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『ファイナルファンタジーXIV』新プロデューサー兼ディレクターに直撃インタビュー
プレイステーション3 ゲーム PC プレイステーション3版の発売が延期となったものの、開発チームの体制を一新して、さらなるクオリティーアップを目指す道を選んだMMO(多人数同時参加型オンライン)RPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)。今回は、本作の新プロデューサー兼ディレクターに就任した吉田直樹氏に直撃インタビューを行った。氏が掲げる理想やPS3版の発売時期など、気になる質問をぶつけたぞ。刮目して読むべし!
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●吉田直樹氏ってどんな人?
ハドソンで『天外魔境』シリーズのシナリオや『ボンバーマン』シリーズのゲームデザインなどを手掛けた後、2004年にスクウェア・エニックスへ入社。『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード』シリーズで、ゲームデザインやカードのテキストなどを担当していた。「ゲームの本質は、"誰がゲームを作っているかということではない"」という氏の理念から、あまりメディアに顔を出すことはなかったが、MMORPGに関してはプレイヤーとの対話が第一と考え、みずからスポークスマンを買って出た。
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『FFXIV』プロデューサー兼ディレクター |
●吉田氏の目指す『FFXIVとは』?
PC(Windows)版のサービス開始から4ヵ月が経過したところで、大きな転機を迎えた『FFXIV』。プロデューサー兼ディレクターである吉田氏に、これからの『FFXIV』について語ってもらった。
●『FFXIV』はどう変わっていくのか?
─2010年12月10日に、開発チームの一新という極めて重大な発表が行われましたが、そこへ至った経緯を教えてください。
吉田直樹氏(以下、吉田) 2010年9月にサービスを開始して以来、プレイヤーの皆さんから要望や不満点が多く寄せられていたということがあります。また、『ファイナルファンタジー』の名を冠する以上、全社を挙げてクオリティーをさらに高めていくべきだという、会社全体の方針によるところも大きいです。
─これはいつごろ決定したのでしょうか?
吉田 2010年11月の下旬ですね。
─ということは、決定してすぐに所信表明を出されたわけですね。
吉田 新たな開発チームのコアメンバーには、それよりも前から話はしていましたが、正式に決まったのが2010年11月下旬ということです。僕はもともと、ディレクターの中でも責任のある立場の人間でした。『FFXIV』の状態も気にかけてはいましたので、急にこの立場(プロデューサー兼ディレクター)が降ってきたというわけではないんですよ。
─吉田さんひとりでプロデューサーとディレクターを兼任する理由は何でしょうか?
吉田 ゲーム業界におけるプロデューサーとディレクターの境界線というのは、ものすごく曖昧なのですが、MMORPGである『FFXIV』については、発売後も運営を続けていくものなので、プロデュースワークが重要となってきます。ただ、現在プレイしていただいている皆さんの不満の声を聞いて、もっとポジティブな声に変えていくことが最優先であるので、ディレクションも重要となります。いまはスピードと正確性を重視しているため、これらふたつの仕事をひとりで受け持ったほうが効率がいいと開発コアメンバーの進言もあって、なるほどと思いました。
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●4つのキーワード
─2010年1月1〜14日の期間に"The Lodestone"(CHECK1)にて、"FUN"、"LIVE"、"REBOOT"、"REBUILD"という4つのキーワードを提示されていましたが、それぞれどういった意味が込められているのでしょうか?
吉田 まず、細かい説明をいっさい書かず、あえてキーワードのみ出していることに狙いがあります。それは、本作に注目している方たちに「これは●●のことを指しているのでは?」という話題にしてほしかったということです。こういった話題性まで含めたものがMMORPGではないかと僕は考えています。もちろん、皆さんを振り回すのが目的ではなく、誰もが"FUN"、すなわち"楽しんでほしい"と思っています。また、"LIVE"感というものも大事にしたいな、とも考えています。このLIVE感が具体的にどういうことを指しているのかは、まだ細かくは言えませんが、さまざまな仕掛けを用意していますので、楽しみにしていてください。残りのふたつは、"再起動"、"再構築"といった意味になります。これからのシステム調整や変更が、それぞれ"再構築"にあたるのか"再起動"なのか、プレイしていただきながらあれこれ想像してもらえるとうれしいです。
─なるほど。"再構築"と言えば、プレイヤーズアンケート(CHECK2)の設問で、"現在のエオルゼアのルールが変わるほどの改編を望みますか? "というものがありましたが、PC(Windows)版で遊んでいるプレイヤーのキャラクターをワイプ(初期状態からやり直し)してしまうほどの変革が行われる可能性があるということでしょうか?
