スクウェア・エニックスより、2021年4月15日(※)に配信された『サガ フロンティア リマスター』(対応ハードは、プレイステーション4、Nintendo Switch、PC(Steam)、iOS、Android)。
※PC(Steam)版のみ2021年4月16日配信

 本作は1997年に発売された名作RPG『サガ フロンティア』(以下、『サガフロ』)のグラフィックを高画質化し、さらに新主人公・ヒューズのエピソードなど、さまざまな追加要素を加えたリマスタータイトルだ。

 24年ぶりの復活ということで、しばらく『サガフロ』を遊んでいなかった人、またはこれから初めて遊ぶ人も多いはず。本記事では、そんな人たちに向けた初心者向け攻略情報をお届けしよう。

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主人公の選びかた

 本作には、7人の主人公の物語が用意されており、いずれかの主人公で1度クリアーすると新主人公・ヒューズ編が遊べるようになる。どの主人公を選ぶのか最初に迷ってしまうところだが、基本的には、あらすじや見た目が気になった主人公を選べばオーケー。

 特撮ヒーローものが好きならレッド、ロボットアニメが好きな人はT-260G、耽美なシナリオに興味があればアセルスなど、自分の好みで選んで基本は問題ナシ。クーン編は、主人公がモンスター(バトルにおける特徴は後述)なので、システムを理解するまでちょっと苦労するかも? でもぜんぜんアリ。

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 ただリュートだけは、最初に選ぶのはあまりオススメしない。リュート編は固有シナリオがほとんどなく、いきなりラスボスに挑めるほど、自由度が高いのが特徴だ。ゲーム自体への理解を深めてからでないと、その自由度の高さの楽しみかたがわからず、混乱するかもしれない。

 もちろん、それでも「最初に自由な旅がしたい!」という人はリュートを選んでみよう。なんとかなるさ。

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物語の進めかた

 ゲームは、主人公自身のストーリーを進めるシナリオパートと、自由に冒険できる自由行動パートに分かれている。
 シナリオパートは、基本的にシナリオに沿って進むもので、エリアやリージョン(本作の世界には、リージョンと呼ばれる多数の小世界がある)の移動ができない状態となっていることが多い。逆に、リージョン移動ができたら、そのときは自由行動パートなのだと思っていい。

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 シナリオをどんどん進めていきたい気持ちになるかもしれないが、自由行動パートで仲間集めやパーティ強化をしないと、シナリオのボス相手に苦戦してしまう場合が多い。できればリージョンを回り、サブイベントなどをある程度こなしてからシナリオイベントに挑戦するのがオススメだ。

 なお、シナリオ進行でつまずいてしまった場合は、シナリオチャートを確認すればオーケー。どこで何をすればいいのか書いてあるので(条件が詳しくは伏せられている場合もあるが)、その目標を達成しよう。

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冒険はクーロンが拠点

 リージョンのひとつであるクーロンは、怪しい雰囲気漂う裏路地リージョン。ここの空港はほとんどのリージョンにつながっている中継地点となっている。
 自由行動が可能になったら、まずはクーロンに行き、そこからどこかに冒険へ出かけよう。

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育成について

 本作の育成システムは種族ごとに大きく異なり、仲間それぞれがどの種族なのかしっかりと把握することが重要。
 では、種族に合わせて、育成方針やどのようなことを気を付ければいいかを伝授しよう。

ヒューマン

 戦闘をくり返すことでパラメータが上昇していく。最初は弱いが、ゲームが進むと強くなる大器晩成型だ。成長させたい場合は、バトルをくり返せばいい(ちなみに、戦闘中の行動によって、どの能力値が成長しやすくなるかが変わる)。

 ヒューマン最大の特徴は、技・見切りを閃くこと。戦闘中に突然、キャラクターの頭上に電球マークが表示され、新しい技・見切りを習得することを“閃き”という。こちらはヒューマンの特権となっている。また、ヒューマンは術も習得可能だ。

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ヒーロー

 レッド限定の種族。基本はヒューマンと同じ。レッドは、メカ以外の仲間に見られていない状況で、ヒーロー“アルカイザー”に変身できる能力を持つ。

 ヒーローに変身すると、ステータスが大幅にパワーアップ。また、ヒーロー専用技を閃くことがあり、変身中のみ超強力な技をくり出せるようになる。と言っても、前述の通り、メカ以外の種族の仲間に見られている状態では変身できないので、パーティメンバーを制限する必要があるのがネック。
※ただ、メカ以外の種族がチームにいたとしても、彼らが戦闘不能や暗闇の状態であれば変身可

