2018年9月20日(木)から9月23日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2018(20日・21日はビジネスデイ)。本記事では同会場のインディゲームコーナーに『スティールラッツ』、『バトルプリンセスマデリーン』といった良質なアクションゲームを出展している、3goo(サングー)のゲームを紹介する。

武装バイクが縦横無尽に躍動! 『スティールラッツ』

 『スティールラッツ』は、11月29日にプレイステーション4で発売を控えた“ホイール格闘”アクション。さまざまな攻撃手段と壁や天井も縦横無尽に走れる武装バイクに跨るバイカー集団“スティールラッツ”の面々を操り、ジャンクボット軍団に侵略された世界で戦っていくゲームだ。海外ではさまざまなインディーゲームのイベントに出展されており、今年3月にサンフランシスコで開催されたGame Connection America 2018では、Best GamePlay Awardを獲得している。

 TGS2018ではインディゲームコーナーにプレイ可能な状態の『スティールラッツ』を出展しているほか、会場入口にほぼ1/1サイズのジャンクボットを展示。加えて同作の開発を担当したテイト・マルチメディアのスタッフがポーランドから来日し、メディアのインタビューに応対した。ここでは『スティールラッツ』のヘッド・オブ PR&マーケティングを務めているミハル・アザレヴィッチ氏のインタビューをお届けする。

注目の“ホイール格闘アクション”『スティールラッツ』の開発者インタビュー+αをお届け。『バトルプリンセスマデリーン』や『ギア・クラブ アンリミテッド 2』の詳細にも迫る【TGS2018】_01
TGS2018に来場した人なら誰もが目にしたであろう、会場前に展示されていたジャンクボット。ゲーム内に最も多く出演する、ある意味本作の”顔”といってもいい存在(?)だ。
注目の“ホイール格闘アクション”『スティールラッツ』の開発者インタビュー+αをお届け。『バトルプリンセスマデリーン』や『ギア・クラブ アンリミテッド 2』の詳細にも迫る【TGS2018】_02
ミハル・アザレヴィッチ氏。
注目の“ホイール格闘アクション”『スティールラッツ』の開発者インタビュー+αをお届け。『バトルプリンセスマデリーン』や『ギア・クラブ アンリミテッド 2』の詳細にも迫る【TGS2018】_03
インタビューはミハル氏、記者が『スティールラッツ』をプレイしながら進行。ゲームの細かい設定については、同席したマーケティング・マネジャー、マルタ・マティエヴィッチ氏(写真右)からのフォローが適宜入った。

――『スティールラッツ』はやはりゲームコネクションアメリカ2018で大賞を獲ったことで注目をあびたタイトルだと思うのですが、いつごろから作り始めたタイトルなのでしょうか?

ミハル だいたい2年ぐらいですね。開発から1年半経った時点でアクションを楽しむぶんには問題ないレベルに仕上がったので、そこからイベントに出展しはじめました。この半年間はグラフィックのクオリティアップに力を入れていました。そこに関してはいろいろなイベントで賞をもらいましたが、まだまだだと思っていたので。

マルタ 『スティールラッツ』はいろいろなジャンルのアクションゲームを組み合わせているのが特徴です。横スクロールアクションを基本として、ドライブゲームやアーケードゲームのテイスト、いろいろ混ぜ合わせてできたゲームでもあります。

――アーケードゲームっぽいというのは触らせてもらってわかりました。バイクの挙動にクセはあるんですけど、操作に慣れれば自由度が高そうなところとか。。

ミハル 私だけじゃなくて、スタジオのみんながアーケードゲームを愛しているので。ネオジオの『メタルスラッグ』なんかはとくに大好きですね。そういうアーケードゲームが持つ雰囲気をできるだけ『スティールラッツ』にも入れ込んでみたかった。なのでアーケードゲームっぽいと感じてもらえたならうれしいですね。

――『メタルスラッグ』以外で、好きなアーケードゲーム、アクションゲームはありますか?

ミハル アクションゲームだと『メトロイド』や『キャッスルバニア』(『悪魔城ドラキュラ』)、『魔界村』シリーズはとても好きなので、ゲームを作る際に自然と影響を受けていると思います。やはり昔の2Dアクションゲームが好きなので、そういったエッセンスは『スティールラッツ』の随所に入っていると思います。あと『スティールラッツ』のバイクを奥と手前のラインに動かしつつ操作するっていうアイデアは、『餓狼伝説』をプレイしていたから思いついたアイデアかもしれません(笑)。私たちがゲームを製作する際は、ほぼつねに「昔のゲームが持つ楽しさにいまのグラフィックを融合することで、新しい何かができて楽しいんじゃないか?」と考えながらアイデアを出しているように思います。

マルタ 今回はバイクを使ったアクションで新しいことにチャレンジしたいと、企画の初期段階から考えていました。私たちのスタジオが作っている『アーバントライアル』シリーズにアクション、バトル要素を足したら面白いゲームになるんじゃないのか? というイメージからスタートした。そこからさまざまな実験を経て、できあがっていったゲームでもあります。

注目の“ホイール格闘アクション”『スティールラッツ』の開発者インタビュー+αをお届け。『バトルプリンセスマデリーン』や『ギア・クラブ アンリミテッド 2』の詳細にも迫る【TGS2018】_04
『スティールラッツ』のバイクはタイヤがグリップできる場所であれば、壁や天井も”道”に変わるようだ。

