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 美麗なカードと“進化”という戦略性の高いシステムで、ついに400万ダウンロードを突破した本格カードバトルゲーム『シャドウバース』。2016年8月には新たに“リーダースキン”や、“2Pick”などの新機能が加わり、より白熱したバトルが楽しめる。

 今回は、本作のプランナーを務める宮下尚之氏に、8月以降のアップデートのことなどについて詳しく聞いてみた。インタビューに同席してくれたのは、アリサ役の優木かなさんと、実況主・彩瀬てかさん。このインタビューの直前に行われた『シャドウバース』対戦企画の模様が、週刊ファミ通2016年8月11日号(2016年7月28日発売)に掲載されているので、合わせてチェックしてほしい。

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『シャドウバース』の今後のアップデート情報について聞く! 優木かなさんと彩瀬てかさんとともに宮下尚之氏に直撃インタビュー_03
▲左から、西川くん(週刊ファミ通担当ライター)、彩瀬てかさん(実況主)、優木かなさん(アリサ役・声優)、宮下尚之さん(サイゲームス プランナー)。

いちプレイヤーでもある優木さんと彩瀬さんもインタビュアーに!

――せっかくなので、まずは優木さんから、宮下さんにお聞きしたいことはありますか?

優木 エルフのセルウィンが発表されたときに、「キャラクターが選べるようになるのが、すごくいいな!」と思ったので、今後、ほかのリーダーにも異性のスキンが追加されるのかを知りたいです。

宮下 リーダースキンは、今回発表したものだけではなく、今後ももっと追加される予定です。『シャドウバース』は海外のプレイヤーも多く、海外ではかわいいキャラクターより、ヒーロー的なカッコいいキャラクターのほうが人気が高いので、プロデューサーも「ぜひ出したい」と言っていました。

優木 ホントですか! 楽しみです!

宮下 たとえばですが、英語版『Shadowverse』のアプリアイコンは、ドラゴンクラスのリーダー、ローウェンなんですよ。

彩瀬 ちなみに、完全に私の趣味で申しわけないのですが、小さい男の子のリーダースキンなどの追加というのはありますか……?

優木 そうですよね(笑)。少女のヴァンピィちゃんがいるんですから、少年のリーダースキンも絶対必要ですよね!!

彩瀬 そうなんです! こんなにカッコよくてかわいいお姉さん、クールなおじさまからイケメンのお兄さんまでいて、なぜ男の子はいないのか……! ぜひ、お願いします!!

宮下 (笑)。正直、現時点では、残念ながら予定されてはいないです。ただ、今後もしかしたら、追加されるかもしれません。現時点ではカードのほうに少年系のキャラクターがいますので、まずはそちらのほうで楽しんでいただければと思います。

彩瀬 期待していますっ……!

『シャドウバース』の今後のアップデート情報について聞く! 優木かなさんと彩瀬てかさんとともに宮下尚之氏に直撃インタビュー_01
『シャドウバース』の今後のアップデート情報について聞く! 優木かなさんと彩瀬てかさんとともに宮下尚之氏に直撃インタビュー_02
■クラス:ヴァンパイア
ヴァンピィ
声:釘宮理恵
■クラス:エルフ
セルウィン
声:中村悠一
『シャドウバース』の今後のアップデート情報について聞く! 優木かなさんと彩瀬てかさんとともに宮下尚之氏に直撃インタビュー_08
『シャドウバース』の今後のアップデート情報について聞く! 優木かなさんと彩瀬てかさんとともに宮下尚之氏に直撃インタビュー_04
『シャドウバース』の今後のアップデート情報について聞く! 優木かなさんと彩瀬てかさんとともに宮下尚之氏に直撃インタビュー_05
■クラス:ロイヤル
レイサム
声:小山剛志
■クラス:ウィッチ
エラスムス
声:樫井笙人
■クラス:ネクロマンサー
モルディカイ
声:保村 真
『シャドウバース』の今後のアップデート情報について聞く! 優木かなさんと彩瀬てかさんとともに宮下尚之氏に直撃インタビュー_06
『シャドウバース』の今後のアップデート情報について聞く! 優木かなさんと彩瀬てかさんとともに宮下尚之氏に直撃インタビュー_07
■クラス:ビショップ
ガルラ
声:速水 奨
■クラス:ドラゴン
フォルテ
声:三澤紗千香

優木 ちなみに『シャドウバース』のカードのイラストは『神撃のバハムート』のイラストが使用されていますが、サイゲームスさんのほかのタイトルとコラボしたカードが追加される可能性はありますか?

