さすがミクさん! 発売を待望していた多くのファンが集結
セガは、本日(2012年3月8日)ニンテンドー3DS用ソフト『初音ミク アンド フューチャー スターズ プロジェクト ミライ』の発売を記念して、東京・ソフマップ秋葉原アミューズメント館にて発売記念イベントを開催。多数のミクファンで賑わったイベントの様子をリポートしよう。
このイベントは、会場で本作を試遊すると、同作の体験版でARカードとして使用できる”参加認定書”を始め、”特製使い捨てカイロ”や”特製ポストカード(2枚セット)”などがプレゼントされるというもの。イベント開始時間の午前11時には、多くのミクファンが開始を待ちかね、長蛇の列ができる盛況ぶりとなった。
イベントには、本作のプロデューサー大崎誠氏が登場。さらにディレクターの高部元志も交えて、ミニインタビューに応じてくれたので、その内容を紹介しよう。
――発売を迎えたいまのお気持ちは?
大崎誠氏(以下、大崎) 本当に出るのかなぁ? と半信半疑だった時期もあったので、感慨深いものがありますね(笑)。ゲーム自体は早いうちにマスターアップしていたのですが、本当に感慨深いです。僕はこの業界に入って19年目なのですが、こんなに多くの方々に来ていただけるタイトルはめったにないので、ミクさんすごいな、と(笑)。本当にミクさんのおかげです、はい! もちろん、ミクさんを応援してくださっている皆様にも本当に感謝しています。
――「出るのかなぁ?」というのは、制作が難航したということでしょうか?
大崎 最初はどういうゲームを作っていいか、まったくわからなかったので。まず『Project DIVA』とまったく同じゲームを作っても意味がないし、どうするべきかと。そこを考えている時期が長かったよね?
高部元志氏(以下、高部) そうですね。最初は、いろんな層の人に遊んでいただいて、もっともっと多くの人にミクを知ってほしいな、というのがありました。そこは任天堂さんのハードがベストマッチングなので、選曲からゲーム性までチューニングしてきました。もちろん、いままで『DIVA』を遊んできた人が、「これはちょっと違うんじゃないの?」とならないように、そういう部分も残しつつ。ただ体験版は、ちょっとオシャレ層を向きすぎたかな、という反省はありますが(笑)。でも製品版を遊んでいただけば、ちゃんとやっているんだな、とわかっていただけると思います。
大崎 あとは初音ミクと言えば、ニコニコ技術部さんのほうでもいろいろやられていますし、僕ももうひとつ担当しているアーケードのほうで、ムダにスゴイがんばっていますし(笑)。やはり電子の歌姫ですから、電子的にはすごいことをやりたいよね、というのはありました。当然ニンテンドー3DSですから、まず3Dというのはありますが、そこをフィーチャーするだけで大丈夫なのか? と。そこはすごく試行錯誤しましたね。
高部 “ミク=未来(ミライ)”、というキーワードをひらめいてからは、けっこう早かったですよね。ミライガジェットでパッケージングする、という。
大崎 クリプトンさんも、名前の由来としておっしゃっていましたしね。そこがまとまるまでは、かなり苦しかったです。でもデザイナーがすごくがんばってくれて。別の場所で、PSPモデルを試作した話や、そこから頭身を下げていったらねんどろいどになった、というのはお話ししたことがありますが、ただねんどろいどにするだけではなくて、質感にもかなりこだわっているんです。ニンテンドー3DSはハードウェアシェーダーを使えるので、それを活かして、造形だけではなく質感までねんどろいどに見えるように作ることができまして、その絵が最初にできあがったというのも大きかったですね。
高部 生々しすぎず、プラスチックっぽくなりすぎず、その中間のいいところですよね。それにデザイナーだけでなく、ソフト開発側としても、ニンテンドー3DSっていじりたくなるハードなんですよね。いろんな機能が満載されていて、それを使わない手はないぞ、と。
大崎 うちの開発って若干適当なので(笑)、プログラム側が好きにやっているんですよ。「え、何、それ入っちゃったわけ?」という感じで(笑)。音声認識も、かなり古くから試している技術なんですが、いままでまともに動いた経験がなかったんですよ。でも今回は感動的なくらい認識してくれるんです。顔認識機能もそうですね。やっぱりプログラマーが実装してくれないと、ゲームってできあがらないので。今回はプログラマーがノリノリでいろいろチャレンジしてくれたのが大きかったと思いますね。
――ほかに、ニンテンドー3DSならではの、お気に入りの機能はありますか?
高部 マイルームのカメラモードが3つあるのですが、ジャイロセンサーを使うものがあるんですね。これを使うと、自分の向いた方向にアングルが変わるのですが、さらにこのカメラモードのときだけ唯一、強引に縦持ちにもできるので、新鮮な気持ちでマイルームを眺めることができる、というのがありますね。
大崎 ジャイロはおもしろいよね。
高部 加速度センサーもおもしろいです。ちょっと揺らすと、ミクさんがおっとっと、となったり、何度も繰り返すと、しまいには怒られたり(笑)。背景のオブジェクトも揺れたりするように仕込んでいます。
――ファンにメッセージをお願いします。
大崎 やっぱりミクさんのゲームを作るうえでいちばんやらなければいけないのは、『DIVA』の開発でも同様ですが、まずカワイくなければどうしようもないな、と。そこはもう、間違いなくカワイイです、と断言できます。ゲームのほうも、製品版を触っていただけばわかると思いますが、簡単なところから、やりごたえのあるところまで入っています。それに“やり続ければいつかうまくなる系”なんですよ。「もう俺にはこれムリ!」というのではない、上達が感じられるゲームになっているので、ぜひ遊んでほしいです。それともうひとつ、3DのPVの魅力、こればっかりは動画ではお伝えできないので(笑)。『LOL』や『PIANO GIRL』が3Dになると、なるほどこうなるのか! という。しっかり3D深度も調整してありますし、ファンならわかるネタも仕込んであったりしますし。3Dは見てなんぼなので、ぜひ、買ってください!
高部 買った直後は、曲を解禁するためにガリガリ遊ばれると思うんです。まぁ、僕らがそういうふうに作ってしまっているんですが(笑)。でも曲が全部解禁されたら、ぜひPVをじっくり楽しんでほしいです。AM2研が初めて、コンテから起こして作っているものも多いですから(笑)。じっくり長く楽しめるように、3DPVクリップ集としても楽しめるように作ってありますので、ぜひ味わっていただきたいと思います。また、すれちがい通信についても、コメントを編集できるようになっていますので、ぜひ外に持ち出して、ほかの人とすれちがって、自分だけの弾幕を作りあげていただければと思います。末永くご愛顧のほど、よろしくお願いします!
なおこのイベントは本日(2012年3月8日)18時まで開催される。また、イベント会場となったソフマップ秋葉原アミューズメント館のほか、ソフマップ秋葉原 本館、秋葉原GIGO、クラブセガ秋葉原新館、セガ秋葉原の計5箇所に、それぞれ異なるB2ポスターが掲示されており、記載されているQRコードを携帯電話のカメラで読み取ると、ポスターと同じデザインの携帯壁紙が入手できる。都合がつく人は、ぜひ秋葉原に足を運んでみよう。