サイバーコネクトツー渡辺雅央氏の“ゲーム業界特別講義”――ゲームクリエイターになる方法とは?

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2011年6月19日、東京コミュニケーションアート専門学校において、ゲーム業界を目指す学生を対象として、サイバーコネクトツー ゼネラルマネージャー渡辺雅央氏による特別講義が行われた。

●“ゲームクリエイターになる方法”とは?

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 2011年6月19日、東京コミュニケーションアート専門学校において、ゲーム業界を目指す学生を対象として、サイバーコネクトツーのゼネラルマネージャー・渡辺雅央(わたなべ まさお)氏による特別講義が行われた。具体的にゲーム業界への就職を希望している学生たちを対象としているだけあって、渡辺氏が語ったのは、「どうすればゲームクリエイターになれるのか」、「ゲームクリエイターになるために日々やるべきことは?」など、極めて実践的な内容となった。

●「しないといけないからやる」では通用しない!

 渡辺氏の自己紹介と、サイバーコネクトツーの紹介が行われた後、サイバーコネクトツーにおける採用までの過程が説明されるとともに、サイバーコネクトツー、ひいてはゲーム業界で求められる人材について説明された。渡辺氏は、「インターネットを検索しても、『ASURA’S WRATH (アスラズ ラース)』の作りかたは載っていません」という表現とともに、ゲーム制作は決まったやりかたや答えのない仕事であると説明。答えがなくても前に進むためには、「誰かに言われないと仕事ができない人にはできません。自分から能動的に動けないと」(渡辺氏)と、ゲームクリエイターに求められる資質について語った。さらに、ゲームクリエイターに向いている資質として、“ゲームが好きでたまらないこと”、“好奇心が旺盛であること”と説明。これらの資質は一朝一夕で身に付くものではなく、「毎日心の中で、こういう人間になるのだと強く思って、日々を送ることが重要です」(渡辺氏)と、つねに意識を高く持っておくことの大切さを説いた。

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 つぎに、過去にサイバーコネクトツーに応募され、合格した作品を例に挙げて、使われている技術などが細かく解説されていった。ここで渡辺氏が強調したのは、「自分は何ができるのか、将来どうしたいのか。それをしっかり作品で表現してほしい」ということだ。さらに、プロとして通用するだけのスキルを身に付けることは、センスだけでは不可能であり、毎日作品を作り続けることが必要であると説いた。ただし、「作らないといけないから作る、では無理です。好きだから、伝えたいから作り続ける。それができる人でなければ、ゲームクリエイターとしては通用しません」(渡辺氏)と、改めて、“好きでなければ通用しない”という、ゲームクリエイターの基本的な資質について語った。

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●渡辺少年がゲームクリエイターになれた理由

 続いて、渡辺氏がゲーム業界に入るまでの半生が語られた。すでに中学生のころからプログラムの勉強を開始していたという渡辺氏は、高校は情報処理科に入学。しかし、入学した初日に、先生の知識が自分より低いことを知って愕然としたという。そこで、自分で勉強するしかないと決意した渡辺氏だったが、同じクラスにゲームプログラムができる友人を発見し、いっしょにゲーム制作をするようになったのだそうだ。そして大学卒業後に福岡のとあるゲーム会社に就職。その後、『テイル コンチェルト』に衝撃を受けたのをきっかけにサイバーコネクトツーに入社し、いまにいたる、というわけだ。
 渡辺氏は、自身の経験を分析し、自分がゲームクリエイターになれた理由を、以下のようにまとめ、「どれが欠けても、ゲームクリエイターにはなれなかったと思います」(渡辺氏)と語った。
・あきらめなかったこと。しっかり勉強をしたこと
 周囲にムリだと言われても、「絶対にゲームクリエイターになれる」と信じて、努力を怠らなかったこと。また、入学した学校が理想的な環境になかったとしても、それで投げ出さずに、理想的な環境を自分で作っていったこと。人頼みではダメ。
・本気でゲーム業界を目指す友人がいたこと
 前述の、高校で出会った“友人”は、その後レベルファイブに入社し、いまでも定期的に旧交を温める仲なのだという。「本気で業界を目指している友人、本気で怒ってくれて、本気で自分を高めてくれる友人を作ることは、とても大切です」(渡辺氏)

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●つねに勉強し続けること、そこに喜びがある

 渡辺氏は最後に、「ゲームクリエイターになるには知識、技術を身に付けなければいけません。一年の大半を勉強に割り当てる必要があります」(渡辺氏)と強調した。渡辺氏自身、いまでも、分厚い専門書を読みながら寝てしまうことも珍しくないという。それでも、「キツイなんて思ったことはありません。自分の知識がどんどん増えていくこと。ゲームの定義が曖昧になり、どんどん可能性が広がりつつあるいま、この時代にいる喜びを強く感じます」と渡辺氏は言う。そして、日本のゲーム市場が縮小しつつあり、世界的にも売れなくなる状況について言及しつつも、「そんなことは知ったことではない。世界には、まだまだゲームを遊んでいない人のほうが多いんです。そこに目を向けましょう。その人たちに、僕たちのゲームを届けましょう。そのためには、皆さんの才能が必要です」(渡辺氏)と、未来のゲームクリエイターたちに力強く呼びかけた。なお、サイバーコネクトツーの東京スタジオでは、現時点で中途採用のスタッフを中心とした約30名が働いているが、本来は約60名のスタッフを配置できる体制があるという。そして今後は引き続き中途採用をしつつも、新卒採用のスタッフの拡充を大幅に強化していく予定だとのこと。ここまで渡辺氏が説明してきた通り、採用の基準はかなりきびしいようだが、ゲームクリエイターを目指している人は、挑戦してみてはいかがだろうか。

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 最後に、講演を終えた渡辺氏のコメントを紹介しよう。

――講演を終えての感想をお願いします。

渡辺氏 今回は高校生、専門1年生向けの第一部と、二年生向けの第二部とに分けて講演をしましたが、まず第一部は、すごく熱気があって、ゲーム業界に進むために必要なことは何なのか、必死で勉強しようとしているのが伝わってきました。第二部では、ある程度学んできて、自分たちなりの悩みもあって、ここからどうしたらいいのかを考えて来ている人たちだったようです。質問の内容や、講演に対する反応もよかったですね。

――きびしいこともおっしゃっていたようですが、反応はいかがでしたか?

渡辺氏 きびしいことを言われながらも、うなずいている人が多かったです。

――そこは、彼らも自覚しているということでしょうね。

渡辺氏 やはりどうしても、人間って甘えてしまうものです。どこかで誰かにきびしく言ってもらわないと、変われないんですよね。それは一日でも早いほうがいいです。きびしいと言っても、やれないことではないはずですから。

――でも、今日見せてくださった合格作品例って、ものすごくレベルが高いですよね。いきなりあれを目指すというのは、本当にきびしいですね。

渡辺氏 そうだと思います。でも、それを目指していかないと。たとえば弊社のタイトルと、他社さんのタイトルが同時に出たときに、負けていいはずがありません。そこで勝負するために、そして世界と戦うためには、あのレベルの作品が作れる仲間が必要なんです。いきなり高いレベルを見せられて、気後れしてしまったかもしれませんが、ここで「ちゃんとそこにたどりつくんだ」と思える人でないと、いざ勝負するときに、気持ちで負けてしまいます。ぜひ目標を高くもって、がんばってほしいですね。

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