田畑Dが熱く語る『ファイナルファンタジー零式 HD』へのこだわり、そして『ファイナルファンタジーXV』の世界初公開マル秘映像も!?【台北ゲームショウ2015】

開催5日目にあたる2月1日(日)には、プレイステーション4用ソフト『ファイナルファンタジー零式 HD』のスペシャルステージが行われた。

●出しちゃいけない『ファイナルファンタジーXV』の映像も思わず公開!?

 2015年1月28日(水)~2月1日(日)、台北世貿中心(台北ワールドトレードセンター)にて、台北ゲームショウ2015が開催中だ。長かったような台北ゲームショウもあっというまに最終日。開催5日目にあたる2月1日(日)には、プレイステーション4、Xbox One用ソフト『ファイナルファンタジー零式 HD』のスペシャルステージが行われた。登壇したのは、スクウェア・エニックスの田畑端プロデューサーとマーケティング・ディレクター大藤昭夫氏だ。

 なお、今回のスペシャルステージの模様は、2月5日20時~“田畑Dのアクティブ・タイム・レポート Page3.0 台北ゲームショウ出張版”として配信される予定だ(⇒詳細はこちら)。


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▲田畑氏(右)と大藤氏(左)。

 PSP版『ファイナルファンタジー零式』の中文版が台湾ではリリースされなかったということもあり、イベントではまずは『ファイナルファンタジー零式』の概要から紹介。次いで、「どれだけパワーアップしたか見ていただく」(大藤氏)との主旨のもとに、PSP版と次世代機版の比較映像という形で、『ファイナルファンタジー零式 HD』がいかに進化したかの説明が行われた。田畑氏によると、世界中のユーザーからの要望に応える形で開発がスタートした『ファイナルファンタジー零式 HD』だが、開発を決めた段階ですでに『ファイナルファンタジーXV』のプロジェクトはスタートしていたという。ただ、『FFXV』で次世代機版のノウハウが溜まってきたこともあって、単なる高解像度化ではなく、物理ベースのライティングを適用したり、技術的なトライを盛り込むことができたとのこと。


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 イベントでは、実機によるデモプレイも公開された。アクティブベースのバトルシステムを採用している『ファイナルファンタジー零式』だが、大きな特徴としてピックアップされたのが“キルサイト”。ご存じ、ロックオン時にサイトが赤く表示されているあいだに敵を攻撃すると一撃で倒せるというシステムだ。こちらに対して田畑氏は、「大人向けの作品として考えていたので、倒すか倒されるかのスリリングな感覚をシステムに搭載したくて、考えました」とのこと。さらに、「『ファイナルファンタジー』ならではの戦略性のあるアクションが楽しめます」と田畑氏。


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▲HD版では本邦初公開となる、物語中盤から終盤にかけてのチャプター5のデモプレイを披露。

 『ファイナルファンタジー零式 HD』の台湾における発売日は、中文版が2015年3月17日で日本語版が同年3月19日。初回限定特典として、『ファイナルファンタジーXV』の先行体験版として、『FINAL FANTASY XV -EPISODE DUSCAE(エピソード ダスカ)-』が同梱されることは日本と共通。さらに、台湾だけの先行予約特典としてアルミ製のスチールブックがついてくるというから、台湾市場に対する注力ぶりをうかがわせる。


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▲台湾だけの先行予約特典、アルミ製のスチールブック。

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▲XPEC Entertainmentの許金龍社長(右)と担当者の王彦凱氏(左)。

 『ファイナルファンタジー零式 HD』のプレゼンが終わったあとは、お待ちかねの『ファイナルファンタジーXV』の話題へ。とはいえ、昨年12月にけっこうな情報を公開してしまったとのことで、「新情報として何をお伝えしたらいいか考えたのですが」と前置きしたうえで、「台湾のゲームメーカー、XPEC Entertainmentに『ファイナルファンタジーXV』に協力してもらっている」という提携が発表された。会場には、XPEC Entertainmentの許金龍社長と担当者の王彦凱氏が登壇。「開発陣には『ファイナルファンタジー』シリーズのファンが多く、今回協力できることをとても光栄に思っています」(許氏)とコメントした。

 田畑氏は今回のコラボの経緯に関して「規模の大きなゲームなので、幅広いパートナーシップが必要でした。XPECさんは高い技術をお持ちの会社ということで、こちらから開発への協力をお願いしました」とのこと。となると、XPEC Entertainmentがどのパートを担当しているのか、見たくなるのが人情というものだが、大藤氏によると、XPEC Entertainmentが担当しているのはゲームの後半部分で、「お見せしたいですが、今回は無理です」とひと言。

 と、“無理”のハズだったのだが、そこは豪腕を持って知られるXPEC Entertainmentの許金龍社長のこと。「台湾のファンのために!」ということで、XPEC Entertainmentが作った『ファイナルファンタジーXV』関連の映像を、ゴリ押しで上映したのだ。気になる内容はというと……昨年12月のジャンプフェスタ2015で流されたトレーラーの列車シーンのノーカット版。どうやらこのシーンは、スクウェア・エニックスの『ファイナルファンタジーXV』開発チームとXPECが共同で作ったものらしい。そして、その後は、ジャンプフェスタに合わせて行われた、“田畑Dのアクティブ・タイム・レポート JF2015出張版”内で映像が流された、犬の視点で街を散策する“Dog Cam”を参考にした“Cat Cam”を公開。これは「『ファイナルファンタジーXV』に“Cat Cam”を入れませんか?」という、XPECからの提案としてわざわざ今回のために制作されたデモであるようだ。

