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辻本良三プロデューサーに直撃取材!【『MHP 3rd』発売日リポート】

PSP ゲーム
カウントダウンイベントが終了した直後、『3rd』の辻本良三プロデューサーに直撃取材を敢行。発売開始直後の心境を聞いた。

●やらなきゃいけないことはいっぱいある!

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 無事に発売されたカプコンのPSP用ソフト『モンスターハンターポータブル 3rd』。特製PSP“ハンターズモデル”はもとより、早くもソフトが品切れになる店舗も出始めている。

 そんな、前評判通りのスタートダッシュを決めた『3rd』のプロデューサー、辻本良三氏を直撃! 発売カウントダウンイベント直後の生の声をお届けする。(聞き手:大塚角満)

辻本 お疲れ様でした! ……いやあ大塚さん、なんか今日、妙に緊張しましたわ……。
大塚 ええ!? 珍しい! いつも自然体で緊張しないって言ってるのに!
辻本 なんでやろねえ。昨日までまったく緊張してなかったんですけどね。なぜか、当日になって……。
大塚 夕べは眠れましたか?
辻本 寝れてないです。ていうかそもそも、寝る気などなかったです!(笑) 前日なので、寝るのはあきらめてました。
大塚 そっか(笑)。でもぶっちゃけ、いまどんな心境ですか? 「やっと発売日だ」って感じ?
辻本 そうだなあ……うん、「やっと」ですね。でもね、今日までは早かったんですよ。「もうすぐやなぁ」と思ってから発売日まではめっちゃ早かった。それが今日になって「やっとだ」っていう思いがこみ上げてきたんですよね。なぜかわからないんですけど。「おもしろい感覚だな」って自分のことながら思います。
大塚 自分がプロデュースしたソフトの発売日って、いつもそんな感じなんですか? それとも、今回が特別?
辻本 今回はとくに、ですね。ここまでの盛り上がりがいままでよりも大きかったからかもしれない。
大塚 僕ってずっと、週刊誌を作っているじゃないですか? なので2年以上の永い時間をかけてゲームを作っている人の心境って、ぜんぜんわからないんです。いま、どういう心境なんだろうなっていつも思う。
辻本 ああ、なるほど。プロデューサーとして複数のタイトルを見ている僕はまた違うんでしょうけど、ディレクターを始めとする現場のスタッフは、このタイトルを作り始めてから2歳も歳を重ねているんですよね。その時間ずっと、持てる力を込めてソフトを作っているんです。自分たちが費やした2年以上の時間が詰まっている作品ですから、すごく感慨深いと思いますよ。
大塚 ですよね……。
辻本 そういう意味では、やっぱりちょっとホッとできたかな。ここ数日は「早く発売してくれ!」って感じでしたもん。
大塚 力も時間も詰まった作品ですもんね。
辻本 はい。それに今回は、まだ『モンハン』を知らない層にも届けたいと思って、いろいろと大きな仕込みをしていましたからね。ハンターズモデルとか、アドホック・パーティーとのコラボとか。それらの準備がずっと続いていたので。
大塚 発売前の仕込み、すごかったですね。
辻本 そういったものがバタバタと続いていたので、時間が経つのが早く感じたのかもしれないですねえ。……まあでも、やれるだけのことはやれた、っていう感じはありますね。これもね、開発スタッフのみんなががんばってくれたことと、開発以外の方々の協力の賜物なんですけど。本当に、感謝しています。
大塚 うんうん。
辻本 でも、いまはとりあえずホッとしていますけど、いまからまたスタートしなきゃ、っていう思いも強いです。……と言いつつ、ちょびっとだけ休もうかな(笑)。気持ちの部分でね。
大塚 渋温泉に行ってゆっくり休んだほうがいいですよ。
辻本 スケジュールが調整つかなくて、まだ行けてないんですよね……。
大塚 休むのも仕事ですよ!! ……と、休めてない俺が言ってみたり(笑)。でも良三さん、前作の『2nd G』がPSP用ソフトとしては前人未到の400万本突破を達成しているじゃないですか? そのプレッシャーは?
辻本 ないですよ! いつも言ってますけど。
大塚 そう、いつもそう言う。「ものすごいプレッシャーです……」という言葉を引き出そうとしているのに(苦笑)。
辻本 あははは。前作がどんなものであろうが、僕たちはいろいろと分析し、噛み砕いて、そのときにおもしろいと思うものを作るだけですから。そういう意味で、プレッシャーはまったくないです。
大塚 そっかあ。でも今作って、なんとなくいままでの作品以上に“協力プレイ”にフィーチャーしているような気がするんですけど、どうですか?
辻本 どっちかと言うと、逆かもしれない。
大塚 あ、そうなんですか。
辻本 「協力プレイがおもしろい」っていうことはある程度確立できていると思うんです。なので今回は、ひとりのときの遊びの幅をもっと広げられないかな、って思っていたので。
大塚 オトモアイルーを2匹連れていけるとかね。
辻本 そうそう。“少人数のときの幅”ですね。これを確立することで、もっともっと可能性が広がっていくんじゃないかと思うんです。
大塚 最近、僕の読者から特徴的なお便りがたくさん届くんです。「ふたりとも60歳過ぎの夫婦ですが、楽しく狩っています」とか「狩りの女子会開いています」とかね。『3rd』の発売が近づくにつれて、こういうお便りが増えてきたんですよ。
辻本 潜在的に、そういう人がたくさんいてくれたんだろうなって思うんです。僕もそういう話をいろいろ聞いて、そういった方々もピクっと反応できる施策をやっていきたいなって思っていたんですよね。

