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『ファイナルファンタジー零式』開発スタッフインタビュー【完全版その2】

ゲーム PSP
“SQUARE ENIX 1st Production Department Premiere”でタイトルの変更が発表された『ファイナルファンタジー零式』(読みは“レイシキ”)。週刊ファミ通2011年2月10・17日合併号(2011年1月27日発売)のスクウェア・エニックス 第1制作部のタイトル群開発スタッフインタビューで割愛した要素も加え、プロデューサーを務める北瀬佳範氏とディレクターの田畑端氏のインタビュー完全版をお届け。※【完全版その1】は『FFXIII-2』。

●ハードな戦記ドラマが幕を開ける

 本作は『ファイナルファンタジー アギトXIII』(以下、『FF アギトXIII』)という名称で発表され、携帯電話からPSP(プレイステーション・ポータブル)にプラットフォームを移行した後、この度『FF零式』と改題された作品。この謎多きタイトルがついにヴェールを脱ぎ、物語やシステムが、おぼろげながら見えてきた。作品についての紹介はこちらの記事を参照してもらうとして、さっそく、週刊ファミ通2011年2月10・17日合併号(2011年1月27日発売)で掲載されたスクウェア・エニックス 第1制作部のタイトル群開発スタッフインタビューで割愛した要素も加えた【完全版その2】をお届けしていこう。

 なお、『ファイナルファンタジーXIII-2』のインタビューを掲載した【完全版その1】はこちら

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■北瀬佳範(左)
『FFXIII』、『XIII-2』、『FF零式』のプロデューサー。『FF』シリーズには『V』から携わり、『VI』〜『VIII』ではディレクターを務めた。
■田畑端(右)
『FF零式』ディレクター。『クライシス コア FFVII』、『ザ・サード バースデイ』なども担当。携帯電話用アプリも複数手掛ける。

●『零式』というタイトルに変更した理由とは?

――『FF アギトXIII』から『FF零式』へのタイトル変更には驚かされました。

北瀬佳範(以下、北瀬) 『FF アギトXIII』を発表したのはもう5年も前になりますが、そのときは携帯電話用として開発していました。しかしプラットフォームがPSP(プレイステーション・ポータブル)に変更になり、独特の世界観と特徴的なマルチプレイ要素を備えた、ハイクオリティーな大作タイトルに成長しましたので、『XIII』というシリーズから独立させることにしました。リスタートさせるにあたり、名称も変更することにしたんです。

――独立ということは、続編の可能性も?

北瀬 それはまだ気が早いですが、もちろん、このタイトルを大切に育てたいと思っています。

――なるほど。では、なぜ『零式』という、漢字のタイトルを付けたのですか?

北瀬 この作品は決して『FF』ナンバリングに連なるタイトルではありません。ただ、『FF』のナンバリングタイトルに匹敵する、新たなシリーズのスタートという意味を込めています。裏ナンバリングタイトルというイメージです。作品中に“朱雀”や“白虎”といった漢字がよく出てくることや、戦記ものであることも加味し、『零式』としました。

――タイトルが変わって、ロゴも少し変わったようですね。

北瀬 作品のテイストに合わせて、ちょっと色味が赤くなりましたね。

田畑端(以下、田畑) ちなみに、ロゴの漢字は直良(※『FF零式』のアートディレクターを務める直良有祐氏)の直筆ですよ。

北瀬 このあいだ、「直良が自分で書くの?」と言ったら、「『FFVII』の“神羅”も自分で書きましたよ」と怒られちゃいました(笑)。

――アートディレクター直筆だったんですね! ところで、“アギト”という言葉は、タイトルからはなくなりましたが、ナレーションでは「アギト待つ世界」と言っていましたよね。これはどういう意味ですか?

田畑 クリスタルの神話の中に、“フィニス”という滅びと、“アギト”という救いが登場する伝承があるんです。ナレーションでは“アギト待つ世界”と言っていますが、これは“救世主を待っている世界”という意味ですね。

――では、『零式』では、その伝承をテーマにした物語が展開する?

田畑 物語は、“エトロの血から生まれた人間”をフォーカスしています。人間の人生に、神々の節理がどう関わるのか。それは歴史の視点から見るとどう映るのか、というところですね。つまり戦記ドラマです。

02
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▲『FF零式』の内容に関して、自信を見せる北瀬氏と田畑氏。骨太なアクションを期待できそうだ。

●12人で挑むミッションと、3分間だけ協力できるマルチプレイ

――メインビジュアルには“マキナ”と“レム”というキャラクターが描かれていますが、このふたりと主人公たちは、どういう関係なのでしょうか。

田畑 マキナとレムは、主人公たちとともに戦う仲間です。パーティーメンバーとして登場します。歴史の観点から見ると、物語の主人公はこのふたりなんです。でも、実際のゲームでは、最初から発表されている12人の訓練生が主人公になります。

――12人から、誰かひとりを主人公として選ぶわけではない?

田畑 全員が主人公です。任地に全員で向かい、そこから戦闘に出るキャラクターを3人まで選ぶことになります。

――ミッションは、その3人を使って進めていくことになるのですか?

田畑 誰かが倒れると、控えのメンバーからキャラクターを補充できます。12人全員が倒れると作戦失敗。逆を言えば、誰かひとりでも生き残っている限り、作戦は続けられるということです。ここで、ほかのユーザーに助けてもらうことができるのが『零式』の特徴です。

――マルチプレイということでしょうか?

