2020年7月17日に発売されロングランヒットを続ける人気作『Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)』。2020年10月17日にはマルチプレイや“二周目(ニューゲームプラス)”が追加されるなどの大規模無料アップデートが配信される。

 本記事では、大きな注目を浴びるアップデート内容について、開発を手掛けるサッカーパンチ・プロダクションズのクリエイティブ・ディレクターであるネイト・フォックス氏と、マルチプレイモードのリードを務める、ダレン・ブリッジズ氏にインタビューをおこなった。アップデート内容の詳細ほか、開発秘話の一部も垣間見えたので、配信を心待ちにしている冥人の方々にはぜひ最後まで読んでいただきたい。

『Ghost of Tsushima』アップデートトレーラー

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ネイト・フォックス

『Ghost of Tsushima(ゴースト オブ ツシマ)』クリエイティブ・ディレクター。(文中はネイト)

ダレン・ブリッジズ

『Ghost of Tsushima(ゴースト オブ ツシマ)』シニアゲームデザイナー。(文中はダレン)

マルチプレイモード“Legends(冥人奇譚)”

――まずはマルチプレイモード“Legends/冥人奇譚”についてお聞かせください。マルチプレイの要素は当初から予定されていたことなのでしょうか?

ダレンはい。じつは本作の企画段階から、協力型のマルチプレイモードを入れることは決まっていて、本作の柱のひとつでした。それをこれまで、秘密にしてきたのです。皆さん、驚かれたのではないでしょうか。

――内容の充実ぶりに驚きました(笑)。マルチプレイモードを入れようと考えたきっかけを教えてください。

ダレン時代劇の中には、侍たちが肩を並べたり、背中を預け合って大勢の敵に立ち向かうシーンがありますよね。我々はそういったシーンがすごく好きですし、見ていてワクワクする要素です。そういったシーンを自分の手で操作するならば、やはりシングルプレイより、マルチプレイが最適です。そう考えて、協力型のマルチプレイモードを用意したのです。

――“Legends/冥人奇譚”のビジュアルは、本編の時代劇の再現とは一風変わり、赤を起点とした色使いが幻想的であり、ダークな雰囲気となっていますが、なぜこういったビジュアルを目指したのでしょうか。

ダレンダレン “Legends/冥人奇譚”は、行善(ぎょうぜん)という語り部が、仁の活躍を言い伝える物語です。語り部は単に事実をそのまま語るのではなく、起きたできごとに脚色をして、話を盛っているんですよ。たとえば「蒙古が襲来してきた」と言うのではなく「蒙古が鬼や天狗を連れて侵略してきた」と話したり、冥人の伝説についても「対馬を守るためにひとりの男が戦った」ではなく、「死の世界から蘇った冥人はじつは何人もいて、対馬を守るために戦った」といった具合に、語り部が話すたびに尾ひれがついて、大袈裟になっていくと。そのイメージをビジュアルでも再現するために、“Legends/冥人奇譚”の独得な世界観を構築しました。

――行善が言い伝える物語は、ゲーム本編で語られた物語とは少し異なるというわけですね。

ダレン語り部が語るのは、仁の体験した物語ももとにしています。なので、仁が体験したお話の断片も出てきます。ただ、完全に語り部が創作しているところも多いので、ストーリーとしては完全に新しいものとして考えてもらったほうがいいでしょう。

――ではネタバレにならない程度に、序盤の流れを教えてください。

ダレン語り部である行善は、冥人が生まれた経緯などを語ります。その中では、4つの役目(いわゆるクラス)についてなどを、チュートリアルのような形で教えてくれます。その後、いちばん最初に遊んでみたい役目を4つの中から決めて、そこからストーリーが始まります。そして最初の物語では、敵どうしの魂がつながっていて、同時にふたりを倒さないと何度でも復活してくる、という敵が現れます。

――なるほど、マルチプレイならではのアクション、または協力性について心がけた点はありますか?