宮下 可能性は十分ありそうです。現在『神撃のバハムート』のイラストがそのままカードになっていますが、『シャドウバース』に合わせたオリジナルイラスト版のカードも用意するという話もプロデューサーが検討していました。また、本作のキャラクターが別のタイトルに参戦する、といったこともありえると思います。

――同じカードでも、イラストが違うバージョンのカードが今後出てくることもあるわけですか?

宮下 はい。いつになるかわかりませんが、しっかりと絵柄が違う理由があり、ユーザーさんにメリットになるような出しかたを、現在チーム内で検討中です。チーム内でも「このキャラの水着バージョンを出したい!」などという話が出たりしますが、しばらくはそういう話はなさそうです(笑)

――それは残念です……(笑)。ちなみに、カードパックの追加はいつごろになるでしょう?

宮下 3ヵ月に1度、パックを追加する予定ですので、最初の追加は9月か10月ごろになります。

――カードパックに収録される枚数はどれくらいになる予定ですか?

宮下 ゲームのリリース時には合計で400枚以上のカードが収録されていたのですが、つぎに配信されるカードパックはそれよりはボリュームが少ないですね。現在も調整中ですので、現時点での正確な枚数は、残念ながらまだ確定していません。

――ギリギリまで調整をしたうえでの追加になるということですか。ちなみに、どのようなカードが追加されるのでしょうか?

宮下 強力なカードはもちろん追加されますが、個性のあるカードをいろいろと追加したいと考えています。いまとはまた違った新しいデッキが生まれて活躍する、というカードゲームの醍醐味を味わえるようなカードが多数収録される予定です。新しいカードが追加されることで、流行のデッキがどんどん変わっていくというゲーム体験を、皆さんに楽しんでいただきたいですね

――現在(※取材当時)の流行では、エルフやネクロマンサーが強いと言われていますが、そういったユーザー間での情報は入ってきていますか?

宮下 もちろん見ています。現在は、ユーザー間の研究がものすごいスピードで進んでいると感じています。これは想定以上のスピードですね。たとえば、昨日はネクロマンサーが強すぎると言われていましたけど、今日になったらヴァンパイアが強すぎると言われる。そういった意見が毎日更新されている状況なんですね。継続的に“このクラスが強すぎる”といった意見がなく、本当に数日単位で強いと言われているデッキが入れ替わっているのが現状です。じつは社内のほうでも、クラス別の勝率というのを分析データとして取っていまして、ユーザーの意見だけではなく、データ上でゲームバランスを注視しています。ちなみに現状のデータでは、まんべんなく全クラスが勝っていますよ。

――なるほど。リーダーのクラス以外にも、ネクロマンサーの“デュエリスト・モルディカイ”や、ニュートラルの“サタン”など、各カードに対して「強すぎる」といった意見が出ていますよね。

宮下 確かに“デュエリスト・モルディカイ”や“サタン”は、リリース当初「対処ができないのであまりにも強すぎる」と言われていましたね。しかし、最近では「“強すぎる”というほどではない」という意見もよく見受けられます。どちらも高コストなので、カードが出される前に勝利するなど、コストの重いカードを使われるより速い戦術を取れば苦労しないことが多いんです。また、速い戦術を取れないリーダーを使う場合は、こちらもコストが重くて強力なカードを入れることで対処できたりしますので、やはりデッキの構築が勝利のカギですね