マルタ 全体的なゲームのボリュームとしてはステージが30あって、4人のキャラクターを切り替えながら戦っていきます。4人にはそれぞれ固有のアクション、攻撃方法が用意されていて、パワーやスピード、ジャンプ力、そしてライフ数など、基本性能にも違いはあります。

――トレーラーではわからなかったんですけど、キャラクターは一瞬で切り替わるんですね。

マルタ はい。基本的にキャラクターはゲーム中いつでも流れを止めることなく切り替えられます。

ミハル ボタンを押すだけでいつでも切り替えられます。『スティールラッツ』はステージのシチュエーションによって4人のキャラクター=バイクを切り替えて進めていくのがポイントになります。

マルタ たとえばいま画面に映っているのはトシというキャラクターですが、彼が乗るバイクはガジェットが充実しています。トシの頭上にはつねにドローンが飛んでいて、攻撃をサポートしてくれます。

――ほかの3キャラクターはどのような能力を持っているのでしょうか?

ミハル 女性キャラクターのリサは最もスピードが出るバイクに乗っていて、炎を使った攻撃も得意です。リーダーのジェームスは、ショットガンでの攻撃や、バイクを使った突進やジャンプ攻撃などの威力も高く、ステージ内のオブジェをほかのキャラクターよりも多く破壊できます。足は一番遅いですけどパワーやライフは高いですね。残るひとりはランドールという名前のキャラクターで、チェーンを使ったアクションに特徴があります。どのキャラクターも気に入っていますが、ランドールでのゲームプレイはとくに好きですね。チェーンによるアクションは自由度が高く、敵をつかまえて攻撃したり、壁や天井に打ち付けて移動の補助にも使えます。

マルタ 基本的にキャラクターには手に持った銃による攻撃と、バイクの前輪を使ったアクションでの攻撃が用意されています。銃には弾丸、バイク攻撃には電気が必要なので、残弾や画面左上に表示されている電気ゲージを見ながら、状況に応じたベストな攻撃方法を選択していくとスムーズに戦闘をこなせます。

ミハル ですので、ボス戦なんかはとくに相手の攻撃パターンや地形によって、キャラクターを切り替えて戦うのがオススメです。あとステージ中にも特定のキャラクターのバイクじゃないと入れない場所、取れないアイテムがあったりするので、ゲームをプレイする際は4人それぞれが持つ能力を使いこなしてほしいですね。

注目の“ホイール格闘アクション”『スティールラッツ』の開発者インタビュー+αをお届け。『バトルプリンセスマデリーン』や『ギア・クラブ アンリミテッド 2』の詳細にも迫る【TGS2018】_05
とくに巨大ボスとの戦いは、キャラクターの攻撃方法や固有アクションで大きく難易度が変わりそうだ。

マルタ 『スティールラッツ』はアクションゲームではありますが、ストーリーや世界観の作りこみにも力を入れています。ゲームプレイ中にキャラクターが会話するやり取りや、カットシーンが、けっこうな頻度で挿入されます。そういった情報を拾っていけば、ゲームのストーリーやキャラクターたちがなぜ戦っているのかといった理由がわかるようになっています。あとゲーム内には黄金のラットというシークレットアイテムも隠されていて、ゲットするとキャラクターや街、敵のバックグラウンドがアンロックされていきます。

ミハル 黄金のラットだけでなく、このゲームは何回も楽しめるように、ステージの随所にさまざまなアンロック要素を用意しています。解除すればいままで行けなかった場所に入れて、新しい攻略ルートが生まれる……なんてこともあります。何回も何回も遊べるアクションゲーム、そういう面においても、昔のアーケードゲームのような手触りを意識、目指して作りました。

――キャラクターの体力やバイクでの攻撃に使う電気ゲージは固定ですか? それともステージを進めていくとレベルアップして増えていく形式でしょうか?

マルタ 増えます。ジャンクボットを破壊したパーツでバイクやキャラクターをカスタマイズできるので、ゲームを進めていけばライフや電気ゲージの上限は増えていきます。といっても、カスタマイズはどちらかというとバイクやキャラクターの見た目を変えるのがメインで、武器の性能が劇的に変わるわけではありませんが。

――カスタマイズで体力が増えたりするのは現代っぽいというか、昔のアーケードゲームよりは救済措置が用意されているってことですね。

ミハル そうですが、後半のステージはなかなか歯ごたえのある難易度になっていると思いますよ。ある程度スキルを磨かないと簡単に死にますね(笑)。けっこういろいろな場所に一発で死ぬポイントを作っているので、昔のアーケードゲームを知っている人には懐かしいかもしれません。ただちょっとやりすぎかなとも思っている部分もあるので、いまはキャラクターのライフを増やすといったバランス調整を行なおうかと考えているところです。発売まで最適なバランスを探っている状態ですね。

――ありがとうございました。最後に『スティールラッツ』を待っているアクションゲームファンに向けてのメッセージをお願いします。

ミハル 『スティールラッツ』はバイクでめちゃくちゃにジャンクボットを破壊できるところもふくめて、いろいろな遊びかたができるゲームです。ゲーマーのみなさんはいつの時代も開発スタッフの想像を超えるプレイを見せてくれる存在だと思っているので、発売後におもしろい遊びかたやクールなトリックを見つけたら、ぜひ動画に撮ってアップして見せてほしいですね(笑)。