 ヒーローに変身すると戦闘終了後にパラメータが成長しないほか、ヒーロー技以外の新たな技や術を習得しないというデメリットもある。

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妖魔

 HPなどの一部のステータスは戦闘をくり返すと上昇する。そのほかのパラメータは、“妖魔武具”に敵を憑依させることで強化されるという特殊なシステムを持つ。

 妖魔武具は、技術装備欄にセットされるもので、剣・小手・具足の3種類がある(1度習得すると取り外し不可)。戦闘中に攻撃手段として使うことができ、その攻撃でモンスター系の敵を倒すと、モンスターを妖魔武具に憑依させられる(メカやヒューマン等は対象外)。

 憑依したモンスターによって付与されるパラメータが変わるほか、モンスターに由来する技をひとつ使えるようになる。この技は、憑依させた妖魔武具によっても変わる。

 基本的には戦闘をくり返しつつ基礎ステータスを上げ、さまざまな敵を憑依させてみるのがオススメ。強力なモンスターであればあるほど強い……というわけでもないので、いろいろと試してみよう。

 また、妖魔は技は閃かないが、術は使用可能だ。

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半妖

 アセルス専用種族。基本はヒューマンと同じだが、妖魔武具を敵に当てると、そのバトル中のみ妖魔に変身。妖魔化している最中のみ、妖魔武具の恩恵を受けられる。

 ヒューマンとしてのステータスに、妖魔武具の強力なステータスが乗るのでかなり強力な存在になれる。また、妖魔は妖魔武具を取り外すことはできないが、アセルスは自由に付け外し可能。妖魔武具を使うか否かは、アセルス編のシナリオにも関わってくるポイントだが、強さを求めるならとりあえず憑依させてみるといい。

 なお、妖魔化してバトルを終えると、妖魔と同じくHPなどの基礎ステータスは上がる可能性があるが、そのほかのパラメータは上がらない。

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モンスター

 成長させるには、もっともコツがいる種族。武器防具は装備できず、アクセサリーのみを最大4つまで装備できる。
 最大の特徴は、ほかの敵モンスターを倒すと、戦闘終了後に倒したモンスターの能力を吸収できること。

 能力は最大8つまで吸収でき、吸収したモンスターに応じて、自身の姿かたちが変化。その姿に応じて、パラメータが変動するというシステムだ。また、1度も習得したことがない能力を吸収すると、最大HPがアップする。

 育成方法が特殊かつ、どのモンスターに変身するのかを見極めるにはシステムへの深い理解が必要なので、サガフロ上級者向けの種族と言える。ただ、適当に吸収するだけでも序盤~中盤は強力なキャラクターになりやすいのは強み。術は使用できない。

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メカ

 成長要素はなく、武器や防具、メカ専用装備などを含めた装備欄が7つもあり、装備したものによってパラメータがアップするという、ある意味いちばんシンプルなシステムを持つメカ。

 技などは閃かず、術も使用不可。ただし、メカのボディパーツによって技が標準装備されているほか、T260Gのみボディパーツ変更という要素がある。

 さらにメカ系の敵を倒すと、戦闘終了後に敵メカのデータを吸収し、“プログラム”として自分にインプットが可能。プログラムは技として使えるものや、パッシブスキルとして発動するものもある。なお、プログラムできるかどうかは運が絡む。

 装備でステータスが決まるため、引き継ぎアリの周回プレイではすぐに強くなりやすい。メカを強くしたいなら、とりあえず余った装備は全部装備させてしまおう。

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武器について

 本作には武器の種類が、おおまかに4つに分かれている。キャラクターごとに適正があり、基本的には初期装備や初期技術装備でその傾向がわかる。それぞれの特徴を理解しながら攻撃すると戦いやすい。

 剣はオーソドックスな近接武器で、閃く技が非常に多い。2本装備させることで2刀流技を閃くこともあるので、基本は2本装備させるといい。

 また、剣の種類によって“刀・曲剣”という分類の剣もあり、刀・曲剣のみで閃く武器もあるほか、武器固有で技を持つ場合もある。

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 銃は遠距離武器で、武器ごとに弾数という制限がある。個性的な技が多い。剣とは違い、銃の技は、戦闘終了後に修得することがある。