――確かに、強力なカードへの対処法を考えたうえでデッキを構築する場合も多いですね。

宮下 強いカードに対して、対処法を考えるのもカードゲームの醍醐味ですから。もちろん、ユーザーの皆さんの意見やデータなどを分析して、あまりにも勝利を呼び込んでいて、ゲームがおもしろくなくなってしまうようなカードがあった場合は、対応いたします。ですので、まずはいろいろと対処法を考えて、より奥深い戦略を楽しんでほしいですね。

優木 “デュエリスト・モルディカイ”は、いざというときに“消滅”で対処できたときの達成感が気持ちいいですよね(笑)。

彩瀬 私はネクロマンサー使いなので、“デュエリスト・モルディカイ”をようやく出せた瞬間に“消滅”させられたらすごくショックです……(笑)。ただ、その対処法として、“デュエリスト・モルディカイ”をコピーして2枚にできる“ウルズ”とのコンボが決まったときはうれしいですね。

優木 (笑)。あと、相手のターンを飛ばせるウィッチの“次元の超越”と、高ダメージが期待できる“ルーンブレードサモナー”とのコンボがうまくハマったときとかも、ついつい喜んじゃいます。

宮下 皆さんに楽しんでいただいているようで、なによりです(笑)。本作には、各クラスに、いま話題に挙がったような“必殺技”とも言えるカードがありますので、自分が必殺技をいかに使うのかを考えつ、相手の必殺技をどう攻略するかという対処法も検討するという、戦略を楽しんでいただきたいです。

――ちなみに一部カードが強いなどの意見が出ることもあると思うのですが、今後「このカードが強すぎる!」という意見がユーザーから多数寄せられた場合に、カードの修正を行うことはあるのでしょうか?

宮下 はい、あり得ます。特定のカードやデッキ、戦術が支配的になってしまい、それを意識しないとゲームがプレイできない、というような状況になってしまうのは望ましくないですから、カードの能力を変更するというようなアップデートが入る可能性はあります。もちろん、そうならないように事前のテストプレイを入念に行っていますし、現状、強いと言われているカードも、数日経つと対策が構築されて、流行りのデッキがすぐに変わるような状況ですので、頻繁にあるようなことではないです。ただ、能力の調整を行う場合は、必ずその変更したカードをレッドエーテルに分解したとき、生成するレッドエーテルと同じ数が得られるようにさせていただきます。「せっかく手に入れたのに!」と当然思われると思いますので、同じレアリティの好きなカードと交換できるという仕組みで対応させていただきます。

――なるほど。また、8月の大型アップデートでは新モードの“2Pick”が追加されますよね。そのほかに新たなモードの追加などは予定していますか?

宮下 今後も違った遊びかたは提供したいと考えています。たとえばですが、通常のデッキ構築ルールとはまったく違うルールで遊ぶモードなどが現在企画されています。ただ、しばらくはランクマッチと2Pickのふたつを大きい軸にし、カードの追加をどんどんしていく形で、皆さんに遊んでいただくことになると思います。特殊なモードに関しましては、カードの種類がより潤沢になった後のステップなのかなと。ただ、ユーザーさんが開かれる大会などで、いろいろなルールを設定して遊んでいただくというのは、こちらとしてもおもしろいと思いますし、ありがたいですね。

――大会といえば、サイゲームスさんは本作のユーザー大会をサポートすると宣言していますが、サポートとはどれくらいのことを予定しているのでしょうか?

宮下 まずはカードゲームショップさんが主催する大会の優勝者に、特別な賞品を提供します。ゆくゆくは店舗が開催する大会だけでなく、ユーザーの皆さんが開催する大会もサポートできたらいいなと企画しています。そこはしっかりと準備してやらなければいけないところですので、徐々にサポートしていくよう努力します。また、“JCG(マイルストーンが運営するゲーミング大会主催サイト)”で毎週大会が行われますので、こちらもご注目ください。

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――公式でのサポートがそこまで充実するというのは、なかなかない試みですよね。

宮下 本作のプロデューサーである木村(唯人氏)が本当にトレーディングカードゲームが好きでして、トレーディングカードゲームをもっと世の中に広げていきたいと考えているんですね。「“『シャドウバース』がうまい”ということだけでも自身のステータスになるくらいのタイトルにしたい」と木村は言っていますので、カジュアルな部分から、レベルの高い戦いまでしっかり整備したいと思っています。

――ちなみに、大会のようなゲーム外のイベントはアナウンスされていますが、ソーシャルゲームなどでよくあるゲーム内のイベントなどが行われることはあるのでしょうか?