 この映像に関しては、「公開していないシーンが一瞬入っていたので、びっくりしました」(田畑氏)、「どうなることかとドキドキしました」(大藤氏)と、おふたりにとっても思わぬ展開だったよう。で、肝心のXPEC Entertainmentの“Cat Cam”の提案に関しては、「東京に戻ったら検討します」(田畑氏)とのことだった。


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 というわけで、『ファイナルファンタジー零式 HD』のスペシャルステージは終了。ステージの最後には、大藤氏から台湾のゲームファンに向けてのメッセージが贈られた。ゲームには直接は関係のないことだが、記者としても心に残ったので、以下に掲載する。「どうしても今日伝えたいことがあって、ひと言述べさせてください。もう4年が経つのですが、日本では東日本大震災というすごく大きな災害がありました。そのときに台湾の皆さんがものすごく大きな支援をしてくださったことを僕たちはいまでも強く覚えています。今日こうやって皆さんに直接お会いできる機会があったので、田畑も僕も、どうしても皆さんに直接お礼が言いたかったです。このご恩は一生忘れません。皆さんどうもありがとうございました」(大藤氏)。


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▲台北ゲームショウではおなじみの質問に応えて豪華グッズをゲットできるコーナーも。

●『ファイナルファンタジー』シリーズは本気でアジア展開に取り組む

 取材陣を対象としての合同インタビューでは、田畑端氏が対応。『ファイナルファンタジー零式 HD』や『ファイナルファンタジーXV』に関する質問に答えた。

 『ファイナルファンタジー零式 HD』に関しては、HD版の開発を決定した戦略的な理由を改めて問う質問が出された。それに対して田畑氏は、「たくさんの意味があるのですが、この場でお答えして適切かなと思うのは、中文繁体字版をご用意できたことです。アジアでしっかりと展開していきたいです」と、アジア戦略が重要なポイントとなったことを改めて強調した。以前、スクウェア・エニックス・ホールディングス専務執行役員の橋本真司氏もプレイステーション4版『ファイナルファンタジーX/X-2 HDリマスター』の開発決定を決めた要因のひとつとして、アジア市場への展開を挙げており(⇒関連記事はこちら)、『ファイナルファンタジー』シリーズは、本気でアジア展開を進めていると言えるのかもしれない。とくに『ファイナルファンタジー零式』に関しては、タイトルに『零式』という言葉が使われているように、アジア全域で楽しんでほしいという思いがあったのだという。「しっかりと中文版も用意していかないといけない」との思いがあり、プロジェクトがスタートした段階で、中文化を決めていたという。また、田畑氏は、HD版を決めたもうひとつの理由として、“ユーザーからの要望”を挙げた。「開発側からではなくて、ユーザーの方のご要望に応えて動いています。そういったところも、今後のスクウェア・エニックスでは重要になってくるのではないかと思っています」とのことだ。

 「HD化にあたって苦労した点?」との質問も。「スクウェア・エニックスのタイトルでも、PSPからプレイステーション3へのHD化などはありますが、基本は高解像度化でした」と田畑氏。プレイステーション4のHD化は、ある意味未知の領域だったわけだが、「プレイステーション4は物理ベースの絵が作れるということもあり、そこが魅力だったので、トライすることにしました」という。記者も門外漢になるので詳細はおぼつかないが、ゲームの仮想空間でライティングを施したりすることで、よりリアルな世界を構築できるようになるのがプレイステーション4だという。そのため、プレイステーション3へのHD化では、アセット(素材)を高解像度化することになるが、プレイステーション4へのHD化ではエンジンをリマスターすることになるらしい。そこに『ファイナルファンタジーXV』の技術を使っているのだという。

 「『零式』というタイトルの由来は?」というストレートな質問も。こちらに対して田畑氏は、「刺さる質問ですね」と苦笑しつつ、アジアのテイストを大事にしたかったと返答。さらに、『零式』という名前自体はそれまでの『ファイナルファンタジー』の流れではなくて、いままでの『ファイナルファンタジー』に意欲を持たなかったユーザーさんに遊んでもらいたいということで、よりマチュア(成熟した)で、大人向きで、アクティブで刺激的な『ファイナルファンタジー』を……と言うメッセージを名前に込めて“新しい『ファイナルファンタジー』”ということで『零式』と付けました」(田畑氏)とのことだ。

 さて、『ファイナルファンタジーXV』における、気になるXPEC Entertainmentとの具体的な協力関係に関しては、「ある部分をそのまままるごとお預けして開発していただいているわけではなくて、全体にベースは東京の開発チームで作っているのですが、ところどころ東京側で仕上げるのではなくて、共同で仕上げていくようなプロセスを組んでいる」という。そういった協力会社はいくつか存在するようだが、XPEC Entertainmentとはゲームの後半部分を東京(スクェア・エニックス)と台湾で共同して作業しているらしい。ちなみに、XPEC Entertainmentには、別に子会社のXPEC Art Centerがあり、そこには通常の外部受注先として、アセットの発注をしているという。一方の本社とは、XPEC Entertainment側にデザイナーやエンジニアなどを立ててもらい、“共同開発”という形で取り組んでいるとのことだ。「モダンな作りかたをしています」と田畑氏。『ファイナルファンタジーXV』に関しては、開発体制も新世代機向けになっているということだろうか。


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