『ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~』制作発表記者会見にて、田中圭さんらがゲームへの愛を語る

ドラマ『ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~』の制作発表記者会見が、放送を翌日に控えた2013年10月3日に都内にて行われた。制作発表記者会見には、田中圭さんらが出席。ドラマについて語った。

●キャスト&スタッフが勢揃い

▲左から、鈴村展弘監督、佐藤二朗さん、波瑠さん、田中圭さん、浜野謙太さん、佐藤大さん、石田雄介監督。

 テレビ東京、テレビ大阪ほかにて2013年10月4日(金)深夜0:52より放送予定のドラマ『ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~』。その制作発表記者会見が、放送を翌日に控えた2013年10月3日に都内にて行われた。1983年から2013年に至るまでの30年間を、実在のゲームを織り交ぜながら描く異色のドラマとなる本作。制作発表記者会見には、田中圭さん、波瑠さん、浜野謙太さん、佐藤二朗さんのメインキャスト4名のほかに、原案・脚本を担当した佐藤大氏、監督の鈴村展弘氏、同じく監督の石田雄介氏が出席。ドラマについて語った。

 会見の冒頭では、まずはプロデューサーを担当するテレビ東京の五箇公貴氏が挨拶。「このドラマは、実際にあるゲームをドラマに登場させて、30年を描く内容になっています。全12話を見ると、ゲームのおおまかな歴史がわかるようになっています」(五箇氏)と説明した。ドラマ制作にあたってもっともたいへんだったのは、実際のゲームをドラマに出すことで、使用許諾を得ることはもちろんだが、大切な作品をいかに汚さないように作っていくかで気を配ったという。「ゲームに携わっている皆さんの協力を得て全力で作ったドラマです」(五箇氏)とのことだ。ちなみに、第1話は『ゼビウス』をモチーフにしており、ドラマ中にはクリエイターの遠藤雅伸氏が登場しているのだが、ほかの回でもこうしたカメオ的に出演する関係者も多いのだとか。ゲームファンとしては、誰が登場するのかを見つけるのも、楽しさのひとつと言えるだろう。

 制作発表記者会見では、引き続き、キャスト&スタッフ陣がコメント。その内容は以下の通り。

田中圭さん:時間帯は深夜0:52からと少し遅いのですが、だからこそできるおもしろさや挑戦できることがあります。見ている人たちが、「何かおもしろいことをやっているんだな」、「新しいものを生み出そうとしているんだな」ということをわかってくれるといいなと思って、撮影に臨みました。

波瑠さん:『ノーコン・キッド』はゲームセンターで出会った3人が不器用な形でぶつかったりもしながら、成長していくのですが、それがゲーム世界観と重なって、映像的にもすごくおもしろいものがいっぱいあるドラマになっています。ぜひ、そういうところを楽しんでもらいたいです。

浜野謙太さん:現場にゲームが置いてあって、それを出演者で試しにやってみるのですが、毎回田中圭くんにボコボコにされてしまいます(笑)。役はめちゃくちゃうまくないといけないのですが、めちゃくちゃにされるくらいゲームはやったことがなかったんです。今回いろいろなゲームに囲まれて、すごくおもしろくて、「こんなゲームがあったんだな」ということが気付かされました。ゲームセンターもこんなところがあったんだと感動しました。ドラマを見て、ゲームを遊びたくなってもらったり、ゲーセンに行きたくなってもらえたらうれしいです。

佐藤二朗さん:お三方は、15歳から45歳までを演じていて、現在の年齢設定は、いまの僕と同じ年くらいです。圭くんのお父さん役で、30年前のバカみたいに前のめりな自分を見守っているような、不思議な感覚で演じました。思い入れのある作品になったと思います。

佐藤大さん:サブタイトルに“ぼくらのゲーム史”とあるのですが、それぞれのゲーム史があると思うんです。僕も二朗さんと同じ年なのですが、ゲームが生まれたところから、いまのこれだけ広がったゲームすべてを俯瞰で見ることのできた世代として、こういう自分たちのゲーム史をドラマにすることができて、本当に光栄だと思っています。見る人すべてにゲーム史があると思っていて、それぞれのゲーム史を、この番組を見て語りあってくれたら、僕はこの企画を始めた意味があると思っています。

鈴村展弘さん:このドラマは、いままでにないタイプの新しいドラマだと思っています。ドラマ自体はフィクションではあるのですが、ゲームはノンフィクションです。実際にあるものを使って、ドラマを構成するのが見どころになっています。3人の成長を描きつつ、ゲームがさらにどう進化していくのかも、見どころになっていると思います。