吉田 僕のポリシーとしてワイプは絶対に行いません。現在のフィジカルレベルや技能のランクの意味が大きく変わるような調整を行う可能性もありますが、その場合はパラメーターの振り直しが行えるようにするつもりです。ちなみに、今回の設問は僕自身が書いたのですが、文頭はあえて"『FFXIV』の……"ではなく"エオルゼアの……"としています。「エオルゼアのルールってなんだろう?」とぜひ予想してほしいと思っています。
─アンケートに"第1回"と付いていますが、今後も実施されるのでしょうか?
吉田 はい。最初から設問を細かく分けてしまうと、皆さんの意見が分散して収拾がつかなくなってしまいますので、徐々に踏み込んでいこうかと。開発チームのスタッフは、どうしても開発に時間を食われるため、プレイのみに集中はできません。いちばんかゆいところに手が届くのはプレイヤーなので、皆さんと対話して方向性を決めれば、よりよいものになっていくと思います。
●使いやすいものは積極的に取り入れる
─アンケートの設問に"追加してほしいコンテンツは何ですか?"とありますが、選択肢のひとつ"競売所" (CHECK3)がとても具体的だと感じました。この狙いを聞かせてください。
吉田 競売所は『ファイナルファンタジーXI』(以下、『FFXI』)にあったシステムです。これまでの開発では、『"FFXIV』は『FFXI』とは違う"ということを意識し過ぎていましたが、ゲーム内の経済が活気付く条件として、プレイヤーにとって使いやすいシステムが存在しているべきです。もしそれが競売所なら、積極的に導入すべきではないかと。何でもオリジナルにすることが、必ずしも正義ではないと思います。
─ちなみに現時点(2011年1月7日現在)で、アンケートの反応はどんな感じでしょうか?
吉田 コアなプレイヤーほどアンケートに記入していただいています。すでに中身も見ていますが、14日に締め切るまで、しっかりお声をちょうだいしようかと。
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●『ファイナルファンタジー』らしさを前面に
─アンケートの結果によるかもしれませんが、吉田さんにとって『FFXIV』ですぐに変えるべきだと思うところを聞かせてください。
吉田 ユーザーインターフェース(CHECK4)ですね。そのほかの何を改善するにしても、操作まわりも同時に直さないと、プレイヤーがイライラしてしまい、よくなった部分がしっかりと伝わらないからです。あと、バトルに関する変更です。現在のエオルゼアはちょっと平和すぎますよね(笑)。皆さんが協力して強大な敵に立ち向かっていくという『ファイナルファンタジー』らしさも前面に出していこうと考えています。
─最後に、PS3版を心待ちにしている読者にひと言お願いします。
吉田 発売日が未定となり、皆さんにご迷惑をお掛けして申し訳ありません。いまプレイしていただいている皆さんに「『FFXIV』は楽しい!」と言ってもらえるクオリティーになるまでは、具体的な発売日は決められないと思っています。『ファイナルファンタジー』の名にふさわしい作品として必ずお届けしますので、ぜひ楽しみにしていてください。
●CHECK1 The Lodestone
『FFXIV』のコミュニケーションサイト。プレイガイドやバージョンアップ情報の閲覧のほか、日記の記入やプレイヤー間の交流なども行える。
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●CHECK2 プレイヤーズアンケート
2011年1月1〜14日に、The Lodestone内で行われた"第1回 ファイナルファンタジー プレイヤーズアンケート"。プレイヤーのプレイ時間や『FFXIV』に望むことなどに関する設問が提示されていた。
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●CHECK3 『FFXI』の競売所
プレイヤーが出品したアイテムを、ほかのプレイヤーが入札して購入できる。落札希望額を各プレイヤーが決めるため、ゲーム内の経済状況が変化するのが特徴。シンプルで使いやすいシステムと言える。
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●CHECK4 ユーザーインターフェース
操作方法や画面のレイアウトなど、プレイヤーとゲームの接点となる部分。ユーザーインターフェースが優れているほど、プレイヤーがストレスを感じることなくプレイが楽しめる。通称"UI"。
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メーカー | スクウェア・エニックス |
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対応機種 |
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発売日 | 発売日未定 |
価格 | 価格未定 |
ジャンル | RPG / 冒険・ファンタジー |
備考 | プロデューサー/ディレクター:吉田直樹、リードアーティスト:吉田明彦、作曲:植松伸夫、PC(Windows)版の発売と正式サービス開始は2010年9月30日、『コレクターズエディション』は2010年9月22日発売 |
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