ダレンやはり仲間との助け合いですね。それぞれ役目には、その名の通り役割があります。侍、弓取、牢人、刺客それぞれの特性があるんです。たとえば牢人は、倒れた仲間を回復できる、いわばヒーラーです。また、侍は体力が多いので、敵を引き付け耐えるタンク役です。そういった部分で、仲間たちとの連携を楽しんでもらいたいです。

――最大ふたりで遊べる“奇譚”はストーリー要素が濃く、最大4人で遊べる“九死”はアクションメイン、という位置づけなのでしょうか?

ダレン“奇譚”モードはストーリーがメインではありますが、もちろんアクション面も楽しんでもらえると思います。難易度が複数用意されていまして、赤銅、白銀、黄金とどんどん難しいステージが遊べます。さらに、ステージにはボーナス目標がありますし、プレイするたびにいろいろ変わる要素もあって。ストーリーを体験していただくモードではありますが、何度も遊べる作りになっています。“九死”モードのほうは、何度も押し寄せる敵から、いくつかの拠点を守るモードです。

――ちなみにマルチプレイモードではありますが、ひとりでも遊べますか?

ダレン要求された人数より少ない人数で、遊ぶことも可能です。サッカーパンチ・プロダクションズの中にも、少ない人数でクリアーしようとしているスタッフもいますから(笑)。ただ、“奇譚”はふたりで、“九死”は4人で遊ぶのがいちばん楽しいと思います。もしいっしょに遊ぶフレンドがいないという場合でも、マッチング機能がありますから、見知らぬ侍たちとも遊べます。もちろん人数が少なくなればなるほど、難しくなります。“奇譚”については、本当に蛮勇……勇気を持った人ならば、ひとりでクリアーできるかもしれません。ただ、“九死”モードは本当に本当に難しいですから、ひとりでクリアーできるのかは保証していません(苦笑)。

――レイドミッションの“大禍”は後日配信とのことですが、ユーザーがマルチプレイに慣れてから挑んでもらいたい、ということであえてそうしたのでしょうか。

ダレンその通りです。“九死”もチームワークが大事ですが、“大禍”は確実に4人の団結が攻略の鍵を握っています。どういった戦術で挑むのか、綿密な作戦が必要となるでしょう。また、“大禍”については必ず4人で挑む必要があります。ですので、より良い仲間たちを探したり、装備などを整えてから挑んでほしいということから、あえて後日配信という形にしました。

――それらのミッションをクリアーしていき、技を習得したり装備を集めていくのが基本的な遊びかたになるのでしょうか。

ダレンはい、役目ごとに成長要素もありますし、ミッションをクリアーしていくとアイテムを得られます。また、固有装備や固有の装飾品・防具などが得られることもあります。本編ではリアリティのある武具が用意されていましたが、“Legends/冥人奇譚”では不思議な武具も得られることでしょう。たとえば、発光する装備ですとか、刀を振るうと花びらが舞うような効果をもつものがあります。

――装備にはレアリティがあるようですが、高難度のミッションに挑めば挑むほど、レア度の高い装備が入手できるのでしょうか?

ダレンその通りです。中には固有の名前を持つ伝説の武具、というものもあります。たとえば、弓矢でヘッドショットすると、矢が跳ね返ってもうひとりの敵にもホーミングしていくというような、まさに伝説級の武具もあるんです。

――装備には本編にはないものもあるようですが、具体的にはどのようなものが用意されていますか?

ダレン相手の顔に泥を投げて、一時的に視界を奪ったり、マキビシを地面に撒いて敵の移動を遅延させたりできます。また、クナイも敵に火をつけるなど新たな種類が登場します。

――事前に公開されたゲーム画面を見ると、刀の中にはSTONE KATANA(石の刀)やWIND KATANA(風の刀)といった名前のアイテムがありますが、これは刀に型が紐づいているのでしょうか?

ダレンはい、刀によって使える型は異なります。レアリティの高い刀であれば、複数の型が使えます。そして伝説級の刀になれば、すべての型が使える刀もあります。

――ということは、マルチプレイをやり始めた序盤は、自分は石の刀を使うから、ほかの人に風の刀を使ってもらうなど、構えの違いによる協力性も生まれそうですね。

ダレンそうですね。型のほかにも、刀には毒を付与するものや、敵が防御できなくなる刀、敵に火を付ける刀などがあります。また、反撃重視の刀や、鬼などの特殊な敵に効果的な刀など、刀だけでも多彩な属性があるんです。チームで相談して、誰がどの刀を使うのか決めておけば、より戦略的に戦えるでしょう。

――では、マルチプレイについては、今後モードが増えるというようなことはありますか?

