黒夢:『バイオハザード ザ・マーセナリーズ 3D』【週刊ファミ通FACE完全版】

ゲーム ニンテンドー3DS
週刊ファミ通のニュースページ“エクスプレス”で不定期連載中の、ゲームに関連した著名人へのインタビューコーナー“FACE”。誌面スペースの都合などからカットした部分を網羅した完全版を、ファミ通.comでお届け。今回のゲストは、ロックバンドの黒夢です。

 週刊ファミ通のニュースページ“エクスプレス”で不定期連載中の、ゲームに関連した著名人へのインタビューコーナー“FACE”。誌面スペースの都合などからカットした部分を網羅した完全版を、ファミ通.comでお届け。今回のゲストは、ロックバンンドの黒夢です。

j_11thFeb2011_0005-00000

今週のお題
バイオハザード ザ・マーセナリーズ 3D
ニンテンドー3DS カプコン 6月2日発売 4800円[税込]

"ザ・マーセナリーズ"は、『バイオハザード3 LAST ESCAPE』で初登場した、本編クリアー後に登場するボーナスコンテンツのひとつ。本作は、この"ザ・マーセナリーズ"が、独立して1本の作品となったもの。立ちふさがる敵を倒しながら、制限時間内にできるだけ多くの得点を稼ぐことが基本ルールだ。

●新しいものに取り組む姿勢を感じ取ってほしい

-

──活動休止から約12年。活動を再開されてみていかがですか?
清春 楽しいですね。活動を停止して、お互い家庭を持った。環境も音楽シーンも変わって、そんな中、活動を再開した。CDを聴いてくれる人がいて、ライブをやれば人が集まってくれる。そんな状況になれてよかったねという、ほっこり感もある。

──なるほど。ここが変わったなと思うところはありますか?
清春 以前から上手かったですけど、格段に演奏能力が上がっていましたね。それこそ音楽に詳しくない人でも、すごいと感じられるレベル。あとは、大人になりました(笑)。お互いに「わかるでしょ?」みたいな感じで、昔は話せなかったことまで話せるようになったかな。
人時 じつは、もう1回いっしょにやろうという話が出たとき、即決してもよかったんですが、ちょっと考える時間がほしいなと思ったんです。でも、再始動するにあたって「こうしていきたい」という話を聞いたときに、自分の思い描いていたものとすごく通じるところがありました。変わったというか、そういうところが楽しいと感じますね。
清春 あと、こうやってふたりでいると、「ああ、黒夢なんだな」って思うようになりましたね。

──以前は、そう思えなかったと?
清春 ずっといっしょにやってきて、そしたら売れちゃってという感じだったから、ふたり揃って初めて黒夢になるということが、当時の僕にはわからなかった。さらに言うと、活動を休止してから10年くらいは、街中とかで「あ、黒夢だ」って言われるのも嫌だったんですよ。「俺、黒夢じゃないんだけど? もうやってないよ」みたいな。でもこうしてまたふたりで活動するようになって、"黒夢"という文字を見るようになった。すると、懐かしい記憶が甦ってきたりもして、「ふたり揃ったら、黒夢になるんだな」と。

──一度別れて、また集まったからこそ実感できたと。ところでCMソングのタイアップは、『少年』以来、黒夢として7度目ですね。
人時 はい。当時のタイアップっていうのは、メーカーもバンドも含めて必死にアピールをして、何が何でも取ってこいという感じだった。いまもそうだとは思うんですけど、今回はまったくそういうことがなかった。だから、そのままシングルで出すと思っていましたね。
清春 書き下ろしではなかったんですよ。
人時 それだけに、レコード会社の方から「朗報があります」と聞いたときはうれしかったです。『バイオハザード』シリーズというビッグネームとのタイアップということもありますし、書き下ろしではない『アロン』という曲が、そのままの状態で採用されたということが何よりもうれしいですよね。

──タイトルの"アロン"は、英語の"alone"から来ているのですか?
清春 そう、"ひとり"です。黒夢が『We are the world』みたいなこと歌ってもね(笑)。

