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『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』アドベンチャーゲームの新境地!

ゲーム PSP インプレッション
2010年11月25日発売のPSP用ソフト『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』のプレイインプレッションをお届け。

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 ふだんはアクションゲームを中心にゲームをプレイしている豊泉三兄弟(次男)です。そんな筆者が今回プレイしたのは『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』。ゲーム内容をおおまかに説明すると、密室の学園内で起こる殺人事件の犯人を、“学級裁判”での議論を通して見つけ出す、というアドベンチャーゲーム。学園、裁判、推理といったキーワードを見て、ふだんあまりアドベンチャーゲームをプレイしていない筆者は「ありがちな設定だなぁ」という印象を受けた。しかし、本作のキャッチコピーを目にした途端、その印象は吹き飛ばされてしまった。そのキャッチコピーは、“ハイスピード推理アクション”。「ハイスピードな推理ってなんだ? いや、そもそもアドベンチャーゲームじゃなくて、アクションゲームなの?」と、もうさきほどまでとはうって変わってゲーム内容に興味津々といった具合になってしまった。そこで、このハイスピード推理アクションに焦点を当ててプレイインプレッションをお届けしようと思う。

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●ハイスピード推理アクションとは?

ハイスピード推理アクションはいったいどんなジャンルなのか? これを紹介するまえに、ゲームのおおまかなストーリーを紹介しておこう。本作の舞台となるのは、超高校級の能力を持った生徒たちが集う私立希望ヶ峰学園。主人公の苗木誠を含む15人の超高校級の生徒たちは、学園内で永久に生活することを強要されてしまう。この状況から抜け出す(卒業する)唯一の方法が“殺人”を犯すこと。ただし、殺人犯はほかの生徒に自分が犯人であることを知られてはならないため、事件について生徒たちが議論を交わす学級裁判で、仲間たちを欺き通す必要があるのだ。この絶望的な状況の中、“殺人なんて犯さずにみんなで協力し合い、学園から脱出する方法を探そう”という苗木誠の主張もむなしく、第1の殺人が発生してしまう……。というのが本作のストーリー設定。ここまでは密室の極限状態を舞台にしたよくある推理もののサスペンスだが、学級裁判で用いられているハイスピード推理アクションの要素が加わることで、ほかのアドベンチャーゲームとは一線を画す作品へと昇華しているのだ。

学級裁判は、殺人事件発生後、学園内の捜査を終えると学園長のモノクマによって開催される。ちなみに、モノクマは私立希望ヶ峰学園の学園長にして本作のマスコットキャラクター的な存在なのだが、どこからか現れては人の会話に割り込んできたり、人をバカにするような発言をしたりと、正直イラつかせられたキャラクターだ。声は、あの大山のぶ代が担当。ユーモアと不気味さを併せ持ったモノクマのキャラクター性を引き出した演技は必見だ。

8p1_モノクマ学級裁判説明

●リアルタイムに進行する“学級裁判”

と、話がそれてしまったので、学級裁判に話を戻すとしよう。事件について生徒たちが議論を交わし、犯人を捜し当てることになる学級裁判は、“ノンストップ議論”なるパートからスタートする。ノンストップ議論の目的は、捜査で入手した事件の手掛かり“言弾(コトダマ)”を使って、相手の主張の矛盾を論破すること。筆者は、事前に殺人現場の状況や入手した言弾(手掛かり)を自分なりに整理していたので、そこまで苦労せずに議論を乗り越える自信を持っていた……が、そんな考えは甘かった。というのも、学級裁判が質問に答えていくだけの、よくあるアドベンチャーゲームの推理パートとは違い過ぎた。ノンストップ議論をプレイした感想をひと言で表現すると“焦る”、これに尽きる。焦りから思考に狂いが生じ、単純な推理を解くことはもちろん、得意なはずのアクション操作ですらもミスを犯しかねないのだ。……と、感想を先に述べてしまったが、ひとまずルールを説明すると、ノンストップ議論では、生徒たちの発言がテキストとなって画面の右から左へ、奥から手前へなど、さまざまな方向へ流れていく。この流れる発言の中には“ウィークポイント”と呼ばれる矛盾する可能性を秘めた発言が含まれている。このウィークポイントが、収集した証拠から導き出される事実と矛盾しているかどうかを瞬時に見極め、かつ照準を定めて正しい言弾で撃ち抜かなければならない。この一連の動作が一筋縄ではいかないのだ。というのも、ノンストップ議論は文字通りノンストップでリアルタイムに進行し、休むことなくつぎつぎと発言が流れ出てくるため、プレイヤーの判断を待ってはくれない。これが予想以上に焦燥感をかき立てられる。「あれ? この発言はおかしい!?」と気付いたときには、すでにテキストが画面の半分以上を通過していて、慌てて照準を合わせ始める、なんてことはザラ。慌てている状態で的確に照準を合わせられるはずもなく、幾度となく誤って別の発言を撃ってしまう。いつしか、「アクションには自信があったのに……」と、議論に挑む前の自信は崩れ去っていた。このように、推理とアクションというふたつの異なる能力のスピードと正確さを同時に要求されるのが、ハイスピード推理アクションなのだ。推理が遅れることで照準を合わせる時間が減り、焦りを生む。この緊張感は、これまでの推理アドベンチャーゲームでは味わえないものだ。また、ひとつ付け加えると、生徒の発言はすべてフルボイスで行われる。しかも、緒方恵美、石田彰といった声優にさほど詳しくない筆者でも名前を知っている実力派のメンバーがキャストに名を連ねている。こうした豪華な声優陣によるキャラクター性をつかんだ迫真の演技が、学級裁判の臨場感をより高めているのだ。ちなみに、学級裁判はノンストップ議論がすべてではない。ほかにもキーワードを当てる“閃きアナグラム”、相手と口論をくり広げる“マシンガントークバトル”、事件の流れを組み立てる“クライマックス推理”といったモードが用意されている。

