『DOOM』と『Quake』はidのナンバーワンとナンバーツー

『DOOM3 BFG EDITION』は改良により、より早いゲームプレイを実現――idの重鎮をインタビューで直撃【QuakeCon2012】_03

 アメリカのテキサス州ダラスで、id Softwareのファンイベント“QuakeCon 2012”が開催中。日本でのリリースも控える『DOOM3 BFG EDITION』について、id Softwareの重鎮Tim Willits氏に話を聞いた。

――プレイしてみて、3Dでいろんなクリーチャーが飛び出してくるし、ジェットコースターとお化け屋敷が合体したような感覚でしたよ!
Tim 2004年のオリジナル版はプレイした? (ちょっとだけですね)これはアレよりずっと良くなったバージョン。全体の経験を良くするために様々な改善をしたんだ。

――改善された点は?
Tim フラッシュライトを武器と併用できるようにしたこと、プレイヤーの動きを早くしたこと、ゲームプレイを調整してオートセーブを入れたこと、3D立体視に対応したこと。全体に早いペースのゲームになったね。

――それは2004年には出来なかったことなんでしょうか?
Tim ああ。PCのパフォーマンスに限界があり、ガンとフラッシュライトを両方一度に持たせることができなかったんだ。ゲームを技術的に工夫して、楽しくしかもサスペンス溢れるものにした。これはよりよいやり方だ。一度リリースしたものに手を入れて、出来なかったところを改善出来るのはとてもいいね。

『DOOM3 BFG EDITION』は改良により、より早いゲームプレイを実現――idの重鎮をインタビューで直撃【QuakeCon2012】_02
『DOOM3 BFG EDITION』は改良により、より早いゲームプレイを実現――idの重鎮をインタビューで直撃【QuakeCon2012】_01
▲3D立体視や5.1チャンネルサラウンドや実績・トロフィーに対応しているほか、新規開発された7ステージの“The Lost Mission”も収録している。

――ボクは『Rage』は好きなゲームなんですが、必ずしも成功したゲームではありませんでした。今後こういった機能の変更や追加したりすることはありえるんでしょうか?
Tim 『Rage』というフランチャイズは我々にとって重要なので、拡大していくためのプランを立てようとしている。残念ながらすべてのそう早く実行できるわけではないが、『Rage』そのものについては、長期的な視野で考えているよ。

――id SoftwareのほかにもテキサスにはFPSの会社がいっぱいありますね。FPSの聖地にいるんだと感動していますが、なぜテキサスがそのようになったのでしょうか?
Tim ジョン・カーマック。彼が理由だよ(笑)。1992年からこちらに住んでいる。idは1992年に始まったが、idを離れて自分で会社を立ち上げた人たちもいるので、ダラスがFPSの中心地になった。今は以前ほどではないが、依然としてFPSが誕生した場所だね。それとまぁ、テキサスだからガンを持っている人もいっぱいいるからね(笑)。

――VRヘッドセットのRiftとコラボすることになった理由は?
Tim ジョンは常にVRに強くひかれていたが、これまでは技術的にとても遅れていた。今ようやくハードウエアが追いついて優れた経験を提供できるようになった。今回一緒にやっている会社は、カーマックが望んでいるハードウエアを作ることができた。ビジネスを一緒にやろうとしているわけではないが、ソフトの能力をデモするために役立つハードとして、クールなVRヘッドセットを紹介しているんだ。

――id Softwareは『Quake Live』というオンラインゲームもサービス展開していますね。今後パッケージビジネスは変わると思いますか?
Tim イエス。クラウドゲームも今後発達していくだろうし、Xbox 360やPS3を持っているたちだって、もうデジタル配信を使ってソフトを購入するのが普通になったよね。STEAMも大きく展開している。消費者にとって便利だし、メーカーにとっては海賊版を減らすことが出来る。このような配信の仕方はいいとこずくめだと思う。

――今回、『Doom3』をちゃんと日本語でプレイ出来るようになります。『Doom4』が気になりますが……。
Tim (訳す前に遮って)日本語はわからないけどキミが今何を言おうとしたかはわかったぞ(笑)。『Doom4』については何も言えないが、『Doom3 BFG EDITION』は、『DOOM』シリーズをあらためて紹介できるバンドル商品として素晴らしい。例えばPS、PS2、PS3と遊んできた人たちの中には、一度も『Doom』シリーズをプレイしたことのない人がいると思う。今回はそんな人達へのいい挨拶にもなっているね。

――『Quake』と『Doom』フランチャイズの作品はこれからもどんどん出てくると期待していいですか?
Tim 自分はずっと『Quake』を作ってきて、このフランチャイズが大好きだ。会社にとってもとても重要。『Doom』はナンバーワンだが、『Quake』はナンバーツーだ。いますぐに新しい『Quake』を出す予定はないが。社内でも多くの人が『Quake』を作りたいと思っているんだよ。

――日本のidファンにメッセージを。
Tim いつもサポートしてくれてありがとう。日本に多くのファンがいてくれるのはうれしい驚き。日本では西欧のゲームはあまり人気がないと言われているが、ちゃんとQuakeファンがいてくれることにはとてもワクワクするんだ。本当にどうもありがとう。