 弾数があり、弾を使い切るとリロードのために行動が遅れるというデメリットがある。銃をふたつ装備することで技の威力が大幅にアップする"2丁拳銃"を修得すると、一気に火力が増す。

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重火器

 弾数制限があり、技は固有のもののみ。弾数制限があり、弾を使い切るとその戦闘中は2度と使用できなくなる。武器を多数装備できるメカが使用するのに向いている。

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体術

 武器アイテムを装備せずともくり出せるため、誰でも使用できる。ただし真価を発揮するには、ステータスをしっかりと上げておく必要があるので、使用者の能力が試される。

 投げ技にはスタン効果が付いていることが多く、敵の行動を抑制しやすい。ただし、全体攻撃を持たないのが弱点。 

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術について

 術は各リージョンで販売されており、お金を払えばメカ、モンスター以外ならば習得することが可能。また、各イベントをこなして術の“資質”を入手すれば、高位の魔法を戦闘終了後に覚えることがある。

 術の系統は全12種類で、命術、幻術を除くと、それぞれ相反する系統の資質は基本的には得られないようになっている(たとえば、陽術と陰術の資質は両立できない)。サブイベントのほとんどが、この資質に絡んだものとなっているのも特徴。注意点として、資質はそのときいる仲間のみに与えられることがほとんどで、その後に入った仲間は資質を得ることができない。

 どの系統が良いか迷ったら、とりあえず陽術を付けておくのがオススメ。陽術は単体回復術の“スターライトヒール”と、資質会得で習得できる高火力全体攻撃“超風”が使えるので、攻守ともに役立つ。

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バトルは連携が鍵

 本作では、仲間たちが技や術を使うと、それらの攻撃がつながって“連携”することがある。連携すると、威力が跳ね上がるだけでなく、敵の防御力を無視して攻撃できるため、攻略には非常に重要な要素(とくにボス戦)。

 技や術、モンスター攻撃やメカ攻撃など、ほとんどの攻撃が連携の可能性を持っている。ただし、一部技は連携されないという特性がある(たとえば、全体攻撃は連携の起点にはなれるが、途中には組み込まれないなど)。また、回復系は連携不可。

 ほかにもさまざまなルールはあるものの、おおまかなコツとしては、全体攻撃1回+単体攻撃を、単一の敵に向かってくり出すと、5人連携になりやすい。

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敵ランクにご注意を

 本作は、基本的に敵とのエンカウント数(退却した数は除く)で、敵のランクが変動。エンカウント数が多ければ多いほど、敵が強くなるという仕組み。また、ボスのHPもエンカウント数によって変動し、多ければ多いほどHPが上がるので、倒しにくくなる。

 もちろん育成するには敵を倒す必要があるため、ある程度の戦闘は必須。通常の敵とのバトルはさほど影響はないが、あまりに戦いをくり返しすぎるとボス戦で大苦戦してしまうことも。ゲーム終盤は、「HP999まで育成をやり込む!」というよりは、ほどほどのところでラスボスに挑んだほうが倒しやすい。

オススメの育成スポット

 敵が強ければ強いほどステータスが上昇しやすく、技も閃きやすい傾向にある本作。とはいえ敵ランクの存在があるため、強い敵と戦うには戦闘回数を増やす必要がある。

 スポットによってランクに補正が掛かる場所があり、たとえばシュライクの生命科学研究所は、敵のランクが通常よりも高いものが出現するため、育成に向いている。また、ヨークランドの沼地なども敵ランクが高い。育成するならこのあたりに籠ってバトルするといい。シュライクは宿屋も無料なので、お金も掛からない。

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 また、ドゥヴァンで秘術・印術に関する資質イベントを開始したのち、IRPOに行くと、ヒューズに関連したムスペルニブルの山のイベントが開始される。その最奥にいるボス“朱雀”はかなりの強敵で、技を閃きやすい。序盤に行っても負けるだけだと思うが、このイベントは負けてもダンジョンから追い出されるだけなので、技の閃きのためだけに挑むというのもアリ。

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序盤から入手できる強い装備

 本作には、ゲーム序盤で戦闘をせずとも入手できる強い装備がいくつかある。それらを入手してからほかのイベントを始めるのがオススメだ。

古代のシップ

 シンロウの左上にある遺跡、通称“古代のシップ”。探索するとデュエルガンや強化装甲などといったアイテムが多数手に入る。そのまま装備アイテムとして使うのもアリだが、リージョン・スクラップのスクラップ屋に行けば、デュエルガンなどを売り払って多額のお金を手に入れられる。いわゆる金策として使うのもアリ。

