今井麻美が語る成長と苦悩。『花の咲く場所』1万字ロングインタビュー

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2011年8月3日に7枚目のシングル『花の咲く場所』をリリースする今井麻美にインタビューを敢行。ふだんいっしょに番組作りをしている『今井麻美のSSG』スタッフがインタビュアーとして、シンガー・今井麻美について語ってもらった。

●デビューから2年半の経過によるアーティストとしての進化とは

 『シュタインズ・ゲート』の牧瀬紅莉栖役や、『アイドルマスター』の如月千早役など、ゲームにアニメに活躍中の声優・今井麻美。2011年5月に行われたセカンドソロライブでは、ファーストライブに続きチケットがすぐに完売するなど、アーティストとしての人気も話題になっている。そんな今井麻美が、2011年8月3日に7枚目のシングル『花の咲く場所』をリリース。PSP用ソフト『コープスパーティー ブックオブシャドウズ』のオープニングテーマである表題曲のほか、Xbox 360用ソフト『DUNAMIS15(デュナミスフィフティーン)』のエンディングテーマ『Promised Land』、『シャングリラ 〜ballad ver.〜』を収録した盛りだくさんの内容になっている。また、通常盤に加え、『花の咲く場所』のミュージックビデオを収録した限定盤も同時発売。今回は、そんな『花の咲く場所』を中心に、今井麻美にアーティストとしてお話を伺った。
 なお、インタビュアーはファミ通.comで毎週土曜に配信中のWebラジオ『今井麻美のSinger Song Gamer』(以下、『SSG』)のスタッフ。ときおり番組らしいざっくばらんなインタビューになっているが、その点をご了承願いたい。
 いつになくマジメな、そしていつもらしい無茶振りをする今井麻美の単独ロングインタビュー。ぜひ最後までお読みいただきたい。

●『シャングリラ』の対となる新曲『花の咲く場所

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――今日は7枚目のシングル『花の咲く場所』についてお伺いします。
今井麻美(以下、今井) はい。お願いします。ちゃんとファミ通ならではの独自の切り口にしてくださいね!

――えっ!?
今井 期待してますよ。じゃあ、始めようか。

――ええっ、無茶振りなのに考える時間なしですか!? ……くっ。じゃ、じゃあ……。まず『花の咲く場所』が、どんな曲か教えてください。
今井 『コープスパーティー ブックオブシャドウズ』のオープニングテーマということで、作品のテーマに合った荘厳なイメージの曲です。音がとても多彩で、聴いているとまるで上から音が降ってくるかのように感じられる演奏と、希望に満ち溢れた歌詞が合わさった歌になったと思います。

――前作の『コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー』の オープニングテーマ(『シャングリラ』)も担当されていましたが、前作とイメージを合わせたいといった希望はありましたか?
今井 ありましたね。『シャングリラ』の対になる作品になりえると思っていたので、同じイメージでやらせていただきました。たとえば『シャングリラ』にも入っていたクワイア(合唱)部分を今回は同じ方々にお願いしつつ、私も参加させいただいたりと、意図的に同じイメージにした部分があります。ただ、『シャングリラ』は切迫感を感じる不安のある世界で、その中でも会いたい人がいるという歌でしたが、今回はいまは困難でもその先には希望が溢れているという歌詞になっているので、『シャングリラ』が少し暗めの濃厚な世界だとしたら、『花の咲く場所』は光の成分が増えているというか、写真で言うところの明度が上がっているイメージです(笑)。

――なるほど(笑)。『花の咲く場所』では作詞を森由里子さんが担当されています。キャラソンでは森さんの書かれた歌詞を歌われていましたが、今回本人名義のほうで森さんにお願いした経緯というのは?
今井 もともと私が森さんをとても尊敬していて、森さんも私の歌を好きだと言ってくださっていて。ずいぶん昔に「いつかいっしょにできたらいいね」と、言っていたんです。それが、私のプロデューサーをしてくださっている濱田(智之)さんと森さんに接点ができて、「いつかお仕事をお願いします」と実現に向けた動きがあったんですね。ただ、『花の咲く場所』の歌詞を森さんにお願いしたということは、私にはナイショにされていたんです。森さんはかなりお忙しい人ですし、じつは6枚目と7枚目のシングルの制作がほぼ同時進行というタイトなスケジュールだったので、本当にお願いができるかどうかわからなかったようで。歌詞をお願いできることが決まってから教えてもらったんですが、しばらくはうれしくて信じられなくて。本当に歌詞ができあがってくるまでは、心のどこかでまだ信じられなくて喜びきれないという状況でしたね(笑)。