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閃きアナグラムは、シューティング要素の強いモード。制限時間内にキーワードを推理し、画面に浮かび上がる文字群の中から的確な文字を撃ち落としていく。

マシンガントークバトルは、タイミングよくボタンを押していき、相手の発言を打ち消していくモード。

コミック風のムービーで事件の流れを再現するクライマックス推理。正しいコマを抜けている部分に当てはめてコミックを完成させるのだ。

この中でもっとも筆者が気に入ったモードは、マシンガントークバトルである。タイミングよくボタンを押して、相手のセリフを打ち消していくというモードだ。勘のいい人ならもうおわかりだと思うが、プレイ感覚はリズムアクションゲームに近い。推理ゲームでありながら、リズムアクションゲームをプレイしている感覚を味わえる。「なんでいきなり音ゲー?」という、それまでとは大きく異なるゲーム性がいきなり登場したときのインパクトが強く印象に残っている。体験版ではキャラクターボイスが入っていなかったのだが、製品版ではバッチリボイスが挿入されているので期待してほしい。難易度設定を高くすると、より素早い操作が求められ、本格的なリズムアクションゲームのようになるので、自信のある人にはぜひ高難度の設定で挑戦してもらいたい。

学級裁判はノンストップ議論を中心に展開されるが、状況に応じて各モードに切り替わっていく。たとえば、議論の中であるキーワードが浮かび上がると“閃きアナグラム”へと切り替わり、相手と口論に発展した場合は“マシンガントークバトル”に突入するといった具合だ。議論の展開に併せて、その状況にもっとも適したモードへ切り替わるので、気分も否応なしに盛り上がる。このように『ダンガンロンパ』はよくあるアドベンチャーゲームとは異なり、推理だけではなく、シューティング、リズムアクションと、さまざまなアクション要素が詰まった、アドベンチャーゲームの新たな可能性を示している作品なのだ。

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●プレイヤーの間口を広げる親切なシステム

ここまでの学級裁判の紹介を読んで、「推理は好きだけどアクション要素が難しそうでちょっと……」と不安に思った方もいるはずだ。実際に筆者も、初回プレイ時の議論では矛盾を言弾で撃ち抜けないこともあった。しかし、ノンストップ議論は制限時間内であればくり返し挑戦できるのである。つまり、言弾を撃たずに一度議論に目を通すことで、発言をじっくり吟味し、撃ち抜くべき発言の位置を確認してから再度議論に挑むということができるのだ。さらに、議論の速度を一時的に下げるスキルや、一度議論を見るとヒントも得られるので、2週目以降の議論の難度は格段に下がるといえる。実際に筆者は、スキルやヒントを駆使することで、2、3週目で矛盾を指摘し論破できていた。

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さらに、推理とアクション、それぞれの難易度設定を3段階から選択できる。難度を下げればヒントの数の増加や、アクションを失敗した際に受けるダメージが減る。自分に合った難易度設定に調整しながらプレイするといいだろう。ちなみに筆者は考えるのが苦手なため、推理の難度を下げてプレイしたせいか、どうしても答えがわからなくてクリアーできないということはなかった。こうした難易度調整や親切なシステムの数々は、プレイヤーの間口を広げようという開発者の熱意の表れに違いない。

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議論は×ボタンを押すことで早送りできる。ひと通り議論に目を通しておき、目星をつけた発言まで一気に早送り。そして議論の速度を下げて矛盾を撃ち抜くといった手法がおススメ。

●感情移入を深める“自由時間”

学級裁判を盛り上げる要素のひとつとして忘れてはならないのが、事件発生前に与えられる自由時間。これが本作に深みをもたらしている重要なパートといえる。どのようなパートかというと、その名の通り生徒の誰かといっしょに自由時間を過ごすことができるのだ。つまり、お気に入りのキャラとともに過ごし、親交を深められるというわけ。しかも購買部にある“モノモノマシーン”なるガチャガチャで入手したアイテムをプレゼントできるのだ。「それ、なんて恋愛シミュレーションゲーム?」という感じの要素まで用意されているのである。好感度を上げれば、もちろんメリットもある。ゲームを有利に進められるスキルが得られるうえ、その生徒の私立希望ヶ峰学園入学前のエピソードなどを聞くこともできるのだ。彼女が入学前に何をしていたのか? どういった秘密を持っているのか? といった背景を知っているのと知らないのでは、学級裁判時の感情移入度は段違い。ちなみに、筆者はお気に入りの生徒と自由時間をいっしょに過ごして仲よくなったのだが、その直後に殺されてしまった(笑)。「え!? マジ? 嘘!? せっかく仲よくなったのに!」という感じで、このときのショックは計り知れないものがあった。もちろん、必死に推理をしましたよ。

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推理とアクションを融合したこれまでにはないジャンル、“ハイスピード推理アクション”。『ダンガンロンパ』は、このキャッチコピーのもとにアドベンチャーゲームの新境地を開拓した作品だと思う。完全新規のタイトルかつ、斬新なシステムということで食わず嫌いになりがちだと思うが、斬新なキャラクターデザイン、豪華な声優陣、ゲームの雰囲気、学級裁判、きっかけはなんでもいいので、気になる要素がひとつでもあれば、ぜひ手に取って遊んでみてほしい

●著者紹介 豊泉三兄弟(次男)
ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』記事担当の週刊ファミ通編集者。ふだんは対戦格闘ゲームを中心にプレイしている。

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