2021年10月14日にプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam)で発売を予定している『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』。一大ムーブメントを巻き起こした大人気漫画『鬼滅の刃』が原作のテレビアニメをモチーフにしたアクションアドベンチャー&対戦アクションゲームだ。

 主人公・竈門炭治郎となり、アニメ『鬼滅の刃』で描かれた“竈門炭治郎 立志編”から劇場版“無限列車編”までのエピソードを追体験できるソロプレイモード“ヒノカミ血風譚”のほか、総勢18名から好きなキャラクターを選んで2対2の対戦を楽しめるなど、『鬼滅の刃』ワールドに心ゆくまでじっくりと浸れる内容となっている。

 今回は、ひと足早くゲームの序盤をプレイさせていただく機会を得られたので、そのプレイレビューをお届けしよう。

『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』先行プレイ動画/Demon Slayer -Kimetsu no Yaiba- The Hinokami Chronicles

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シンプルでいて奥深いゲームシステム

 まずは戦闘部分のゲームシステムについて、感想も交えつつ軽く触れておこう。ひと言で表すと、縦横無尽に動き回りながら斬り結ぶ対戦アクションゲーム。通常攻撃や技などで攻撃を仕掛け、相手の体力ゲージをゼロにすれば勝利となる。

 バーサスモード“対戦”は2対2(ソロプレイモード“ヒノカミ血風譚”では1対1もある)で、規定の本数分勝利したほうが勝者となる。おもな攻撃手段は以下の通り。

通常攻撃

 ボタンを連打すると、地上では4回(後述する開放中は5回)、空中では2回まで連続で出せる攻撃。地上での4段目、及び空中での1段目は左スティックを入力すると異なる攻撃に変化する。とくに条件を必要とせず、いつでも放てる基本的な攻撃となる。隙が少なく、1段目がヒットすれば最後までつながるので、使用キャラクターを問わず、バトル中はかなりお世話になるだろう。

強攻撃

 威力が大きく、相手の攻撃を受けてもひるまない攻撃。ボタンの長押しで溜めてから出すと、相手をガードクラッシュさせやすくなる効果も。ひるまない、というのがポイントで、相手の攻撃に対する割り込み技としてかなり便利な印象。

掴み技

 いわゆる投げ技。隙がやや大きめだが、相手はガードできないのがポイント。ガードを固めている相手にはコレ。

 “技ゲージ”を20%消費して出せる強力な攻撃。操作方法に応じて、キャラクターごとに3種類の技を使い分けられる。技ゲージは自動で回復するが、あまりにも連発し過ぎると肝心なときに出せなくなる。どのタイミングで使うかをつねに考えながら戦うことが大切になりそう。

奥義

 奥義・開放ストックをひとつ消費する強力な攻撃。ストックがふたつ以上のときにヒットさせると、残りをすべて消費して威力が上昇する。格闘ゲームでいう、超必殺技やスーパーコンボのようなもので、ド派手な演出とともに超強力な攻撃を放てる。高威力なのは当然として、とにかく演出がカッコイイ。戦闘中はちょっと無理してでも狙いたくなってしまう。

開放

 奥義・開放ストックをひとつ消費すると発動。一定時間、移動速度と攻撃力が上がり、通常攻撃を連続で5回まで出せるようになるのに加え、発動時に技ゲージと共闘ゲージ(後述)が全回復する。ブースト効果は目に見えて感じられるほどで、開放後はかなり優位に立てる。気分的にも“上がる”ので、狙うが吉。

全開放

 開放中、奥義・開放ストックをひとつ消費すると発動。開放時よりもさらに攻撃力が上がり、技ゲージを使った攻撃が出し放題になる。発動条件がややきびしめのためか、効果は凄まじい。とくに技ゲージ無限の効果は半端じゃなく、いい具合に“俺ツエー感”が味わえてとても気持ちいい。

