『テイルズ オブ エクシリア』連載第1回:キャラクターCGへのこだわり
ゲーム プレイステーション3バンダイナムコゲームスより2011年9月8日に発売予定のRPG『テイルズ オブ エクシリア』。シリーズ生誕15周年記念タイトルたる本作に込めた並々ならぬこだわりを、開発スタッフに語ってもらうぞ。今回は、キャラクターCG作成を担当したナムコ・テイルズスタジオの武者匡彦氏だ。
●“揺るぎなき信念のRPG”にふさわしいCGを
ナムコ・テイルズスタジオ |
皆さん、こんにちは!
ナムコ・テイルズスタジオの武者と申します。キャラクター作成班(通称、キャラ班)を代表して、お話をさせていただきます。
『テイルズ オブ』シリーズのキャラクターCGを作成するうえで毎回こだわるのは、キャラクターデザイナーの藤島康介先生、いのまたむつみ先生の作風をいかにCGで表現するか、という点です。『エクシリア』のキャラクターCGは、技術的には『ヴェスペリア』の進化形でありつつ、『グレイセス』などで培ったノウハウも活かしています。また、『エクシリア』は比較的シリアスなドラマがくり広げられていくので、その雰囲気に合うよう、CGの頭身を低くせず、両先生のイラストとほぼ同じ頭身で作成することになりました。
『エクシリア』の主人公、ジュードとミラ。どの角度から見てもイラストのイメージとずれないCGを作るのが、難しくも楽しいんですよね。 |
今回はシリーズで初めて、藤島先生といのまた先生が“共作”なさるということで、両先生がデザインしたキャラクターのCGが並んでも、違和感がないように配慮しなくてはなりませんでした。ただ、この点に関しては、両先生の作風を踏まえてCGを作成するだけで、意外とすんなり、納得がいくものに仕上げることができましたね。両先生も“共作”ということを意識してイラストを描かれたようで、それがそのまま、CGを並べたときの違和感のなさにもつながったのではないでしょうか。
ちなみに、いのまた先生が描いたミラのイラストを見たときは、正直、「この髪型をCGで表現できるかしら!?」と思いましたが、がんばりました!
また、物語の序盤でジュードとミラは全身ビショ濡れになるのですが、ここで注目してみてほしいのが髪の表現です。とくにミラは、髪が濡れていることが見るからに伝わるかと。こういったシーンのために、濡れたとき専用の全身CGも用意しました。
主人公のふたりを始め、どのキャラクターにも愛着はありますが、僕が個人的にとりわけ気に入っているのはイバルですね。『エクシリア』において、イバルはCGに“遊び”を盛り込める貴重なキャラクターだったんです。イベントシーン作成担当の渋江(康士氏。2011年8月26日更新の記事にて登場予定)から、「こんなポーズや表情ができるCGを作ってほしい」とリクエストされたとき、彼もイバルで“遊ぶ”つもりだということがわかりました(笑)。
ミラのお世話をする“巫子”のイバル。ミラの旅に同行するジュードに対して、感情をあらわにします。 |
アルヴィンのような“大人”もいい味を出していますよ。『ヴェスペリア』や『グレイセス』のように、CGがある程度デフォルメされている作品で、アルヴィンのような顔のキャラクターを描いたら、ちょっと“怖い人”になってしまうかもしれませんが、『エクシリア』のように頭身が高く、デフォルメがほとんどないCGなら大丈夫だと思いました。ローエンに対しては、ほかの開発スタッフから「顔が濃いね〜」と言われたりもしましたが、それもまた本作ならではの味かと。
傭兵のアルヴィン(上写真)と、老執事のローエン(下写真)。顔のシワなどを細かく描き込みました。 |
●キャラクターのオシャレも多種多様
本編のお楽しみ要素またはダウンロードコンテンツとして用意しているキャラクターの衣装も、僕たちキャラ班が作成しました。たとえば『アイドルマスター2』風の衣装は、『アイドルマスター2』の開発チームからアイドルのCGデータや資料を預かって作ったものです。とは言え、『エクシリア』とはCGの頭身などがだいぶ違うので、預かったCGデータに手を加えるのではなく、ほとんど“見ながら”作ることになりましたね。これまでに公開している“学園衣装”や“水着”などのほかにも、皆さんのオシャレ心をくすぐる衣装をいろいろ作りましたので、続報をどうぞお楽しみに。
また、帽子やメガネといった“アタッチメント”の作成も僕たちが担当しました。アタッチメント自体は『ヴェスペリア』にもあった要素ですが、今回は、大きさや色などを編集できちゃいます。馬場(英雄氏。本作のプロデューサー)に提案したときは驚かれましたけれど、すぐにゴーサインを出してもらえました。多分、僕たちが楽しんで作っていることが伝わったんだと思います(笑)。
『エクシリア』は、キャラクターが叫んだり悲しんだりと、感情をあらわにするイベントが散りばめられていまして、プレイしていただければ、きっと“CG”ではなく“キャラクター”が物語を紡いでいることを実感していただけると思います。キャラクターの豊かな表情や仕草に、ぜひ注目してください!
(C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)2011 NAMCO BANDAI Games Inc.※画面は開発中のものです。
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