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『マーヴル VS. カプコン 3 フェイト オブ トゥー ワールド』プロデューサー直撃インタビュー
プレイステーション3 Xbox 360 ゲーム 2011年2月17日に発売が予定されているプレイステーション3・Xbox 360用ソフト『マーヴル VS. カプコン 3 フェイト オブ トゥー ワールド』(以下、『マヴカプ3』)。本作のプロデューサーである新妻良太氏にインタビューを敢行。キャラクター選出の理由から新システムの魅力までをアツく語っていただいたぞ。
新妻良太氏 |
――『マヴカプ3』はどのようなきっかけでプロジェクトが立ち上がったのでしょうか?
新妻良太氏(以下、新妻) 10年くらい前からカプコンは対戦格闘ゲーム中心からアクションゲーム中心にシフトしていたのですが、ここ最近もう一度「対戦格闘ゲームを作ってみないか?」という流れが社内でできまして、その中でラインアップに挙がったうちのひとつなんです。
――『ストリートファイターIV』のヒットがきっかけになって、対戦格闘ゲームを開発する動きが出たわけではないのですか?
新妻 よく言われるのですが、そういうわけではありません。じつは、それぞれ個別にスタートした企画なんです。それにマーヴルさんとの契約交渉は何年も前から行っていましたから。それがようやくまとまったというだけなんです。
――『マヴカプ』シリーズは海外のファンから圧倒的な人気を誇っていると思うのですが、海外のファンからの要望がすごかったのでは?
新妻 はい。海外のファンからの要望は毎年ありましたね。『ストリートファイターIV』の販売が世界的に好評だったこともあって「『マヴカプ』は何をやっているんだ?」、「いつ出るんだ?」という声が上がっていました。
――『マヴカプ3』の開発スタッフは『タツノコVS. カプコン』(以下、『タツカプ』)と同じなのでしょうか?
新妻 僕のように両方のタイトルに関わっているスタッフもいます。『マヴカプ3』はマルチプラットフォーム開発に適したカプコンの最新ゲームエンジン“MTフレームワーク”を使っているので、そのプログラム部分については『タツカプ』とはまったく別のスタッフが担当しているんです。それに『マヴカプ2』当時のスタッフも一部加わっています。
――え? 『マヴカプ2』のスタッフもですか? 10年も前のタイトルなので前作のスタッフは関わっていないのかと思いました。
新妻 いま、『マヴカプ2』当時の企画やディレクションを担当した人間は、違うセクションにいるのですが、そちらのセクションの仕事をしつつも、セクションの枠を超えてアドバイスをしてくれました。
――プレイステーション3&Xbox 360で開発するのは初めてだと思うのですが、前作とはまったく別ものを作っている感覚なのでは?
新妻 ぜんぜん違いますね。『マヴカプ2』はドット絵でしたが、『マヴカプ3』は3Dグラフィックということで、キャラクターモデルやエフェクトなど、すべてを一から作り直しています。アクションゲーム中心にシフトしていた10年間でカプコンが培ってきたノウハウと、かつて対戦格闘ゲームをガンガン出していたころのノウハウの両方を盛り込んで作っています。
――2Dのドット絵を3Dに落とし込むのは相当な苦労があったのではないでしょうか?
新妻 ええ、たいへんでした。2Dのドット絵をそのまま3Dモデルで表現すると、どうしてもモデルのバランスがおかしくなりますし、ドット絵ではモーションが欠けている部分がありますので、それの再現に苦労しました
――『マヴカプ2』はモーションパターンの少ない部分もありましたね。
新妻 キャラクターが多かったですからね。当時は格闘ゲームのタイトルが多かったのもあり、過去作品を最大限活用した作り方でしたが、本作は3Dで作っていますので、ベースが活かせない。かつ、格闘ゲーム以外のキャラクターが多いので、格闘ゲーム的味付けを足しながら、すべて作り直しています。
――相当数のキャラクターをイチから作り直すのはたいへんだったのでは?
