■『NieR』感も出てきて開発も順調?

――画の雰囲気が少し変わりました?

齊藤 ここ1~2ヵ月で、画作りの面ではかなり『NieR』感が出てきましたね。空気感というか。

ヨコオ 画面全体の色調を調整するグラデーションマップが入ったからだと思います。今回は、一部のステージからしか素材が出せなかったんですが、今後、ほかの場所のものも出せると思うので、印象は変わると思います。

吉田 ギラついてないですよね。ハイエンド機では、ギラギラしたポジフィルムのような画作りのほうがリッチに見えるので、そういう画作りの作品が多いと思うんですが、『NieR:Automata』はネガフィルムのような、おとなしめの画なんだけれど、よく見るとディティールが隠されていて

ヨコオ プラチナゲームズに行って、最初にお願いしたのはスペキュラー(光沢のある物体に光を当てたときに、視点と物体の角度によって光源自身が映り込んでできるハイライト)禁止ってことだったんですよ。この世界は埃っぽいから光らないと。

田浦 それでもちょいちょい光らせたりしちゃうんですが。

――『NieR』と言えば音楽も重要な注目ポイントですが、先ほどまだ全部はできてないということでしたが。

岡部 着実に難航しております(笑)。本作の楽曲を作るにあたって、改めて『NieR』っぽい楽曲ということを考え、本作なりの楽曲の方向性を探っていた部分がありました。ゲームやアニメの音楽を作るときは、「これが正解」と確信するケースが多いんですが、『NieR』の場合はさじ加減が難しくて。前回は正直、あまり期待されてないということを感じたので、自分がいいと思うさじ加減で好き勝手にやって、「これが『NieR』です」という気持ちだったんです。ですが、今回は、7年前といまの僕の感覚も違いますし、作品自体も前作とは違うことをやっているので、音楽的にも新しい要素は入れつつ、前作を期待している方も満足していただける部分も盛り込みつつ、という部分で「これなら」というものが見えてきました

――前作『NieR』の楽曲には歌モノがけっこうありましたが、本作でも歌モノは多いのですか?

岡部 前作では、ヨコオさんに全部の曲に声(歌も含む)を入れてくれ、と言われたんです。僕としては全曲に声を入れたつもりなんですが、バージョンをいろいろ作っていくうち、そのバージョン違いにも声を入れるのはキツいという話をして、納得してもらいました。そういう経緯もあったので、ヨコオさんからは「今回こそは全部入れろよ」みたいな圧があって。今回は声入りを大前提に作っています。

――声にこだわっている理由というのは?

ヨコオ このゲームの曲には全部声が入っているって言いたいからです(笑)。9割がた入っている、って言ったって何の魅力もないじゃいですか。

――全部入りと言いたいと(笑)。現在、あがってきた楽曲についての感想はいかがですか?

ヨコオ 『NieR:Automata』は、吉田さんのキャラクターデザイン、プラチナゲームズさんの画作りなど、前作よりも情報量が多いような気がするんですが、それに合わせて岡部さんの音も厚くなっているような気がします

岡部 音は多めかもしれないですね。

ヨコオ 前作の手抜き感はなくなった気がします。

岡部 前作は、あえて、です、あえて(笑)。

――ゲーム全体の開発は順調?

田浦 佳境に入って、いまがんばっているところです。

――ヨコオさんのムチャ振りで振り回されたりは?

ヨコオ そんなことはないんじゃないですか?

田浦 そんなこともあったり、なかったり。プラチナゲームズ的にも初めての試みが多くて、いろいろご迷惑をかけながら。

ヨコオ プラチナゲームズの皆さんは、ゲームをよくしようと、要素をどんどん盛っていっちゃうんですけど、それが波及して作業がどんどん増えていっているんです。それをどうやってまとめるか、というのが誰にもノウハウがなくて、「このまま進んだらパンクするのでは!?」と思っているところです

次の新情報はE3タイミング

――つぎの情報はE3ですか?

齊藤 はい。新しいトレーラーを見せられたらいいなと思っています。あと、発売のだいたいの時期も言えたら

岡部 まだ曲の方向性がようやく掴めたところなので、これからが本番と言ったところなんですが、時間がかかっただけに迂闊なものは出せないなという意識で、期待に応えられるようにがんばっているので、少しだけ期待して待っていてください。

吉田 僕がやる仕事はほぼ終わっているんですが(笑)。

齊藤 まだイメージイラストが残っていますよ(笑)。

吉田 ああ(笑)。ラフはかなりできたんですけど、まだ催促されてないので、気に入らないところを直しているところです。また、ガラッと描き直しちゃうかもしれないくらい、こだわっています。キャラクターは実機で見たほうが構図がカッコいいので、実機で見てください(笑)。イメージイラストも実機の画に負けないように悩みながら描いています。

田浦 まさにここから佳境を迎えるところ……というか、すでに迎えているんですが、今後はステージであったりアクションであったり、さまざまなバリエーションのものをお見せできると思います。チーム一同がんばっていますので、次の情報を楽しみにお待ちいただければと思います。

ヨコオ 『NieR:Automata』はプラチナゲームズの若いスタッフの方々がすごくがんばって作ってくれているので、機会があれば、そんなスタッフの方々にも話を聞いていただければ。ちょっと田浦さんが撮った開発現場の写真があるんですけど(開発現場の写真を見せていただく)。

――おお、こんな感じで『NieR:Automata』は作られているんですね。ぜひ! 大阪、行きますんで!(取材決定) 

齊藤 まだまだ魅力的なキャラクターもいますし、『NieR:Automata』の世界の一部しかお見せできていません。開発はより佳境に入っていきますが、その分、お見せできるところも徐々に増えていくはずです。皆さんの応援があれば、スタッフ一同、よりがんばっていけると思います。ぜひ、期待のランキング上位にのれるように応援おねがいします(笑)