稲船敬二氏がついに今後を語った! “ドンハン稲船の金ドブTIME!”リポート

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2011年4月4日、東京都日本橋のNIHONBASHI CAFESTで、ニコニコ生放送の番組“ドンハン稲船の金ドブTIME!”の公開生収録が行われた。ついに活動を活発化させた稲船氏の今後とは?

●comceptとintercept、ふたつの新会社で始動!

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 2011年4月4日、東京都日本橋のNIHONBASHI CAFESTで、ニコニコ生放送の番組“ドンハン稲船の金ドブTIME!”の公開生収録が行われた。稲船氏といえば、先日4月1日にcomceptとinterceptという自身が立ち上げた2社の公式サイトを公開したばかり。ついに活動を活発化させた稲船氏の今後とは?

 番組は『日経エンタテインメント!』編集委員の品田英雄氏の進行でスタート。ちなみにこのアグレッシブなタイトルは、番組名を決めるにあたって「中途半端なタイトルはだめだ、思い切ってやらなきゃ」と稲船氏が語ったところ、このアイデアが出てきたので採用せざるを得なかったとのこと。

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 カプコン退職後はつぎへと進むため、すぐに働いていたという稲船氏。「会社は割と簡単にできちゃうみたいですね」と冗談めかしていたが、comceptの設立は公式サイトによると2010年12月1日となっており、相当にスピーディーだ。

 さて、気になるのは2社の住み分け。どうも、会社のコンセプトのコアとなるのはcomceptのようで(ややこしくて申し訳ない)、稲船氏の肩書きは、どちらの公式サイトでも“CEO/コンセプター”になっている。稲船氏いわく、コンセプターとは「コンセプトを考えて育てていく、ただひとりの役職」で、通常のゲーム会社にあるディレクターやプロデューサーといった役職の人は別にいるのだとか。

 interceptを一般に言うデベロッパー的な会社と位置づける一方、comceptは「ゲーム業界になかなかない形」と表現。ゲームだけでなく、本や映像なども含めた、幅広いエンターテインメント分野におけるコンテンツのコンセプトを考える会社であると定義した。もしゲームを作るのであれば、comceptで考えたコンセプトをベースに、interceptで実際の開発を行うという形になる。ちなみにネーミングは、comceptが「デジタル時代のコンセプトを生み出したい」との思いから“computer+concept”の造語で、intercepterは「あんなかっこよさを追求したい」と思う、映画『マッドマックス』で主人公が乗るマシン“インターセプター”から。

 スタッフは現在両社合わせて20人前後だが、部下が900人いたカプコン時代よりも、スタッフや個々の案件と近い距離で接することができ、スムーズで「距離感が楽しい」という。「でも給料が大変」と語ったところで、早い段階で何かリリースするのではないかと品田氏にツッコまれると、「そうですね」とコメント。より好みせず、まずは小さい作品からでも速いスピードで手掛けていきたいとの意向を示した。

 人材募集は大々的に募集していないものの行っており、一緒に苦労をしたい人はまずメールで問い合せてみてほしいとのこと。ちなみに「稲船と一緒にやりたいのが一番」で、面接時はしっかりと自分の意見を言えることを重要視しているそうだ。

●ソーシャルゲームは「認めなければいけない」

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 ソーシャルゲームへの言及が多かったのも興味深い点だ。観覧者からこれから手掛けたいゲームジャンルを問われると、「不得意なことをやってもしかたがないので」との理由で、まずはアクションゲームと答えながらも、コメントでソーシャルゲームを忌避する意見を見つけると、それはそれで「やってみたい」と反応。というのも、ヒットしているソーシャルゲームは、少なくとも“いかにお金を払わせるか”という「ゲーム性」(稲船氏)においてはいいゲームなのであり、あくまでコンソール(家庭用ゲーム)の世界でそれをゲーム性と認めてこなかっただけであって、固定観念に縛られずに、「なんだこれ」と言いながらも気がつくとお金を遣っていること、なんだかんだで何百万人もの人が集まっていることは認めなければいけないと語っていた。