新妻 ええ。『マヴカプ2』から登場しているキャラクターを『マヴカプ3』用に作り直すのも苦労しましたが、やっぱり新規で登場するキャラクターが苦労しましたね。
――格闘ゲーム以外から参戦するキャラクターもいますからね。
新妻 はい。そういったキャラクターは、技を考えるところから始めないとダメですから。ジャンルが異なると、対戦格闘ゲームに合わないものは合わない。だけど、このゲームのキャラクターだったらこの動きは絶対外せないというのがあるじゃないですか。だからそういった動きを「対戦格闘ゲームにどうやって落とし込むのか?」という部分が本当に試行錯誤でした。
――もっとも苦労されたキャラクターは?
新妻 現在公開されているキャラクターの中では、アマテラスですね。「投げはどうするんだ?」と(笑)。最後まで投げが画面上でずれたりしてたいへんでした。プログラムで制御できないので、1個1個手作業で直しましたよ。
――そういった調整部分は原作のスタッフに相談することもあるのですか?
新妻 このキャラクターはこういうことはやらない、といった表現についてのアドバイスはもらいますが、格闘ゲーム部分については基本僕らの自由に作らせてもらっています。
――格闘ゲーム以外から参戦するキャラクターを本作に落とし込むうえで意識したことはなんですか?
新妻 原作を象徴するような動きや技をしっかり再現することを意識しました。それをおざなりにすると、そのキャラクターを入れた意味がなくなってしまいますから。
※【関連ムービー】アマテラスが登場するプレイムービーはこちら
――キャラクターはどういった基準で選んでいるのでしょうか?
新妻 「『マヴカプ2』のキャラクターを新しくしよう」というコンセプトではなく、「『マヴカプ2』発売以降の10年間でカプコンが培ってきたアクションゲームの中からチョイスしたい」というのが最初のキャラクターチョイスの基準です。ただ、それだけではスタンダード、スピード、パワーといった性能面や男女比などのバランスが悪くなってしまうので、そういった部分を『マヴカプ2』のキャラクターで補った形です。
――なるほど。『マヴカプ2』に登場していたキャラクターを優先して入れるのではなく、あくまでも10年間カプコンとして培ったものを優先したんですね。
新妻 はい。レギュラーとルーキーで、ルーキーを補完して、レギュラーで保管したというわけです。ユーザーさんからすれば「これ出ないの?」、「あいつは出ないの?」という意見はあると思うのですけれど、さすがにすべてに答えることはできませんでした。まずは今回『マヴカプ3』でこれだけ出したうえで、つぎの展開があればそういった要望に答えられるようにしたいですね。
――ちなみに『モンスターハンター』のキャラクターは登場しないのでしょうか?
新妻 う〜ん、考えたんですけどね。ゲームの雰囲気が違い過ぎるので、今回は入っていません。
――マーヴル側のキャラクター選出は、どのように進めたのでしょうか?
新妻 基本的にはこちらからオファーを出しました。マーヴルのキャラクターはものすごく数がいるので、「この中から使ってください」という基準みたいなものがあるんですよ。
――なるほど。では、キャラクターの選出はスムーズに進んだんですね?
新妻 いえ、こちらの希望がそのまま通るわけではなく「こっちのキャラクターのほうがいいのでは?」、「それだったらこちらは?」といった具合に交渉が延々と続く形です(笑)。ですので最終的にはマーヴルさんの意向を大事にしています。ただ、『マヴカプ』はハチャメチャ感のあるお祭りゲームなので、全員人型のキャラクターだったり、能力がかぶったりするとつまらないじゃないですか。そういったゲームとして見せかたのバランスについては、考えています。その辺は、マーヴルさんも融通利かせてくれて「やっぱりこのキャラクターを使っていいですよ」と言っていただいたこともありました。デッドプールがそうですね。
――ほう。デッドプールはダンテの対比として選ばれたのかと思いました。
新妻 そうではなかったんですよ。もともとは枠になかったキャラクターだったんです。それが、調べれば調べるほどおもしろいキャラクターということがわかって。作り始めたらスタッフみんなが気合を入り過ぎて偉いことになりました(笑)。かなり期待していただいていいと思います。
――キャラクターを選出する会議は楽しそうですね。
新妻 いちばん幸せな会議だったかもしれません。好き勝手言えるので楽しいですよ。「俺はこいつが好きだからこのキャラクターを要望しよう」とか、「いやいやこっちのほうが人気ある」とか、自分の好きなキャラクターの言い合いになるなど、目線はユーザーさんと同じでしたね(笑)。
――最初は好き放題キャラクター候補を挙げていったんですね
新妻 そうですね。会議でドンドン名前を挙げて、そのあとディレクターがまとめるという形でした。ただ、さきほど挙げた選出のコンセプトがあったので、そんなにバラけず、そこまで時間はかからなかったです。
――どちらかというと、選出より交渉のほうがたいへんだったんですね。
新妻 はい。もちろんマーヴルさんのキャラクターはお借りするものなんですが、僕の感覚としてはカプコンのキャラクターも借りているものだと思っています。だから、カプコン内の関連部署にも「貸してくれ」と依頼してまわりましたよ。
――『マヴカプ2』には56キャラクターいましたが、本作は何キャラクター登場するのでしょうか?
