■次回開催も期待大!?
――でも、そういう苦労を経て世に出された『NieR Replicant/Gestalt』という作品が多くのユーザーの心をがっちり掴んだ、ということは、今回のミュージック&トークライブのチケットが入手困難という形でも現れていると思いますが。
ヨコオ いままでやった『NieR』のライブって200人くらいの会場で、そこそこな感じだったので、今回は900人ということを聞いて、「4倍強は調子に乗り過ぎでしょう! 『NieR』のお客さんはせいぜい200人ですよ」という話しをしたんですけど。すみませんでした、僕が悪かったです!
吉田 品薄商法じゃないんですか?(笑)
ヨコオ 違います(笑)。今回に関しては、これまであまりにも何もやらなかったから、こういうことに飢えてた方が多かっただけだと思いますけど。これで調子に乗って、たとえば半年後に、同じく900人規模の会場でやるとガラガラだったりするんですよ。
齊藤 いや、900人じゃ足りないと思うよ。
ヨコオ いやいや、しょっぱい思いをするだけだと思います。
宣伝担当 2000はいけますよ。
ヨコオ 2000! 今回、田浦さんに壇上でデモプレイをしてもらうんですけど、もし仮に次をやることが決まって、実際に2000人集まったら、そのときは田浦さんに上半身裸になってもらって、オリーブオイルを塗ってデモプレイをやってもらいますよ。絶対に。
田浦 なぜそんな話になるのかわかりませんが、2000人集まったら、やります(苦笑)。
一同 (笑)。
――今回のコンサートでは田浦さんみずから、実機でのデモプレイもされるんですね?
田浦 はい。本作のアクションはもちろん、『NieR』っぽい、ヨコオ作品独特の雰囲気漂う背景にも注目してもらいたいですね。光の感じであったり、あえて逆光で見づらくするといった表現など、あまりゲームでは見られない部分もお見せできると思います。
齊藤 短い映像ですけど、このキャラはこういうキャラなんだね、というのが伝わる踏み込んだシーンも入った映像になっていますよ。
――今回のコンサートの選曲に関して、ヨコオさんから何かリクエストは?
ヨコオ 選曲はとくに言ってないんですけど、お金をいただくので、演奏する曲数を何でもいいからもっと増やそうとは言いました。物販もいい素材を使っていただいているので、そこそこお値段がするんです。ですので、パンフレットも文字をたくさん書いて、情報量を増やしてとにかくお値打ち感を出そうと必死にやりました。結果、文字がすごく小さくなってますけど。
岡部 僕は文章を書くのがすごく苦手なのに、「メッチャ書かされる!」と思いました(笑)。
――そのほかの注目ポイントは?
ヨコオ 岡部さんが作った『NieR:Automata』の主題歌をライブで披露します。
――もう主題歌が!
ヨコオ 知らない歌を聴かされることほど苦痛なことはないと思うので、事前に予習をするために、今回、ムリを言って音源を公式サイトにアップしてもらいました。ライブに来ていただく方も、そうではない方も、聴いていただければイイナーと思っています。
――歌い手はどなたが?
岡部 J’Nique Nicoleさんという日本在住の外国人の方です。
――岡部さんは演奏されるんですか?
岡部 僕はしません! 断言しておきます(笑)。当日は壇上でトーク、演奏は皆さんといっしょに楽しみたいと思っています。ですので、自分自身も楽しめるよう、そこまでの準備はキチンとがんばりたいと思って、いろいろやっています。そこは、ある程度期待していただき、楽しみにしていただければと。
――さきほどヨコオさんもおっしゃいましたが、コンサートでは、グッズもけっこうな種類を作られるんですよね?
齊藤 そうなんです。コンサートには物販が付きもの、という僕の勝手なイメージと、いままでオフィシャルのグッズがあまりなかったこともあったので、この機会に作ろうと。そこで、今回のコンサートのプロデューサーである岩崎さん(崎は旧字)と相談し、「たとえば、でんぱ組.incとか、アイドルのコンサートではこういうのが人気ですよ」という話を聞いて。
ヨコオ でんぱ組.incのビジネスモデルを参考にするとか、かなりムチャだと思うんですが(笑)。
齊藤 やりたいことが全部できたわけではないんですけど、作りたいものの多くは作ることができたのでよかったなと思ってます。
ヨコオ ステッカーとか缶バッジとか、「僕はいらない」って言ってたんですけど、岩崎さんが「いや、こういう価格帯のがすごく売れるから」って、すごく悪い顔して言うので、それなら少しでもいいものを、と思ってゲームのデータを作るのをサボりながら、グッズのレタッチをずっとひとりでやってました。
吉田 えっ、ヨコオさんがやっているんですか?(笑)
ヨコオ はい。缶バッジのヘリの部分は色が足りないと白い枠が出ちゃうので、Photoshopで塗り伸ばしたり。
――数も十分作ってるんですよね?
