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『キングダム ハーツ 3D [ドリーム ドロップ ディスタンス]』開発スタッフインタビュー――【完全版その4】
ゲーム ニンテンドー3DS●『キングダム ハーツIII』を見据えた開発
こちらの記事で紹介している通り、ソラとリクが主役を務めるシリーズ最新作、『キングダム ハーツ 3D [ドリーム ドロップ ディスタンス]』。『キングダム ハーツ』シリーズは、毎回アクションやシステムに趣向が凝らされているだけに、今回はどのようなコンセプトで開発されているのか気になるところ。そこで、シリーズの生みの親である野村哲也氏に、現段階で公表できるアレコレを、根掘り葉掘り聞いてみた。そもそも、この謎めいたタイトルの正しい読みかたとは!?
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■野村哲也 |
●『キングダム ハーツ』シリーズの進化の方向性が見える『3D』
――タイトルが正式発表されました。読みかたは、“キングダム ハーツ 3D(スリーディー) ドリーム ドロップ ディスタンス”ですか?
野村哲也(以下、野村) いえ、“キングダム ハーツ ドリーム ドロップ ディスタンス”です。サブタイトルの部分を略して、 “キングダム ハーツ 3D(スリーディー)”と呼んでいただいてもいいと思います。
――“ドリーム ドロップ ディスタンス”というサブタイトルが意味深です。これはどういう意味なのでしょうか?
野村 “夢に落ちる距離”というイメージです。英語の文法としては正しくないのですが、響きを重視して付けました。なかでも“ドロップ”という単語は、システムにも関わってきます。また、3つの単語の組み合わせで、色々な意味を持ちます。
――公開されたトレーラーは、従来の『キングダム ハーツ』(以下、『KH』)シリーズにないようなアクションが盛りだくさんの内容になっていましたね。
野村 『KH』シリーズをベースに、『ファイナルファンタジー』(以下、『FF』)らしく進化させたものが『ヴェルサスXIII』で、『KH』らしさをさらに進化させたものが『KH3D』になります。『ヴェルサスXIII』は“『FFXIII』の対を成す存在”ではありますが、システムとして対になるのは、『KH3D』を始めとする今後の『KH』シリーズです。どちらも根幹のシステムは似ていますが、『ヴェルサスXIII』では『KH3D』の宙を舞うような大ジャンプやポールで回転するようなアクションはありませんし、ふたつの進化の形は大きく違うんです。こういった派手で大胆なアクションが、『KH』らしい気持ちよさ、楽しさを含んだ進化の方向性を示すもので、『KHIII』を見据えた未来像が垣間見えるものになっています。
――なるほど。では、『KH3D』のコンセプトについて教えてください。
野村 いまお話した“大胆なアクション”がコンセプトです。『KH』シリーズでは、ナンバリングタイトルが2作品出ていますが、そちらは正統な進化を行うべきなので、ナンバーのない作品は大胆で挑戦的なことを、と考えています。とくに『3D』は『KH バース バイ スリープ』(以下、『BbS』)以上に割り切った大胆なものにする予定です。『KHIII』を念頭に置いた進化ですので、これを遊んでいただければ、『KHIII』がどのように進化するかがわかるかもしれません。
――ソラの挙動を見ると、『KHII』のフォームチェンジ時のアクションに似ている部分があったようにも見えました。
野村 そうですね。フォームチェンジのようなダイナミックなアクションを、通常のアクションでも味わえるようにしたいと考えています。
――ソラがポールの周囲を回転したり、リクが壁から壁へジャンプしたりとさまざまなアクションがありましたが、操作は難しくないのでしょうか?
野村 現在は壁ジャンプの判定がシビアで、そのプログラムを組んだ担当者にしかできないという難しい状態になっているのですが(笑)。まだ調整中ですので、最終的には遊びやすくなるように仕上げますよ。
●突如切り換わるソラとリクの操作
――以前、今回の物語でソラとリクのマスター承認試験が描かれると伺いましたが?
野村 全編にわたって試験が描かれるわけではありませんが、試験の部分もあります。
――ソラとリクの切り換えはどのように行うのでしょうか?
野村 プレイ中に強制的に切り換わります。街を歩いているときでもバトルの途中でも、状況に関わらず、突如切り換わるシステムになっています。ロクサスとソラなど、従来は物語の区切りに合わせて操作するキャラクターが変わりましたが、今回は物語の進行度とは関係しません。
――それは今回加わった“ドロップゲージ”に関わってくるものですか?
