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カプコン・竹内潤氏に聞く2011年の展望と戦略  「夏までに2回は驚かせます!!」

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週刊ファミ通2月10・17日合併号の巻頭ページに掲載した、カプコンの竹内潤氏へのインタビュー。今後のカプコンの戦略が垣間見えるこの記事を、全文掲載する!

●日本は負けていない!

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 カプコンの執行役員CS開発副統括兼大阪制作部部長として、ソフト開発現場を取り仕切る立場になった竹内潤にインタビューを敢行。2010年を振り返ってもらうとともに、2011年以降の戦略を聞いた。

◆◆◆

−−2010年は非常に多くの作品がリリースされましたね。
竹内 会社の立場で言えば、上々の1年だったと思います。新しいチャレンジもできましたし、定番商品をしっかりと売ることもできた。そういう意味で、うまく両輪が噛み合った年だったな、と。じつは2008年あたりからいろいろな仕込みをしていたんですが、結果を見ると2010年は、そのひとつの正解が見えてきた年だなと感じています。
−−正解、というのは、ゲームの作りかただとか売れ行きだとか、全般的な部分で?
竹内 はい。ソフト産業に対する、カプコンなりの考えかたを示せたと思います。どうしても『モンスターハンターポータブル 3rd』に耳目が集まる形になりましたけど、その一方で海外向けの戦略を実行しました。そして、国内でも新規のタイトルとして『ゴースト トリック』などを出せましたし、モバイルにも楔を打てた。そういう意味で、ある程度の存在感は示せたんじゃないかなと思いますね。
−−新規のタイトルがいくつも立ち上がったことは、2010年のカプコンを語る上での大きなトピックのひとつですよね。『ゴースト トリック』に『ラストランカー』……。
竹内 加えて、『モンスターハンター』が初のスピンオフ作品『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』で新しい道筋を作りました。でもうまくいかなかったこともありますので、"成果"と"問題"の両方が出てきた感じです。
−−とくに、2010年は積極的に見えました。
竹内 積極的でしたね。僕はずっと"三弾撃ち"って言っていたんですけど、『ロストプラネット』、『デッドライジング』の1作目のときに開発エンジンとか作りかたを次世代機……いまのプレイステーション3、Xbox 360のことですけど、ここに合わせていこうという方針にしたんです。その後に『デビル メイ クライ4』を作ることによってある程度の種蒔きをし、『バイオハザード5』でしっかりと、その制作手法の刈り取りをしました。3年かけての三弾撃ちだったわけです。これがしっかりとした成果につながりました。
−−なるほど。
竹内 そしてここから、つぎの三弾が始まると考えたんです。その1発目は『ロストプラネット』、『デッドライジング』の続編っていう形になりましたけど、ホップ・ステップ・ジャンプの"ホップ"のときって挑戦的な1本がどうしても欲しい。ということで、オリジナル作品を投入していくことにしたんです。
−−ああ、わかりやすいですね。
竹内 僕らはずっと「グローバル戦略をとります」というメッセージを発信してきたじゃないですか。でもこれが、「カプコンは海外に向かっている」っていうふうに曲解されてしまうようになったんですね。同業他社の方だけじゃなく、ユーザーにも。でも、そうじゃないんです。"グローバル"には北米があり、ヨーロッパがあり、日本もある。ところが欧米へ軸足を移していると取られがちだったので、これは払拭しなければいけないなと。そこで『ラストランカー』や『アイルー村』のような、日本市場に即した作品をユーザーさんへの"メッセージ"として企画したんです。
−−一方で、海外のデベロッパーとも積極的に関わられていますね。
竹内 はい。開発力のあるところとはグローバルにお付き合いしていきたいですね。
−−しかし、近年は海外の開発会社のレベルが向上し、日本は水を開けられてきたのでは……と見る向きもありますが?
竹内 やっぱり海外と頻繁にやり取りをしているので、そう感じることもあります。英国の開発会社、Ninja Theoryが制作を進める『DmC デビル メイ クライ』は順調に開発が進行しているんですけど、やっぱり作りかたを見ていると、僕らでは発想できない角度からアプローチしたりしているので、驚くことがありますね。
−−ああ、そうなんですか。
竹内 でもよく、海外のオープンワールドのゲームを見て日本の開発者が「あれは日本じゃ作れない」という話をされることがありますけど、そんなことはないですよ。作れます
−−おお! 力強い!
竹内 海外デベロッパーも、100点満点の作りかたをしているわけじゃないですからね。なので、彼らよりもうまく作る方法は日本の開発者なら見つけられると思います。開発者の能力の平均値は、日本は決して海外に負けていないですから。