新妻 全部で30体+αです。
――ということは、2010年11月30日現在で、まだ公開されていないキャラクターが10体近くいるんですね。その中にはダウンロードコンテンツとして配信されるキャラクターもいるのでしょうか?
新妻 それはこれからの発表を楽しみにしていてください。
※【関連ムービー】デッドプールのプレイムービーはこちら
――30体以上のキャラクターが登場しますが、BGMは全キャラクター分用意してあるのでしょうか?
新妻 もちろん、全キャラクター分用意しています。けっこうたいへんでしたけれど(笑)。BGMについては僕もイチからチェックしました。『ストリートファイターIV』のBGMとの差別化やアメコミスタイルにあった曲ということを考えると、なかなか決まらないキャラクターもいましたね。5、6回リテイクを出したBGMもあったほどです。
――全キャラクター分あるというのは、ものすごいボリュームですね。しかもすべて原作のBGMからアレンジしているんですか?
新妻 はい。ほとんどはそうです。アレンジの方向性としては、「とにかく壮大に」といって作らせました。「とにかく壮大に」という指示を出していたら、デフォルトキャラクターのBGMが壮大になり過ぎちゃって、ボスのBGMで困ってしまいました。いちばん壮大にしないといけないんですけど、「どうすんだよ」と(笑)。
――公式サイトで一部のBGMが公開されていますよね?
新妻 はい。発売前に公開するのは少し異例のことなんですが、公式サイトで一部の曲を公開しています。BGMは僕が注目してほしい要素のひとつなんですよ。対戦格闘ゲームの場合、プレイ中にじっくり聴けるわけではないので、ぜひ聴いてほしいですね。
――さっそく聴かせていただいたのですが、個人的にはアーサーのBGMがものすごくカッコよかったです。
新妻 あれはいいですよね。僕も個人的にはすごいお気に入りです。あれは「どういうふうにアレンジするの?」と担当に聞いたら「アーサーはロックです。しかもツインドラムで」と言われて「ロック!?」と思っていたらカッコイイものがあがってきたので、オーケーしました。
――キャラクターを作るのといっしょでBGMも自由にアレンジできたのですか?
新妻 そうですね。基本自由にできたので、その辺りはほぼサウンドスタッフに任せました。そうしたら、担当が「ボーカル曲を入れたい」と言い出して……。ボーカル曲は入れてもいいけど、マーヴルさんのチェックがたいへんだなぁと思って。英語の発音がいい人を使わないと怒られるんですよ(笑)。まぁそんな感じで自由に作らせたので、BGMはどれもいいですよ。そもそも『マヴカプ』シリーズは、たくさんのキャラクターを入れるなど、ボリューム感にこだわってきたので、今回は曲も厚くしてみた感じです。
――ちなみに、マーヴル側の曲は『マヴカプ2』のアレンジ?
新妻 そうですね。そのキャラクターが以前に登場していたときのBGMをアレンジしました。歴代シリーズをプレイされた方なら「あのときのスパイダーマンのBGMだ!」とかわかってもらえると思います。もちろん初めて聞かれる方にも気に入っていただけるはずです。
――ちょっと話が変わるのですが、ゲーム中の演出はアメコミを意識したものなのでしょうか?