齊藤 作っているんですけど、今回のコンサートでどれくらい売れるのかまったく未知数で。通販も行いますが、それでも売れ残ったらヨコオさんと僕でリアカーで手売りしますよ(笑)。何にせよ、次につながる形になればいいなと思っています。
――海外でのイベントも取材させていただきましたが、『NieR』の海外人気もすごかったですよね。海外でコンサートをするといったお考えは?
齊藤 昨年『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』を発表したときに、ユーザー、メディアも含め、予想していないレベルで「待ってました!」と言われたのはビックリしました。「いままで、どこに隠れていたの?」と思うほど。もちろん、多少は期待していたんですよ。久し振りの新作ですし、サプライズ的に発表できたので、喜んでくれる人がいればいいなとは思っていましたけど。
ヨコオ 宣伝さんが好意的なメディアしか呼ばなかった、という説が自分の中では濃厚なんですけど。プラチナゲームズさん効果も大きと思います。
齊藤 それはもちろんね。実際、海外でもコンサートのオファーはけっこうありました。ですが、いまは開発を最優先しなくてはならないので、難しいですね。『NieR:Automata』が海外でもキッチリと売れて、なお且つ、岡部さんとヨコオさんの時間があれば、海外でもやってみたいですね。
岡部 サウンド担当は、なかなか海外に行けないので、機会があればぜひ行きたいですね。
――ワールドツアーとか。
岡部 ワールドツアー! その言葉の響き自体、「ふああああ」ってなりますね(笑)。恐ろしい。
ヨコオ 海外とえいば、一流のサウンダーはロンドンでレコーディングしているイメージだけど、何でみんなロンドンに行くの?
岡部 ワルシャワとかもありますよ。
吉田 海外だと音が違うんですか?
岡部 日本でレコーディングすると意外と費用が高くつくんですよ。海外だとオーケストラの奏者もたくさん数を呼べて、スケール感も出せるので、たくさんの楽曲を録るのであれば、渡航費も含めても、日本と海外ではさほど費用は変わらないという話を聞いたことはあります。ただ、言葉の違いなどあり、ディレクションするのはたいへんみたいですけど。
――コンサートをのちにライブDVDやBlu-rayなどパッケージディスクとして発売する予定は?
齊藤 ユーザーさんの声次第ですね。いちおう、そうできるように撮影は入れて準備はしています。
――コンサートもありますし、音楽についても改めて振り返っていただければと思うんですが。『NieR』の音楽でとくに気に入っている曲は?
ヨコオ ……えっ!?
――あ、もう撮影終わりましたので、マスクを取っていただいても大丈夫です(笑)。コンサートでも、それ被って壇上に上がるんですよね?(笑)
ヨコオ はい。聞こえづらいうえに、見づらいし、暑いんですが。
齊藤 酸欠になっちゃうんじゃないの? ホースを繋げて空気を送り込むようにすれば?(笑)
ヨコオ イヤです! 誰かにヘリウムガスを流しこまれるかもしれないし。
――それはそれでおもしろい(笑)。
ヨコオ で、何でしたっけ。あ、気に入っている曲……。どれだろう……。どの曲も平たく好きで、かつ飽きちゃったんですけど、意外といちばん聴く回数が少なかったのは、エンディングの曲です。ほかの曲は、ボスが登場したらこのトラックをオンにして……といったように、音楽をコントロールする必要があったために、ずっと聴く必要があったんですが、エンディングの曲はそういった必要がなかったので。その曲自体は、最初聴いたときはピンときませんでしたが。岡部さんは、意気揚々とドヤ顔で持ってきたんですけど(笑)。
岡部 それ、すごく覚えてる(笑)。自分の中ではすごく手応えを感じた曲で「すごくがんばった甲斐のある曲になった」と思って持っていったのに、「そんなことよりもさあ」っていう、すごい流されかたをされたんですよ!
ヨコオ 「よくある洋楽の曲みたいー」ってその時は思いました。
岡部 エンディング曲は、自分としては、弦奏者も多くの人数をかけて、お金をかけたなりの音になっているな、という手応えを感じていたんですけど……。
ヨコオ 僕は素人なので、「シンセで弦を鳴らしているのと違いがよくわからないね」という岡部さんを激萎えさせることを言った記憶があります。
岡部 そうそう。しかも「それよりもさあ」ってすごい流されかたしたんですよ! 「ぜんぜん違うのに!」って思ってがっくりしました(笑)。あと、ヨコオさんは素直に褒めずに「このいい曲ぶっている曲は……」とか言うんですよね。
――なかなかのへそ曲がりですね。それだけ親しい間柄と言えるんでしょうけど。
ヨコオ でも、『NieR:Automata』に関してはリテイクは少ないよね。
――楽曲リストはあがっているんですか?
岡部 リストはあがっているんですが、まだ全部はできていないという状況です。