石田雄介さん:ゲームを詳しい方が楽しんでいただけるのは間違いないのですが、今回はドラマを通して初めて「ゲームっていいな」とか。ゲームに触れることがなかった人たちが、このドラマをきっかけにしてゲームに興味を持っていただけたらうれしいです。ドラマも30年を描く壮大なものになっているので、楽しんでいただけるんといいなと思います。

 本作では、田中圭さん、波瑠さん、浜野謙太さんは15歳~45歳まで、という幅広い年齢層を演じることになる。役者として相当難易度が高いと思われるのだが、現在29歳の田中さんは、15歳の役を演じるのに相当苦労した模様で、「高校生を演じるときは、半ば諦めも入っているのですが、テンションを上げてみたり、声を高くしてみたりしました」とのこと。とはいえ、15歳から45歳までを演じるのはやり応えがあったようで、「1話から12話まで通してみてもらえると、礼治という男の子がちゃんと年を取っていったんだなということがわかるようにしたつもりです。ぜひ、全部見てください」と田中さん。一方、現在22歳の波瑠さんは、逆に15歳は「まだ大丈夫」だと思ったそうだが、45歳のほうが全然想像できなかったという。衣装などに手伝ってもらいながら、なんとか演じたのだとか。対する浜野謙太さんは、「15歳のときは、ひたすら髭を剃りましたね。昼になると、剃ったはずの髭が伸びていってしまうので、一時現場ストップになりました」とコメントし、来場者を笑わせた。木戸というキャラの成長がわかりやすかったので、演じていて楽しかったのだそうだ。

 田中圭さんの父親役で、“愛すべきゲーセンのダメ親父”を演じる佐藤二朗さんは、「いつも通りのおちゃらけた感じでいきつつも、この3人を暖かく見守っているという感覚はなきゃいけないなと思ったので、そのへんは誠実にやろうと思いました」とのこと。なお、佐藤さんのお父さんは佐藤さんの30歳年上で、時代設定が30年前のときは、自分の父親役を演じているかのような錯覚があったのだという。実際、佐藤さんのお父さんも、劇中で佐藤さんが着ているのと同じような甚平を着ていたのだとか。「ちょっと、自分の父親を思いながら演じました。父親にも見てほしいです」と佐藤二朗さん。

 10年来この企画を温めていた佐藤大さんは、いよいよドラマの放送が開始されることに感慨深げな様子。30年のゲーム史を描くことがいかにたいへんだったかを改めて認識したようで、「演じてくれる人たちのたいへんさはもちろん、30年前のマシンが動くことが奇跡のようです」とコメント。さらにゲームメーカーにもすでにないポスターの類も、いろいろなネットワークを駆使して集め、さらにひとつひとつ許諾を取ってドラマ中で使用するに至ったいう苦労話を披露。「実写でそのものを撮ることのたいへんさを、実感しました」(佐藤大さん)という。それだけの苦労を伴っただけに、できあがった映像を見たときの感慨深さはひとしおだったようだ。

 鈴村監督と石田監督は、実在のゲームになぞらえながらドラマを描くうえでの注力点を披露。鈴村さんは、“ゲームはノンフィクション”というんをつねに念頭においていたようで、「僕らや僕らよりちょっと上の世代が見て、“なつかしい”と思ってもらえるようなリアリティーさにこだわりました」(鈴村監督)とのこと。石田監督は、登場人物たちがただゲームを遊ぶだけでなくて、そのゲームがドラマにシンクロしてくるというのが大きな見どころだと説明。「ドラマの内容とゲームが、どうシンクロするかを演出するのがいちばん難しかったです」(石田監督)という。

●『バーチャファイター2』に大いにハマった田中圭さん

 さて、『ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~』とタイトルが付けられた本作だけに、気になるのはキャスト&スタッフ陣の“ゲーム史”。質疑応答にて「思い入れの深いゲームは?」との質問を投げかけてみた。皆さんの“ゲーム史”がうかがえる興味深いお答えだったので、少し詳しく紹介していくことにしよう。

 どうやら相当なゲーム好きらしい田中さんは、「ドラマに登場してくるのだと『バーチャファイター2』はすごく遊んでいました。出ていないのだと『ファイナルファンタジー』シリーズです」とコメント。『ファイナルファンタジー』シリーズに関しては、ストーリーに感情移入できて、ゲームで泣けるので。最近は俳優さんが声を担当することも多いので、うらやましいなと思っています(笑)」とのこと。『バーチャファイター2』は、田中さんが少年の折り、プレイステーションとセガサターンのどちらかを買うかで迷い、「その当時は『バーチャファイター2』の人気がすごくて……。母親に“どっちも買って”とは言えずに、サターンを選んで『バーチャファイター2』をめちゃめちゃ遊んでいたのですが、結果はプレステが人気になってしまって……。それが思い出です」とコメント。まったく同じ体験をしたとおぼしき記者の同僚は、隣でしきりとウンウンとうなづいていた。