新妻 はい。“アメコミが動く”が本作のデザインなんです。ですから、キャラクターはアメコミならではの陰影がバチっと入ったタッチの絵で表現しました。そのほかに「アメコミといえばなんだろう?」と考えたときに“紙”じゃないかと思いまして。そこから紙の表現、つまり、“破れる”、“切り裂く”、“燃える”、“めくれる”といった要素を演出に加えました。あとは、フォントも意識しましたね。実際にアメコミで使っているフォント会社と契約して、そのフォントを使わせてもらっています。それでアメコミの世界設定を表現しました。
――アメコミっぽさを出そうとしたのは、海外のファンを意識したからでしょうか?
新妻 いえ、そういうわけではありません。今回のコンセプトとしてコミックの表現というのがあったので、いまの形になりました。
――システムについてお伺いしたいのですが、新システムとして、チームエリアルコンボというものがありますよね。これはどういったシステムなのでしょうか?
新妻 空中に打ち上げた相手に連続攻撃を決めるエリアルレイヴが『VS』シリーズのウリだと思うんです。チームエリアルコンボは、このエリアルレイヴをチームメイトと入れ換わりながらドンドンつなげていくことができるシステムです。
――どういったコンセプトでチームエリアルコンボを追加したのでしょうか?
新妻 ひとつは、「エリアルレイヴをつなげていったらカッコイイだろうなぁ」と思っていれました。もちろんそれだけではなく、3対3というチーム戦ならではの要素、駆け引きの要素、これらを押していきたいという流れでいれました。チームエリアルコンボでチームメイトと交代しているときに、選択肢を持たせるようにしてあるんです。
――それはどのような?
新妻 チームエリアルコンボを決めている側のプレイヤーは、コマンドを入れることで相手を吹き飛ばす方向を、上、横、下の3方向から選べるんです。これに対して攻撃を受けている側のプレイヤーが攻撃側と同じコマンドを入れることで、コンボを止められるんです。
――なるほど、コンボを受けている最中でも吹き飛ばされる方向の読み合いが生じるんですね。
新妻 はい。しかも、“ダメージが高い”、“ ダメージが低い代わりにハイパーコンボゲージの増加量が多い”など、吹き飛ばす方向によって異なる効果を与えているので、読み合いがより深いものになっていると思います。
――それはおもしろそうですね。
新妻 はい。ただ、どちらかというと上級者向けのシステムだと思うので、最初はすぐに使いこなせないかもしれません。ぜひ練習してチームエリアルコンボを使った空中戦を楽しんでもらいたいですね。今回はエリアルレイヴを狙いやすくなっていると思うので。
――それはどういうことですか?
新妻 エリアルレイヴをドンドン決めてほしいので、今回はエリアルボタンを作りました。『タツカプ』では相手を空中に打ち上げるエリアルレイヴの始動技が、レバー斜め下入れ+強攻撃だったのですけれど、それだと初心者の方には難しいようだったので、ボタンひとつで発動できるようにしました。今回は、これを“SIMPLE操作”と呼んでいます。
――今回は、弱、中、強の攻撃ボタンに加えて、援護を呼ぶアシストボタンがふたつ、そしてエリアルレイヴを発動させるエリアルボタンの計6つのボタンなんですね。
新妻 はい。ボタンレイアウトは『マヴカプ2』をベースに考えました。ただ、『マヴカプ2』はボタンふたつの同時押しコマンドがあったので、それではライトユーザーさんには難しいと判断したので、現在の形にしました。
――『ストリートファイター』のようにパンチとキック、それぞれ弱、中、強の6ボタンにすることは考えなかったのですか?
新妻 カプコン社内では「『ストリートファイター』と同じボタンにしたら?」という意見があったのですけれど、「同じにする意味があるのか?」と考えるとそうでもないんですよ。あのボタンレイアウトは『ストリートファイター』のスタイルだと思うんです。たとえば、アマテラスの技は、パンチとキックじゃないですよね? だからアマテラスの動きをパンチとキックでは表現しづらいんですよ。逆に言うと無理やりパンチとキックで表現する意味がないということです。『マヴカプ』の場合、シュマゴラスとか人外のキャラクターもいるので、『ストリートファイター』と同じ6ボタンにはこだわる必要はないのかなと。
――なるほど、本作にはいちばんあった形のボタンレイアウトにしたわけですね。
新妻 はい。ただ、アシスト関係のコマンドをどうするかに悩みました。同時押しは嫌だったので、最初は『タツカプ』と同じくレバーとボタンの組み合わせだったんです。でもこのコマンドだと交代動作が暴発しやすくて……。そこで交代は交代する意思があるときに行うものだから、あえてほかとはまったく違うコマンドでもいいかもしれないということになって、それじゃあ「ボタンの長押しなら絶対間違えないよね?」と。そういった理由から交代はボタンの長押しにしました。体験プレイをされた方からも好評を受けたのでその形で落ち着きました。
――もうひとつの新システムXファクターはどういうシステムなのでしょうか?
