『世界樹の迷宮』シリーズ10周年の締めくくりトークショーを総括! 気になる“次回作”の情報も整理してみた。

2017年12月13日に開催された“世界樹の迷宮10周年締めくくりトークショー”の模様を総括!

 2007年1月に第1作が発売された、アトラスの人気RPG『世界樹の迷宮』シリーズの記念すべき10周年となった今年。その締めくくりを飾るイベントとして、“世界樹の迷宮10周年締めくくりトークショー”が2017年12月13日に開催された。

 登壇したのは、これまでもシリーズの番組やWebラジオなどで“世界樹大好き声優”として熱いトークを発信してきた川原慶久さん&村瀬歩さんと、第1作からシリーズに携わっているアトラスの小森成雄氏、キャラクターデザイナーの日向悠二氏、サウンドコンポーザーの古代祐三氏。会場となった東京都内のトークライブハウス“新宿ロフトプラスワン”は、昨年の“世界樹の迷宮V 発売後なんでもOKトークショー”が開催された場所でもあり(※記事はこちら)、シリーズファンを招いてのこうしたイベントは今回が2度目だ。

シリーズの作り手と、シリーズ愛に溢れるファンが一堂に会し、今回も大いに盛り上がった!

 このイベントは動画配信が行われず、「会場にいる皆さんにだけ」お話し&お見せするという話題も多々あったが、記事として残せそうな(残しておきたい)ポイントを以下で箇条書きにしてみたので、当日の盛り上がりを少しでも感じていただけたら幸いである。※イベントの趣旨を尊重し、会場で流された映像などの写真は掲載しておりません。


【トークショー開始】

 ●開始早々に、川原さんが自身の結婚を報告。あらメデタイ! 「世界樹のイベントで発表したかった」「これからも世界樹とともに歩んでいきたい」という川原さんの言葉に、ファンの心は早くもジ~ンときたことだろう。

 ●会場で飲み食いをしながらフリーダムに語らう本イベント。川原さんはお酒が入るとトークの突っ走り度がハンパじゃなくなることは前回のイベントで実証済み(笑)ということで、今回は「アルコール類は1杯まで」と周囲から念を押されたらしい。そこで川原さんが「大きなジョッキでテキーラください!」と言うと、すかさず村瀬さんが「賢いけどバカでしょ!」とツッコミを入れた。

会場では、『世界樹』シリーズとコラボした当日限定のスペシャルメニューが用意された。記者もさっそく、まずは“世界樹の新芽茶”(緑茶)と、“雷鳥タマゴの熱々おでん”(おでん盛り合わせ)を注文。

 ●シリーズの思い出を語るコーナーで、流れた映像とともに日向氏が語ったのは、『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』のラストバトルの演出について。とんでもなく巨大な敵と対峙し、その異形がひしひしと伝わってくるような演出を目指し、日向氏を含む開発チーム内でこだわって作り上げたという。こうした思いとノウハウの積み重ねが、のちの『新・世界樹の迷宮』シリーズなどにも繋がっていったようだ。

 ●デザインにもっとも時間をかけたキャラクターは?との問いに、日向氏は「圧倒的に『III』のプリンセスです」と即答。『III』の企画当初から、メインに据えるキャラクターとして思い描いていたものの、いざ描き始めてみると、納得できる形に至るまでに結構な試行錯誤を重ねたらしい。プリンセスのイラストを見比べると、凛々しい印象の第1報用イラストや、日向氏が「アホの子みたい(笑)」と振り返っていたゲーム用イラストなど、描いた時期によって印象がやや異なっている中で、最後に描いたパッケージ用のイラストが、日向氏としては自身のイメージ通りに一番よく描けたと思っているとのこと。

左から、第1報用、ゲーム用、パッケージ用のイラスト。

ところで、記者は当日、師走ならではの忙しさにより朝から何も食べていなかったので、“マンドラジャガの入った旅人のシチュー”(クリームシチュー)を追加注文。具だくさんで美味しかった。