田畑 控えのキャラクターからパーティーメンバーを補充するのと同じ感覚で、ほかのユーザーのキャラクターに入ってもらうことができます。マルチプレイのキャラクターは、3分経つと"任務終了"となって消えてしまいますが、また別の人に入ってもらうこともできます。

――ウルトラマンみたいですね(笑)。任務を手助けした側には、何かメリットがあるのでしょうか?

田畑 3分間でどれだけホストプレイヤーを手助けできたかによって、ボーナスがもらえます。

――従来のマルチプレイとは、少し概念が違いますね。手軽に楽しめそうな印象です。

田畑 シングルプレイをより楽しむためのマルチプレイです。みんなで集まって遊ぶのではなく、そのときだけ参加してもらうのもそのためです。『ビフォア クライシス -FFVII-』(※携帯電話用アプリ。田畑氏がディレクターを務めている)で、通信機能を使ってほかのユーザーに助けてもらえるシステムがありましたが、それをリアルタイムバトルに落とし込んだものをイメージしてもらえれば、わかりやすいかと思います。

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▲本作のイメージビジュアル。主人公たちとともに戦う、マキナとレムが描かれている。

●魔法のカスタマイズと、犠牲を伴う召喚

――キャラクターは経験値によってレベルアップするシステムですか?

田畑 はい。そのほかに、アビリティやアクセサリで強化もできます。ポイントになるのは、魔法のカスタマイズですね。

――ファイアをファイラに強化する、というイメージですか?

田畑 いえ、違います。まず、ファイアは、ボタンを長押しして詠唱を継続していると、ファイラやファイガになるという性質を持っています。ファイアを改良していくと、ファイラになるまでの時間が短くなったり、発射速度や威力が変わったりするんです。

――では、今回公開された画面にある“ファイアST”や“サンダーMW”というのは……。

田畑 まだ開発中のものではありますが、カスタマイズした魔法の名前ですね。この世界での魔法は兵器として運用されているので、銃のようなものです。ガンガン撃っていくことになります。

――なるほど。でも、それを12人分も育てるのはたいへんそうですね。

田畑 だからマルチプレイで助けてもらうんです(笑)。人によっては、どうしても操作するのが苦手なキャラクターがいて、使い込むキャラクターも偏ると思いますしね。

――今回のPVでは召喚獣も登場しましたが、本作における召喚獣は、どういう存在ですか?

田畑 『零式』の世界の召喚獣は唯一の存在ではなく、何体もいます。バハムートもオープニングで倒されてしまっていますが、死んでも死んでもいっぱいいます(笑)。軍が兵器として召喚獣を何体も保有しているので、そこから自分が連れて行く召喚獣を選ぶことになります。ただし、最初からすべての召喚獣の使用を許されているわけではありません。

――バトル中、訓練生が魔方陣の中に倒れながら召喚している場面がありましたが……。

田畑 それは、召喚獣は基本的に、命を差し出して呼ぶ存在だからです。呼び出された召喚獣は、時間制限はありますが、自分で操作できます。自分で操作する召喚獣は超強力で爽快ですよ。

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▲召喚を行うと訓練生の姿が消え、召喚獣を操作できるようになる。画面右側には、制限時間が。

――では、『零式』におけるクリスタルはどういう存在ですか?

田畑 4つの国の、力とエネルギーの源です。それぞれに意志があります。そしてクリスタルを守護するのが、各国のペリシティリウムです。

――ペリシティリウムは“魔導院”だということですが、これは街のようなものですか?

田畑 街であり拠点ですね。また、魔導院からは任務も与えられます。任務はミッション形式になっていて、まずワールドマップで目的地を目指し、着いたら任務が開始されます。

――なるほど。UMD2枚組という部分から、ボリュームにも期待できそうですね。

田畑 1枚に収めようとすると、やりたいことを削らなくてはならないので、2枚にしました。リアルタイムのイベントシーンをムービー化し、編集処理を施してHD機に負けないクオリティーにしているので、そこでも容量が必要になります。入れ換えは、なるべく手間にならないタイミングで行えるようにします。

――では、開発状況はいかがでしょうか。

田畑 60%です。

北瀬 手応えがあってヒリヒリするような、ゲーム本来のおもしろさを楽しめるバランスにしていきたいですね。夏発売ですので、今後どんどん情報のアップデートを加速させていきたいと思います。

田畑 ギリギリまで磨き上げていきますので、期待していてください!

――ちなみに、『零式』と同じく北瀬さんがプロデューサーを、田畑さんがディレクターを務めた『ザ・サード バースデイ』ですが、続編の可能性は?

田畑 ユーザーさんからもご好評いただき、そういった声をたくさんいただいています。『零式』を渾身のゲームに仕上げながら、機会を待ちたいと思います。

北瀬 弊社の社長は乗り気ですけどね(笑)。機会があれば、ぜひ作りたいです。

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▲PVに登場する血まみれの青年。''田畑''氏によると、あるキャラクターの親族らしいが……。よく見ると、顔が似ている!?

※ゲーム紹介の詳細は週刊ファミ通2011年2月10・17日合併号(2011年1月27日発売)をチェック!

ファイナルファンタジー零式
メーカー スクウェア・エニックス
対応機種 PSP(プレイステーション・ポータブル)
発売日 2011年夏
価格 未定
ジャンル RPG(ロールプレイング) / ファンタジー
備考 ディレクター:田畑端、クリエイティブプロデューサー&キャラクターデザイナー:野村哲也、アートディレクター:直良有祐、コンポーザー:石元丈晴、プロデューサー:北瀬佳範
(C)SQUARE ENIX CO.,LTD.All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA
※画面は開発中のものです。

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