――ジャケットとミュージックビデオが同じ衣装で撮られていますが、これはどういうイメージなのでしょうか?
今井 まずミュージックビデオありきで世界観を作らせていただいて、それに合わせてジャケットを作ったんです。ミュージックビデオは、いままでの撮影もお願いしていた制作スタッフで、監督の藤田さんを始めスタッフの皆さんには私の好きなものや、どんなイメージで作品を作ってきたかをすべて伝えていたので、あえて今回のイメージは監督さんにお任せしました。曲を聴いていただいて、そこから監督さんにイメージを作っていただいたので、今回はこうしたいという意見はほとんど出さず、衣装も監督さんと濱田さんと衣装さんとで話し合って決めていただきました。『シャングリラ』のときは、音楽も映像も「こうしたい!」とリクエストを出していましたが、今回は信頼しているスタッフが揃っていたので、皆さんが得意分野をドンッと持ち寄って作ったイメージを私が演じるという、これまでと違うスタイルでやらせていただきました。

――そのスタイルにした理由はありますか?
今井 私がやりたいもの、好きなものばかりやっていると、どうしても方向性が似てしまいますので。今回は皆さんに委ねて作っていく醍醐味が味わえた気がしますね。

――限定盤と、通常盤のジャケットのように2パターンの衣装がありますが、それぞれどのようなイメージがあるのでしょうか?
今井 監督のイメージは監督の中だけにあるので、実際にどう思っていらっしゃるのかはわかりません。ですが、私の中のイメージでは、通常盤の白を基調にした女性が今回の世界を表現している人で、囚われの身と言いますか、自由になっていない状態から光が射し込んで、自分の思い描いている“花の咲く場所”、いわゆる希望が見えるという、彼女の成長期をイメージして演じました。一方、限定盤の黒を基調にした女性は、伝道師のようなイメージで、あの世界を伝えるために歌っている人なんです。ドラマにたとえれば、ドラマの本編が白で、オープニング曲が黒というイメージです。だから、伝道師である黒のほうがとても意志が強くて、表情をひとつとっても、少しほくそ笑んだりと、絶対に信念を曲げない強さというイメージを表現できたかなと思っています。映像を観ると、自分でも驚くような表情ができていましたね。

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▲こちらが限定盤の黒を基調にした衣装。

▲こちらが通常盤の白を基調にした衣装。

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――ミュージックビデオを拝見しましたが、映像の終わり際に見せるカメラ目線がとても自信に溢れているように見えました。
今井 あそこは、カメラさんにも「すごくよかった!」と褒めていただいたシーンですね。自分の手と目の動きと表情、そしてカメラの動きが瞬間的に噛み合うことが大事なシーンだったんですが、カメラさんと呼吸が合って、とてもうまく演じられました。もともと監督さんに聞いたイメージでは、黒のほうは暗かった背景がだんだん明るくなっていって最終的に白くなるというもので、監督はそれを希望の象徴とおっしゃっていたんです。私は、それを伝道師としての役目をまっとうできているからこその自信だと感じたので、背負っているものを解放できた満足感があの表情に現れたのかなと思っています。

――レコーディング時から白と黒の役割というイメージを持っていたのでしょうか?
今井 いえ、もともとはありませんでした。ミュージックビデオを撮るようになってから、どういう動きをして、どのように表情を付けると、どう映るかというのが経験でわかるようになってきたんですが、おもしろいもので、事前にどういう動きをしようかと考えていると、意外とできないことが多いんです。その場で空気を感じて、音楽を体に浸透させていると、自然とふさわしい表情が引き出されると言いますか。それも監督のマジックなのかもしれませんが、ひとりではできない、みんなといっしょにものを作っていくというおもしろさが感じられますね。いろいろな人の感性のぶつかり合い、そして自分がそれに飲まれないように意志を持って取り組むということを、4回のミュージックビデオ撮影で学んだ気がします。

