“SEGA feat. HATSUNE MIKU Project”統括プロデューサーの内海洋氏へのインタビューをお届け。最新作『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- F 2nd』と、シリーズの今後について語っていただいた。

●ユーザーと同じ目線で、好きなものを作っていきたい

 昨日2014年3月27日、ついに発売されたセガのプレイステーション Vita/プレイステーション3用ソフト『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- F 2nd』。発売を記念し、豪華グッズが当たる抽選会が行われたり、世界中のミクファンが集うテレビCMの撮影が行われたりと、世間はお祭り状態!
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 ここでは、テレビCM撮影現場を訪れていた、“SEGA feat. HATSUNE MIKU Project”統括プロデューサーの内海洋氏への直撃インタビューをお届け。インタビュアーは、『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ-』シリーズ担当のファミ通編集部ロマンシング★嵯峨が担当させていただきました。

セガ 内海 洋氏
テレビCM撮影現場にて

嵯峨 『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- F 2nd』発売、おめでとうございます。開発を振り返ってみて、いかがですか?

内海 たいへんでしたね、今回は! 少々発売が遅れてしまい、本当に申し訳ありませんでした。楽しみにしてくださっていた皆さんをお待たせしまって。今回は、『f/F』よりさらにいいものを、と思ってがんばったんですけれど、周りの皆さんにご迷惑をかけながら、やっと発売することができました。シリーズ5作目になりますが、難産でしたね。

嵯峨 いまだから言える、開発中のエピソードなどはありますか?

内海 いまだから言える……そうですね、マスター提出が近づいてきても、ゲームが仕上がっている状態だとは言えなくて……。それでも、SCEさん始め、皆さんが協力してくださったので、大幅な発売延期は避けることができました。開発スタッフも休みなくがんばって。本当にいいものができたと思いますので、ぜひ楽しんでいただければと思います。

嵯峨 内海さんがとくにおすすめするポイントはありますか?

内海 皆さんなりに楽しんでいただければと思いますが、もしお財布に余裕があれば、PS Vita版とPS3版、両方とも楽しんでいただけたらうれしいです。今回はPS VitaはPS Vitaで、PS3はPS3で、操作性などもこだわって作ったので。

嵯峨 それぞれのハードに適するように、ということですね。

内海 そうですそうです。各ハードで快適に遊べるようになっています。もちろん、どちらかのハードだけでも構いませんので、楽しんでください。どうですか、『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- F 2nd』遊んでみて?

嵯峨 「二次元ドリームフィーバー」のEXTREMEは無理だなあ、と思っています(笑)。今回は、連打が多いというより、テクニカルな難しさが増しましたよね。

内海 今回ね、とくにそこにはこだわったみたいです。譜面担当も悩んで、連打させるというよりは、テクニックの部分を重要視して、譜面の見直しを図っていました。ほかにも、PVと譜面の連動にもこだわってたり。『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ-』シリーズって、メロディアイコンがランダムで飛んでくるように見えて、じつは規則性があったんですけど、今回はその規則性と演出の融合に力を入れていますので。PVと譜面、いっしょに楽しんでもらえたらと思います。

嵯峨 「桜ノ雨」で、メロディアイコンが桜の花びらのように、ヒラヒラ降りてくる演出や、「メテオ」の夜空で、ミクの動きといっしょに星型アイコンが流れてくるような演出ですね。

内海 そうですね。

嵯峨 内海さんがとくに心を打たれたPVを教えていただけますか?

内海 やっぱり「DECORATOR」の、キャラクターが勢ぞろいするPVですね。これまでも、「歌を歌わないキャラクターは出てこないの?」という思いがあったので。“初音ミク「マジカルミライ2013」”でも、「shake it!」(メインボーカルはミク、コーラスはリン・レン)で3人が踊ってたりしましたけど、ファンの皆さんは、きっとああいう雰囲気が楽しいんだろうと思っていたんです。

嵯峨 「DECORATOR」は、キャラクターみんなの動きがどれも素敵ですよね。

内海 振り付けは、すごくいい感じになっていると思います。

嵯峨 私、ファミ通LIVEで「DECORATOR」をプレイすることが決まってから、30回以上は練習したんですけど(笑)、何回見ても飽きないです。とくにKAITOが降りてくるところとか……。

内海 5作目でようやく、ひとりひとりのキャラクターをどう活かしていくか、ということの答えが見えてきたかなと思いますね。キャラクターどうしの絡みですとか。

嵯峨 “見えてきた”ということは、今後のシリーズ作で、さらにその答えが追求されていく……?