──(笑)。"アロン"という言葉には、どういった思いが込められているのですか?
清春 あえて僕は、ひとりぼっちでいいんじゃないかなって。でも、ひとりぼっちだけど、ひとりと感じさせないような。人生の最後、自分の意識が遠ざかるときに、どれだけの人が自分のために泣いてくれるのか? それはそれで大事だと思うけど、僕はそのときに思う人がいるのかいないのかのほうが大事なんです。誰かを思う気持ちこそが、人生を生きたという証。僕らはまだ最期を迎えていないからわからないけど、そうありたいなと。
人時 歌詞を見たときにいろいろ考えたんですけど、ふだんひとりと感じている人もそうでない人も、「もしかしたらこうかな?」と深読みできる。歌詞に意味を幅広く持たせていて、聴く人によって感じかたが違うところがいいかなと思います。

──そういう思いが込められているんですね。では、曲全体で考えたときに、聴きどころというのはありますか?
人時 バックトラックのアレンジという要素では、すごく音の出し引きがはっきりしている。音が詰まっているところと、スッキリしているところの差があるということですね。これまでの黒夢にはなかったそういうところは、聴きどころだったりもします。
清春 僕たちは活動を再開して、新しいものに取り組んでいこうとしているんですね。もちろん歌詞は響いたらいいなと思いますけど、その姿勢を一番感じ取ってほしい。あと、CMソングではサビの部分が使われているんですけど、それ以外の部分が意外と『ザ・マーセナリーズ』に合うんですよ。

──と言うと、もうプレイされたんですね。
清春 プレイしましたよ。何で『バイオハザード』だと、死ぬのがあんなに怖いのか。映画と違ってゲームだから、その世界に参加できるというのはあるけど、リアルじゃないのに、ゲームだってわかっているのに怖い。焦燥感といい何か出てきそうな感じといい、15年に渡る『バイオハザード』の歴史の中で蓄積されてきた恐怖がこびりついているとしか。うちの奥さんは僕と違ってけっこうゲームをするんだけど、「『バイオ』は怖い」って言うんだよ。僕の曲のことは知らないのに、ゲームのことは知っているという(笑)。
人時 当たり前ですけど、3Dになった分、奥行きがリアルですよね。そのせいか、敵が突然飛び出してくる感じがすごい。ふつうに背後から襲ってきますし、何よりもあの目線が怖い。当事者というか、そこにいる人の目線にかなり近い状態で動けるので、怖さが際立つんですよ。僕はゲームが好きでハマり過ぎちゃうタイプなんで、時間があるとき以外はなるべく遠ざけて遠ざけてといった感じなんですが、ちょっとこれは考えちゃいますね。

──ぜひ、ライブの移動中などに(笑)。そう言えば先日、名古屋でのライブで『アロン』を歌われたそうですが。
人時 最後のコーラスのところとか、黒夢としては初なんでワクワク感がありました。大合唱すればいいのかどうかはわからないけど、それが上手いこといけばいいなっていう感じでしたね。
清春 いわゆるみんなでペンライトを持ってゆっくり振る感じって、これまでの黒夢ではけっこう避けていた部分なんだよね(笑)。でもなんか、みんながライブ会場に来て、ひとりぼっちだってみんなでいっしょに歌っている。想像したらいいなって思うし、今後『アロン』をリリースしてからライブでやったときにどうなるのか楽しみですね。でも、この先ライブでやってもみんなシレっとしていたらどうしようかな(笑)。

──(笑)。最後に今後の目標をお聞かせください。
清春 秋ぐらいに、12年振りのニューアルバムを出す予定です。お互いが離れていた時間を取り戻すのと同時に、その時間が意味のあるものだったんだって感じられるようなアルバムにしたいですね。それこそ、バンドをやっている人が聴いたら「俺らはここにはたどり着けない」って感じてしまうくらい、きっちり作り込みたいなと。
人時 アグレッシブなものはよりアグレッシブに、味が必要なものはより味を出していきたい。活動停止から12年経ってようやく、プレイヤーとしてやりたかったことを1枚のアルバムに出せるのかなと思えているので、いまの自分を出し尽くしてみたいですね。そして早く仕上げて、自分の車の中で爆音で聴きたい(笑)。

(C)2011 CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
※ニンテンドー3DSの3D映像は、同本体でしか見ることができません。画面写真は2D表示のものです。

この記事の関連URL

ソーシャルブックマーク

  • Yahoo!ブックマークに登録

評価の高いゲームソフト(みんなのクロスレビュー

※ ブログ・レビューの投稿はこちら!ブログの使い方

この記事の個別URL