――では曲としても聴いてもらいたいけれど、映像もぜひいっしょに観てほしいと。
今井 そうですね。ただ、黒い衣装の見た目はちょっと心配だったんですけどね。いまでも限定盤ジャケットの写真を見て、「どえりゃーすごいことになってる!」ということを言われたりするので(笑)。発売後の皆さんの反応が楽しみです。

――ミュージックビデオでは、2種類のイメージがあるものが多いですよね。
今井 そうですね。『シャングリラ』、『COLOR SANCTUARY』、そして今回と、2パターンのものが多いので、今度は1種類の統一イメージでやってみたいなと思います。そうすれば、メイクチェンジないし(笑)。今回、黒の撮影を終えたのが午前1時30分くらいで、そこからセットや衣装を替えて、撮影が再開したのは3時でしたからねー。

――メイキング用に撮影に同行させていただきましたが、撮影開始時は「早めに終わるかも」と言ってましたよね?
今井 そうそう。初めてのオール室内ロケだったので、今回は23時くらいには終わるんじゃないかとみんなで話していたんです。でも、実際には夕飯を食べたのがそれくらいでしたね(笑)。もともと監督は「室内だからって早く終わるわけでは……」って言っていたんですけどね。 

――室内のほうが、監督のこだわりがより強く出ていた気がしますね。
今井 そうですね。ライトのセットなどにかなりこだわっていましたね。でも、私の体感時間的にはかなりあっという間で、白の撮影時間が始まったのは3時くらいなのに、あまり疲れを感じなかったんです。いつもだと1時くらいには、てろてろした感じになっているんです。グミみたいな(笑)。でも、現場の皆さんのエネルギーや、役柄に入り込んだ結果なのか、見えない何かに力をもらったようで不思議でした。

●アーティストとしての成長が生む喜びと苦悩

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――続いて、『Promised Land』について伺います。作曲は、ひさしぶりの桐岡麻季さんですね。
今井 桐岡さんに作っていただくのは『ほんの少しの幸せ』に続いて2曲目になります。前回の曲はバラード調の曲で、私もすごく好きな曲のひとつでした。今回は、Xbox 360用ソフトの『DUNAMIS15(デュナミスフィフティーン)』のエンディングテーマですので、力強く勇気の出るような世界を表現するために、わりと激しめの曲をリクエストさせていただきました。

――歌う前にゲームのシナリオなどを読まれましたか?
今井 そうですね。あらすじを読ませていただきました。もともと私が好きな桐岡さんの曲調に近いグイグイ引っ張っていく強めの曲調で、桐岡さんのあの風貌やしゃべり口調からは想像もつかない激しい音楽になっています(笑)。

――確かに人柄とは違うイメージですね(笑)。
今井 音楽だけに発揮する秘めた一面を、今回私の曲に提供してくださってとても興奮しました(笑)。

――ライブで歌うとたいへんな曲かなと感じましたが?
今井 曲は激しいんですが、とても歌いやすいんです。そういえば、今回初めての試みで男性コーラスが入っています。最初は自分でコーラスも担当したんですが、どうしてもしっくりこないところがあって。それで、コーラスをライブでもお世話になっているベーシストの宮下智さんにお願いしたんです。別のレコーディングにいらっしゃったときに「歌って?」ってお願いしたら、「いやいや!」と言いつつ笑顔で歌ってくれました(笑)。

――(笑)。今井さんのライブでは“ミャーミャー”のあだ名でおなじみの宮下さんですね。
今井 そうです(笑)。男性コーラスは、オーディションもしたんですよ。その場にいた人で。

――では、濱田プロデューサーも?
今井 もちろん(笑)。
濱田プロデューサー(以下、濱田) 宮下さんのコーラスが入るまでは、仮で僕の声が入っていたんです。
今井 でも、プロデューサーの声はやわらかいので、「もっと芯のある声がいいです」って歌い手さんがおっしゃっていて……。