内海 どうでしょうね、「つぎ、どうする?」という話を考え始めたところではありますが、このまま、こういうリズムゲームが続いていくのか、一度リセットするのかか、それはわからないですね。

嵯峨 まずは『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- F 2nd』へのご意見を聞いてから、でしょうか?

内海 いえ、ご意見次第というわけではないんです。そうしてしまうと、お客さんと制作側、という、対峙した関係になっちゃう。動画投稿サイトに参加しているようなユーザーさんと同じ目線、同じスタンスを取る、ということがこのプロジェクトのコンセプトなので、僕らは僕らで、好きなようにやっていって、それが受け入れられたらうれしいなと思います。今回、『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- F 2nd』でやれることをやりきって思うのは、やっぱり開発ってたいへんなんですよ。技術は進歩していきますし、新しいハードも視野にいれなければならないし。その中でこのままやっていくと、3年経ってもつぎのタイトルが出ない、なんてことになりかねない。そうではなくて、短い期間で、多くのタイトルを気軽に遊んでもらうという方向も考えたほうがいいのかな? とも考えています。

嵯峨 確かに、ユーザーの意見を絶対のものにしてしまうと、“セガもまた、初音ミクさんを題材にしてコンテンツを作っているユーザーのひとり”というスタンスが崩れてしまいますね。

内海 もともと、そういうノリですからね。特殊なチームだと思います。商品としての『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ-』を支持してくださるのはうれしいのですが、最近はビジネスライクな関係になってきちゃってるのかな、という気が少ししていて。もちろん、ビジネスとしてやらなければならないんでしょうけど、でも僕らとしてはそんなつもりはなくて。あくまで、ミクさんのムーブメントにいっしょに参加させてもらってる、というスタンスを貫きたいです。『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- F 2nd』で、ひとつの区切りがついたのかな、とも思っていますので……つぎはどういう風に斜め上にいくのか。狙っていくものでもないですけど、ビックリしてもらいたいですね。「DECORATOR」では、ちょっと驚いてもらえたと思うので、あのような形なのか、ほかの形なのか、わかりませんが、つぎはさらにビックリしてもらいたい。

嵯峨 つぎはどんな驚きを味わわせていただけるのか、楽しみです。

内海 今回、開発もプロモーションも、僕はほとんど口出しをしていなくて、若いスタッフが本当にがんばってくれたんです。いいプロジェクトチームになってきていると思うので、このチームで、またビックリするものを作りたいですね。僕はいつ引退しても大丈夫かな……(笑)。

嵯峨 気が早いですよ(笑)。『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- F 2nd』だって、まだまだエクストラデータの配信がありますし。

内海 (笑)。エクストラデータは、これまでより長い時間をかけて配信していこうかと思ってます。その後は、またちょっと違ったアプローチを考えているので。ちょっと休んで考えたいですね。

嵯峨 昨年3月の『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- F』発売、11月の『初音ミク Project mirai 2』発売と、“SEGA feat. HATSUNE MIKU Project”はずっと走り続けてきた気がしますよね。

内海 そうですね。いろんな方にもお世話になって。このプロジェクトをやっていていちばんおもしろいのは、多くの方が会社の垣根を取っ払って取り組んでくださるところなので、本当にありがたいなと思っています。また新しいことをやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

▲最後に宣伝! 週刊ファミ通2014年3月26日発売号は、『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- F 2nd』を大特集してます。特製B3ポスターがついてきたり、DIVAルーム用のアイテムが手に入るファミ通オリジナルのARマーカーが掲載されていたり(PS Vita版専用)、ミクさんとシリーズの歴史を振り返ったりしていますので、ぜひ読んでください!