 波瑠さんは、あまりゲームは遊ばないらしいが、中学生のころから『キングダムハーツ』だけはずっと遊んでいたとのこと。別のハードで『キングダムハーツ』シリーズが出ることに、ハードごと購入していたそうだ。ドラマに出たゲームはほとんど初めてプレイしたそうだが、「『スーパーマリオブラザーズ』は、やっぱりおもしろかったです。これからやってみたいと思いました」とのことだ。

 浜野さんは、「ゲーマーの役をやらせてもらっていて申し訳ないのですが」と前置きした上で、『信長の野望』とちょっぴり意外なタイトルを挙げた。ずっとシミュレーションゲームを遊んでいたらしい。ただし、今回のドラマを通して、ほかのジャンルのゲームも遊ばないといけないと実感したのだとか。『ゼビウス』はWiiでダウンロードして、いま遊んでいるとのことだ。

 佐藤二朗さんは「野球盤」と、世代的にわからなくもない発言を。最近だとフィーチャーフォンで『オセロ』を遊んでいるらしい。『ゼビウス』は家で遊んだ記憶があるのだとか……。

 佐藤大さんも、いのいちに挙げたのが『ゼビウス』。『ゼビウス』は「僕にとって文化」とのことで、アニメの脚本を書くうえでベーシックになっていたり、『スーパーゼビウス』の楽曲をYMOの細野晴臣氏が担当していたりと、「のちに好きになるものが、全部そこ(『ゼビウス』)につながっていたんだなと気付きました」という。さらに、第1話の収録時に、佐藤大さんは遠藤雅伸さんとお話をしたそうだが、『ゼビウス』を作るにあたって、当時遠藤氏が刺激を受けたロボットアニメを、若かりし日の佐藤大さんも大好きだったという。ゲーム好きの佐藤大さんが、思い入れのあるゲームとしてつぎに挙げてくれたのが『ドラゴンクエストII』。「皆さんご存じだと思うのですが、あるシーンに行ったときに、ある音楽が流れた瞬間に、僕はゲームで初めて泣いたんです。ドット絵なのに意外に思われるかもしれませんが、頭の中では鳥山明さんの絵がばりばりに動いていたんです。その妄想力と想像力は、その後の僕のキャリアそのものになっています。ドラマを描くことがゲームでできるんだということを知りました」と佐藤大さん。さらに、ドラマに取り扱わなかったゲームで、思い入れが深いのが1作目の『バイオハザード』とのこと。「泣くほど怖いゲームということで」というのがその理由。「ゲームでも感情を揺さぶることが、ゲームでもできるということで、この3作は思い入れが強いですね」(佐藤大さん)とのことだ。

 鈴村監督は、世代的にも『ゼビウス』で、ものすごく遊んだ記憶があるとのこと。最初の音楽もすごく記憶に残っていて、クリアーすることが当時中学生だった鈴村監督の大きなテーマになっていたらしい。最近は『龍が如く』を好きで遊ぶのだとか。

 石田監督は、ドラマに登場するゲームだと『スーパーマリオブラザーズ』とのこと。当時小学2年生だった石田監督は、気になった女の子を家に呼ぶ口実に『スーパーマリオブラザーズ』を使ったらしく、「個人的にも思い入れがあります(笑)」とのこと。ドラマに登場しないゲームだと『スターソルジャー』を挙げてくれた。当時石田監督は高橋名人や毛利名人に憧れていたそう。石田監督はオープニングの演出を担当しているのだが、“高橋名人へのオマージュ”として、高橋名人が出演していた映画のワンシーンをオープニングで使用しているのだとか。ゲームファンは、まずはオープニングをチェックしないわけにはいかないだろう。

 ちなみに、本作の音楽を担当するのが砂原良徳氏という点にも言及しておいたほうがいいだろう。電気グルーヴ在籍時は“まりん”との愛称で親しまれていた砂原良徳氏が、テレビドラマの音楽を担当するのはこれが初めて。きっかけはというと、もともと佐藤大さんとユニットを組んでいた(!)という縁からで、昔「機会があったらいっしょに仕事をしよう」という約束に応えたものだという。

 豪華キャスト&スタッフが集結した『ノーコン・キッド~ぼくらのゲーム史~』にご期待を。