――……歌い手って、それは今井さんじゃ……?
今井 (無視して)それで宮下さんが歌ってくれたんですが、やっぱり慣れないみたいで突然「落ち着かないから、ベース持って歌うわ」と言い出して。ベースを持ちながら、ブース内で弾かずに歌うという不思議な光景を目の当たりにしました(笑)。もしライブで『Promised Land』を歌うときがあったら、ぜひファンの皆さんに男性コーラス部分を歌ってほしいですね。宮下さんはバンドマスターですし、観客の皆さんをリードしてもらって。これも宮下さんに言ったら、「ええー!」って言いながらうれしそうにしていました(笑)。

――(笑)。
今井 じつはそのレコーディングの日、宮下さんのお弟子さんが見学にいらしていて。宮下さんがカッコよくお弟子さんの前でベースを弾いた後に、私に「歌って?」と突然言われ、動揺しながら歌うという過酷な状況でしたね(笑)。でも、お弟子さんが「師匠が歌うところ初めて見た」って言ったのを聞いて、「私、いいことしたな」って。

――いいことなんですかね?(笑)
今井 尊敬の眼差しでしたから(笑)。

――ライブを経て、宮下さんは今井さんを支える大事なメンバーになっていますね。
今井 ……私のプロジェクトって、私が未熟なゆえに、いろいろな人に支えてもらって、教えてもらって。たとえば男性ボーカルを入れるとどうなるのかといった経験をひとつひとつ重ねて、勉強しながら、進化している状況なんです。こういう過程を見ていただくのも私のやりかたかなと思うので、ファンの方にはそういう部分も楽しんでいただければと思います。

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――ソロデビューしてから2年半になりますが、まだまだ成長中の段階だと。
今井 そんなに経った!? そうかあ、早いですねー。最初に『It's a Fine Day』と『The Azure』を歌ってからは3年近くになるわけですね。当時と比べたら音楽に対する関わりかたが激変していると思います。いろいろと知ってしまったがゆえの自分の足りなさや苦悩もありますし、わかったことによって新たな世界が開けて、より高揚している部分もあって。いまでこそ言えるのは、最初は悩みながらのデビューだったんです。これからどうなるのか見当もつかず、ただ歌を歌わせていただける機会をもらえたという一心で歌を出させていただいたので、最初のうちはファンの皆さんに支援していただいたという言葉がぴったりの状況だったと思います。「音楽をやっていくなら応援するよ」という意味で買ってくださった方が多かったかなと。ですので、いまではその支援に応えるためにも、一歩一歩進化していきたいと思っていますね。

――デビュー前と比べて、いまの自分をどう思いますか?
今井 次元が広がったと思います。前は音楽に対して正対していたイメージだったんです。自分の目の前に音楽があって、自分が歌うために向かい合うという。でも、音楽って、曲ができあがっていく過程、歌を吹き込んだ後の過程、それこそ映像作品に変わっていく進化の過程など、いろいろな過程があるんです。デビューしてからは、ライブで何度も歌うほど自分の中に浸透してなじんでいって、どんどん表現力が増していくというのを体感していったので、いまではレコーディングで歌って終わりではないということをわかっているんですが、当時は目の前のことでいっぱいいっぱいでしたし、音楽に対する視野も狭かったので、レコーディング前に歌えるように準備しておくということしか考えられなかった。それが、経験を経て音楽への対応が多元化していったイメージになりました。それこそ音の聞こえかたがまったく変わりましたし、表現のしかたが昔より明確に見えるようになっているように感じていて。まだまだ未熟で技術的にも進化しなくてはいけない部分がたくさんありますが、ようやく自分が表現するという場所に立てたのかなと思います。