●とんちの効いたハード

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−−お話を伺っていると、数年をかけて種を蒔いてきて、そこから芽が出てくるのが2011年……という感じがしますね。
竹内 そうですね。2011年は、2011年以降へ向けた"弾込めの時期"です。
−−弾込め、ですか。
竹内 新しいハードの登場や、スマートフォンの市場もどんどん大きくなる、と言われています。でもどれも、確定した道にはなっていないじゃないですか? いまウチが積極的にアプローチしても、得られる結果は非常に流動的で不確かだと思うんです。そこも鑑みて、来るつぎの"戦国時代"へ向けて、先を見た投資をしておこうかなと。
−−と言いつつ、2011年もたくさんのソフトがラインアップされていますが(笑)。
竹内 そうなんです(笑)。まずは、ニンテンドー3DSですね。ロンチ(立ち上げ)に合わせて『スーパーストリートファイターIV 3D EDITION』を投入します。ロンチタイトルってこれまで、そのハードの性能を50%くらいしか使えていないものが多かったと思うんですけど、今回はいきなり、80〜90%くらいを使い切った形で出せます
−−それはすごいですね!
竹内 「据え置きゲーム機と携帯ゲーム機の差って何!?」って驚くくらいのグラフィックになっていると思います。
−−そんなニンテンドー3DSは、開発者の目から見ていかがですか?
竹内 使いかたをちゃんと理解して工夫すれば、すごいことができるハードだと思います。
−−へぇ〜!
竹内 ただ、これまでの携帯ゲーム機と同じ感覚で触ろうとすると苦労するでしょうね。
−−それは、3D立体視の部分で?
竹内 そこだけではなく。実際に触ったとき、「なかなかに"とんちの効いたハード"を作らはったな」と思いましたから(笑)。
−−それは興味深い……。
竹内 非常におもしろいハードですね。グラフィックの面でも、ハードを理解していれば驚くようなものが作れますから。たとえば、小島秀夫監督のところの『メタルギア ソリッド スネークイーター』のデモは、抜きん出ていたじゃないですか。それを見て思いましたよ。「さすが、わかってらっしゃる!」って。
−−カプコンさんも、本気で臨まれると。
竹内 はい、もちろんです。まずは、『スーパーストリートファイターIV 3D EDITION』の完成度を見てみてください。

●驚いていただきます!

−−既存のシリーズはいかがですか? 『モンスターハンターポータブル 3rd』が驚異的なヒットを飛ばしていますけど。
竹内 『モンハン』のチームって、すごく真面目なんです。1作目からお客さんの意見をコツコツと積んでいって、いまに至っているんですよね。それがいい形でユーザーの支持を得ているので、僕らまわりの人間もみんな喜んでいるんです。制作者とユーザーが手を携えて育てたタイトルなので、カプコンのヒット作の中でも特筆してありがたいです。
−−では、ほかのタイトルは?
竹内 じつは、まだアナウンスしていない2011年向けのタイトルもあるんです。
−−お! 本当ですか!
竹内 はい。しかも、オリジナルタイトル。さらに……大型です!!
−−おおお……。
竹内 「この時期に何しとんねんカプコン! アホちゃう?」と思っていただけるかと(笑)。
−−それは、いろいろな意味で楽しみですね。
竹内 「こういうことをやっていかないと先がない!」と考え、捻り出したタイトルです。それと……あのですね、夏までに確実に2回は、驚かすことができると思います!
−−ええええ!!
竹内 ヒントは、ひとつは「おお、こういうものを作ってくるんだ」って感じで、もうひとつは「そんなことするんだ!!」って感じ。
−−……さっぱりわかりませんよ!!
竹内 とにかく、ご期待ください(笑)。

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●コンテンツからサービスへ

−−お話を聞いて、まったくもって弾込めだけじゃないことがわかりました。
竹内 あはは。しかも、ほかにもたくさん仕込んでありますからね。弾はたくさんあります。2010年を振り返って、新しいものを作りながらいろいろな整理もしているんです。
−−クラッシュ&ビルドをされていると。
竹内 はい。開発者にとっては、すごく健全な状態だなって思います。
−−この、数年に一度の端境期って、作り手からしたら楽しい時間なんじゃないですか?
竹内 楽しい反面、客観的にマーケットだけを見たら開発者にとってはきびしい時期でもあると思います。
−−それは、どんな理由から?
竹内 何に投資したらいいのかが、見えないからです。現行機なのか、新ハードなのか、それともモバイルやソーシャルなのか。まだ解答を誰も持っていないですから。でも個人的には、解答を得ようとすること自体が間違いだとも思う。これら全部を飲み込んでマーケットの中で消化できないと、つぎがないので。「この成功に乗っかりたい」という考えでは、しっかりとした土壌にはなりませんから。
−−このまま、多士済々の時代になっていくと、ユーザーはどの機器をメインで遊べばいいのか、迷いが出てきそうです。
竹内 そうだと思います。なので僕はスタッフに、2011年のキーワードとして"コンテンツからサービスへ"という言葉を発信しているんです。これまではコンテンツとしてディスク1枚を売るだけでしたけど、ゲームというソフトを作って、そこから得られる体験をサービスと見立てていこう、という考えかたですね。これを何で味わってもらうかはお客さんの好きでいいんです。
――なるほど……。先が読めない時代ですけど、立ち回りかたによっては存在感を示すことができそうですね。
竹内 その通りですね。マーケットが大きく変わる胎動が2010年からありましたけど、2011年は本当に、巨大なうねりが来ると思います。その中でカプコンがどのように打って出るのか? ぜひ期待して見ていてください。

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▲「どこで何を発表するかわからないので、すべてのイベントに目を光らせておいてください(笑)」と竹内氏は語る。

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