週刊ファミ通の『FGO』4周年特集で掲載しきなかったこぼれ話まとめ

――2019年1月1日から、ゲーム内や公式サイト、公式Twitter上で1.5部で登場した“真名隠し”サーヴァントの名前が隠されなくなりましたが、その理由は?

奈須1.5部の配信から1年以上経ったし、多くのユーザーもネット上で目にする機会もあるので、もう隠す必要はないなということでオープンにしました。そのほうがユーザーも混乱しないだろうし、それぞれコミカライズが始まっていますしね。また、“真名隠し”は1.5部専用の楽しみとして用意したものですから、2部も始まったのでそこを引きずることはないなと。

――『FGO』に限らず、奈須さんが好きな偉人や神話の登場人物を教えてください。

奈須英霊だったらクー・フーリンですかね、去り際まで完璧。偉人だと、アラン・チューリングかな。『イミテーション・ゲーム』という映画の題材にもなったエニグマを解読した天才科学者なんですけど、公式が公式なだけに隠されていたんです。本当に近年、彼の公式が発表されて称号が贈られましたが、すごい人だなと思います。ドラマ性も素晴らしい。ただ、この人はサーヴァントにはなりません。

――『FGO』では歴史上の人物もサーヴァント化されて戦闘を行っていますが、アレンジの基準はありますか?

奈須元々、『Fate/stay night』のころから「どうやってこの神話を拡大解釈するか」「ネタをどう広げるか」というところが売りでもありキモでもありました。とくに近代の英霊は戦闘能力がないので、逸話を昇華してアレンジするようにしています。

――奈須さんが普段使っているパーティ編成や聖杯を使っているサーヴァントを教えてください。

奈須え、恥ずかしい(笑)。基本的には星5のアルターエゴで固めていますが、敵が三騎士になると、セイバーならアルトリアと両儀(式)、ランサーならカルナとエリちゃん、アーチャーならニコラ(テスラ)とアルジュナを編成しています。聖杯は(殺生院)キアラと水着BB、エレシュキガル、(謎のヒロイン)XXに使っております。アルターエゴは全員レベル90にしております。

※タマモキャットと殺生院キアラの絆礼装にボカシを入れています。

――聖杯を捧げたサーヴァントの選定理由は?

奈須性能と愛重視ではありますが、キアラとか水着BBとか、オンリーワンの性能のサーヴァントをレベル100にしたら、そりゃ便利だよね。

――性能面で人気のスカサハ=スカディは普段のパーティに入れていないんですね。

奈須スカディは便利なんだけど、使うとパーティ編成が限られちゃうなと。スカディに頼らなくていいパーティなら好きに組んでいます。本当は玉藻(の前)を使ってArtsパーティを組みたいんだけど、いまのArtsパーティはちょっと不遇なので、またArtsパの流れがくるようにしてほしいです。

――マフィア梶田さんとの対談では「合体宝具をやりたい」といった話がありました。その後の進捗は?

奈須最近配信された『七つの大罪 ~光と闇の交戦~』のように「これ、スマホでやっちゃうの?」みたいな基本フォーマットが強いスマートフォンゲームがどんどん出てきています。『FGO』も変えなくちゃいけないなとは思っていますが、第2部が走っているうちはいまのシステムでできる創意工夫をしていくしかないです。合体宝具は夢だけどねー、やりたいなぁ。

――『FGO』のサービス開始後にもさまざまなスマートフォン用ゲームが配信されました。その中で奈須さんが楽しんでいるものはありますか?

奈須買い切りのゲームですが、『Muse Dash(ミューズダッシュ)』という音ゲーは、キャラが可愛いし音もいい。気晴らしになるので好きです。それ以外では『メギド72』かな。「なんでスマートフォンゲームで『モンハン』並みの素材集めをさせられるんだ!」と思うこともあるけど(笑)、野心的なゲームシステムでおもしろいです。一時期、狂ったようにやっていました。

――ではハードを問わず、2019年に影響を受けたゲームは?

奈須おもしろかったのは、1年間待ちに待ってパンパンに膨れ上がった期待を軽くオーバーしていった『SEKIRO』。脳内の『FGO』へのパーテーションが、『SEKIRO』プレイ中は「うるせえ!」となって、なんと1日たりともかかさなかった『FGO』の作業が3日止まった(笑)。まぁ、後でそのツケは払うんですけど……泣きながらね。アクションゲームとして平成最後にあんな素晴らしいものを見せられると思わなかった。ほかにもいろいろと素晴らしいゲームはあったんですけど、生活を崩した、というレベルまでいくと『SEKIRO』です。

――ちょうど平成というワードも出てきたので、今度は奈須さんの“平成最高の1本”を教えてください。

奈須平成でいったら、たくさん素晴らしいゲームや人生を狂わされたゲームがあります。『ベヨネッタ』と言いたいんだけど……やっぱり『デモンズ』です。たぶん、『デモンズ』で突然知らない誰かに「よ! きのこ元気?」って言われる楽しさを知らなかったら、こんな素直に『FGO』に参加していなかったと思います。

――最後に個人的にお聞きしたかったことをうかがってもよろしいでしょうか。例えば、主人公が序章で生き残らずにAチームの誰か1人が生き残っていた場合、人理はどうなっていたのでしょうか? 人理を修復できる人材はAチームの中にいますか?

奈須2人ぐらいいる……たぶん、キリシュタリアかデイビット。でも、デイビットの場合は人理修復した後に詰んでいて、2018年からの脅威に耐えられない。

キリシュタリア・ヴォーダイム。今冬に配信される第2部 第5章“Lostbelt No.5 神代巨神海洋 アトランティス 神を撃ち落とす日”でついに対峙することになる。
まだまだ実力が未知数のデイビット・ゼム・ヴォイド。最後の異聞帯“Lostbelt No.7”で登場が予告されている彼の活躍がいまから楽しみでならない。

――キリシュタリアならば耐えられるのですか?

奈須キリシュタリアならギリギリいけるかな? いや、2018年からの脅威の半分くらいまでならクリアーできるけど、クリプターである時点で勝てない。でも、人理修復はできると思います。カドックもワンチャンあるかな……いや、ないな。カドックには荷が勝ちすぎる(笑)。

――カドックは主人公になれそうな要素も感じましたが、ダメでしたか。

奈須最後の運命力がすこし足りないですね。アナスタシアが頑張ればなんとかなるかもしれないけど、異聞帯でないと“あのアナスタシア”には出会えないという。ほかのメンツは早々にいろいろな理由でダメになると思います。

――貴重なお話ありがとうございます。最後にファミ通.comの読者にひと言お願いします。

奈須古くからのゲームユーザーはコンシューマーを持っているのが当たり前でしたが、これからの若い人、いま10代の人はゲームといったらスマートフォンだと思います。彼らにとってのコンシューマーはスマートフォンであるから、その若い層がプレイしても楽しめるゲームを作りながらも、コンシューマーというもっとゴージャスな世界があることを示していけたらいいなと思っています。どちらも大事だけど、いまはスマートフォンでおもしろいゲームを作り続けていますので、興味があったらダウンロードしてください。