 ただ、コウモリ型のシンボルで出現するソニックバットは、序盤で戦うにはかなりの強敵。シンボルは避けるか、最悪退却して探索しよう。

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済王の古墳

 シュライクにある古墳。探索すると、天叢雲剣、水鏡の盾、鎮魂の勾玉といった三種の神器が手に入る。とくに鎮魂の勾玉は、INTで火力の上がる全体攻撃・聖歌が使えるのでかなり強力だ。

 なお、この三種の神器を特定の場所に納めると、さらにボスに挑めるようになるのだが、1度納めてしまうと2度と手に入らない。また、ボスもかなり強く、序盤は倒せる見込みはない。そのまま神器を持って、古墳を出てしまおう。

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古墳のボス(済王)を倒すと、さらに強力な剣をもらうか、済王を仲間にするかのどちらかを選べる。

金を売ってお金稼ぎ

 オウミの空港から飛べるリージョン・ネルソンでは、金を500クレジットで売っている売人がいる。それをクーロンにいる金の商人に売り払えば、時価に応じたクレジットを入手できる。

 オリジナル版とは違い、本作では時価が金の所持数に応じて変動。1個や2個を売買しても時価が低いままなので利益はない。金13個=6500クレジットの買値で、7040クレジットの売値となるので、少額の利益が得られる。そこから最大まで金を買って売り払う……をくり返せば、多額のクレジットを入手できる。

 問題は6500クレジットをいかにして手に入れるか。先述した古代のシップから、デュエルガン、強化装甲を拾って売り払うなどして手に入れよう。

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引き継ぎプレイのススメ

 本作は1度クリアーすると引き継ぎプレイが可能になり、引き継ぐことで周回プレイが楽になる(元となる引き継ぎデータは、クリアーデータでなくてもいい)。周回するうえで役に立つ知識を伝授しよう。

汎用性の高い仲間を育てよう

 つぎにプレイする主人公でも仲間にできるキャラクターを育てておけば、次周で即戦力になってくれる。たとえば、すべての主人公で仲間にできるゲンは、育てておいて間違いはない。

 同じく、どの主人公でも仲間にできるという理由で、同じくスクラップにいるリュートもオススメ。リュート編の攻略もしやすくなる。ほかにも、比較的仲間になりやすいメイレンや、ルージュなどもアリ。また、エミリア編以外ではヒューズを仲間にして育てておくことで、ヒューズ編がラクになるというメリットもある。

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強い武器・術を引き継ごう

 武器はほとんど引き継げるので、強力な装備をそのままほかの周回で使用できる。たとえば、攻撃力に関しては最強の剣である“金獅子の剣”は、アセルス編のみで手に入る装備だが、ほかの主人公でも使用可能に。アセルス編のストーリー攻略時に手に入るので、入手までの敷居はかなり低い。

 また、LP最大値と引き換えに手に入る、強力な固有技を持つ剣“幻魔”も引き継ぎ可能。つまり引き継いでしまえば、最大LPが減るというデメリットを帳消しにして入手できるのがかなり強力。

 ほかにも“月下美人”や“ブリューナク”など、アセルス編は強力な装備が多数手に入るため、早めのプレイをオススメする。

 術に関しては、資質は引き継がれないが、術そのものは引き継げる。1周目で陽術の資質を得て高位の術を覚えた後、2周目では陰術の資質を得て、陽・陰どちらの術も使いこなす……といったことも可能。すべての術を会得するという、これまでにないプレイができる。

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敵ランクを引き継がずにプレイ

 引き継ぎ時にはさまざまな要素を選択式で引き継ぐことができ、その中には敵ランクも入っている。前述の通り、敵ランクが高い=エンカウント数が多いと、ボスのHPも上がるので、それを引き継がずにプレイを開始すると、ボスが弱い状態で登場するようになる。そのため、強い状態で弱いボスを倒す高速周回プレイが可能になる。

 ただ、育成はやりづらくはなる。敵ランクを上げるにはかなりの戦闘数が必要になるため、再度敵ランクを上げるためには、コツコツと戦闘をくり返さなければならない。モンスター、妖魔(妖魔武具)の育成には苦労するのでご注意を。

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