※ここで、『3rd』を買いに来た30代半ばくらいの男性に声をかけられる。

男性 辻本さん、『3rd』楽しみにしていました! ちょっといまは買えなかったんですけど、仕事が終わったら買いに行きますので! ハンターズモデルも予約してあります!
辻本 ありがとうございます!!
男性 お忙しいでしょうけど、お身体に気をつけてがんばってください!
辻本 はい! がんばります!!

大塚 うーん、『モンハン』ぽくていいなあ……。
辻本 あはは。そうですねー。ありがたいです。
大塚 うんうん。
辻本 でもアクションゲームで、これだけいろいろな人が遊んでくれているのを見ると、単純に「いいな」って思うんです。逆に「どこまでの人がやってくれるんだろう」っていう期待も膨らむし。
大塚 本当に、『モンハン』のプレイヤー層って広がっていますよね。僕も、自分の親と同年代の人から「がんばって狩っています。楽しいです」なんていうお便りをいただくので、今回はそういった人に会いに行きたいなって思って。「こんなに『モンハン』の層って広がっているんだよ」って伝えていきたいんだよなー。
辻本 ああ、それはじつにありがたいです! 潜在的な“ハンター予備軍”という感じの人たちを、もっと奮い立たせることってできると思いますもんね。
大塚 そういう意味では、東京ゲームショウで発表した『鷹の爪』とのコラボPVは、潜在的な人たちを掘り起こす一助になりましたよね。すごくよかったもの。
辻本 そう言ってもらえるとうれしいわー。あれはいいコラボだったな、って思っているので。
大塚 ああいったライトな層にも訴求する施策、これからも期待してますからね。
辻本 そうやってプレッシャーかける(笑)。
大塚 せっかくの機会なので、言っとかないと(ニヤリ)。でもこのへんのプロモーション手段って、いかにも良三さんらしいな、って思いましたわ。
辻本 それほどゲームに興味がない人って、本当におもしろくないと見てくれないですからね。いつも藤岡(要ディレクター)が「ゲームは見て楽しい、遊んで楽しい」って言いますけど、“見る楽しさ”って絶対に必要なんですよね。
大塚 “見るゲー”ですね。
辻本 そうそう。見る側のことを考えないといけないんですよね。でもPVだけでなく、今回はコラボもたくさんさせてもらって、いい発売日を迎えられたと思います。
大塚 ホントに、いろんなところとコラボレーションしてますよね! 取材に行くのがたいへんなくらい……。
辻本 全部行ってくださいよ。コラボしている、全店舗(笑)。
大塚 行けるわけないでしょが(苦笑)。
辻本 でもまだまだ、これからですね。やらなきゃいけないことはいっぱいあるし。
大塚 そうですねー。フェスタもあるし。
辻本 そうそう。
大塚 期待してますね、本当に。
辻本 はい! もう、なんでもやりますよ。
大塚 ていうか、いっしょに狩りましょうよ。ひさしぶりに。
辻本 そうや! やりましょやりましょ。いつやります?
大塚 いつでも! 今日でも、明日でも。
辻本 …………いや今日は無理でしょ(苦笑)。コロス気か!!(笑)
大塚 あはははは! 俺もダメだ(笑)。この記事作らなきゃ……。
辻本 でもホント、おもしろいことをいろいろ考えているので、期待してて!
大塚 わかりました! ありがとうございました!

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