宮下 我々としては、『シャドウバース』の基本はランクマッチと2Pickだと考えています。たとえば“1週間○○でプレイしよう”みたいなゲーム内イベントがあって、それを遊ぶと何かがもらえるとなると、当然そこに人が集中してしまいますよね。そうするとランクマッチ、2Pickが遊んでもらえなくなってしまいます。ですので、そういったイベント要素は、いまのところまったく考えておらず、ゲーム外のイベントで楽しんでいただく形ですね。

そのほか今後のアップデート情報にも迫る

――今後のストーリーのアップデート時期を教えてください。

宮下 時期については、まだ確定していません。必ず追加されますので楽しみにしていてください。

――ストーリーがかなり練り込まれている印象があるので、シナリオ制作もたいへんそうですね。

宮下 じつはストーリーには出てきていないような裏設定もかなりあるので、今後はストーリーをプレイして、キャラクターのことも好きになっていただけるようにがんばっていきます。

優木 じつは、もう少し先まで収録済みなんです。

――すでに収録は進んでいるんですね!

優木 「まさか、こんなことに!」という展開が待っていますので、お楽しみに(笑)。

――期待しています! 8月のアップデートでは、獲得した累計バトルポイント(BP)で報酬がもらえる新機能が追加されますが、ランキングなどとの関連性はありますか?

宮下 まず、累計BPでの報酬機能ですが、各月に稼いだBPに応じてプライズをプレゼントするというものになります。報酬のためのポイントは月ごとに計算しますが、ランクを上げるためのポイントは累計されていく機能となっています。一方、クラス別ランクマッチ勝利数ランキングは毎月リセットされますが、あのランキング自体は流行のクラスがわかるようなものと位置付けていますので、データの分析をするためのものと考えていただいたり、「俺はルナ使いだから、ルナのランキング1位を目指すぜ!」というような遊びかたができるものだと思っていただければ。

――ほかに、今後追加を予定している機能はございますか?

宮下 時期は未定ですが、フレンド機能を強化し、フレンドになった人の対戦している様子を観戦できる機能を準備中です。

優木 それはいいですね! あっ、でも……、観戦はフレンドであれば誰でも見られるんですか? もしかしたら、観戦しながら相手に手札を教える、みたいな内通者も出るのではないかと……(笑)。

――確かに、ありえますね(笑)。

宮下 可能性としてはなくはないですが、ランクマッチの場合はランダムでマッチングされますので難しいと思いますね(笑)。あとは、観戦の許可と不許可の設定ができるようにする予定ですので、設定でも対処できるかと。

彩瀬 私はニコニコ生放送でプレイしているのですが、視聴者の皆さんに手札がつねに見られている状態なんですね(笑)。でも、いまのところそういった問題は起きていないと思っています。

――安心していいぞ、ということですね。それでは最後に読者の皆さんにひと言メッセージをお願いいたします。

宮下 たくさんのユーザーの方々にプレイしていただいて、たいへんうれしく思っています。今後もより戦略的なカードゲームになるよう尽力していきますので、ぜひいろいろなクラスやカードで遊んでいただきたいです。

彩瀬 本作で初めてカードゲームをプレイしたのですが、もう楽しくてしかたがありません。皆さんもぜひ、いっしょにプレイしましょう!

優木 じつは声優業界でも、とても流行していて、いろいろな仕事先でもみんなで楽しくプレイしています! 私と、佐倉薫さん、石上静香さんの3人でいっしょに本作の魅力をお伝えしていくラジオ番組“しゃどばすチャンネル”もニコニコ動画で配信中ですので、ぜひ、よろしくお願いします♪