そのほかのシステム

 操作していないキャラクターは“共闘キャラクター”と呼ばれる。通常は姿を見せないが、共闘ゲージが溜まっているときに交代や、呼び出しての攻撃、さらには相手の攻撃から緊急離脱させてもらえたりなど、かなり手助けしてくれる。

 また、相手を自動的に追いかける“追尾ダッシュ”、吹き飛ばされた際にダウンを回避できる“受け身”、相手の攻撃を弾き返して隙を作り出せる“捌き”など、さまざまなシステムが導入されており、ゲームに慣れるほど気持ちよくスタイリッシュに動かせるようになる。操作方法自体もシンプルで、難しいコマンドを入力する必要がないため、この手の対戦アクションをあまりプレイしたことがない人でも入り込みやすいのが好印象。

 一方で、“捌き”や共闘攻撃を駆使した読み合い攻め合いもかなり熱いので、ライトユーザーからヘビーユーザーまで、幅広く楽しめるバランスになっていると感じた。

つい前のめりで遊び込んでしまうゲームモード群

 今回体験できたのは、ソロプレイモード“ヒノカミ血風譚”の第3章までと、自由にキャラクターを選んで対戦できるバーサスモード“対戦”。

 “対戦”はオンライン、オフラインでのプレイが可能で、ほかのプレイヤーやCPUと自由に対戦が楽しめる。今回はプレイできなかったが、オンライン対戦では自分の戦績が“隊士票”に登録され、対戦が終わるたびに相手と隊士票が交換されるという要素もあるようだ。

 ほかにキャラクターの操作やコンボの練習ができるプラクティスも用意されており、これがかなり便利な作り。各種ゲージが自動回復するようにしたりできるほか、CPUの状態設定も可能なので、じっくりと練習ができる。

キャラクターを自由に組み合わせての対戦ができる。いわゆる対戦ツールとしても優秀な作りだ。
プラクティスでは、さまざまな条件を設定しての練習が可能。操作やコンボの研究などで、何度となく入り浸ることになってしまいそう。

 そして本作のメインモードと言える“ヒノカミ血風譚”。こちらは竈門炭治郎となり、アニメ版『鬼滅の刃』で描かれた“竈門炭治郎 立志編”から劇場版“無限列車編”までのエピソードを追体験できるというもの。章立てになっており、各章を最後までクリアーすると、つぎの章が解放される仕組みだ。

 物語の途中では、山奥や町などの“探索エリア”を進んでいくこともある。エリア内では目的地にたどり着く、もしくは特定の人物に話しかけるなどでゲームが進行するが、入手するとゲーム本編では描き切れなかったストーリーが見られる“想いの欠片”が落ちていたり、鬼と戦闘になったりすることもある。

 真っすぐ目的地へ向かってもいいが、隅々まで歩き回り、楽しみ尽くすのもいいだろう。

エリア内はある程度自由に歩き回れる。思いのままにプレイしてみよう。
“匂いの探知”を使用し、鬼の匂いを探ることもできる。活用すれば目的地へたどり着きやすくなる。
鬼が出現することも。戦って勝利できれば、ゲームが進行する。

 ソロプレイモード“ヒノカミ血風譚”にて、特筆すべきはやはり映像演出の凄さだ。各イベントシーンを始め、何気ない会話、戦闘に移る際の演出に至るまで見事というほかない。禰豆子が最初に目を覚ますシーンでふつうにうるっと来てしまう程度には破壊力があったので、『鬼滅の刃』ファンには必ず厚手のハンカチを数枚用意してからプレイしてほしいところ。

 また、音響や声優陣の熱演もすばらしいものがあるため、ヘッドフォンの着用を強く推奨したい。没入感がまるで違う。

 本作は『鬼滅の刃』ファンは当然として、漫画やアニメを未体験である鬼滅初心者にも、さらには対戦アクションゲーム好きにも勧められる懐の広い作品に仕上がっている。ぜひあなたも、炭治郎たちとともに鬼を滅する刃となってみてはいかがだろうか。

※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となります。

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