新妻 発動すると一定時間キャラクターがパワーアップするというものです。
――パワーアップの効果にキャラクター差はあるんですか?
新妻 一部違うんですけれど、そこまで変わらないですね。最初は、ウルヴァリンだったらスピードが上がって、ハルクだったら攻撃力が上がっていくといった具合にキャラクターごとに異なるパワーアップをしていたのですが、収集が付かなくなってしまいまして(笑)。ですので、若干の差はありますが基本的にキャラクターごとの大きな変化はありません。
――キャラクターがパワーアップするということは、一発逆転が狙えるシステムということですか?
新妻 はい。3対3のゲームなので、3対1になったときに1のほうはどうやっても逆転できないと思うんですよ。でもプレイヤー心理として一矢報いたいじゃないですか。そういうシステムを作れないかなぁと考えてできたのがXファクターなんです。発動すると、ゲージが回復したり、攻撃力が上がったり、スピードが上がったり、通常ではキャンセルできない技をキャンセルできるようになったりと、かなり使い勝手のいいものになっています。最初は何回も使えるようにしていたのですが、現在は発動時の効果を大きくする代わりに1度だけしか使えないようにしました。ただ、じつはキャラクターごとに効果の差を出すかどうかを最終調整しているところです。
――個人的には効果が変わったほうがおもしろいと思うのですが……。
新妻 そうなんですよね。やりたいんですけどそれをすると、いわゆる即死コンボができてしまう可能性があるので……。ゲーム性が破綻しない程度にいじっています。
――キャラクターが多く、3対3ということで組み合わせも膨大な量になりますし、調整はかなり難しいのではないでしょうか?
新妻 はい。かなりたいへんですね。通常の技はもちろんなんですが、仲間を援護する“アシスト”の調整に苦労しています。アシストはキャラクターごとに3種類用意しているのでかなり膨大な量で……。あとはネットワーク部分の調整に時間をかけています。
――そういえば、ネットワークモードの情報がいまだに出ていないですよね? 通常の通信対戦は当然として、3対3を最大6人でプレイできるようなモードがあるとおもしろいと思うのですがいかがでしょう?
新妻 ああ、それは企画でありましたよ。3対3だからこそできる要素なので入れたいと思っていたのですが、回線の問題などクリアーしないといけないハードルが多くて今回は入れていません。このシステムだけ作るのであればできないこともないのですが、そうするとほかのコンテンツを入れられなくなってしまいますので。
――たしかに、ほかのコンテンツがおろそかになってはマズイですからね。
新妻 はい。今回はすべてのキャラクターを一から作っているので、時間的にちょっと難しかったですね。まずはベースをきっちり作って、そのうえでコンテンツ部分を足していくと考えていましたから。コンテンツが多くてもキャラクターバランスが悪くて、通信対戦がボロボロでふつうに遊べない……となったら対戦格闘ゲームとして話にならないですし。『ストリートファイターIV』もそうじゃないですか。キャラクターも通信対戦もしっかりしているという土台があったからこそ、コンテンツの充実した『スーパーストリートファイターIV』が生まれたわけですから。
――もしつぎの展開があるのなら……。
新妻 そうですね。つぎがあるとしたら、コンテンツ部分を重視したいですね。ただ、『ストリートファイターIV』と同じで、ソフトが売れないとつぎが出るかわからないですよ(笑)。
――『VS』シリーズ全体としてみると、つぎはどういったクロスオーバーが?
新妻 『VS』シリーズはやはり相手メーカーさんとの調整にものすごく時間のかかるタイトルなので、なかなかすぐに発表は難しいですね。とはいえ、『マヴカプ3』が売れれば何かあるかもしれませんね。とりあえずは、発売まで毎月このソフトで新しい発表ができるように、いろいろ仕込んでいますので、まずは『マヴカプ3』を楽しみにしてください。
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