 ●日向氏いわく、キャラクターデザインのコンセプトは、『世界樹の迷宮IV 伝承の巨神』と『世界樹の迷宮V 長き神話の果て』を比べると対照的。『IV』では“アバター”的にデザインし、『V』では“キャラクター”として個性がより感じられるように描いたという。

IV』は、ソードマンやメディックなどのように駆け出しの冒険者らしさが感じられる“学園もの”風のデザイン要素を取り入れた職業と、ダンサーやナイトシーカーなどのように“過去作品の要素を踏襲”した職業、そして『IV』で新たに打ち出した、モノノフやミスティックといった“異種族”の職業、という3つのカテゴリに大別できるという。

『V』は、職業ごとに種族や年齢感などを幅広く設定し、彼らがその“世界”で暮らしていることが感じられるような個性をデザインに込めたとのこと。作中では登場しない種族や、物語上で訪れることのない地域についても設定を考えたという、世界観を一新した『V』ならではのコダワリだ。

 ちなみに、自身が『世界樹』シリーズの世界で冒険者になるとしたら職業は何を選ぶ?という問いに、日向氏は「ブラニー(小柄で可愛らしい種族)になりたい」と回答。小さな子がお好きな日向氏らしい答えでした。(←語弊がありそうな書き方)

ここで、「もうちょっとイケそうだな…折角だから食べられるだけ食べよう!」と思い、記者は“雄鶏炒飯”(鶏肉炒飯)を追加注文。満腹になりすぎたが後悔はしなかった。

 ●サウンドコンポーザーとして30年以上のキャリアがある古代氏。『世界樹』シリーズに携わるようになったのは後半の約10年だが、シリーズの第1作を引き受ける前は、創作に対する古代氏のモチベーションが落ちていた時期だったという。しかし、第1作でFM音源を扱い、原点に立ち返るような仕事をしたことで、自分自身を見つめ直すことができた、と古代氏は明かす。『世界樹』は古代氏にとって、再びアクセルを踏ませてくれた大切な出会いだったようだ。エエ話や……!

 また、古代氏はよく、「とくに気に入っている楽曲はありますか?」といった類の質問を受けるようだが、その度にじつは困っているという心情を吐露。どの曲にも力を入れて作っているので、ある意味ではどの曲もお気に入りであり、どれかに絞るのは難しいという。ただ、プレイヤーが冒険を始めて最初に聞こえてくる“第1階層”のBGMや、頻繁に聞くことになる通常戦闘曲などは、楽曲の人気アンケートでも上位になることが多く、やはり気合いを入れるとのこと。

 ●開発陣への質問に答えてもらうコーナーで、「会心の出来だと思うマップを挙げるとしたら?」との問いには、ダンジョンを担当してきたアトラスの吉田氏が回答(小森氏が代読)。吉田氏いわく、一番に挙げたいのは『V』の25階で、ひととおり探索した後にもう一度楽しめるような構造が気に入っているという。確かに、地図を作る意義がとても大きいフロアであった。

 次点は、『新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女』の27階。同作のオリジナル版(ニンテンドーDSで発売された第1作)を遊んだ当時は一介のプレイヤーだった吉田氏が、とりわけ苦戦したフロアのコンセプトを受け継ぎつつも新たな手強さを盛り込んだ構造にしたとのこと。川原さんからは、「自分がhageた(全滅した)ときの呪いを俺たちにぶつけたわけか!」とのツッコミが。

 ●『新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女』の開発時、オープニングの楽曲を古代氏に依頼するため、アートディレクターの笹津啓志氏が描いたラフイメージを、動画としてつなげたものを用意して古代氏に見せたという。その映像が会場限定で流され、小森氏から「女の子が登場するシーンの描き込みにとりわけ力が入っているような感じがしますね」などと補足が入り、確かにそうかも(笑)と思いつつ、笹津さんの絵もかわいいな~色々な仕事をしているな~と感心した記者であった。

 ちなみに、記者が企画・編集させていただいた世界樹Walkerというアトラスさん公認の“薄い本”でも、笹津さんがステキなイラストを寄稿してくれたり日向さんが表紙を描き下したりしてくれたので、未読の方は要チェック!(←とっても自然に宣伝を挿入)