるのかと驚かされた。 

 ドット絵の素晴らしさと懐かしさに加え、ゲーム自体もやりごたえがあり、長く奥深く楽しめるようになっていた本作。ぜひ自分のお気に入りのキャラクターで、型にはまらず自由なプレイでステージを攻略していく、アクションシューティングならではの楽しさを堪能してみてほしい。

製品概要

  • タイトル名:奇々怪界 黒マントの謎
  • 対応機種:プレイステーション4、Nintendo Switch
  • 発売日:2022年4月21日
  • 価格:4180円[税込](パッケージ版/ダウンロード版とも)
  • プレイ人数:1人~2人
  • ジャンル:アクションシューティング
  • 販売形態:
    • プレイステーション4(パッケージ版:日本のみ、ダウンロード版:日本/アジア)
    • Nintendo Switch(パッケージ版/ダウンロード版:日本/アジア)
  • 企画・開発・発売:ナツメアタリ
  • 対応言語:日本語、繁体字、簡体字、ハングル、英語、ドイツ語、フランス語
  • オンライン対応:スコアランキング
  • CERO:B
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