――それが次元の広がりということですか?
今井 表現したいものが、ひとつひとつの歌に対してあるかないかというのが自分の中で明確に見えて。それができるかは自分の力量なのですが、目の前にある音楽をマイク前で歌うという正対の向かいかたではなく、もっともっと広い世界、次元が上にも下にも斜めにも、自分の把握できないところにも広がっているのがわかるようになってきたのが、大きな違いかなと思います。自分の感覚の変化なので、明確にお伝えできないのがもどかしいんですけど……。うーん。とにかくおもしろいですよね。3年前は、自分が「これだ!」って思える曲に対して、全神経を集中させてコンディションを持っていけばよかったのですが、いまはつねに音楽が進化しているのが目に見えるので、その進化に自分がついていくには、臨機応変に対応しなければいけない。昔に比べて、「なんでこうなるんだろう?」という素朴な疑問を口に出す機会が増えました。自分では勉強しているつもりはないんですが、知らないあいだに知識や経験を得てきたのかなと思います。

――なるほど。ちょっと意地悪な質問をさせてください。
今井 どうぞ。

――そこまで見えてくると、体調やスケジュールの都合などで、やりたいパフォーマンスができないという状況が出てくると思います。見えてくるからこそわかってしまう、その状況はどう対処するんでしょうか?
今井 昔だったら、そういう状況でよりダメになってしまっていたんです。いま、あまりよくない体調や状況だとわかっていたときに、その日できるマックスを出せば合格ラインを超えられると思ってがんばるんですが、それでもマックスが出なくてズルズルと悪くなってしまうことがあったんですね。もともと憑依タイプというか、ふと何かをつかんだときの破壊力がすさまじいと言われることが多くて。だから、調子がいいと自分の実力以上のものが表現できる場合もあるんです。……ゲームでたとえると、クリティカルヒットが出やすいみたいなイメージ(笑)。

――わかりやすい(笑)。
今井 そういうある意味賭けに近いことをしていたんですけど、もちろん賭けには負けることもあったわけで。それが、経験をたくさん積んだことで、いまの自分ができるギリギリのラインがどこかというのがより鮮明に見えて、いまは合格ライン以下かどうかも感じ取れるようになったので、ある意味クレバーになっているんだと思います。歌っているときにパニックになることが減った結果、いまできることを表現するという、マックスを求めるよりも平均値を高めることが、ナチュラルにできるようになってきたのかなと。もともとクリティカルヒットが多い分パニックも多いという“ガンガンいこうぜ”系なので(笑)、昔は自分もスタッフもレコーディングに時間をかけて、「いまクリティカルヒットが出た!」となるまでがんばって録っていたんですが、それだと時間がかかって消耗が激しいうえに、クリティカルヒットが出ないこともある。それがいまは、どんなときであれ、いいものを出せるようにコントロールする力がマシになったかなと思います。人様に比べるとまだまだですけど(笑)。

●セカンドアルバム、サードライブ、そして無茶振り

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――そろそろセカンドアルバムも見えてきたかなと思いますが。
今井 正直、2010年から2011年にかけて自分でも驚くほどに曲を作ってきました。自分が成長のきっかけをつかみかけて来た瞬間でもあったので、スタッフもいまが伸びるいい好機だと察してくださった結果、本当に多くの楽曲を作らせていただいて。ですから、曲が多く溜まっていて、セカンドアルバムもそう遠くないうちに出せると思っています。ただ、まだどういった形になるかは自分でもわからないし、明確にはなっていません。じつは、ファーストアルバムの『COLOR SANCTUARY』が、思いのほか自分で好きなアルバムになっているんです。自分の曲って、後学のためや自分のことをもっと知るために聞くことが多いんですが、『COLOR SANCTUARY』はどこかで流れていても自然と心地よく聴けるんですよね。それは、1枚を作り上げるために、どれだけ自分が力を注ぎこんだか、皆さんの力をどれほどお借りしたかという過程を経た達成感があったことと、本当に満足できる仕上がりになっていたからだと思います。でも、セカンドアルバムはそのときの満足に酔いしれることなく、新しい一面をお見せできるようにがんばります!