 視聴者からの質問で、最近衝撃を受けたりハマったゲームについて聞かれた際も、「いまは、いいゲームや凄いゲームはいっぱい出てきている」が、あくまで従来のゲームの延長として「すごくよくできている」類のものが大半で、「バイオハザードが出てきたときのような衝撃はない」と語る一方で、ハードコア寄りのゲーマーがソーシャルゲームに対して「ショボいゲームにはお金を払いたくない」と言うのには同意しつつも、その存在そのものに衝撃を受けていると評価。

 つまりこれは、ソーシャルゲームのコンセプトへの評価だ。それに、記者のようなハードコアゲーム至上主義者でも「グラフィックがきれいでもゲーム性がショボイゲームはある。これは金ドブ(金をドブに捨てるの略)じゃないですか」と言われると納得する部分もある。このグラフィックという点において、稲船氏はファミコン時代を振り返る。ハード的な制約によりドットでキャラクターを表現しながらも、プレイヤーは壮大な冒険を想像していたではないかというのだ。「マスクをしていると美人に見える。こうあってほしいように補完しているんですよ」と、独特の例をまじえながら、人間の補完能力はすごい、もっとゲームメーカーはこれを利用すべきだと主張。当時のようにアイデアで勝負するようなゲームを本気でやってみたいとして「多分出るんじゃないですか? そのうち」との発言も飛び出た。

●ゲーム業界の現状分析なども

 日本のゲーム業界については、視聴者からの、閉塞感があり、コンテンツの飽和で迷走しているのではないかという投稿に「同感です」と即答。その状況を打破するためには何をしなければいけないのか、あるいはどう守るのか、経営者もゲームクリエイターも考えなければいけないと語っていた。それでも、「日本人はクリエイティブの能力は本当に優れている」のが強みで、もっと自信を持って、いろんな国の人たちと協力してゲームを作っていけば、世界に「勝てない」と言わせることができるはずだ、失敗しないために無難にやろうとして能力を出し惜しむべきではないとの考えを示した。

 そのほか、ソニー・コンピュータエンタテインメントの次世代携帯型エンタテインメントシステム(コードネーム:NGP)についても言及。第一印象を「おもしろい戦いができそうな匂いがするハード」と語り、これまで携帯ゲーム機を据え置き機の「サブ機のイメージ」があったと述べたうえで、NGPはメインとして使える「コアゲーマーが反応しそう」なハードになりそうだと評価していた。

 ラストの、視聴者から集めた人生の選択についてアドバイスするコーナー“ぼくとわたしの、どんな判断?”では、稲船氏の哲学とも呼ぶべきものが語られた。番組名同様、思いきり過去の発言をもじったコーナー名だが、内容はいたって真面目。2年連続営業成績1位をあげたものの昇進がなく、転職すべきか悩んでいる投稿に対して「2年で判断しちゃいけない。上司を抜き続けろ」、「5年やってみて変わらなかったらそこで転職すべき」とリアルなアドバイス。

 アニメに20万円つぎ込んだ人からの、趣味にお金を突っ込むのはどうですかという質問には、質問者が後悔していないのがいいとして満点を提示。稲船氏も革ジャンに相当つぎ込んだようだ。品田氏に後悔はしないのかと問われ、どっちを選んだって後悔はするが、起こらなかったこと(選ばなかった選択肢)は比較できないのだから後悔する必要はない、決めた時点で後悔しないとつねに思えば判断が鈍くならないし、即決することでゲーム制作も早くなる。失敗も成功もあるが、それはつぎに繋げていけばいいと熱く語っていた。関連する発言としては「成功したいことと、失敗したくないのは別」だとして、「僕は失敗を恐れるよりも、成功という喜びを得たい」というものもあった。

 番組の最後では、予想していたよりも反応が好意的だったことを受け、「レギュラー化したいと思わせてくれた」との感想を語った。今後の告知については「いっぱいある」としつつも、まだ公開できないようで、もうちょっと待つといろいろあるとのこと。どんなコンセプト、どんなゲームが飛び出てくるのか? 動きだした稲船氏の動向に注目だ。

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