野村 どうでしょう(笑)。このゲージにもいろいろ秘密があります。キャラクターの切り換えは、つねにカウントダウンイベントが起きているようなものと考えてもらえると、わかりやすいかもしれません。
――そのようなシステムにしようと思った理由が気になります。
野村 いちばんの理由は“驚き”ですね。予定調和で「ここまで来れば切り換わる」という安心感を奪うことで、スリルが生まれるんです。もっと続けたい、もう切り換えたいという欲求に対して、突然操作キャラクターが変わる。となれば、いかに自分の思惑通りに進めるかという、個人ごとで攻略法を考える楽しみが生まれると思ったんです。
――なるほど。攻略のしがいがありそうです。ところで、ソラとリクは、ふたりとも同じ場所を目指しているのでしょうか?
野村 いえ、ふたりとも物語の展開が違いますし、戦うボスも違います。じつはふたりはアクションだけでなく、操作方法も違うんです。まだお見せしていない新システムが関係するのですが……『KH チェイン オブ メモリーズ』でソラはカードデッキを自由に組めたのに対し、リクは決まったデッキを使って戦ったような違いがありましたが、今回もそれくらいの違いがあります。
――たとえば、ソラのアクションが得意な人は、ソラだけで進んでいくこともできるのでしょうか?
野村 システムの理論上は可能ですが、ほぼ不可能です。
――ソラとリクで、訪れるワールドが違ったりは……?
野村 訪れるワールドは同じです。ただ、ふたりは違う場所にいるので、訪れる順番が異なります。ふたりはつねにすれ違っている状態で、今回の映像のようにふたりが同じ場所にいることは珍しいですね。
――新しいワールドにも、行くことができるんですよね。
野村 数はまだ言えないのですが、もちろん、新しいディズニーのワールドをご用意しています。目新しいものになると思いますよ。
――トレーラーで、鐘が並んでいる場所から風船の飛ぶ広場へ落ちるシーンがありましたが、あれは『ノートルダムの鐘』のワールドですか?
野村 詳細は続報をお待ちいただきたいのですが、以前から出してほしいという要望の多かったワールドです。今回の“大胆なアクション”というコンセプトにも合う仕掛けが可能だと思っています。
――風船が飛んでいる広場は、3Dでの演出が効果的に使えそうですね。今回、3Dを意識した演出は積極的に取り入れているのでしょうか?
野村 あれは3Dを意識したわけではなく、広場で風船が飛ぶシーンが原作にあったので、それを入れてもらっただけなんです。3Dでの演出はある程度計算して入れる予定ではありますが、わざとらしい演出を入れることはしません。ニンテンドー3DSの3Dは、飛び出すというよりは奥行きがあるという印象ですので、それを活かしたものとして、今回の“ドロップ”……“落下”というキーワードがあります。
――発表当時から、たくさんのソラが落下してくるシーンを公開されていましたね。
野村 落下するソラが“ドロップ”を表し、それを“ドリーム”というキーワードに合わせてたくさん出しています。あれは夢というわけではなく、作品を象徴するイメージ映像です。
――今回、映像のほかに、ソラとリクがキーブレードを手にして立っているイメージCGが公開されています。これはどのようなイメージのビジュアルなのでしょうか? 野村さんの描かれるイラストなどの公表は?
野村 ディズニーアニメのパッケージを意識したものですね。イラストは、今回は第1報ということで、まだ専用のものは描いていません。まだ検討中の段階ではあるのですが、ソラとリクの服のデザインを変えようというアイデアも出ていますし……。
――それはなぜでしょう? 『KH』当時の姿でソラやリクが登場するのは、物語上必然というお話でしたよね。
野村 『KH Re:コーデッド』もそうでしたが、同じ衣装だと従来作のリメイクと思われる方もいらっしゃるみたいです。でも、おっしゃった通り、ソラやリクがこの恰好で登場する必要もある。ですので、冒頭はこの姿で出てきて、途中で着替えるという流れも考えています。
――新しい衣装が実現するなら、それも楽しみのひとつになりますね。では、最後にファンの方々へメッセージを。
野村 『KH3D』は鋭意開発中ですが、まだ発売時期をお伝えする段階にはないので、まずは『BbS ファイナル ミックス』や『ディシディア デュオデシム FF』などのタイトルにご注目いただければと思います。さらに、まだ今回発表していないタイトルもありますので、楽しみにお待ちください。
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メーカー | スクウェア・エニックス |
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対応機種 |
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発売日 | 未定 |
価格 | 未定 |
ジャンル | RPG(ロールプレイング) |
備考 | ディレクター:野村哲也、Co.ディレクター:安江泰、プロデューサー:西理江、エグゼクティブプロデューサー:橋本真司 |
※画面は開発中のものです。
※ニンテンドー3DSの3D映像は本体でしかご覧いただけません。画面写真は2D表示のものです。
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