――そして、サードライブも気になります。
今井 えーっと(笑)。今井さんねー、体力があまりあるほうじゃないので、そんなに頻繁にやらなくてもいいんじゃないかって思っている節があるんです(笑)。とはいえ、セカンドライブが超楽しかったんです! 本当に楽しくて、音楽に包まれる喜びを感じていて。技術があればもっとうまくできたのかもしれませんが、今度発売されるBlu-rayやDVDのライブ映像(2011年8月31日発売予定)を観たときにステージ上の自分がとにかく楽しそうで。でも、音楽ってそういうことなんだなって、自分なんだけどまるで他人を見るようにして知りました(笑)。お客さんも本当に楽しんでくださっているのがよくわかる空間だったので、またやりたいなと思っています。

――クリスマス、バースデーと来たら……。
今井 でも、頻繁にライブをやっていると、出すばかりで吸収できるものがなくなっていくと思うので……。ってことをプロデューサーに言いたいですね(笑)。うちのプロデューサーは、わりと“ガンガンいこうぜ”で進みながら、ふとまわりを見ると「あれ? みんな棺桶に入っていたの?」と知るタイプなので(笑)。私は町のそばでずっとレベル上げをしているタイプなので、だからこそのバランスなのかもしれませんけど。……はっきり言ってしまえば、いずれサードライブがあると思います。内容はまだ決まっていませんが、目標は自分が楽しくて、来てくださった方がみんな笑顔で楽しくて。という、いい空間にできたらいいなって思っています。あとは、ライブでみんなで盛り上がれるガンガンノリノリ系の定番曲が生まれるといいなと思っています。


――それは楽しみですね!
今井 ただ、ライブの映像チェックをしたときに思ったんですが、みんなずーっとサイリュームを振ってくれているんですよ。すごいよね! 皆さんが楽しんでくださっているのは重々承知のうえで、みんなの身体も大事だから無理しないでねって思いました。あんなにがんばってくれているのを映像で初めて確認したんです。歌っているときもその姿は見ているんですが、改めて実感したというか、「みんな死んじゃう!」って。とくに私のライブは長かったので……(笑)。あ、でも私はトークが長いから、休憩になってるのか(笑)。ずっとみんなの振っている姿を見て心配になっちゃったんだよね。……そんな心配をしたくなるくらい、映像には観客が映っていますよ(笑)。驚くほどに!

――そうなんですね(笑)。
今井 『SSG』のリスナーさんもちらほら見えましたよ(笑)。

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――では、そろそろ冒頭で無茶振りされました、ファミ通ならではの切り口を……。インタビュー中に考えた結果、4つ浮かびました!
今井 おお。すごいじゃないですか。

――『SSG』らしく選択制です。1〜4番どれがいいですか?
今井 じゃあ、ラッキーナンバーの5で!

――……5番目の企画いまいちだったから、消して4択にしたのに!
今井 ごめん、ごめん(笑)。じゃあ、みよちゃんの3。

――お。では3番の企画。3番は“絵で『花の咲く場所』を描いてください”です。
今井 ……何言ってんの?(笑)

――(笑)。絵で描く『花の咲く場所』ですね。
今井 わかった。じゃあ、貸して?

――え。このメモ帳ですか?
今井 そう。(メモに絵を描きながら)ちなみにほかの企画は何があったんですか?

――『花の咲く場所』であいうえお作文とか、スタッフに逆インタビューとかですね。
今井 よかったー。あいうえお作文は苦手。……。

――……。
今井 ……。

――インタビューなのに無言ですよ!
今井 だって、絵描いてるんだもん!

――すみません……。
今井 これ、ファミ通じゃなくて、『SSG』ならではすぎる!

――(笑)。
今井 ……(5分経過)。(絵を指して)これ、自転してるイメージね。

――草、生やしてますね。
今井 (それから3分経過)できたー!