ダレン“大禍”モードを実装したあとは、“奇譚”と“九死”に、最高難易度である“百鬼”(ひゃっき)モードが追加されます。百鬼では週替わりで異なるミッションに挑めまして、遊んだスコアに応じてランキングに名前が掲載されます。それ以外の追加要素については、予定していません。もちろん、不具合などがあればそれを調整するアップデートは入ります。

本編のアップデートについて

――ここからは、本編のアップデートについてお聞かせください。引き継いでの「二周目」(ニューゲームプラス)はユーザーからも熱望されていましたが、追加したのはその期待に応えての結果なのでしょうか?

ネイト今回のアップデートは、そのほとんどがユーザーの反応を見て決めたものです。「二周目」はやはりユーザーの声も多かったですから、実装しました。

――では、装備の登録機能は?

ネイトはい。それもユーザーから挙がった意見のひとつです。探索用、近接戦闘用、飛び道具用など、プレイヤーのこだわり装備をすぐに呼び出せますので、プレイ中のストレスが大きく軽減できると思います。また、どの染色にするのかも登録できます。「この装備には、この色が絶対カッコイイ!」と、見た目にもこだわりたい人にも喜んでもらえるはずです。

――二周目限定装備など追加要素にも驚きました。これもユーザーからの反応を見て決めたことですか?

ネイトそれについては、こちら側から提供した要素です。二周目要素を追加するにあたり、単に一周目のデータを引き継ぐだけではおもしろくないと考えました。何か新しい体験をしてほしくて、新たな染色や面、武具を新たにアップグレードしました。とくに護符は、新たな体験が楽しめるでしょう。

――ちなみに、二周目限定の護符には、どんな効果のものがあるのでしょうか。

ネイトたとえば、奥義のひとつに「紫電一閃」がありますよね。使ったときにとある護符を付けていると、天候がくもりに変わり、一定の確率で近くの敵に雷が落ちるという、環境を巻き込んだまったく新しい技が可能になります。また、いわゆる縛りプレイができる呪いの護符があります。より難度の高い戦闘を味わいたい人にはうってつけです。それと、すでに発表していますが、蒙古の犬を仲間にしていっしょに戦ったり、撫でられるようになる護符もありますよ!

――犬を撫でられる要素は好意的に受け止めるファンが多かったですね(笑)。これを実装しようと決めたのは、キツネを撫でられることへの好評ぶりが影響したのでしょうか。

ネイトまさしくその通りです。キツネを撫でる行為が、ここまで好評を得るとは思っていなくて、我々としてはビックリしました(笑)。ただ、それだけではなく、ユーザーから「犬を傷つけたくない」という声も少なからずありました。その願いを叶えるためにも、こういった護符を入れています。

――ちなみに鹿やクマなどは今後撫でられるようになりますか……?

ネイト本編ではないのですが、“Legends/冥人奇譚”モードでは、クマの式神を呼び出せます。そちらの式神でしたら、撫でることができます!

――ありがとうございます!!!! そのほかに、追加されている要素はありますか?

ネイト二周目には、ムービースキップ、会話スキップ機能を追加しています。少々リアリティは薄れますが、それよりも新鮮な気持ちで遊んでほしくて導入しました。

――マルチプレイの追加により、これまで告知されてきたアップデート内容は終了になると思います。その後の展開、アップデートなどは予定されているのでしょうか。

ネイト我々としては、今回のアップデートに全力を注いでいます。配信後には、どの要素がプレイヤーに受け入れられて、どの要素に不満があるのかじっくり見ていきたいです。配信ももうすぐで、我々もワクワクしていますし、プレイヤーたちの反応が楽しみです。

――ーー配信を心から楽しみにしています。本日はありがとうございました。

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