――おお! さすが、うまい! ありがとうございます。
今井 いえいえ、こちらこそ。

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▲というわけで、今井麻美さんに即興で描いていただいた“絵で描く『花の咲く場所』”です。ミュージックビデオの衣装を着た今井さんがいますね。

――というわけで、インタビューは締めに入ります。
今井 なんだこのインタビュー(笑)。

――(笑)。最後の質問の前に、ひとつ。『今井麻美のSSG Okinawa Stage』が非常に好評で、皆さんからのうれしい感想も届いておりますが、ちょっとあの収録を振り返ってみての感想をお願いします。
今井 いままで、声優だったり、歌だったり、ラジオのパーソナリティーだったりと、いろいろな活動をさせていただいて来ましたが、いわゆるバラエティーの仕事というのはあまり機会がなかったんですね。バラエティーに声をあてることはあっても、自分がカメラに追われながら何かをするというのはあまりなくて。それが、この『Okinawa Stage』でただただ沖縄を楽しんでいる姿を、カメラで追われているという初めての経験をしました。しかも業務用のカメラで!

――いつもの撮影より大きなカメラでしたね(笑)。
今井 こういう撮影って、いかに自分をさらけだせるかという面があるので、もっとさらけ出してよかったのにと思う部分がある反面、自分もここまでできるんだって思うところもあったんです。きっと10年前の自分だったらできなかったと思うんですよね。ずっとカメラを意識しちゃって、お堅い観光ビデオみたいになりかねなかったかなって。そういうところ、私は生真面目なので(笑)。それがとても開放的に、自由気ままにみんなといっしょに自然体で楽しめていたのは、スタッフとの信頼があってこそだなって思います。そういう声優や、歌い手としての姿ではない素の自分が観られる、ある意味唯一の素材になりましたね。スタジオと感覚は違うし、どんどんカメラに寄って行っちゃうし(笑)。

――ああ、『Okinawa Stage』の発売イベント(東京)で公開した未収録映像ですね。カメラマンに「近いですよ」と注意されても、どんどん近寄っちゃうという(笑)。
今井 そうそう(笑)。イベントでは「カメラが好きだから寄っちゃった」と言ってましたが、いま考えると違いますね。たぶん友だちと買い物している感覚だったんだと思います。私、けっこう耳が遠いので、みんなの声を聞くために「なになにー?」って、異様に近寄って行っちゃう傾向があって(笑)。そんな素の部分が出ているので、今井麻美を知るにはかなりお得な1枚かなって思います。

――買ってくださった方からは、「表情がすごく楽しそう」っていう感想が多かったですね。
今井 うん、だって楽しかったんですもん(笑)。あと、CDには書き下ろし曲の『海と空と君と』が入っているので、そちらも聴いてほしいですね。私の中でかなり大事な曲になっているので、いろいろなところでこれからも歌い続けていけたらいいなと思える一曲になりました。

――ありがとうございます! では、最後にファンの皆さんへメッセージをお願いします。
今井 今回で7枚目のシングル、いわゆるラッキーセブンということで、皆さんに愛されて、皆さんに幸福をもたらすようなシングルになったらいいなと思っています。正直、1曲目の『花の咲く場所』、2曲目の『Promised Land』、3曲目の『シャングリラ 〜ballad ver.〜』と、音ひとつひとつを繊細にこだわり続けて、これでもかと、いまできるすべてのこだわりを注ぎ込んだら、すっごい壮大な1枚になってしまって、とても動揺しています(笑)。でも、生楽器を使った演奏の醍醐味や、自分の強さ、ポジティブさ、チャレンジなど、いろいろなことを感じられて、手に取っていただいて絶対に損をさせない作品になりました。限定盤にはミュージックビデオを収録したDVDも付いておりますし、じつは中身のジャケットがリバーシブルになっていて、逆側に入れると違う雰囲気のジャケットになります。あと、「ジャケットと中の人、えらい雰囲気違うじゃねえかよ」っていう苦情は受け付けないぞ! それは言わないお約束!(笑) ということで、ぜひ本当に聞いてください!

――ありがとうございました! ……ちなみに、これは僕からじゃなくて、『SSG』リスナーの皆さんが聞きたい質問だと思うんですけど。
今井 なんでしょう?

――水着しゃしゅ……。
今井 噛んだ。

――噛みましたね……。
今井 ちゃんと噛んだ部分も使ってね。

――……で、水着写真集はいつですか!
今井 バッカじゃないの!

――ありがとうございました!

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取材・文章:世界三大三代川
photo:Daisuke Komori

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